大柴胡湯の口訣集

2025/5/20~21

大柴胡湯の口訣集

大柴胡湯:肝火上炎・肝気鬱結・胃実熱・心下痞硬(上腹部の脹り・苦満):

柴胡6 黄芩3 白芍3 半夏4 生姜4 大棗3 枳実2 大黄1g。

大柴胡湯証:和解半表半裏・瀉下熱結・疏肝解鬱・理気止嘔・清熱瀉下。

大柴胡湯:肝胆の火が上攻した(ストレスによって熱となり上部に生じた)頭痛、肩こり、耳鳴、耳聾、眼目の雲翳・赤眼疼痛、発狂、脳卒中の肝火上炎(脳卒中への怒り)、動悸、食滞の喘息、及び胆胃不和の嘔吐不止、心下急痛、胸脇痞硬痛などの証で、口苦、舌紅、舌苔黄となる。

2,胃熱の悪心・・大柴胡湯・承気湯類・竹葉石膏湯。

悪心・胸焼け・呑酸どんさん・口臭・尿黄・便秘・舌苔黄・脈弦または滑。

竹葉石膏湯:清熱生津・益気和胃:生石膏 淡竹葉 人参 麦門冬 製半夏 炙甘草 粳米:吐後に内生する煩熱を、益気生津しつつ、生石膏と淡竹葉で清熱して煩躁をおさえる。製品無し。

淡竹葉たんちくよう・竹葉:コササクサの茎葉:甘淡寒:心小腸経:清熱除煩:煩熱・尿黄・面紅・口渇・口内炎・鼻血など心火の症状に効果。発熱・脱水・充血・自律神経の興奮の時に心火が見られる:導赤散。

導赤散どうせきさん:心火を清熱利水:淡竹葉4 生地黄6 甘草梢2g

大柴胡湯や竜胆瀉肝湯:イライラして落ち着きが無く(急躁易怒)、肝火のある者の胃痛などに使う。大柴胡湯の心下痞硬は胃熱のため生ずる。易怒や肝鬱が続くと不安感が生じてくるので天王補心丹となる。

天王補心丹:心腎陰虚(心腎不交):酸棗仁10 生地黄20 柏子仁10 麦門冬10 五味子10 当帰6 遠志5 丹参5 玄参5 桔梗5 粉末を蜜丸とし朱砂をまぶし、1回2gずつ服用。

中年以降に発症する喘息には、食滞性のものがある。平素から、御馳走を好み、その過食によって喘息発作を起こす。

瀉下作用の承気湯類とならんで、平胃散・大柴胡湯の適応がある。

     

平胃散:理気化湿・和胃:蒼朮4 厚朴3 陳皮3 大棗2 生姜1 甘草1。

喘息:中年以降に発病した気管支喘息の「緩解期」には・・大柴胡湯合半夏厚朴湯。

喘息:肝鬱食滞胃熱の喘息の「緩解期」に大柴胡湯を服用する。喘息は緩解期でないと漢方薬で悪化しやすい。

加味逍遙散には「胃熱による心下痞硬」は無いが、大柴胡湯には心下痞硬が有る。

心下痞硬:胃のあたりがすごく脹ってくるのは胃熱による心下痞硬があって、胃を押すと苦しい場合に限って大柴胡湯である。

胃熱の処方:大柴胡湯・黄連解毒湯・三黄瀉心湯・半夏瀉心湯・調胃承気湯・大承気湯・小承気湯・温胆湯・涼膈散・竹筎・大黄・センブリ。

胃熱(大柴胡湯の心下痞硬):よくみられる裏熱の一種・熱邪が裏に入ったり・辛辣な物や味の濃い物の多食による胃障害や肝火犯胃などで生じ実熱が多い。胃炎・胃十二指腸潰瘍・糖尿病・歯齦炎:胃陰虚の虚熱とは別。

肝火上炎:大柴胡湯・加味逍遙散・竜胆瀉肝湯・柴胡加竜骨牡蠣湯・荊芥連翹湯・大柴胡湯合竜胆瀉肝湯・小柴胡湯合竜胆瀉肝湯。

ストレスによっておこる下利には、大柴胡湯や加味逍遥散・逍遙散・当帰芍薬散・真武湯・半夏瀉心湯を使う:大柴胡湯には大黄1~2gが入っている。

肝気鬱結で怒り易く、すぐカーッとなるような人で、心下痞硬で胃のあたりがすごく脹ってくる人は、大柴胡湯である。

糖尿病:大柴胡湯は、糖尿病で多食善飢で体重減少がない人で(陰虚には大柴胡湯単独では使えない+六味丸が必要となる)、イライラすると大食いになる人で、心下痞硬(大柴胡湯の胃熱の目標症状)の人に適応する。

糖尿病:心下痞硬・食欲旺盛・イライラ・のぼせ・口臭・口渇・便秘で痩せない糖尿病に大柴胡湯。

大柴胡湯は、胃実熱のため心下痞硬・食欲旺盛・イライラ・のぼせの糖尿病は、食毒熱滞留なので食欲不振の場合もある。長期使用では陰虚を補う四物湯や六味丸を少量加える。大柴胡湯合四物湯、大柴胡湯合六味丸。

四物湯:血虚の基本方剤:当帰4 白芍4 川芎4 熟地黄4。

六味丸:滋補肝腎・清虚熱・利湿:三補三瀉:八味丸から六味丸が出来た:八味丸中の桂枝・附子を除いたものである:

地黄 山茱萸 山薬 沢瀉 茯苓 牡丹皮。

大柴胡湯:傷寒論の少陽病と陽明病の合病に適応:少陽病の七大症を示し強いイライラによる解鬱化火(竜胆瀉肝湯も)を治す・止嘔・心下痞硬(胃熱が原因)・清熱瀉下:熱を大黄・枳実で瀉下する。

大柴胡湯:肝火上炎・肝気鬱結・胃実熱・心下痞硬

:柴胡6 黄芩3 白芍3 半夏4 生姜4 大棗3 枳実2 大黄1g。

潮熱、もし大便堅渋にして冷をこのみ熱を畏れ、睡臥著しからずは涼膈散、大柴胡湯にてこれを下す。

涼膈散りょうかくさん:清熱解毒・瀉下:連翹2 黄芩2 薄荷2(後下) 淡竹葉1 生甘草1 大黄2(後下) 芒硝2(沖服):熱盛を治す。製品無し。

糖尿病:食欲旺盛で痩せていない糖尿病に、防風通聖散・大柴胡湯・桃核承気湯。

防風通聖散:疏風解表・瀉熱通便:体を冷まし乾かす作用があり(やせている陰虚には使えない)脾に関係する処方なので糖尿病に使われる:対象:汗っかき・食欲旺盛のカゼ・蓄膿症・食欲旺盛で痩せない糖尿病。

逍遙散合桃核承気湯:肝鬱・瘀血と熱状の狂状。生理時の異常な興奮・ケンカ・攻撃・万引き行動などは桃核承気湯だけではとれない。

桃核承気湯の証は、熱が血分(陰)に在り、気分(陽)にはないので、陰が盛んになる夜に至れば発熱し、熱が上って心を乱すので意識は乱れ、譫語して狂状を呈す。

糖尿病:体重減少の陰虚・口渇口臭・便秘の糖尿病:大柴胡湯合六味丸。

糖尿病で多食善飢で体重減少がない人で、イライラすると大食いになる人は大柴胡湯である。

糖尿病:健啖家の食滞の中年の糖尿病で痩せていない人は、

大柴胡湯合六味丸・大柴胡湯合八味丸。

防風通聖散:疏風解表・瀉熱通便:当帰 芍薬 川芎 山梔子 連翹 薄荷 生姜 荊芥 防風 麻黄各1.2 大黄1.5 芒硝1.5 桔梗 白朮 黄芩 石膏 甘草各2 滑石3g:便秘・肥満・食欲旺盛の糖尿病。

胆石症:279.数年前に胆石症の疝痛発作に大柴胡湯を与えたことがある。その時は、空豆大の石がでてよくなった。「漢方診療三十年」大塚敬節

急性膵炎・急性胆嚢炎・胆石症:大柴胡湯に木香・鬱金・茵蔯・芒硝の類を加えれば急性胆嚢炎、胆石症、急性膵炎に、さらに効果がある。例、大柴胡湯合茵蔯蒿湯。小柴胡湯・柴胡桂枝湯も効果がある。

大柴胡湯を用いて、「少陽、陽明の邪気を同時に解する」方法となる。

少陽病(小柴胡湯)は、軽い興奮状態であまり寝られなくてウトウトする程度だが、少陰病(真武湯)では地面に吸い込まれるような脱力感でただひたすら眠い。

陽明病の症状:「身熱、発汗、不悪寒、反って悪熱、脈洪大」。

大柴胡湯証は嘔吐止まず・便秘などの実証なので補薬を用いるとその邪を益し、さらなる障害となるのを畏れるので人参、甘草を去っている。

「類聚方広義」に大柴胡湯は「狂症、胸脇苦満、心下痞塞、膻中たんちゅうの動悸が、甚だしい者には鉄粉を加えて奇効がある」

便秘:ストレスに実熱を兼ねている場合の便秘は、加味逍遥散・当帰芍薬散などでは便秘は解消しないので大柴胡湯を使う:

柴胡6 黄芩3 白芍3 半夏4 生姜4 大棗3 枳実2 大黄1g。

鼻出血:大柴胡湯:足の陽明胃経の主な症候:鼻出血(鼻横の承泣しょうきゅう や四白しはく・巨髎こりょうの経上に化熱のために鼻出血する)。

円形脱毛症:柴胡加竜骨牡蛎湯:疏肝清熱・潜陽安神:円形脱毛症に応用される:円形脱毛症;肝鬱が脱毛の原因なら加味逍遙散・大柴胡湯・柴胡加竜骨牡蠣湯・桂枝加龍骨牡蠣湯合四物湯。

116.右上腹部の疼痛32歳の新聞記者(柴胡桂枝湯か大柴胡湯):「漢方診療三十年」大塚敬節

こぶとりじいさんのコブ:大柴胡湯:頸部の腫脹:下顎拍動部前の大迎だいげい~人迎~欠盆けつぼん:小柴胡湯も下顎部・腋下・鼠径部などのリンパ腺の腫れに適応。

小柴胡湯は、肝胆の熱を清し、肝気鬱結を疏泄そせつし柴胡・黄芩は疏泄によって各種の結石を排出し、イライラを軽減する。胆石・泌尿器結石・唾石を治す。

慢性肝炎に、加味逍遙散加田七は留守番処方として有用。本来、慢性肝炎には、食欲不振なら六君子湯、怠ければ補中益気湯、胸脇苦満で心下痞硬なら大柴胡湯や小柴胡湯。田七は駆瘀血薬。

田七・田三七・三七・参三七:ウコギ科人参三七の根:チクセツニンジン竹節三七の根茎:甘微苦温:肝胃経:止血・袪瘀・消腫・止痛:止血と袪瘀の主薬である。内出血・外傷の出血に袪瘀止血・消腫止痛粉末1g。

大柴胡湯:実熱がありイライラして落ち着きが無く(急躁易怒)、肝火のある者の胃痛・便秘などに使う。大柴胡湯の心下痞硬は胃熱のため生ずる。

補中益気湯は慢性的に微熱や潮熱を反復するものにも適応する。 午前中に熱が高く、午後に軽減する傾向がある:

一方、毎日午後に発熱する潮熱の子供には浣腸や大柴胡湯が適応する。

大柴胡湯:精神異常:驚き易く動悸する(驚悸:パニック障害・不整脈)。

抑肝散加陳皮半夏:電車の中で心悸亢進(パニック障害)や脳貧血を起すことが恐ろしく、同伴者がなければ外出できない。「漢方診療三十年」大塚敬節

黄疸:肝胆湿熱:黄疸など:湿熱の邪が肝胆に蘊蒸した病変:大柴胡湯合茵蔯蒿。

茵蔯蒿湯は、茵蔯蒿+山梔子を用いて黄疸を治す:清熱利湿・退黄:

茵蔯蒿4 山梔子3 大黄1g。

茵蔯蒿:カワラヨモギの幼苗:苦平微寒:清熱利湿・退黄疸:胆汁分泌促進・黄疸の主薬。

一見、鷹揚に見える人で実は強いイライラをかかえている場合は大柴胡湯の適応だが、あれこれ考え過ぎるて不安感が強い半夏厚朴湯証の人がいる。イライラには大柴胡湯で、不安感には半夏厚朴湯・天王補心丹。

陽明腑証:邪熱と有形の糞便などが燥実内結し壮熱・日晡潮熱・手足に汗出で・大便秘結・心煩・尿黄・脈沈滑で、治療は攻下燥結で、三種の承気湯類を用い肝鬱を兼ねれば大柴胡湯を用いる。

陽明経証:無形の邪熱が経に盛んで、大熱・大汗・口渇(大煩渇)・脈洪大が特徴。白虎加人参湯(白虎湯)が代表方剤。

白虎加人参湯:清熱瀉火・生津止渇・補気:気分熱盛:陽明経証:

大熱・大汗・大煩渇・脈洪大:

生石膏15 知母5 生甘草2 粳米8こうべい 人参3:

消渇病の多飲・大汗・多尿で体重減少ない(陰虚ではない)人の糖尿病。

粳米:甘平:脾胃経:うるち米(玄米):補中益気、健脾和胃、生津除煩渇、止瀉、長肌肉・筋骨:硬い米:ねばりけがなくかたい米の意。

宿食しゅくしょく:過食・脾虚による消化不良で生じ、脘腹脹痛、酸臭噯気、悪心、食少、大便秘結か裏急後重、悪寒・発熱・頭痛:

保和丸・加味平胃散・大柴胡湯・枳実導滞丸。

保和丸ほわがん:丹渓心法:消食理気・清熱化湿・和胃:山査子6さんざし 神麹しんきく3 麦芽3 莱菔子3らいふくし 製半夏3 陳皮3 茯苓4 連翹4:食滞・上腹部膨満感。製品無し。

加味平胃散:蒼朮3.2 厚朴2.4 陳皮2.4 甘草0.8 生姜0.8 大棗1.6 神曲1.6しんきく 麦芽1.6ばくが 山楂子1.6gさんざし。製品有り。

枳実導滞丸:消食導滞・清熱利湿・補脾:枳実3 大黄3 黄芩3 黄連3 白朮3 茯苓3 沢瀉2 神麹しんきく4:食滞・消化不良。製品無し。

歯痛:桂枝五物湯合大柴胡湯:肝・胃熱の上逆で歯痛を起すこともある。特徴は歯痛が頭部に放散する。歯齦の発赤腫脹・顔面の熱感(のぼせ)・口渇、口臭にとともに胸脇苦満・心下痞硬の時は大柴胡湯を合方。

歯痛の特効薬:桂枝五物湯:桂枝4 黄芩4 地黄4 茯苓8 桔梗3 右五味、 一名桂枝桔梗湯、大黄を加え熱有り大便せざる者を治す、あるいは石膏を加え伏熱の者を治す:吉益東洞は牙歯疼痛する者を治すと歯痛の特効薬と称している。

歯茎の腫脹:大柴胡湯:胃熱の歯茎の発赤腫脹:歯茎は陽明の支配。

悪心嘔吐口苦:大柴胡湯証は、悪心嘔吐(胃熱・胆熱)しやすく、口は苦い(イライラによって胆熱が生じるため口苦となる)。

臭気の強い下痢:大柴胡湯の作用は瀉下陽明で、臭気の強い下痢に使うが通常の使用目標は便秘気味。脾虚の軟便・下痢には大柴胡湯は不適。

桔梗石膏ききょうせっこう:清熱解毒・袪痰排膿作用があり、中耳炎・咽頭炎等で熱状や化膿が生じたら小柴胡湯加桔梗石膏とする:肝胃熱の蓄膿症(心下痞硬)には、大柴胡湯合桔梗石膏とする。製品有り。

日晡潮熱にっぽちょうねつ:午後4~8時の発熱が毎日反復:大柴胡湯。

大柴胡湯:口苦:七症の一症・胆熱の症状。

柴胡証の 七症:往来寒熱・胸脇苦満・口苦・咽乾・目眩・黙黙不欲飲食・心煩喜嘔(吐き気)どれか、一つあれば柴胡剤を使える。

熱結下痢:大柴胡湯は食べ過ぎの熱盛下痢、臭気のある熱結下痢には有効。

持続性の高熱:大柴胡湯は、傷寒論の陽明病をかねることから、持続性の高熱や、定時的な発熱の場合もある。(潮熱:日晡潮熱:浣腸も効く)。

鼻腔の炎症:大柴胡湯:鼻腔の炎症:鼻血と同様、腫れ・炎症・出血。

高熱:大柴胡湯証の熱型は:少陽病の往来寒熱を原則とするが、陽明病の潮熱もある。少陽病に陽明病をかねているので、小柴胡湯証に較べ、熱状は強い。

強い疏肝理気作用:大柴胡湯:「柴胡・芍薬・枳実」、があるので、相当強い疏肝理気作用をそなえている。

枳実キジツ:ミカン科ダイダイや夏みかんの未熟果実:苦辛微寒:破気消積しょうしゃく・化痰散痞・理気寛胸:2~3g:気滞便秘・肝鬱気滞の腹痛・消化運動・排ガス促進。枳実(強い作用)・枳穀(弱い作用)。

悪心嘔吐:大柴胡湯:悪心嘔吐:半夏・生姜で胃気上逆を降ろす。

手足のつり:飲み過ぎて足のつる人、手足がつる人、どこかつって痛み体が怠くなる時は肝臓の症状である。軽い時は加味逍遙散で、熱状が出てくると大柴胡湯や竜胆瀉肝湯を使う。肝臓の症状でなければ通常は芍薬甘草湯や疎経活血湯合芍薬甘草湯を使う。

肥満:肝鬱気滞による肥満は脇腹を中心に肉がついている。臍を中心に太るのは脾胃が関係しているが、脇腹は肝に関係しストレスで脇腹がベルトからはみ出るように太る。ストレス(気滞)で太る人は気滞を取り除くために、加味逍遙散、大柴胡湯を使う。

口臭と糖尿病:胃熱があると、咽が乾き、食欲旺盛となり、口臭が出てくる(心下痞硬は胃熱のため生じ、大柴胡湯を糖尿病に使う目標)。

冷え症・夜間多尿・口渇の陰陽両虚の糖尿病:大柴胡湯合八味丸

体重減少の陰虚・口渇・口臭・便秘の糖尿病:大柴胡湯合六味丸。

胸脇苦満と便秘と鬱鬱微煩を目標に大柴胡湯。

大柴胡湯証では、腹はひどく満痛するのではなく心下結痛しているだけなので、行気寛満の厚朴を去り、解痙止痛の白芍を加えて病状に投じている。

大柴胡湯:柴胡6 黄芩3 白芍3 半夏4 生姜4 大棗3 枳実2 大黄1g。

大柴胡湯:和解半表半裏・瀉下熱結(心下痞硬の胃熱を去る:胃熱のため胃が脹って苦しい)・疏肝解鬱・理気止嘔:柴胡6 黄芩3 白芍3 半夏4 生姜4 大棗3 枳実2 大黄1g。

胸脇部の脹満感も大柴胡湯に強いが(肝鬱が強い胸脇苦満)それにもまして、心下部に脹満感・痛み・つかえ(胃実の症状)のあることが特徴である。

大柴胡湯:足の第三趾の疼痛や運動障害(胃熱や脾虚の症状)。

手足は陽明の支配で煙突に上る:大柴胡湯:狂躁状態:手足は陽明の支配であり、暑苦しく感じるので衣服を脱いで裸け、手足を動かし屋根や煙突に登ってわめく。

肝臓病・肝臓癌は胃痛や胃潰瘍が先発する。飲み過ぎて足のつる人、手足がつる人、どこかつって痛み体が怠くなる時は肝臓の症状である。 軽い時は加味逍遙散で熱状が出てくると大柴胡湯や竜胆瀉肝湯を使う。

大柴胡湯:胸脇部の脹満感も強いが(肝鬱が強く胸脇苦満)それにもまして、心下部に脹満感・痛み・つかえ(心下痞硬:胃実の症状)のあることが特徴である。

大棗+芍薬:大柴胡湯の大黄・枳実の瀉下作用による、腹痛・傷陰を緩和する。

大柴胡湯:足背の痛み(~衝陽しょうよう:第二~第三中足骨の間)。

便秘:大柴胡湯:大便不解(大黄・芍薬・枳実)。

芍薬の倍加と飴糖の配合は益陰柔肝により緩急止痛となる。

下腿前面痛:大柴胡湯:下腿前面の痛み(髀関~伏兎ふくと~梁丘りょうきゅうの経絡。膝の上の腿前面の痛み。

鼠径部痛:大柴胡湯:鼠径部(気衝)の痛み。

腸鳴:大柴胡湯:腹鳴(腸鳴)。腸鳴は寒熱錯雑の症状で、通常は半夏瀉心湯。

半夏瀉心湯:胃もたれ・精神不安や、落ち着きがなく(煩躁)空腹感がなく、胃がスッキリせず、下痢し易く、顔がのぼせやすく赤い(面紅)、腸鳴、臭いのあるゲップ。

柴胡桂枝湯で、胆石疝痛で空豆大の胆石が排出されることがある。

胆石の疼痛に大柴胡湯合芍薬甘草湯。

尿黄:大柴胡湯:小便黄赤(瀉下胃腑)。

肝炎の留守番処方:加味逍遙散加田七(怠ければ補中益気湯・食少なら六君子湯・心下痞硬なら大柴胡湯)。

肝火上炎:大柴胡湯の柴胡+黄芩+大黄:肝火上炎を鎮める・肝胆実熱を清熱。

半夏+生姜は辛温で和胃降逆・散結消痞:上腹部のつかえを消し、黄芩とともに辛開苦降しんかいくこう して吐き気を抑えるように働く(半夏瀉心湯や大柴胡湯の胃のつかえ・嘔気に適応する)。

大柴胡湯や防風通聖散は体の中から水気をとる作用があるので血虚や燥邪の切れ痔には逆に悪化する。

体全体の潤いには生脈散。

温清飲は、全身的に赤みのつよい斑や丘疹(赤黒い・赤紫のこともある)があり、熱感をともない、かゆみが強く、乾燥して分泌物はなく(血虚)、かくと出血して跡がのこり、落屑がある。

肥満:イライラ(肝郁)があって食欲が旺盛な人の肥満には通導散を使う。この場合、大柴胡湯ではあまり痩せないことが多い。大柴胡湯は心下痞硬が特徴。

通導散:万病回春:理気活血・破血逐瘀・瀉下:当帰3 紅花3 蘇木2そぼく 木通3 大黄3 芒硝3 枳実3 厚朴2 陳皮3 甘草3:打撲・瘀血の腰痛・瘀血の痔・肝鬱多食肥満:小承気湯と調胃承気湯を内包。

食欲旺盛の肥満には瀉下剤を加えるが、大柴胡湯では大黄の量が少ないので痩せない。大黄を増やせば痩せる。通導散は肝鬱多食肥満に適応。

中耳炎・おたふく・扁桃炎・リンパ節腫・フルンケル・麦粒腫などが大柴胡湯の適応。

小柴胡湯:肝胆経腫脹である中耳炎、陰部のしこり(竜胆瀉肝湯も)、バルトリン腺炎、慢性陰嚢湿疹、鼠径部湿疹やしこり、耳下腺炎:おたふくかぜに小柴胡湯。

不眠症:大柴胡湯証は、イライラして眠れない不眠症。

ストレスの腰痛の脹りには柴胡疏肝散や大柴胡湯を使うが、柴胡疏肝散の適応が多い。加味逍遙散も使うが脹りはあまり取れない。

柴胡疏肝散:疏肝解鬱・理気止痛・活血:柴胡6 白芍3 香附子3 川芎3 炙甘草2 枳穀2:ストレスの腰痛・脇痛・腹痛・月経痛:帯状疱疹後の胸脇痛。 白芍3 香附子3 川芎3 枳穀2で、止痛に優れている。

香附子こうぶし・別名(香附:莎草さそう):カヤツリグサ科浜菅ハマスゲの根:辛微苦平:肝三焦経:疏肝理気・調経止痛:生理痛など婦人薬に繁用:2~3g。

川芎、当帰、白芍は、活血して峻猛ならず、補血して血滞ならず。

急躁易怒で、何かを少し誰かが言っただけでカーッとなる人で、胃のあたりがすごく脹ってくる場合(胃熱による心下痞硬)に限って、大柴胡湯である。

急躁易怒:大柴胡湯:実熱があり胃熱のため心下痞硬で、イライラして落ち着きが無く(急躁易怒)、肝火のある者の胃痛・便秘などに使う。

喘息:中年以降に発病した気管支喘息の緩解期には、大柴胡湯と半夏厚朴湯を併用することもある。(中年の食べ過ぎの喘息発作は防風通聖散)。

耳鳴り:肝火上炎による耳鳴りに、女性は加味逍遙散か大柴胡湯。あるいは竜胆瀉肝湯と合方する。

蓄膿症:肝胃の熱の蓄膿症:大柴胡湯加桔梗石膏。

側頭部頭痛:大柴胡湯は、側頭部頭痛(胆経頭痛)に使うが、特にイライラが強く、胃熱のため心下痞硬なのでみぞおちのところがものすごく脹ってつかえる症状があるのが特徴。

小柴胡湯は頚項のこわばり(胸鎖乳突筋痛)・肩こり・側頭部の頭痛(胆経頭痛)・脇腹の痛み(胸脇苦満・心下痞硬)などに応用する。

大柴胡湯証は、強い抑鬱を特徴とする。

和解少陽(小柴胡湯/柴胡桂枝湯/大柴胡湯など)。

大柴胡湯では大便は秘結するがやや粘性を帯び便器に便がこびりつく。

麻子仁丸は体を潤す下剤(肛門はカサカサの切れ痔)なので、同じく大黄の入っている防風通聖散や大柴胡湯を切れ痔に代用すると、乾かす作用のために反って悪化する。

肝火上炎では、大柴胡湯証は、高血圧症、常習性頭痛、耳鳴り、眩暈などを主訴とする疾患。

面紅・目赤:大柴胡湯証:のぼせて顔が紅く(肝火上炎)目が赤い。