柴胡加竜骨牡蠣湯

20022/8/26

柴胡加竜骨牡蠣湯

柴胡加竜骨牡蠣湯:柴胡5 黄芩3 半夏4 生姜3 人参3 茯苓3 大棗3 桂枝3 竜骨3 牡蠣3 大黄1:肝陽上亢・肝風内動・のぼせ・めまい・肝気鬱結、心腎不足(腎虚のために体が重だるいが特徴)、心陰虚のため不安感や動悸が特徴):以上三大特徴を憶える。

柴胡加竜骨牡蠣湯の理気作用:柴胡+白芍びゃくしゃく(疏肝理気)、柴胡+半夏(疏肝理気と降逆下気)、生姜+桂枝(和胃理気)、柴胡+生姜(疏肝理気と和胃理気)には理気作用がある。

柴胡:苦微寒:理気作用がある・解表・解熱・疏肝解鬱・升挙陽気:気の流れを正し解表解鬱する。

生姜:発汗解表・温中止嘔・半夏の毒性の解毒(製半夏にする)

柴胡加竜骨牡蛎湯の 桂枝:辛甘温:発汗解表・温通経脉・通陽化気・通陽利水。

痰飲を除去するだけでは、本治(根本的な治療)たりえない。そこで、桂枝によって、脾胃の陽気を補い(温陽化気)、痰飲発生の原因に対応する。

甘草は、諸薬を調和する。また桂枝・白朮に協力して、脾胃の陽気を補う(益気和中)。

理気作用:疏肝理気・和胃理気・降逆下気げきの法を用いる。

柴胡加竜骨牡蠣湯の竜骨:渋涼:鎮静安神(重鎮安神:不安感・動悸を治す)・固精・平肝潜陽:肝鬱と肝陽上亢を治す。

柴胡加竜骨牡蠣湯の牡蠣:重鎮安神(不安感・動悸を治す)・平肝潜陽(肝鬱と肝陽上亢を治す)・収斂固渋・軟堅散結・制酸止痛

柴胡加竜骨牡蠣湯の人参:大補元気・安神益智(不安感・健忘を治す)・健脾益気(脾虚と乏力を治す)・生津

柴胡加竜骨牡蠣湯の 茯苓:甘平:利水滲湿・健脾和中・寧心安神(不安感・動悸を治す):健脾安神薬

柴胡加竜骨牡蠣湯の桂枝:辛甘温:発汗解表・温通経脉(心不全・心陽虚の動悸を鎮める)・通陽化気(理気作用:経絡の陽気を通じ元気を増す)・通陽利水(胸部の逐水作用)。

栝楼薤白白酒湯:理気袪痰・通陽散結:栝楼仁2 薤白6 白酒30ml:湿痰による胸痺に使用。

栝楼薤白半夏湯:気滞血瘀による胸痞に:栝楼実3 薤白4 半夏6 三味に濁酒40ccに水400ccを加え煮て200ccに煮詰め3回に分服。

柴胡加竜骨牡蠣湯の病理は、心腎不足であるので、だるく(腎虚)・不安感や動悸や悪夢(竜骨・牡蠣・人参・茯苓)・脾虚(人参+茯苓+大棗+生姜)、肝気鬱結でイライラ(柴胡+黄芩)・肝陽上亢で雲の上をふわふわと歩く感じのめまい・のぼせ。(心腎陰虚:天王補心丹)(心腎不足:黄連阿膠湯・柴胡加竜骨牡蠣湯)

龍骨・牡蠣の重鎮安神作用により、柴胡加竜骨牡蠣湯は心腎不足の不安・動悸・不安感を伴う不眠を取り除く。(比較:酸棗仁湯:心血虚・心肝火旺に養心安神・清熱除煩(腎虚は無い):酸棗仁5 茯苓5 知母3 川芎3 炙甘草1):思慮過度して生ずる心肝火旺による、のぼせ・イライラや不安感・不安による不眠を鎮める)。

心腎不交 の症状:心陰虚の一種:焦躁感・睡眠時不安・不眠・動悸・手足の火照り・口乾・顔面紅潮・のぼせ・夢精・鬼交、頭暈、神経疲労・耳鳴・難聴・目花もっか・小便黄赤で量少・排尿時に熱感:黄連阿膠湯・柴胡加竜骨牡蠣湯。

目花もっか:かすみ目

目内障もくないしょう:目内に翳膜が生じ、これが視線をさえぎり物をはっきりみえなくさせ、ひどい時は失明してしまう。肝腎の虚あるいは肝胆の風熱上攻によりおこる。

補気薬の人参:大補元気・安神益智・健脾益気・生津せいしん:潤いを生じる。のぼせる、人参でアトピー性皮膚炎は悪化するので真武湯を用いる。  

柴胡加竜骨牡蠣湯:肝風内動:頚項部の強直・眼瞼や口唇や舌や手指のふるえ・言葉がつかえる・四肢麻木しびれ・手足の痙攣・意識障害など:平肝熄風・育陰潜陽:柴胡加竜骨牡蠣湯・羚羊角湯・大定風珠。

冷羊鈎藤湯:肝陽化風に清熱熄風:羚羊角1 釣藤鈎6 桑葉3 川貝母4 竹筎4 生地黄6 白芍6 菊花4 茯神3 炙甘草1。

肝風内動の半身麻木の病理:肝が昂ぶり肝陽が亢進して化風し(内風が生じ肝風内動となる)、肝風が経絡を失調させ、経絡が栄養されずに発症する。怒りや驚きなどの情緒変動に関連して発症することが多い。

肝風内動(脳卒中の症状に似る):頚項部の強直・眼瞼や口唇や舌・手指のふるえ・言葉がつかえる・四肢麻木・手足の痙攣・意識障害など:平肝熄風・育陰潜陽:柴胡加竜骨牡蠣湯・羚羊角湯・羚羊鈎藤湯・大定風珠(製品無し)

冷羊鈎藤湯:肝陽化風に清熱熄風する:羚羊角1 釣藤鈎6 桑葉3 川貝母4 竹筎4 生地黄6 白芍6 菊花4 茯神3 炙甘草1:製品は無い。

冷羊鈎藤湯の羚羊角・釣藤鈎により涼肝清熱・平肝熄風の効果が得られる。

冷羊鈎藤湯の 釣藤鈎ちょうとうこう:甘微寒:熄風定驚・平肝清熱・軽清透熱:のぼせを取り熄風する。

抑肝散の釣藤鈎3 柴胡2 川芎3 当帰3 白朮3 茯苓4 甘草1.5 半夏3 陳皮3:平肝熄風・補血活血・燥湿化痰・理気:癭瘤えいりゅうに。

冷羊鈎藤湯の軽清宣透の桑葉・菊花は、平肝熄風・清散肝熱・清肝明目の効果がある。

桑茶は夏の肺熱を清し肺を潤し・風熱を冷まし、清肝してイライラを軽減し、清肝明目で眼精疲労を回復する。枇杷葉茶もよい。

夏バテには枇杷の葉茶が有効で小便が出て、浮腫がとれ夏バテ食あたりを防ぐことができる。江戸時代は薬屋の前に枇杷葉を煎じた大釜があり、通行人が夏バテ防止で勝手に飲んでいた。

冷羊鈎藤湯の菊花:疏散風熱・清熱明目・清熱解毒・平肝陽:杞菊地黄丸:肝腎陰虚:滋補肝腎・清肝火・明目:高血圧症・自律神経失調症:月経異常・頭痛・目糊ぼやける・目花もっかかすむ・視力減退・不妊。

杞菊地黄丸:枸杞子・菊花・沢瀉・茯苓・牡丹皮・地黄・山茱萸・山薬:枸杞子+菊花+六味丸:目花・めまい・腎陰虚の症状:高血圧症・自律神経失調症・月経異常や不妊(腎虚)・頭痛や目糊や視力減退(肝陰虚の症状)。

肝陰虚の症状:眩暈・頭痛・目花・目の乾燥・夜盲・月経停止・月経減少。

杞菊地黄丸の枸杞子:クコの実:滋補肝腎・生精血・明目:杞菊地黄丸:滋補肝腎・清肝火(肝鬱化火を冷ます:自律神経失調症に適応)・明目。

冷羊鈎藤湯の川貝母:ユリ科川貝母の鱗茎:潤燥化痰・化痰解鬱・肺陰虚に:切れにくい痰を潤して袪痰する作用:肺熱を冷やし潤す川貝母:苦寒:潤燥:ユリ科川貝母アミガサユリの鱗茎:潤燥化痰:慢性の咳嗽:肺陰虚:咽乾・煩熱・痰少・血痰・胸部や上腹部が脹って苦しい・食欲不振:薬性がおだやかなので慢性の咳嗽に使う。

冷羊鈎藤湯の竹筎ちくじょ:イネ科ハチクの第二層皮:甘微寒:肺胃経:清熱化痰・止嘔:竹筎と淡竹葉の比較:竹筎は胃熱を冷まし、淡竹葉は心火をさまして煩熱を除く

柴胡加竜骨牡蛎湯は、肝気鬱結を解消し(柴胡+半夏と生姜+桂枝:理気作用)、肝胆の熱をさまし(柴胡+黄芩)、肝陽の上亢・肝風をおさえ、神気を鎮め脾胃に対する考慮(人参・大棗・生姜・桂枝)もあり、使いやすい方剤となっている。

柴胡加竜骨牡蠣湯:柴胡5 黄芩3 半夏4 生姜3 人参3 茯苓3 大棗3 桂枝3 竜骨3 牡蠣3 大黄1:肝陽上亢・肝風内動・のぼせ・めまい・肝気鬱結(体が重だるい、不安感、動悸)

柴胡加竜骨牡蠣湯:この処方の帯下は腎虚の症状:腎虚の生薬の龍骨・牡蠣には、固渋作用がある。汗・小便・大便・精液・帯下などの流出を止める。汗っかきの人に適応する:暑い所での多汗倦怠には生脈散。普段から多汗は防已黄耆湯。肝鬱脾虚で心腎不交・肝風内動の多汗には柴胡加竜骨牡蠣湯。

帯下たいげ:補中益気湯(脾気虚)、生理時の帯下に(痰飲)六君子湯や当帰芍薬散、柴胡加竜骨牡蠣湯(肝鬱・脾虚:竜骨・牡蠣の固渋作用)、温清飲(血虚と全身や心身の化熱)

温清飲は、月経病では帯下では、手足のほてる人(手足煩熱)や顴紅がある人(陰虚症状)、つかれると不安感がでる人に使う。

四物湯は陰虚の薬である。

柴胡加竜骨牡蛎湯:疏肝清熱・潜陽安神:円形脱毛症に応用される

円形脱毛症:脱毛が、肝鬱が原因なら加味逍遙散・大柴胡湯・柴胡加竜骨牡蠣湯・陽虚腎虚血虚が原因なら桂枝加龍骨牡蠣湯合四物湯

桂枝加龍骨牡蠣湯:不安感・冷え症・竜骨・牡蠣があるので、多汗・小便頻数・軟便下利・帯下の人に適応。

痰飲(癭瘤・しこり・甲状腺腫がある)を兼ねる場合には、半夏厚朴湯を合方し加味逍遙散合半夏厚朴湯・柴胡加竜骨牡蠣湯合半夏厚朴湯とする。

柴胡加竜骨牡蛎湯:痙攣をともなう疾患。癲癇てんかん、小児の夜啼き・ひきつけ:肝陽上亢・肝胆鬱熱を冷まして(柴胡+黄芩)治す。

皮膚科の医者は円形脱毛症に桂枝加龍骨牡蠣湯を処方しているが効かない場合が多く、血虚なら四物湯を合方、肝鬱が原因なら加味逍遙散・大柴胡湯や柴胡加竜骨牡蠣湯が適応する。

桂枝加龍骨牡蠣湯:ものに驚くと、発作的に動悸が始まり、脈が速くなるもの(柴胡加竜骨牡蠣湯も)

平胃散の主治:脾胃陽虚・痰飲内停:眩暈、心悸、或は短気(息切)・咳嗽多痰、頭重痛、疲労倦怠、手足冷、胸脇脹満、心下逆満、胃部振水音、大便溏(軟便・下痢)、小便不利:鎮痛剤。

平胃散:理気化湿・和胃:蒼朮4 厚朴3 陳皮3 大棗2 生姜 1 甘草1。

心腎不交(柴胡加竜骨牡蠣湯・黄連阿膠湯)の者は夢精し、頭暈、心悸や神経疲労や不安感や悪夢(心陰虚)・小便黄色・小便量少で熱感(腎陰虚)がある。

黄連阿膠湯:心腎不交:黄連3 黄芩2 白芍3 阿膠3 鶏子黄1個(小太郎製薬に分包品あり。ボトル製品は年一回注文受け付け):心腎不交の症状:心陰虚の一種:焦躁感・睡眠時不安・不眠・動悸・手足の火照り・口乾・顔面紅潮・のぼせ・夢精・鬼交(夢で鬼と性交する)、頭暈、神経疲労・耳鳴・難聴・目花・小便黄赤で量少・排尿時に熱感:黄連阿膠湯・柴胡加竜骨牡蠣湯が適用。

心腎不交:柴胡加竜骨牡蠣湯・黄連阿膠湯

黄連阿膠湯の黄連:清熱燥湿・瀉心火・解毒:冷やし乾かし解毒・安神作用。

黄連阿膠湯の黄芩:苦寒:清熱燥湿・瀉火解毒・安胎:柴胡+黄芩で肝胆湿熱とイライラをとる。黄連+黄芩で、心火(不安感)・胃火・胆熱を冷ます。

半夏瀉心湯は、黄連1・黄芩3で、心火(不安感を治し)・胃火(胃熱の食べすぎを解消)・胆熱を冷やし(イライラを鎮める安定剤)、乾姜(大熱性)で腸を温める。

心腎陰虚(天王補心丹)は、疲労や慢性病などが原因の水気不足による虚熱発生の状態から生ずる、眩暈・耳鳴・口乾・体の熱感・腰重・遺精・盗汗・舌紅無苔の腎陰虚症状に、不眠・動悸・頻脈・健忘(緩やかな認知症)・多夢・甲状腺機能亢進症・自律神経失調症などの心陰虚症状を伴う:心腎陰虚の天王補心丹は心身の疲労状態に使える。

柴胡加竜骨牡蛎湯:夜も不安感であまり眠れず、よく夢を見て、うわごと(譫語せんご・ウーとか大きな寝言)を言う。

柴胡加竜骨牡蛎湯:肝気鬱結・心腎不足で、体がだるく(腎虚の症状)、不安感や毎晩いやな夢や動悸(心陰虚の症状)、がある人は、柴胡加竜骨牡蠣湯である:肝陽上亢・肝風内動:のぼせ・イライラ・めまい。

柴胡加竜骨牡蛎湯:疲れ易く、胸満し、いつもイライラして怒りっぽく、落ち着きがない。ものに驚きやすく、音や光、あるいは何かの刺激によって驚き、動悸が始まる。光による癲癇。

2023/1/7 1/10 1/13改訂

柴胡加竜骨牡蠣湯

柴胡加竜骨牡蠣湯:柴胡5 黄芩3 半夏4 生姜3 人参3 茯苓3 大棗3 桂枝3 竜骨3 牡蠣3 大黄1:心腎不足・肝陽上亢・肝風内動・のぼせ・めまい・肝気鬱結(三大特徴:体が重だるい、不安感、動悸):生姜・半夏は脾胃の気虚から生じた痰飲を除く、同時に胃気の上逆(吐き気・嘔逆・つわり)を引き下げる。

柴胡加竜骨牡蠣湯の病理は、心腎不足(心腎陰虚は天王補心丹)で心陰虚の一種であるのでだるく・不安感・動悸・悪夢・肝気鬱結でイライラ・肝陽上亢で雲の上をふわふわと歩く感じのめまい・のぼせ。

柴胡加竜骨牡蛎湯:疲れ易く、胸満し(少陽病の胸脇苦満)、いつもイライラして怒りっぽく、落ち着きがない。ものに驚きやすく、音や光、あるいは何かの刺激によって驚き、動悸が始まる。

柴胡加竜骨牡蛎湯:夜も不安感であまり眠れず、よく夢を見て、うわごと(譫語せんご・ウーとか大きな寝言)を言う。

柴胡加竜骨牡蛎湯:肝気鬱結・心腎不足で、体がだるく(腎虚)、不安感や毎晩いやな夢や動悸(心陰虚)がある人は、柴胡加竜骨牡蠣湯である:肝陽上亢・肝気鬱結・肝風内動:のぼせ・イライラ・めまい。

肝風内動(脳卒中の症状、又は似た病態):頚項部の強直・眼瞼や口唇や舌・手指のふるえ・言葉がつかえる・四肢麻木しびれ・手足の痙攣・意識障害など:治療は平肝熄風・育陰潜陽する:柴胡加竜骨牡蠣湯・羚羊角湯・大定風珠。

大定風珠だいていふうじゅ:陰虚生風に滋陰熄風:生地黄8しょうじおう 白芍8 麦門冬8 牡蛎4 鼈甲べっこう4 亀板8 炙甘草4 阿膠3 五味子2 麻子仁2 鶏子黄1個。

心腎不交(柴胡加竜骨牡蠣湯・黄連阿膠湯)の者は、夢精し、頭暈、心悸、神経疲労・不安感・悪夢・小便黄色・小便量少で熱感がある。

桂枝加龍骨牡蠣湯:ものに驚くと、発作的に動悸が始まり、脈が速くなるもの(柴胡加竜骨牡蠣湯も同じように動悸が始まる)。

桂枝加竜骨牡蛎湯けいりゅうぼ:桂枝湯+竜骨・牡蠣各3g:、不安感がありよく夢をみる人、鬼交夢交の人:精神不安と手足の冷えが同時にある人に使う:受験生の不安感・手足の冷えに使える。

加味逍遙散;肝鬱化火(肝火上炎の 軽症・肝陽上亢)・脾虚・湿邪・血虚:柴胡 芍薬 薄荷 当帰 牡丹皮 山梔子 茯苓 白朮 生姜 甘草.

大柴胡湯:和解半表半裏・肝火上炎(竜胆瀉肝湯)・肝気鬱結・胃実熱・心下痞硬に対し理気止嘔・瀉下熱結する:柴胡6 黄芩3 白芍3 半夏4 生姜4 大棗3 枳実2 大黄1:傷寒論の少陽病と陽明病の合病に適応:少陽病の七大症を示し強いイライラによる解鬱化火(竜胆瀉肝湯)を治す。

柴胡証の七症:往来寒熱・胸脇苦満・口苦・咽乾・目眩・黙黙不欲飲食・心煩喜嘔のどれか一症あれば使用可:七症を記憶すること。

竜胆瀉肝湯:肝火の症状:目の充血や腫脹疼痛・口苦・咽乾・頭脹痛・顔面紅潮・煩躁・とても怒りっぽい:疏肝解鬱・瀉火・利湿・補血:竜胆草 柴胡 黄芩 山梔子 木通 車前子 沢瀉 当帰 地黄 甘草。

竜胆:苦寒:肝胆胃膀胱経:清熱解毒・燥湿通淋(竜胆瀉肝湯):肝胆の相火と肝胆湿熱(肝炎・陰部症状)を瀉す要薬。

柴胡加竜骨牡蠣湯の病理は、心腎不足であるので、だるく・不安感・動悸・悪夢・肝気鬱結があるのでイライラ・肝陽上亢で雲の上をふわふわと歩く感じのめまい・のぼせ:柴胡5 黄芩3 半夏4 生姜3 人参3 茯苓3 大棗3 桂枝3 竜骨3 牡蠣3 大黄1。

龍骨・牡蠣の重鎮安神作用により、柴胡加竜骨牡蠣湯は心腎不足の不安・動悸・不安感を伴う不眠を取り除く。

柴胡加竜骨牡蛎湯:痙攣をともなう疾患。癲癇てんかん、小児の夜啼き・ひきつけ:肝陽上亢・肝胆鬱熱を冷まして乾かす。

肝気鬱結で、体がだるく、不安感や毎晩いやな夢をみたり、動悸がある人は、柴胡加竜骨牡蠣湯である:肝陽上亢・肝風内動・のぼせ・イライラ・めまい:心腎不足では怠く・不安・動悸となる。

肝陽上亢の症状:イライラ・易怒いど・頭痛・めまい・面紅・目赤・口乾・脈弦・舌質紅・不眠・動悸・腰重・下肢無力感ふらふらフワフワ・脈細数・陰虚症状:治療は滋陰平肝する:加味逍遙散・柴胡加竜骨牡蠣湯・抑肝散加陳皮半夏・杞菊地黄丸・天麻鈎藤飲。

陰虚は、疲労や慢性病などが原因の水気不足による虚熱発生の状態である:陰虚の症状:顔がのぼせ・目赤・イライラ・顴紅・口が乾き・手足がほてる・夕方悪化・五心煩熱・寝汗・消渇では痩せてくる。

麦門冬湯:滋陰益気・補益肺胃(胃陰虚に適応)・降気:麦門冬10 人参2 製半夏5 炙甘草2 粳米5こうべい 大棗3:口乾の吃逆きつぎゃくに一服で効く:消渇病で多食善飢だが体重減少がある陰虚の糖尿病に適応する。

痰飲(癭瘤・しこり・甲状腺腫がある)を兼ねる場合には、半夏厚朴湯を合方し加味逍遙散合半夏厚朴湯・柴胡加竜骨牡蠣湯合半夏厚朴湯とする。

帯下おりもの:補中益気湯、生理時の帯下に六君子湯・当帰芍薬散・温清飲・腎虚の帯下は柴胡加竜骨牡蠣湯。

柴胡加竜骨牡蠣湯:この処方の帯下は腎虚の症状:龍骨・牡蠣には、固渋作用がある。汗・小便・大便・精液・帯下などの流出を止める。

柴胡加竜骨牡蛎湯:疏肝清熱・潜陽安神:円形脱毛症;肝鬱が脱毛の原因なら加味逍遙散・大柴胡湯・柴胡加竜骨牡蠣湯・血虚があるなら、加味逍遙散合四物湯、柴胡加竜骨牡蠣湯合四物湯、桂枝加龍骨牡蠣湯合四物湯。

柴胡加竜骨牡蛎湯は、肝気鬱結を解消し(柴胡+半夏と生姜+桂枝は理気作用)、肝胆の熱をさまし(柴胡・黄芩)、肝陽の上亢・肝風をおさえ、脾胃に対する考慮(人参・大棗・生姜・桂枝)もあり使いやすい処方である。

柴胡加竜骨牡蠣湯:柴胡5 黄芩3 半夏4 生姜3 人参3 茯苓3 大棗3 桂枝3 竜骨3 牡蠣3 大黄1:肝陽上亢・肝風内動・のぼせ・めまい・肝気鬱結(体が重だるい、不安感、動悸)。

柴胡加竜骨牡蛎湯:頭が痛い・頭が重い(半夏厚朴湯)、のぼせ、眩暈、耳鳴り、肩こりなどを訴える。頭が重く足が軽く(頭重足軽)、まるで雲の上をあるいているようだという。常習性頭痛、高血圧症。

柴胡加竜骨牡蠣湯:頭重足軽でフワフワと歩く。

肝風内動(脳卒中に似た症状):頚項部の強直・眼瞼や口唇や舌手指のふるえ・言葉がつかえる・四肢麻木・手足の痙攣・意識障害など:平肝熄風・育陰潜陽:柴胡加竜骨牡蠣湯・羚羊角湯・羚羊鈎藤湯・大定風珠。

熄ソク:きえる・うずみび・やむ・おわる・きえてなくなる。

大定風珠だいていふうじゅ:陰虚生風せいふう に対して滋陰熄風する:生地黄8しょうじおう 白芍8 麦門冬8 牡蛎4 鼈甲4 亀板8 炙甘草4 阿膠3 五味子2 麻子仁2 鶏子黄1個。

生地黄しょうじおう・白芍・生甘草せいかんぞうは、酸甘化陰により滋陰増液し、柔肝舒筋の効果がある。

清骨散の鼈甲:スッポン科シナスッポンの背部甲羅:滋陰・清熱・破血・軟堅・散結。

亀板:ツチガメ科クサガメの腹部甲羅・背部甲羅:滋陰潜陽・強筋骨・涼血補血・止血。

柴胡加竜骨牡蛎湯:狂癇の二症は、また当に胸脇苦満、上逆、脇腹動悸等を以って目的となすべし。「類聚方広義」尾台榕堂 著

上逆:上衝発作:気が下部から上部に衝き上がり不快を感ずる状態。気が小腹より心に上衝する類をいう。ヒステリー球などでは失神卒倒する。

円形脱毛症・ふけ症:大柴胡湯・加味逍遙散・柴胡加竜骨牡蠣湯・桂枝加龍骨牡蠣湯・桂枝加龍骨牡蠣湯合四物湯。

柴胡加竜骨牡蛎湯:癇証にて、時々寒熱交作し、鬱鬱悲愁、多夢少寐、あるいは人に接するを悪み、あるいは暗室に屛居ヘイキョし、殆ど労瘵ろうさい の如き者を治す。ひきこもりの昼夜逆転に使える。

労瘵ろうさい:伝染性の慢性消耗性疾患。肺結核など。

柴胡加竜骨牡蛎湯:肝鬱生風(内風を生ず)・脾虚痰飲:胸脇満悶、煩躁易怒、驚惕不安きょうてき、脇腹悸動きどう(動悸)、頭重足軽、不安感から不眠多夢、譫語せんご(寝言が大きい)、疲倦(疲れ易い)。

柴胡加竜骨牡蛎湯:狂症にて、脇腹の動甚だしく、恐懼きょうく して人を避け、兀坐ゴツザして独語し、昼夜寐ねず、あるいは猜疑多く、あるいは自ら死せんと欲し、床に安ぜざる者を治す。

兀坐ゴツザ:動かずじっと坐る。

傷寒八九日、これを下し、胸満し煩し驚し、小便利せず、譫語し、一身尽ことごとく重く、転則ねがえり す可からざる者は、柴胡加竜骨牡蛎湯これを主る。

柴胡加竜骨牡蛎湯:動悸、不眠、驚きやすいなどを訴える、甲状腺機能亢進症。

甲状腺機能亢進の症状:過剰な発汗で乾燥肌で皮膚が熱い・暑がり・心拍数と血圧の上昇・動悸・不整脈・神経質や不安感でイライラしけんかっ早い・軟便下利・眼球突出・代謝亢進で活動的、不眠、体重減少。

柴胡加竜骨牡蛎湯:疏肝清熱・潜陽安神(肝鬱化火を清熱し、肝陽上亢を鎮め心神を安らぐ)

柴胡加竜骨牡蠣湯の柴胡・生姜も疏肝理気作用。

柴胡加竜骨牡蠣湯:地の底に落ちて行くような感じがする。(少陽病(小柴胡湯)は、あまり寝られなくてウトウトする程度だが、少陰病(真武湯)では地面に吸い込まれるような脱力感でただひたすら眠い。

柴胡加竜骨牡蠣湯:ひとりで外出できない。ひきこもり。

肝鬱久しければ癇証となる。婦人別して肝鬱 并ならびに に癇症多し。此湯(柴胡加竜骨牡蛎湯)を識得しりえ 里会りかい すれば、当今の雑病を療するに難からず。

柴胡加竜骨牡蛎湯:此の数症の中うち、胸満(胸脇苦満)が主症にして、煩驚、小便不利が客症なり。・・・・故に此の方を用ゆる標準は、胸満なり。

柴胡加竜骨牡蠣湯:自律神経失調症・神経症・心臓神経症・パニック障害(心腎陰虚の天王補心丹も適応)・発作性頻脈・高血圧症・甲状腺機能亢進症・柴胡加竜骨牡蠣湯:不眠症で 心肝火旺・脾気虚・痰湿を呈するものに適応。

柴胡加竜骨牡蛎湯:平素からつまらないことが気になり、イライラして落ち着きがなく、疲れやすく不安感が強い。

柴胡加竜骨牡蠣湯:不安神経症・対人恐怖症・高所恐怖症・強迫神経症・胆虚で気が小さい人・心臓神経症・脳動脈硬化症・高血圧症。

肝火や肝陽上亢の体質:肝風内動や脳卒中に注意すべきである。肝火や肝陽上亢を治療し脳卒中を予防する:天麻鈎藤飲・加味逍遙散・大柴胡湯・柴胡加竜骨牡蠣湯・抑肝散・竜胆瀉肝湯。

柴胡加竜骨牡蠣湯の竜骨:渋涼:鎮静安神(不安感・動悸を治す)・固精・平肝潜陽(肝鬱と肝陽上亢を治す)