瘀血とは?

瘀血とは?

瘀血の症状:腹部の腫塊・蓄血し発狂。生理時のイライラが強烈な狂症や生理時の盗癖・面色暗・皮膚青紫色で鱗状に乾枯・おろし金状の鮫肌・夜間悪化・夜間悪化の腹痛や胃痛や心筋梗塞や膝痛・固定痛でズキンズキンという刺痛・拒按・実証温めても冷やしても改善しない・紫色の血塊・小腹硬満・少腹痛で夜間悪化・胸脇痛・閉経・大便黒色・舌紫暗瘀点や舌の両側が青紫色・乳房の青筋や青味を帯びる・腹部の青い静脈・肝硬変・足の踝より下面の青筋や暗色の筋・目の下の暗色の隈・切り傷(田七末を散布で鎮痛)。

乳房の一点だけ生ずる刺痛は瘀血である。乳房の周りに生じ、乳房の血管は青味を帯びている。

乳房の外側周囲に「しこり」があり、上腕痛や挙上不能や肩こりが酷かったり、肩が重苦しいときは、乳癌のおそれがあるので、五十肩と間違えない様に。

腹部の青い血管も瘀血である。肝硬変が進行すると、お腹の皮膚の静脈が膨れ上がり、放射状にコブのような模様を作る。これを「メドゥーサの頭」という。静脈瘤には、桂枝茯苓丸は効かないので折衝飲、血府逐瘀湯、補陽還五湯を使う。

五積散を用いる目的は、

腰冷痛(腰痛、クーラー病)

腰腹攣急(冷えると腹痛・腰痛)

上熱下冷(冷えのぼせ)

小腹痛(下腹部痛)の四症。

女性で右の下腹部がズキンズキンと固定性で刺痛なら下腹部の瘀血であり夜間悪化する。
夜中に右の下腹部の刺痛は、すべて桂枝茯苓丸でとれる。

桂枝茯苓丸:活血化瘀:腹部の腫塊:

桂枝4、茯苓4、桃仁4、牡丹皮4、赤芍4。

夜間に悪化は、瘀血の特徴になる。

夜中に突然心臓が痛くなるのも心臓の瘀血で心筋梗塞である。

瘀血の症状は夜中に悪化し、心筋梗塞には桂枝茯苓丸ではなく、折衝飲、血府逐瘀湯、補陽還五湯を使う。
足の静脈瘤にもよい。

折衝飲せっしょういん:活血化瘀・理気止痛:当帰5 桃仁5 牡丹皮3 川芎3 赤芍3 桂枝3 牛膝3 紅花2 延胡索3:温通経脉・止痛:柴胡は無い。

桂枝:辛甘温:発汗解表・温通経脉・通陽化気・通陽利水:桂枝は血をを行らす行血作用があるので、
桂枝茯苓丸は瘀血をとる薬なので甘辛大熱の肉桂ではなく、桂枝が入っている。

牡丹皮:苦辛微寒:清熱涼血・活血袪瘀・清肝瀉火

延胡索:活血・理気・止痛・鎮静・鎮痙。

腕の使いすぎによる腱鞘炎で、刺痛で、夜中に痛みが悪化する場合は疎経活血湯(四物湯を含む)が適応。

疎経活血湯:痛風や腰痛・夜間悪化の膝痛の刺痛に疎経活血湯:袪風湿・補血・活血化瘀:四物湯 + 蒼朮 茯苓 桃仁 牛膝 防已 威霊仙 羗活 防風 白芷 竜胆草 陳皮 生姜 甘草。

血府逐瘀湯:活血化瘀・理気止痛・補血:生地黄4 桃仁4 紅花3 当帰3 赤芍3 川芎3 牛膝3 柴胡2 枳穀2 桔梗2 甘草1。

補陽還五湯(医林改錯):益気・活血・通絡:黄耆40 当帰3 赤芍3 川芎3 桃仁2 紅花3 地竜3。

舌に青紫色の斑点があったり舌質が青紫色になったり舌の両脇が青い人は皆「瘀血の舌」である。
鮫肌でおろし金のように非常にザラザラして硬くとがっている状態も瘀血である。

子供も同じで鮫肌の子供は、心臓に負担がかかっている。

精神障害者で、突然怒ったり、どなったり騒ぐ人は、すべて瘀血があるための狂症の症状。

生理前に生理になると分かる人も「狂症」とえる、心に瘀血があり、騒ぐので熱の症状が窺える、たとえば、手の痛みがあっても一心不乱に掃除に熱中するような人に、桃核承気湯を使う。

桃核承気湯:清熱瀉下・活血逐瘀:桃仁5 桂枝4  大黄3 甘草2 芒硝2:

桃仁・桂枝+調胃承気湯:

調胃承気湯:表証を発汗した後に生じた陽明の胃家実熱証を瀉下して胃気を調和し、悪熱や便秘を治する:
大黄2 甘草1 芒硝1:強い瀉下社用の芒硝がある。瘀血と熱状で狂症を現す時。

桂枝:平衡降逆・(上逆を降ろして平衡をたもつ作用):衝逆を治するを主どるなり」(吉益東洞「薬徴」。

生理前になると一日中、家の掃除や整頓をする人もすべて狂症に属する。狂症といっても軽い状態で、生理の前にイライラがかなり激しい人や生理時に万引きする人は、桃核承気湯を使う。

瘀血の原則は、痛みがあり、舌の青紫色と生理前などの「狂症」や鮫肌などである。

腹痛で胃に刺さるような痛みには、加味逍遙散や柴胡桂枝湯に田七(田三七)を混ぜてつかう。

胃痛の刺痛には:加味逍遙散加田七・柴胡桂枝湯加田七。

加味逍遙散:肝鬱化火・脾虚・血虚:柴胡3 芍薬3 薄荷1 当帰3 牡丹皮2 山梔子2 茯苓3 白朮3 乾姜1 甘草2:

(人参・大棗が加味逍遙散に無いのは肝鬱化火を増悪させるため)

柴胡桂枝湯:和解少陽・解肌解表げきげひょう:疏肝解鬱・和胃緩急:桂枝3 白芍3 柴胡7 黄芩3、半夏5 生姜4 人参3 大棗3 甘草2。

柴胡3 芍薬3は、肝鬱のストレスを緩和する組合せ。

柴胡7 黄芩3は、肝胆鬱熱を清泄する(冷やし乾かす)組合せ。

田七:田三七:三七:ウコギ科人参三七の根:甘微苦温:肝・胃経:止血・袪瘀・消腫・止痛:粉末も止血止痛に使う。

ベトナム戦争時、片仔瀇ヘンシコウは傷薬・止血・鎮痛剤として多用されたが、中国では肝炎の特効薬である:
麝香じゃこう3% 牛黄ごおう5% 田七85% 蛇胆じゃたん7%:妊婦は禁忌。

肝臓病には加味逍遙散加田七はよく使うので、慢性肝炎に弁証論治せずに出せると言う人もいる。

痛風や腰痛で刺痛がでたら、疎経活血湯を使う。神経痛にきわめてよく使う。

夜中の発作痛は瘀血なので、夜に非常に痛む症状に疎経活血湯を使うのが原則。

疎経活血湯:袪風湿・補血・活血化瘀:四物湯+蒼朮 茯苓 桃仁 牛膝 防已 威霊仙 羗活 防風 白芷 竜胆草 陳皮 生姜 甘草

蒼朮:キク科ホソバオケラの根茎:苦辛温:燥湿健脾・袪風湿・風湿の筋肉疾患の鎮痛薬。
(白朮:オオバナオケラの根茎)

桃仁:桃の果実の仁:破血袪瘀・潤燥滑腸:血府逐瘀湯。

威霊仙いれいせん:キンポウゲ科シナボタンヅルの根・枝・茎:辛温:膀胱経:袪風湿・通経絡:魚骨が咽に刺さった時。

羗活きょうかつ:辛苦温:袪風解表・袪風湿・止痛:辛温芳香で上行して発散するので、表にある風寒湿邪を除くのに最適・風邪薬。

防風:辛甘微温:袪風解表・袪湿解痙・止瀉止血:

上肢痛には、防風・桂枝・威霊仙を加える。

白芷びゃくし:袪風解表・止痛・消腫排膿・燥湿止帯おりもの・激しい燥性:その気 芳香にしてよく九竅を通ず:発散作用が強い

竜胆・胆草:リンドウ科トウリンドウの根茎と根:苦寒:

清熱燥湿・瀉火定驚:肝胆実火・健胃・難聴(竜胆瀉肝湯+柴胡)・排尿痛。

痛風や腰痛・神経痛で、座って立つ際に痛む場合は、麻杏薏甘湯を使う:
湿気をとるのは麻杏薏甘湯で、天気が悪くなると湿気で膝痛がひどくなる時に適応する。

外感風湿に麻杏薏甘湯:袪風湿・解表・止咳平喘:麻黄4 杏仁3 薏苡仁10 炙甘草2:風湿の表証で浮腫に使用・風湿が化熱して熱をもったものに使用・イボに使用・雨に濡れてひいた風邪に使う。

腕の使いすぎによる腱鞘炎で、刺すように痛み、しかも夜中に激痛が起こる場合も疎経活血湯が良く効くのは四物湯の補血と袪瘀作用(四物湯+桃仁・牛膝・威霊仙)による。

疎経活血湯の適応:全身の関節痛・屈伸痛・関節水腫・全身の筋肉痛・腕や脚のしびれ・夜間悪化・坐骨神経痛・腰痛・痛風・産後四肢疼痛・静脈瘤(折衝飲・血府逐瘀湯・補陽還五湯)・脳卒中後遺症(補陽還五湯)・交通事故後遺症:痛み・しびれ・浮腫がポイント:四物湯 + 蒼朮 茯苓 桃仁 牛膝 防已 威霊仙 羗活 防風 白芷 竜胆草 陳皮 生姜 甘草:夜間悪化の膝痛・腰痛。

骨折で刺すような痛み(刺痛)が出たら、骨折の処方である治打撲骨折方が適用だが、
温清飲合加味逍遙散・温清飲合半夏厚朴湯で代用になる。
打撲の痛みもよくとれる。温清飲が基本で少し理気剤を合方する。

温清飲:清熱瀉火・補血活血:当帰 白芍 川芎 熟地黄 黄連 黄芩 黄柏 山梔子 各1.5(黄連解毒湯+四物湯と同成分)

治打撲一方 ぢだぼくいっぽう(香川家・香川修庵):打撲・捻挫の腫脹・疼痛:川骨3 樸樕3ぼくそく(または桜皮) 川芎3 桂枝3 大黄1 丁香1 甘草1.5

川骨せんこつ:スイレン科のコウホネの根茎:破血止血の要薬:打撲捻挫の疼痛:日本の経験:打撲、外傷、産後の血液停滞による諸疾患。

樸樕ぼくそく:ブナ科のクヌギなどの樹皮:鎮痛・悪瘡あくそうに効果・駆瘀血・解毒・消炎・収斂・止血:痔・下痢・下血:日本の経験則:

熊がブナ・クヌギ・ヤマザクラなどの木に背中をこすりつける行動はカユミだけでなく鎮痛・悪瘡の消炎・治癒作用を感じているのだろう。

桜皮おうひ:バラ科のヤマザクラなどの樹皮:排膿、解毒などの効能があり、湿疹や蕁麻疹・腫れ物などの皮膚病、解熱、咳止めシロップに配合。

丁香・チョウジ:フトモモ科チョウジの花蕾:辛温:肺・胃・脾・腎経:温中降逆・温腎補陽:吃逆に丁香柿蔕湯:丁香3 柿蔕6してい 人参3 生姜3:温中散寒・下気降逆:胃虚寒による吃逆:術後の虚寒による吃逆シャックリ。

柿蔕6g:柿のへた。

血虚の症状:皮膚につやがない・面色萎黄・目がつかれやすい・目花・頭がぼーっとする・四肢麻木(神応養神丹・疎経活血湯)・肝血虚の筋けいれん・浅眠・多夢・不眠・月経後期・閉経・髪枯燥・爪の剥離・舌質淡、間歇的な動悸、怔忡。

血虚の四肢麻木:養血理気:神応養神丹・疎経活血湯。

神応養神丹しんおうようしんたん:外科正宗:養血理気:

四物湯+天麻 羗活きょうかつ 木瓜もっか 菟糸子としし各3g

(白鮮皮ソバカスがある時加える)

天麻てんま・明天麻:ラン科オニノヤガラの塊茎:甘微温:肝経:袪風鎮痙・通絡止痛:抗痙攣・鎮静:めまい・頭痛の主薬で、天麻は、薬全体を首から上にもっていく作用がある。

木瓜もっか:ボケの成熟果実・カリンも用いる:酸温:舒筋活絡・和胃化湿:湿邪による筋疾患に適応

痛みの虚実を判定するには喜按きあん(虚証)と拒按きょあん(実証)だが、喜按と喜暖きだんは違う。喜暖(温めると具合がよくなる)は冷えの症状で、触っていると楽になるのは虚証で喜按である。

灼熱感は実熱証が原則で、胃や咽にあらわれる。

咽の焼けるような痛みは駆風解毒湯や清燥救肺湯をつかう。

駆風解毒散(湯)くふうげどくさん(済生方):

防風3 牛蒡3ごぼう 荊芥1.5 羗活1.5 甘草1.5 連翹5。

防風:辛甘微温:袪風解表・袪湿解痙・止瀉止血:和食の付け合わせ:風邪薬。

牛蒡子:辛苦寒:疏散風熱・袪痰止咳・清熱解毒:牛蒡の種:風邪薬。

荊芥:袪風解表・止血・消炎・咽痛には古人は必須とした:風邪薬。

羗活きょうかつ:辛苦温:袪風解表・袪風湿・止痛:風邪薬。

清燥救肺湯せいそうきゅうはいとう:清肺潤燥:燥熱の邪による乾咳・無痰に鎮咳・袪痰・解熱:咽痛・気管支炎・気管支拡張症:桑葉3 石膏5 人参1 胡麻仁3 阿膠2 麦門冬3 杏仁2 枇杷葉3 炙甘草1。

桑葉そうよう:クワ科クワの成葉を乾燥:肺熱を清して乾咳を止咳:宣肺・疏散風熱・清肝明目:解熱・袪痰:乾咳を鎮咳:桑菊飲そうぎくいん:桑茶は夏の肺熱・風熱を冷まし、またイライラを軽減して眼精疲労を回復する。

胡麻仁ごまにん・胡麻・黒芝麻・黒脂麻・巨勝子:甘平:肺・脾・肝・腎経:潤燥滑腸・滋養肝腎。

阿膠:甘平:補血・止血・滋陰・潤燥:当帰・阿膠・桃仁・紅花にて活血する。

麦門冬:潤燥生津・化痰止咳:ユリ科ジャノヒゲの塊状根。

燥熱乾咳の 清燥救肺湯の枇杷葉:苦平:化痰止咳・和胃止嘔・清熱:上焦の熱を冷ます。肺熱を冷まし肺炎に。石膏も肺熱をさます。

胃に灼熱感・ジリジリやけるような胸焼け・嘈雑そうざつ(胸焼け)には、安中散ではなく加味逍遙散を使う。量は1/3にへらし、1日何回か投与。

加味逍遙散;肝鬱化火・脾虚湿性・血虚:柴胡3 芍薬3 薄荷1 当帰3 牡丹皮2 山梔子2 茯苓3 白朮3 乾姜1 甘草2。

高良姜こうりょうきょう:辛・熱:ショウガ科良姜の根茎:散寒止痛:上腹部の寒痛(胃アニサキス症):刺激性が強く鎮痛作用が強い。

四肢痛・関節の疼痛のひじょうな灼熱感(痛風・リウマチなど)は実熱証である。これは湿邪による重怠さ(重痛)も伴うので、

二妙散・三妙散。蒼朮の燥湿と黄柏の清熱の組合せで熱を取る。

二妙散:丹渓心法:清熱化湿・活血:黄柏 蒼朮の等分粉末。

(三妙散:医学正伝:清熱化湿・活血:黄柏 蒼朮 牛膝の等分の粉末:湿熱下注)

四妙散:伝青主女科:鎮痙・利尿・浮腫消退:黄柏 蒼朮 牛膝 薏苡仁

黄柏:清熱燥湿・瀉火解毒・清虚熱

蒼朮:苦辛温:燥湿健脾・袪風湿・風湿の筋肉痛の主薬:鎮痛剤

牛膝:袪瘀止痛・活血通経・補益肝腎・薬を下行させる作用

薏苡仁:甘淡微寒:利水滲湿・清熱・排膿・除痺・健脾止瀉

湿熱下注の症状:下肢の無力感・麻木・運動障害・発赤・腫脹・疼痛・熱感・口渇・口粘・濃縮尿・舌質紅・舌苔黄じ。

リウマチの初期で患部に熱感が強く、真っ赤に腫れ上がったら白虎加蒼朮湯を使うが、エキス剤では白虎加人参湯に蒼朮を加える。ただし蒼朮の入った平胃散を白虎加人参湯に合方するとリウマチは悪化するので蒼朮だけを加える。

リウマチの各症状は、虚証と実証、寒証と熱証の状態が錯雑して複雑であるので難しく白虎加蒼朮湯は初期の標治方である:リウマチ気質の改善や毎日の爽やかな運動がなければ完治しない。

白虎加蒼朮湯:清熱袪湿・止痙:熱痹に:

石膏10(先煎) 知母5 蒼朮3 粳米5こうべい 生甘草1

粳米8gこうべい(ねばりけがなくかたい米の意。うるち米)

熱痺:四肢や体幹の関節の疼痛・発赤・腫脹・熱感・冷やすと改善:発熱・口渇・熱感・不安・イライラ・舌質紅・舌苔黄・脈滑数

白虎加人参湯・石膏知母加人参湯:

清熱瀉火・生津止渇・補気:気分熱盛(陽明病経証):

生石膏15 知母5 生甘草2 粳米8 人参3:

日射病・熱射病:熱感・口渇・多汗・息切れ・無力感)

蒼朮:苦辛温:燥湿健脾・袪風湿・風湿の筋肉痛の主薬。

痛風の初期の痛みに疎経活血湯をつかうが、

熱感が強い場合は二妙散や白虎加蒼朮湯でないと治らない。

疎経活血湯:袪風湿・補血・活血化瘀:四物湯 + 蒼朮 茯苓 桃仁 牛膝 防已 威霊仙 羗活 防風 白芷 竜胆草 陳皮 生姜 甘草。

蒼朮:苦辛温:燥湿健脾・袪風湿・風湿の筋肉痛に

威霊仙:キンポウゲ科シナボタンヅルの根・枝・茎:辛温:膀胱経:袪風湿・通経絡:魚骨が咽に刺さった時

白芷びゃくし:袪風解表・止痛・消腫排膿・燥湿止帯おりもの

羗活きょうかつ:辛苦温:袪風解表・袪風湿・止痛

神経痛や痛風やリウマチに、瘀血があり、さらに熱がひどく出ている場合は、
その熱を先ずとってから瘀血を取る必要がある。

二妙散や白虎加蒼朮湯で熱をとってから瘀血をとるが、脾虚・痰飲がある場合は、
体質を総合的に調整する難しい治療法となる。

灼熱痛の二妙散:丹渓心法:清熱化湿・活血:黄柏 蒼朮の等分粉末。

瘀血は、ストレスや冷えが、ずっと持続すると必ず生ずる。

病邪が侵入してきたり、体が弱ることで瘀血が生ずる。

鼻炎で夜中に悪化する原因は瘀血だと思われる。

一般的な瘀血の処方は、血府逐瘀湯であるが、無い場合の代用処方は折衝飲せっしょういん である。

血府逐瘀湯:活血化瘀・通絡・理気止痛・補血:生地黄しょうじおう4 桃仁4 紅花3 当帰3 赤芍3 牛膝3 柴胡2 枳穀2 桔梗2 甘草1:瘀血一般に繁用処方で全身の瘀血に効果がある:瘀血の痔は刺痛である。

桔梗で開痹散結して咽喉を利する:桔梗には単独で、また桂枝と協力して配合薬物の薬効を上焦部に導く引経作用がある。

折衝飲:心陽虚に対する鎮痛効果は血府逐瘀湯より高い:陽虚が極まる午前2~4時に心筋梗塞が起きやすい。一点が痛み夜間悪化するような痛み・腹痛・五十肩・腰痛などにも効く。

折衝飲:活血化瘀・理気止痛:当帰5 桃仁5 牡丹皮3 川芎3 赤芍3 桂枝3 牛膝3 紅花2 延胡索3(すべて袪瘀作用がある生薬):心陽虚の瘀血による鎮痛効果が血府逐瘀湯より高い:

陽虚が極まる午前2~4時の心臓発作・心筋梗塞に適応する。

瘀血で気虚を兼ねるときは、補気の人参・黄耆を折衝飲に加えるが、汗がかなり出て、疲れ易い場合は補陽還五湯を使う。

補陽還五湯:益気・活血・通絡:気虚の瘀血に適応する:黄耆40 当帰3 赤芍3 川芎3 桃仁2 紅花3 地竜3(気虚・血虚・瘀血の脳卒中後遺症・心筋梗塞)小太郎製薬に製品がある。

地竜:ルムブリクス科 蚯蚓:ミミズきゅういん:ミミズ:鹹寒:胃・脾・肝・腎経:清熱・解熱・鎮驚・定喘・活絡・気管支拡張作用・経絡の流れを促進する作用がある。

桂枝茯苓丸は、原則は、お腹の中の瘀血・塊にしか効かない。

桂枝茯苓丸:活血化瘀:おなかの塊を消す

:桂枝4、茯苓4、桃仁4、牡丹皮4、赤芍4。

赤芍:ボタン科シャクヤクの根:苦微寒:肝経:清熱涼血・活血袪瘀:補血養陰・鎮静鎮痛には白芍を、涼血逐瘀・活血袪瘀には赤芍を使い、赤芍と白芍を併用することもある。

桃核承気湯は、「心」という部分に適応があるのが原則。

桃核承気湯は「心に瘀血」があり、瘀血と熱状で狂症を現す時に適応・イライラが強く・普段から腹満痛がある。

桃核承気湯:清熱瀉下・活血逐瘀:桃仁・桂枝+調胃承気湯
:桃仁5 桂枝4 大黄3 甘草2 芒硝2
:瘀血と熱状で狂症を現す時に適応。

桃仁:活血通経・袪瘀療傷・破血袪瘀・潤燥滑腸・潤腸通便。

桂枝:辛甘温:発汗解表・温通経脉・通陽化気・通陽利水

:風寒を発表し陽気をめぐらせる風邪薬・強心利尿薬。

大黄:苦寒:攻積導滞・瀉火涼血・袪瘀通経:駆瘀血薬。

芒硝・元明粉、玄明粉:硫酸ナトリウム:鹹苦寒:瀉熱通便。