当帰芍薬散の口訣集

2025/6/6  2025/9/3

当帰芍薬散の口訣集

当帰芍薬散:肝血虚・脾虚湿滞:
当帰3 白芍4 白朮4 茯苓4 沢瀉4 川芎3:
過敏性大腸炎:真武湯も白芍+白朮があり過敏性大腸炎に適用:
川芎・当帰がもたれる脾虚の人もいる。

気鬱の症状:胸脇脹満・気逆上衝(逍遙上逆)・頭脹痛・眩暈、嘔苦吐酸・腹満して便秘・イライラ・ゲップ・矢気しき・善太息・腹脹痛・月経前乳脹痛・(さらに潮熱なら加味逍遙散)・(さらに冷えで小便頻数なら当帰芍薬散)。

潮熱とは、潮が満ちるように一定の時間に生じる発熱をさす。傷寒論では日晡潮熱:午後4~8時の発熱が毎日反復する状態:承気湯類・大柴胡湯・加味逍遙散などの適用、後世方では午後潮熱という。

当帰芍薬散はもともと「冷え」「湿気」「ストレス」をとる薬なので、寒湿と肝鬱の症状を同時に取る薬なので、寒湿下痢に使う。

月経不調には必ず逍遙散または柴胡桂枝湯を合方する。しかし、柴胡桂枝湯には補血の主薬の当帰が無いので、柴胡桂枝湯では血虚には当帰芍薬散を合方する:逍遥散・柴胡桂枝湯合当帰芍薬散。

痰湿の不妊症:

一般には二陳湯・平陳湯。

食少で嘔気など胃症状には苓桂朮甘湯合半夏厚朴湯。

胃症状がなく下半身の怠さだけなら当帰芍薬散を使う。

二陳湯:燥湿化痰:半夏5、陳皮4、茯苓5、生姜1、甘草1:痰飲の基本処方。

平胃散:理気化湿・和胃:蒼朮4 厚朴3 陳皮3 大棗2 生姜1 甘草1g。

更年期ではない時の顔のシミ:加味逍遙散と当帰芍薬散の使い分けは、逍遙上逆やのぼせが有る時は加味逍遙散でのぼせが無い時に当帰芍薬散
(川芎の活血作用は強く薬を上に引き上げる作用があるのでのぼせる)

更年期の目の下のシミ・顴紅では、当帰芍薬散では治らない。

腎陰虚なので六味丸・杞菊地黄丸だが、

喘息の腎陰虚は緩解期は八仙長寿丸。

小建中湯が八仙長寿丸の代用となる。

当帰芍薬散は薄い顔面のシミ。

更年期の目の下・顴紅のシミで腎陰虚なら六味丸・杞菊地黄丸・知柏地黄丸。

八仙丸・八仙長寿丸:医級:肺腎陰虚:地黄・山茱萸・山薬・沢瀉・茯苓・牡丹皮・五味子・麦門冬(六味丸+ 五味子・麦門冬):小建中湯で代用できる。又は六味丸合生脈散(六味丸+人参五味子麦門冬)。

当帰芍薬散:肝血虚・脾虚湿滞:過敏性大腸炎:真武湯も過敏性大腸炎に適用:川芎・当帰がもたれる脾虚の人もいる:

当帰3 白芍4 白朮4 茯苓4 沢瀉4 川芎3g。

川芎:活血行気・補血・理気・袪風止痛:活血補血の頭痛薬:薬を上部に運ぶ引経薬なので頭痛薬によくもちいる。

真武湯:回陽救逆・温陽利水:附子1 茯苓5 白朮3 白芍3 生姜3g。

当帰芍薬散:肝血虚・脾虚湿滞:脾虚が強いと川芎・当帰がもたれるので白酒で内服。その胃痛には六君子湯を合方する。
当帰芍薬散合六君子湯。

登校時腹痛・下痢の子供は小建中湯ではなく当帰芍薬散でよくなる。

小建中湯は脾胃の陰陽両虚「腎虚・肝血虚・脾虚」に使う。
つまり脾と胃の陰陽がどちらも不足した状態に使われる:
桂枝4 芍薬6g 大棗4 生姜4 甘草2 膠飴20g。

ストレスで腹痛下痢が生ずるが、

肝鬱処方の抑肝散や抑肝散加陳皮半夏ではとれない。
当帰芍薬散・半夏瀉心湯・痛瀉要方を使う。

痛瀉要方:景岳全書:防風3 白朮3 白芍4 陳皮2:腹鳴・腹痛して下痢・五更瀉:白朮+白芍の組合せは、お腹の痛みを止める薬であるので、当帰芍薬散・真武湯・逍遥散・痛瀉要方は過敏性大腸炎に使える。

当帰芍薬散は、湿気のために冷えているので、いつも顔や足がむくんでいて、特に足だけ太っていることがとても多くブヨブヨして、体は軟体動物で抱き心地が良い。

足冷と頻尿には当帰芍薬散・当帰芍薬散合真武湯。

頻尿でバス旅行が出来ない人には当帰芍薬散合真武湯・当帰芍薬散加附子・当帰芍薬散合補中益気湯・補中益気湯合真武湯も適応。

当帰芍薬散:子宮脱。産後子宮が脱出して戻らない血虚の者:陰部症状は腎虚なので真武湯を合方。当帰芍薬散合真武湯(血虚・脾虚湿滞・腎虚)、補中益気湯合真武湯(中気下陥・腎虚)。

足が細くて冷え症では、当帰芍薬散を使うことはなく当帰四逆加呉茱萸生姜湯をつかう。いつも足が冷えているので足がかなり細く全体が硬い。当帰芍薬散は手足はブヨブヨしている。

中風の原因となる肝陽上亢には加味逍遙散や逍遥散や当帰芍薬散を使う。

当帰芍薬散には川芎・当帰がはいっているのでやや胃がおかしくなるが、

当帰+芍薬+川芎で補血の働きがあり、

白朮+茯苓で胃薬になる。

当帰+芍薬+川芎では四物湯と同じで、

白朮+茯苓は四君子湯と一緒である。

白朮+白芍で腹痛を止める。

当帰芍薬散:当帰3、白芍4、川芎3、白朮4、茯苓4、沢瀉4

当帰芍薬散は十全大補湯にかなり近く、沢瀉・白朮・茯苓がはいっているので体から水気を少し出す作用がありとても便利な処方である。
十全大補湯では量が多いと足のむくみが出る人がいる。

当帰芍薬散:当帰3、白芍4、川芎3、白朮4、茯苓4、沢瀉4g。

沢瀉:サジオモダカの塊茎:甘・寒:利水・滲湿・清熱。

十全大補湯:気血双補・補腎陽:人参4、白朮4、茯苓4、甘草1 大棗1 生姜1+当帰4 白芍4 川芎4 熟地黄4+黄耆・桂枝(肉桂):
気血双補・袪寒(桂枝湯が入っている)。

四君子湯:健脾益気:人参4、白朮4、茯苓4、甘草1 大棗1 生姜1g:以上六味。

六君子湯:健脾益気・和胃化濁・袪痰飲:人参4 白朮3 茯苓4 炙甘草1 大棗2 乾姜0.1 製半夏4 陳皮3g:以上八味。

加味逍遙散・当帰芍薬散の淋証の場合はストレスによる膀胱の疏泄失調で炎症が生じる膀胱炎や尿道炎である。(尿中は無菌性が多い)。

加味逍遙散:肝鬱化火・脾虚湿性・血虚:柴胡3 芍薬3 薄荷1 当帰3 牡丹皮2 山梔子2 茯苓3 白朮3 乾姜1 甘草2g。
(人参・大棗が無いのは化火を増悪させるため)

当帰芍薬散はもともと冷えと湿気とストレスをとる薬なので、
寒湿と肝鬱の症状を同時に取る薬なので、寒湿下痢に使う。

加味逍遙散と当帰芍薬散と抑肝散加陳皮半夏で、円形脱毛症が治った中年女性は夜もよく眠れるようになった。

円形脱毛症:加味逍遥散・大柴胡湯・柴胡加竜骨牡蠣湯・桂枝加龍骨牡蠣湯合四物湯・桂枝加龍骨牡蠣湯合当帰芍薬散。

大柴胡湯:肝胆の火が上攻した頭痛、肩こり、耳鳴、耳聾、眼目の雲翳・赤眼疼痛、発狂、脳卒中後の肝火上炎、動悸、及び胆胃不和による嘔吐不止、心下急痛、胸脇痞硬痛などの証で、口苦、舌紅、舌苔黄。

当帰芍薬散は、ストレスがかなり強く小便が近く、足が冷え食欲がやや低下していて、冷えると腹痛の時に使う。男性の膀胱炎や神経性の下痢、過敏性大腸炎にも使える。久病では当帰芍薬散合真武湯。

当帰芍薬散:当帰3、白芍4、川芎3、白朮4、茯苓4、沢瀉4g。

「寒湿」の痔は、寒さで悪化し、実証なので拒按。肛門周囲に湿り気がある。

寒湿をとる真武湯をつかい、

血虚があれば当帰芍薬散を使い、

食欲不振の者には人参湯を使う。

乙字湯は「大腸に湿熱」がありそのために痔核あるいは脱肛が生じたものに適応する。乙字湯は「神経質な者」の軽い痔には効くが、劇的には効かない:肛門は湿っている・陰部の悪臭がある。槐角丸。

乙字湯:大腸湿熱を清熱化湿・升提活血:肛門は湿っている痔・陰部の悪臭や痒み:柴胡 升麻 大棗 生姜 炙甘草 黄芩 大黄:湿っている脱肛は乙字湯合補中益気湯・防風通聖散合補中益気湯。

黄芩3~5g、2歳以下は0.5~1.5g:清熱燥湿、清熱瀉火、解毒涼血(血熱を清熱する)、清熱安胎:寒で凝固作用。

升麻:甘辛微寒:発表透疹(はしか・風疹)・清熱解毒・升挙。

槐角丸かいかくがん:清熱止血・理気活血:
槐角 地楡 当帰 防風 黄芩 枳穀。

槐角かいかく:槐(エンジュ)の果実:清熱涼血:止血作用は槐花米(花蕾)より弱いが、清熱の力は強いので痔の炎症・出血・血便に用いる:槐角丸:清熱止血・理気活血:槐角 地楡 当帰 防風 黄芩 枳穀。

地楡じゆ:バラ科ワレモコウの根茎と根:苦酸微寒:肝大腸経:
涼血止血・清熱収斂:血便・痔出血。

防風:セリ科防風の根:辛甘微温:膀胱肝脾経:袪風解表・袪湿解痙・止瀉止血:発汗・解熱・鎮痛:袪風の主薬で突然に生じる症状に使う:和食のつまに使用し突然の食中毒を防ぐ。

真武湯:回陽救逆・温陽利水:附子1 茯苓5 白朮3 白芍3 生姜3g:寒湿の痔・足冷・寒湿下痢:白朮3+白芍3は腹痛止め。

人参湯(理中湯):金匱要略:温中散寒・補気健脾:脾陽虚・胸痞:
人参3 乾姜3 白朮3 甘草3。

白朮:補脾益気・燥湿利水。

カサカサして血虚症状のある痔の時には、当帰芍薬散を使う。

カサカサの切れ痔は麻子仁丸で治せるが、女性の場合は月経後や月経後半や、疲れると切れ痔が血虚で生ずるのでカサカサの切れ痔には四物湯や当帰芍薬散を使う。

麻子仁丸:腸燥便秘:肛門はカサカサの切れ痔:
麻子仁5 甜杏仁てんきょうにん3 大黄2 枳実2 厚朴1 白芍3g。

冷え症・頻尿の人の「カサカサの切れ痔」には当帰芍薬散を使う。

痔で、体全体に栄養失調状態の血虚症状のある時には当帰芍薬散である。

血虚の症状:面色淡白でつやがない、面色萎黄、頭暈、目花・目渋、舌質淡、脈細、口唇や爪が淡白、心悸、易驚、怔忡、不眠、手足のしびれ(麻木)・手足のつりや痛み。

月経時浮腫:当帰芍薬散に五苓散を合方する;加味逍遙散合五苓散も適応:当帰芍薬散合五苓散・加味逍遙散合五苓散。

多量の帯下に当帰芍薬散:冷え性で白くさらさらした多量の帯下が出るもの(茯苓・白朮・沢瀉):六君子湯も「月経時の帯下」に適応。

帯下に当帰芍薬散:白帯下(冷えは白、熱状は黄帯下。帯下は腎虚の症状)(生理時の帯下は六君子湯の適応)

当帰芍薬散の舌:舌質淡紅胖大(気虚はブヨブヨ締まりのない舌胖大ふとった舌。湿滞はブヨブヨ舌)。
当帰芍薬散の舌苔:舌苔白(白は冷え症)。

当帰芍薬散:「小便頻数」(冷え性:脾虚湿滞の為:

腎虚を兼ねるなら当帰芍薬散加附子・当帰芍薬散合真武湯)。

月経痛に当帰芍薬散・折衝飲・安中散・逍遙散:
逍遙散+天王補心丹+海馬補腎丸も腎虚の月経痛の場合は適応)。

安中散:冷えて胃が絞られるように絞痛する胃痛時に使用。月経痛にも適用がある:桂枝4 高良姜2 小茴香2 延胡索3 縮砂2 炙甘草1 牡蠣3g。

高良姜こうりょうきょう:辛・熱:ショウガ科良姜の根茎:散寒止痛:上腹部の寒痛:刺激性が強く鎮痛作用が強い、乾姜と似ている。

小茴香しょうういきょう・小茴:セリ科ウイキョウの成熟果実:辛温:肝腎脾胃経:理気止痛・調中和胃:健胃作用・陰嚢水腫の疼痛。

延胡索:活血・理気・止痛・鎮静・鎮痙:頭痛・胸部痛・腹痛・脇痛・月経痛・関節痛・打撲損傷痛・気滞血瘀の痛み。

縮砂しゅくしゃ・砂仁しゃじん:ショウガ科縮砂の成熟果実:辛温:脾・胃・腎経:理気寛胸:健胃:香砂六君子湯・香砂養胃湯。

小便不利に当帰芍薬散:小便量少(肝鬱では小水が昼間に2回程度・気持ちよくすっきり出ない)。

当帰芍薬散:便溏(軟便):(脾虚の為)。

当帰芍薬散:月経量少ない・月経後期(肝血虚で遅れるが、
肝鬱では先期や先後不定期となる)。

当帰芍薬散:(隠隠たる腹痛・急痛・元は女性の腹痛のために創薬された)腹痛には(芍薬甘草湯・川芎)。

当帰芍薬散:眩暈心悸(陰天時悪化:湿滞・湿邪:
陰天時悪化は半夏白朮天麻湯もよく用いる)。

半夏白朮天麻湯:化痰熄風・補気健脾・利水消食:製半夏3 白朮3 天麻2 人参2 黄耆2 茯苓3 沢瀉2 蒼朮3 陳皮3 神麹2しんきく 麦芽2 黄柏1 乾姜1:脾気虚の痰濁上擾。

当帰芍薬散:筋肉痙攣(筋惕肉瞤きんてきにくじゅん:ピクピクと筋肉が痙攣する)。

筋惕肉瞤で痰飲が原因の場合:苓桂朮甘湯・平胃散合五苓散(胃苓湯):子供のチックなど肝風によるものは抑肝散加陳皮半夏。

抑肝散加厚朴芍薬:122.8歳のチックの少女。大声で夜わめく。ストレスで不眠。二週間でやや良い、三ヶ月、七ヶ月で完治:「漢方診療三十年」大塚敬節。

平胃散:理気化湿・和胃:蒼朮4 厚朴3 陳皮3 大棗2 生姜1 甘草1g。
蒼朮が主薬。

半夏厚朴湯:理気化痰:半夏6 厚朴3 茯苓5 生姜4 紫蘇葉2g:
化痰の半夏が主薬。

当帰芍薬散:浮腫(顔面、眼下、すねのむくみ:脾虚湿滞)。

目の下のむくみに当帰芍薬散。

当帰芍薬散:四肢冷(冷え性:脾虚湿滞)。

当帰芍薬散:抑鬱(肝血不足は肝気虚となり鬱的になる。肝気は元気の素)

当帰芍薬散:倦怠易疲けんたいいひ(肝血虚・脾虚・痰飲は疲れ易く重怠い)。

当帰芍薬散:肌肉軟弱無力・軟体動物(脾は肌肉を主る:脾気虚は痰飲を生じ易いため体は軟体動物になりやすい)。

当帰芍薬散:皮膚蒼白無華(色白で皓白こうはくは肝血虚。
面紅には当帰芍薬散は不適)。

当帰芍薬散:脾虚湿滞(白朮・茯苓・沢瀉で脾虚湿邪に対処)。

当帰芍薬散:肝虚血滞(肝虚では鬱的になる。血滞は血瘀や血虚を招く)。

肝気鬱滞に芍薬+川芎で対処:当帰芍薬散に柴胡は無くイライラは弱い

当帰芍薬散のニキビは赤くならない小さな白ニキビ。

加味逍遙散は赤く大きなニキビ。

加味逍遙散は生理時のニキビ。

桂枝茯苓丸は青い・青黒いニキビ。

三診目の、当帰芍薬散で腹痛と帯下が減少した。帯下の治療のため、少腹逐瘀湯に転方する。「漢方診療三十年」大塚敬節

少腹逐瘀湯:医林改錯:肝寒凝滞、気滞血瘀、少腹積塊、疼痛或は不痛、疼痛も積塊無し或は少腹脹満、腰酸少腹脹:小茴香3 炮乾姜2 肉桂2 当帰3 川芎2 赤芍3 五霊脂3 蒲黄3 没薬2 延胡索2g。

五霊脂:オオコウモリ科オオコウモリの糞便乾燥物:鹹温:肝経:

袪瘀止痛、生では活血、炒用では止血:婦人科で多用。

桃仁、紅花、当帰尾とうきび、丹参、五霊脂、蒲黄などの活血薬。

失笑散しっしょうさん:産後瘀血阻滞、悪露不行、小腹疼痛拒按、悪露不尽、産後血暈:五霊脂 蒲黄 各等分を細末とし、毎回3g服用。

活血袪瘀と行気止痛の乳香・没薬。

膀胱炎を繰り返す人へ猪苓湯は症状は軽減するが、服用すると冷えて再発するので当帰芍薬散が適応。

猪苓湯:小便不利し或は淋瀝し、渇して水を飲まんと欲する者を治す:猪苓3 茯苓3 沢瀉3 滑石3 阿膠3g。

滑石:含水ケイ酸マグネシウム・石灰・粘土:甘寒:利水滲湿・清熱・小便赤。滑石3~5g,8~10g。

当帰芍薬散:帽子をかぶったよう頭が重く(頭冒感ずぼうかんは湿邪・湿滞・痰飲の症状)。

当帰芍薬散:隠隠たる腰の痛み。

当帰芍薬散:軽いが長期に続く耳鳴り。

イライラする人の耳鳴り・耳聾は、竜胆瀉肝湯合大柴胡湯・竜胆瀉肝湯合小柴胡湯、女性は加味逍遙散・当帰芍薬散、突然なら大柴胡湯、肝腎陰虚は杞菊地黄丸。

当帰芍薬散:強い肩こりを訴えるが、他覚的にはさほど凝っていないもの。

当帰芍薬散:天気の悪い時に悪化するもの動悸など
(陰天時悪化:湿邪・湿滞・痰飲:通常は半夏白朮天麻湯)。

当帰芍薬散の病態は、肝血虚・肝気鬱結・脾虚湿滞などからなり、意外に複雑である。したがって、本証の患者の訴えも、一様でない。

四物湯の場合は浅黒く皮膚が枯燥(肝血虚)するが、

当帰芍薬散は(肝血虚・脾虚湿滞)皮膚がくすんで水っぽい。

当帰芍薬散は不妊症には、四物湯とともにもっとも広く使用される。

当帰芍薬散:頭重頭冒感をともなう軽い眩暈めまい。

当帰芍薬散:妊娠中のみならず、産後の回復期にも効果がある。

当帰芍薬散:妊娠するが、すぐに流産するもの。

当帰芍薬散:これといって他の症状がなく咳嗽だけが続くもの。
妊娠時の咳嗽は麦門冬湯。

当帰芍薬散:当帰3、白芍4、川芎3、白朮4、茯苓4、沢瀉4g。

当帰芍薬散は妊娠中の安胎剤(肝血虚・脾虚湿滞は子癇・高血圧を生じ易い)としても使用される。

当帰芍薬散:妊娠中の腹痛だけでなく妊娠中の各種の疾患に適応する。

当帰芍薬散:月経閉止にも適応する。月経時に、下腹部に隠隠たる痛みのある月経痛(当帰・芍薬・川芎:補血活血)。

当帰芍薬散:月経が遅れがちで(月経後期)月経の色が薄いもの(肝血虚)。

当帰芍薬散:月経時に眼下や手足が浮腫する虚腫にも適応する。

当帰芍薬散合五苓散も適応する。

当帰芍薬散:朝の顔のむくみ、夕方の足のむくみ。

当帰芍薬散:精神的には気が弱く神経質で抑鬱傾向がある(肝血・肝気不足)。

当帰芍薬散は肝鬱による腹痛を解消する。婦人とは限らないが、痙攣性の腹痛、あるいは持続性の腹痛にも効果がある。

当帰芍薬散:産後肥立ちが悪く下腹部の痛むものに適応する。

当帰芍薬散:妊娠中の急性の腹痛に適応、あるいは、当帰芍薬散:軽度の持続性の腹痛に適応する。

金匱要略:当帰芍薬散「婦人 腹中 諸々疾痛するは」・・。

当帰芍薬散も、軽度の血瘀症状をともなうほとんど袪瘀作用は無い。

当帰芍薬散:こむらがえりなど(芍薬甘草湯も適応)。

当帰芍薬散:肝血の不足は気滞を生じる。(血は気の母、気は血の帥すい)そのため肝気不足となり抑鬱傾向が見られる。肝鬱血虚である。(鬱的であり、イライラは強くない)。

八味丸や牛車腎気丸や安中散・当帰芍薬散は、おちょこ一杯の白酒(蒸留酒)を水で薄めて服用し体を温める力を増す。酒で怠くなる人や飲めない人は酢を薄めて服用させる。

当帰芍薬散合桂枝茯苓丸(血虚・生理痛・むくみに瘀血症状を兼ねる者に)。

当帰芍薬散は肝鬱には芍薬+川芎で疏肝し、軽いイライラに効果。

当帰芍薬散合柴胡桂枝湯(生理痛・貧血・むくみ・柴胡証の七症)。

逍遙散合当帰芍薬散(イライラ・生理痛・貧血・むくみ・血虚)。

当帰芍薬散は、当帰+芍薬で痛みやイライラをとる。

逍遙散の代用処方的なものは、当帰芍薬散や柴胡桂枝湯である。

当帰芍薬散:当帰+芍薬+川芎(四物湯)で補血補陰活血して止痛する。婦人の腹痛・妊婦の腹痛に創薬された。

当帰芍薬散は、強いイライラではなく、白朮+茯苓はやや補脾作用が弱く脾虚には胃痛やもたれやすいので白酒で飲むようにする。

イライラが強い場合は柴胡桂枝湯で、当帰芍薬散はあまりイライラしない。イライラの基本は逍遙散である。胃痛には柴胡桂枝湯。

当帰芍薬散:足の指 疼痛して歩行することを得ず。

当帰芍薬散:重墜:子宮が下に落ちるような感じがする人に:

当帰四逆加呉茱萸生姜湯も子宮の下墜感に適用。

寒湿の足痛の治法は、温経散寒・袪湿し活血通脈する:当帰四逆加呉茱萸生姜湯:温経散寒・養血通脈、腹痛・嘔吐の強いもの:呉茱萸2 生姜4 当帰3 桂枝3 白芍3 細辛2 炙甘草2 木通3 大棗1g。

当帰芍薬散も同様に肝鬱の脹る頭痛に使うが、守備範囲が広くイライラは強くないが、「肝血虚の頭痛」や「脾虚の側頭部頭痛」に使える。

当帰芍薬散には甘草が無い:甘草は健脾益気 緩急止痛 諸薬調和。

当帰芍薬散:「女性の腹痛」や「妊娠時の腹痛」・むくみ・血虚・妊娠中毒症;妊娠高血圧症候群の予防となる。

当帰芍薬散「鬱を舒じょ し 湿を利し、血を和し 肝を平らかにす」

登校時腹痛・下痢の子供は小建中湯ではなく、当帰芍薬散・真武湯でよくなる。

柴胡+芍薬の組合せの方が当帰+芍薬よりイライラには強い。

当帰芍薬散:当帰+川芎に多少瘀血を治す作用があるが、ほとんど瘀血を治す作用は無い。

当帰芍薬散:イライラして冷えると小便頻数となる人に使う。陰虚火旺・のぼせ・面紅の人には使えない:当帰3、白芍4、白朮4、茯苓4、沢瀉4、川芎3:川芎は頭部への引経薬である。

当帰芍薬散:軽いストレスや痰湿の除去や血虚にも適応する。強いストレスには無効:肝血虚・脾虚湿滞:当帰3、白芍4、白朮4、茯苓4、沢瀉4 川芎3。

当帰+芍薬には養血柔肝作用があるので、疏肝作用がある。