心脾両虚・心腎陰虚

心脾気虚:帰脾湯加竜骨牡蠣:思慮過度・飲食不節・疲労などで心脾の気を消耗し胸陽不振で衛気不固で心液が外泄し前胸部の発汗となる。面白・息切れ・無力感・動悸・健忘・食少・泥状便・舌淡嫰・脈虚弱。

心脾両虚:思慮過度・飲食不節・疲労などで心脾の気を消耗:面白・眩暈・息切れ・無力感・不安感・動悸・不眠・健忘・食少・泥状便・舌淡嫰・脈虚弱。

帰脾湯:補脾・養心安神・摂血:心脾両虚・心血虚:不安感・動悸・不眠・気血双補:黄耆2 人参3 白朮3 当帰2 茯苓3 竜眼肉3 酸棗仁3 遠志2 炙甘草1 木香1 大棗2 生姜1g。

心腎陰虚:天王補心丹・六味丸加減:陰虚体質・久病による傷陰・出血過多・思慮過度・陽気の亢進で虚熱が生じ津液を表部に外泄し前胸部の発汗となる。焦躁感・不眠・動悸・頭暈・耳鳴・耳聾・咽乾・腰膝酸軟無力・多夢・遺精・潮熱・尿赤・舌紅乾燥・苔少・脈細数。

心腎陰虚:陰虚体質・久病による傷陰・出血過多・思慮過度・陽気の亢進:焦躁感・不眠・動悸・頭暈・耳鳴・耳聾・咽乾・腰膝酸軟無力・多夢・遺精・潮熱・尿赤・舌紅乾燥・苔少・脈細数。

天王補心丹:心腎陰虚(心腎不交):酸棗仁10 生地黄20 柏子仁10 麦門冬10 五味子10 当帰6 遠志5 丹参5 玄参5 桔梗5 粉末を蜜丸とし朱砂をまぶし、1回2gずつ服用。

 「張氏医通」(1695年撰)「別処には汗無く、独り心臓の一片に汗あるは、これは思慮は心を傷るなり。その病は心にあり。名づけて心肝といい、帰脾湯に黄耆を倍量とす。

「類証治栽・汗症」「心に当たり汗するは、思慮の脾(胃腸)を傷るためなり。」

心脾両虚も心腎陰虚も、思慮過度が原因の頻度が高く、もっとも注意すべきで、精神生活の安定の重要性を示唆している。

考えすぎると心の栄養素である心血を消耗し、ひどくなると心陰虚となり動悸や不安感・思考の混乱がおさまらなくなる。

医療に頼り過ぎると少しの異常に不安感が増し、なおらない加齢症状をなげくと恐怖感がつのり医師の言葉にしばられてがんじがらめになる。

医原病である。

医師の指導を100%を実行しようとすると鬱病になる。話八分とすればよいのである。医師も患者が100%実行できるとは思って話してはいないのだが。