六君子湯の口訣集の改訂

2025/9/29~30 10/4改訂

六君子湯の口訣集の改訂

六君子湯:健脾益気・和胃化濁:党参4 茯苓4 炒白朮3 炙甘草1 製半夏4 陳皮3 乾姜0.1 大棗2g。

補益心気(心気虚)の生薬:炙甘草・黄耆・党参・人参・桂枝。

党参:キキョウ科ヒカゲツルニンジンの根:甘微温:補中益気:強壮健胃・造血・降圧・袪痰鎮咳:四君子湯・六君子湯・参苓白朮散には党参が適す。4~10~30~40g:人参の2~3倍使う。

六君子湯:疲倦ヒケン・懶言ランゲン・食少・軟便に使える。自汗があれば補中益気湯を使う。

補中益気湯:自汗・疲倦・手足の怠さ・懶言・食少(食欲不振)・軟便。

六君子湯はすぐには効かない体質改善薬である。

六君子湯:四君子湯に陳皮、半夏を加える。胃虚して食欲不振、咳嗽して吐痰、嘔吐あるいは(腹瀉)下利・便溏ベントウに用いる。

多量の帯下に当帰芍薬散:冷え性で白くさらさらした多量の帯下が出るもの(茯苓・白朮・沢瀉):六君子湯・当帰芍薬散も月経時の帯下に適応。

蓄膿で、脾虚が強い場合は、脾虚の薬を一緒につかわないとなおらないし、慢性病化した時は、瘀血と腎虚をともなう。

半夏白朮天麻湯や六君子湯や参苓白朮散と腎虚薬(真武湯)。

痰湿咳嗽が好転したら六君子丸(湯)を用い、健脾化痰して治療効果を強める。

六君子湯:補気健脾・理気化痰:六君子だが六味ではなく八味である(乾生姜・大棗はよく記載が省略されるため):

人参4 白朮4 茯苓4 甘草1 乾姜0.5 大棗2 半夏4 陳皮1:

半夏・陳皮は行気・化痰作用。

痰厥たんけつ:厥症の一つ・痰盛気閉しておきる四肢厥冷ししけつれい で、重い場合は昏厥こんけつ(意識障害) をきたす。抽薪飲ちゅうしんいん・六君子湯・金水六君煎などを用いる。

抽薪飲:火が熾盛で補法が適さない者を治す。黃芩,石斛,木通,梔子,黃檗,各一、二錢。枳殼,錢半。澤瀉,錢半。細甘草,三分。水一鍾半,煎七分。食事を避け温服する。内熱が酷い者は冷服する。製品無し。

金水六君煎:景岳全書:滋陰補血・除湿化痰:

当帰2 熟地黄2~5 陳皮1.5 半夏2 茯苓2 炙甘草1を

生姜と水煎服用:肺腎両虚で痰濁内盛し咳嗽多痰の証に用いる。

製品無し。

気虚の全身症状:倦怠無力感(鬱的)・元気不足・息切れ・物を言うのがおっくう・動きたがらない・声に力がない・自汗・舌質が淡色あるいは胖大・脈は細数で無力:補中益気湯・六君子湯。

子供の鼻炎の場合は、六君子湯や真武湯を使うことが多い。

真武湯:回陽救逆・温陽利水:附子1 茯苓5 白朮3 白芍3 生姜3g。

六君子湯:補気健脾・理気化痰:人参4 白朮4 茯苓4 甘草1 乾姜0.5 大棗2 半夏4 陳皮1:病後の衰弱・むくみのある眩暈・下利:脾気虚を補い湿邪・痰飲を去り、食欲不振の強い慢性肝炎に使う。

229.口渇、嘔吐、小便不利、黄疸を目標に、茵蔯五苓散を与えて嘔吐をしずめた。嘔吐はやんだが食欲がないので、しばらく六君子湯を与えて様子をみた。「漢方診療三十年」大塚敬節

気虚の便秘で軟便だけなら四君子湯・六君子湯がよい。

四君子湯:健脾益気:人参4、白朮4、茯苓4、甘草1 大棗1 生姜1。

六君子湯はすぐには効かない体質改善薬である。慢性の小児喘息やアトピー性皮膚炎(当帰飲子)は、柴朴湯や六君子湯で脾虚を治さないと治らない。柴朴湯の長期使用は陰虚の発生に注意する。

柴朴湯は、喘息だけでなく、咳嗽にも適応する。やはり、精神的な素因で発症する場合に有効なのである。いわゆる神経性咳嗽には柴朴湯である。陰虚の発生に注意する。

慢性腎炎の半分は、脾虚が原因で治療は胃腸を丈夫にする。胃腸が弱っている疾患は多いので、参苓白朮散や六君子湯を使うことが多い。六君子湯はすぐには効かない体質改善薬である。慢性では腎虚なので真武湯を合方する。

慢性腎炎:参苓白朮散合真武湯

慢性腎炎:六君子湯合真武湯

真武湯の証である陽虚水泛の水泛は「実腫」で、

六君子湯の脾虚は「虚腫」である。

六君子湯の虚腫は押しても皮膚のへこみが戻らない。

補中益気湯:食欲がなく、食べ物の味がしない:味覚障害は亜鉛不足だけではない:感冒後によく見られる食欲不振に適応:六君子湯も適応。

食欲不振には人参湯・半夏瀉心湯も適応する。

慢性腎不全の末期の味覚障害・食欲不振に参苓白朮散。

人参湯(理中湯):金匱要略:温中散寒・補気健脾:脾陽虚・胸痞:

人参3 乾姜3 白朮3 甘草3。

半夏瀉心湯:胃もたれ・なんとなく精神不安があり落ち着きがなく(煩躁)空腹感がなく、胃がスッキリせず、下痢し易く、顔がのぼせやすく赤い(面紅)、腸鳴、食傷で臭いのあるゲップ。

気虚挟痰のものあり、書に云う、「清陽昇らざれば、濁陰降りず」すなわち上重く下軽きなり六君子湯これを主る。

足の一点だけ痛む時は、

踵痛しゅつう(かかとの痛みは腎虚の症状)には六味丸・杞菊地黄丸:歩き過ぎた後のかかとの痛みは一時的な腎虚の症状。

ふくらはぎ全体・大腿部の筋肉痛(脾虚:脾は肌肉を主る)には六君子湯(脾虚では膝の上の筋肉が脱落する)、

すねの横の筋が痛む時(筋は肝が主る:肝血虚)は四物湯。

三つの症状がある時は小建中湯(腎虚・脾虚・肝血虚)。

足の裏の痛み血虚。

痰飲症状の場合・・・

上部には苓桂朮甘湯・半夏白朮天麻湯

中部(胃)には二陳湯・六君子湯

下半身には八味丸・六味丸を用いる。

痰飲の基本症状は、眩暈、多痰、浮腫、嗜眠、小便不利、しこり、朝の起床時の顔のむくみ、疲労時の顔のむくみや手足のむくみ、軽い咳払いで簡単に痰がでる体質、閑な時すぐ眠くなる。

痰飲の基本処方は二陳湯(半夏5、陳皮4、茯苓5、生姜1、甘草1g)。

苓桂朮甘湯:傷寒論:温陽化気・培中滲湿法:

茯苓6 桂枝5 白朮5 甘草2:

中焦陽虚、水飲内停、胸脇支満、目眩、のぼせの者を治す。

また心悸、気短、吐痰清稀などの証を治す。

培中:中焦・胃腸を健やかに育成する。

六君子湯は化痰作用(半夏陳皮)があるので肺陰虚(麦門冬湯・滋陰降火湯など)の乾咳には不適。痰のある喘息の緩解期に適応する:補気健脾・理気化痰。

麦門冬湯:滋陰益気・補益肺胃(胃陰虚・肺陰虚に適応)・降気:

麦門冬10 人参2 製半夏5 炙甘草2 粳米こうべい5 大棗3g:

口乾の吃逆に降気作用で一服で効く:消渇病で多食善飢だが体重減少がある陰虚につかう。

麦門冬は、心血を補い(心血虚)心陰を滋潤(心陰虚)して血脈に栄養を与える。炙甘草湯:炙甘草3 生姜3 人参3 桂枝3 麦門冬6 麻子仁3 阿膠2 生地黄6 大棗3g。

生地黄、麦門冬、阿膠、麻子仁、大棗は、心血を補い、心陰を滋潤して血脈に栄養を与える。

肺陰虚証の主症状:乾咳・無痰・血痰・嗄声サセイ・口乾・五心煩熱・カサカサの皮膚乾燥:麦門冬湯・滋陰降火湯(肺腎陰虚)・養陰清肺湯・沙参麦門冬湯。

滋陰降火湯(万病回春)滋補肺腎・清熱:当帰 白芍 生地黄 熟地黄 天門冬 麦門冬 白朮 陳皮 黄柏 知母 炙甘草 生姜 大棗:肺腎陰虚に適用。

半夏・陳皮は袪痰薬だが行気薬でもある。よって、脾胃の気滞・腹満感をも六君子湯は解消する作用がある。

六君子湯:痰飲薬:目眩・頭重痛・のぼせ・肩こり・痰飲の小便不利で、胃腸の働きが弱い体質に使う・女性で乳房が緩んでいるのは脾虚・目の下がボテッと緩んでいる・下腹部が横にはみ出ているもの脾虚。

肺気虚は脾肺気虚と同じ構造で、疲倦・自汗・気短・心悸・懶言・面色蒼白・咳嗽・多痰の症状に加え、脾気虚の食少・軟便・面色萎黄・

食べるとすぐ胃がもたれたり気持ちが悪くなる時は六君子湯を使う。

喘息が長く続いている患者は、脾虚・腎虚・肝鬱が多いので、六君子湯、真武湯、柴朴湯、補中益気湯、小建中湯などの2~3処方の合方が多い。原則的には脾虚を治すようにする。

脾失健運の原因:暴飲暴食・精神情緒の失調・病後の衰弱(六君子湯は、病後の調理薬の効果大)・過労により脾の陽気が損傷を受け、脾の運化機能の失調や中気下陥(昇挙無力:補中益気湯)などによる。

前額部に頭重痛を訴える疾患に、蓄膿症がある。

そこで苓桂朮甘湯・半夏白朮天麻湯・六君子湯は蓄膿症に応用される。

半夏白朮天麻湯は、耳だれ・蓄膿・めまい・頭痛に使うが頭重が主で、前額部痛だけで後頭部痛には効かない。

前額部は胃腸の経絡:

半夏白朮天麻湯は前額部の頭痛・頭重で、

釣藤散は後頭部の頭痛である。

半夏白朮天麻湯:化痰熄風・補気健脾・利水消食:

製半夏3 天麻2 白朮3 人参2 黄耆2 茯苓3 沢瀉2 蒼朮3 陳皮3 神麹2 麦芽2 黄柏1 乾姜1:脾気虚の痰濁上擾。

痰濁上擾:眩暈し頭重し頭冒感があり、悪心胸悶・動悸を伴い、少食多寝でひどければ嘔吐し目が回る(めまいや陰天時の頭痛)。舌苔白じ、脈濡滑じゅかつ:半夏白朮天麻湯:化痰熄風・補気健脾・利水消食。

肝気上逆の釣藤散(脾胃気虚・痰湿の肝陽化風に:平肝潜陽・明目・補気健脾・化痰:朝の痰湿頭痛・後頭部痛:釣藤鈎5 菊花5 防風5 石膏10(先煮)人参2 麦門冬5 茯苓5 半夏5 陳皮5 甘草2 生姜2)

肝気上逆の釣藤散(脾胃気虚・痰湿の肝陽化風に:平肝潜陽・明目・補気健脾・化痰:釣藤鈎5 菊花5 防風5 石膏10(先煮)人参2 麦門冬5 半夏5 陳皮5 茯苓5 生姜2 甘草2)

二陳湯:半夏5、陳皮4、茯苓5、生姜1、甘草1:燥湿化痰:痰飲の基本処方。

「釣藤鈎と菊花」は平肝作用で肝鬱の薬。清上蠲痛湯の菊花は疏散。

羚羊角・釣藤鈎には、涼肝清熱・平肝熄風の効果がある。

菊花:疏散風熱・清熱明目(目薬)・清熱解毒(刺身のツマ食中毒の予防)・平肝陽(肝鬱薬)。

肺癌:肺脾気虚には益肺健脾:六君子湯加減。四君子湯は健脾益肺し、半夏・陳皮は袪痰化湿・行気する。適宜、山薬(長芋)・黄精・沙参などを加えて補益力を増強する。

慢性腎炎の過半数は脾虚であるので補脾薬の参苓白朮散や六君子湯などで尿蛋白はとれる。六君子湯は脾虚の疾患には劇的には効かないが徐々に体質改善する。

全身的に浮腫が続いている人は真武湯であるが、食欲が無い人は、補中益気湯合真武湯・六君子湯合真武湯である。

膝や足首が冷える人は基本は真武湯をベースとする。

真武湯証の陽虚水泛は実腫で押してへこんでも直ぐに戻る。

腎不納気:慢性閉塞性肺疾患:ごうかい散。

腎不納気:慢性閉塞性肺疾患:麦味地黄丸+補中益気湯

(八仙丸合補中益気湯・小建中湯合補中益気湯)

腎不納気:慢性閉塞性肺疾患:六君子湯

腎不納気:慢性閉塞性肺疾患:真武湯合生脈散合補中益気湯

腎不納気:慢性閉塞性肺疾患:真武湯合生脈散合六君子湯

八仙丸(八仙長寿丸):医級:肺腎陰虚:地黄・山茱萸・山薬・沢瀉・茯苓・牡丹皮・五味子・麦門冬(六味丸+ 五味子・麦門冬):小建中湯で代用できる。又は六味丸合生脈散(六味丸+人参五味子麦門冬)。

中高生で鼻がつまって勉強ができない人は、90%は六君子湯や半夏白朮天麻湯である。

帯下に補中益気湯・柴胡加竜骨牡蠣湯・白芷:生理時の帯下に六君子湯や当帰芍薬散。

柴胡加竜骨牡蛎湯:物音、例えば、ドアや電話の音などで、びっくりして動悸が止まらなくなり、冷や汗が出て、ふるえてくる。不安神経症、うつ病、血の道症、帯下。

真武湯合六君子湯:回陽救逆・温陽利水・脾虚。

慢性咳嗽に半夏厚朴湯に補正がないことから、小柴胡湯・六君子湯・苓桂朮甘湯などの併用が必要で、半夏厚朴湯単独では喘息は悪化する。

発作期には効かない。緩解期に長服する。

慢性咳嗽:半夏厚朴湯合小柴胡湯(柴朴湯)

慢性咳嗽:半夏厚朴湯合六君子湯

慢性咳嗽:半夏厚朴湯合苓桂朮甘湯

小柴胡湯:肝鬱胆熱(柴胡黄芩)・脾虚(人参大棗生姜甘草)・嘔気を降逆(半夏生姜):

柴胡7、黄芩3、半夏5、生姜4、人参3、大棗3、甘草2。

苓桂朮甘湯:傷寒論:中焦陽虚・温陽化気・水飲内停・胸脇支満、目眩、のぼせ:心悸、気短、吐痰清稀などの証を治す:

茯苓6 桂枝5 白朮5 甘草2g。

白朮は補益力があり健脾の「補脾益気」・「燥湿利水」に適す。

肝気鬱血のない場合、小児喘息などに六君子湯の適応が多い。

肝炎の留守番処方:

加味逍遙散加田七

柴胡桂枝湯加田七

(怠ければ補中益気湯

食少なら六君子湯

心下痞硬・胸脇苦満なら大柴胡湯

黄疸で尿黄なら茵蔯蒿湯

茵蔯蒿湯は、「茵蔯蒿+山梔子」を用いて利尿利胆し黄疸を治す:

清熱利湿・退黄:茵蔯蒿4 山梔子3 大黄1g。

腎虚の蓄膿:鼻水が塩辛くなる・後鼻漏になる・鼻がつまる人は腎虚の薬で治療するが、脾肺気虚(六君子湯)を併発しているので

腰以下が冷える人は六君子湯合真武湯で、

腰以下が温かい人は小建中湯合六味丸。

脾虚の症状に八味丸をつかうと、その地黄や牡丹皮はかなり胃もたれするので、八味丸と六君子湯の合方ではなく真武湯と六君子湯の合方の方が良い。

小便不利の原因は、「体に熱がある」か、「胃腸が弱い」かのどちらかであるが、胃腸の弱りが圧倒的に多く、六君子湯や参苓白朮散や補中益気湯で小便がよくでるようになる。

脾虚の下利には六君子湯や参苓白朮散をつかう。

小児の下利はほとんどすべて参苓白朮散が使える。

異常発酵した便臭でなければ使える。

葛根黄芩黄連湯の腹痛下痢は便臭が強い。

脾虚風動の手顫・・六君子湯加釣藤鈎・当帰・白芍・防風。

腹痛:食欲不振で軟便なら脾虚であり冷えているなら人参湯である。

代用処方は六君子湯合真武湯。

人参湯(理中湯):金匱要略:温中散寒・補気健脾:脾陽虚・胸痞:

人参3 乾姜3 白朮3 甘草3g:代用処方は六君子湯合真武湯。

痰擾し心神不寧なら菖蒲3~4、遠志3 胆南星3~4 白僵蚕1.5~2を六君子湯に加える。

菖蒲:芳香開竅・逐痰袪濁。

天南星:胆南星:熄風解痙・化痰:天南星を豚の胆汁で煮て修治、あるいは生姜とともに煎じて毒性を緩和する:痙攣と痰飲を治療する。

白僵蚕:白僵菌ムスカルジンに感染・白僵菌を噴霧して死んだ蚕カイコ:袪風熱・熄風鎮痙・化痰散結:解熱・抗痙攣・袪痰:痙攣を治療するので癲癇に使用。

嘔吐が激しいものには姜竹筎ちくじょ3~4,炒枳穀4を六君子湯に加える。

六君子湯は中に二陳湯(半夏5、陳皮4、茯苓5、甘草1)が入っているので体から水気をとる作用があり便秘にはむかない。

二陳湯:燥湿化痰:半夏5、陳皮4、茯苓5、生姜1、甘草1:痰飲の基本処方。

健脾定風:六君子湯加釣藤鈎・当帰・白芍・防風。

気虚の便秘で初硬後溏で、最初は硬いが、その後は水のような軟便なら脾虚なので六君子湯でもよい。

気虚がひどい場合の便秘には補中益気湯を使う。

六君子湯と同じく、補中益気湯は便秘にも下痢にも効く。

「陰天時」や「湿気の多い季節」にめまいが多いのは、すべて痰飲という病症で、苓桂朮甘湯や六君子湯・半夏白朮天麻湯をつかう。

脾気虚の食欲のパターンは・・・食欲不振・ムラ食い・朝食が食べられない・少し食べるとすぐに満腹になる・子供の食べるのが遅い などはすべて食少であり脾気虚である。食少には六君子湯。

小柴胡湯合六君子湯(「柴胡証の七症」があり脾虚や湿邪が強い時・月経中の帯下)

半夏白朮天麻湯と六君子湯との違いは、首から上の痰飲は半夏白朮天麻湯で、喘息の緩解期の予防薬は六君子湯がよい。

喘息は胃腸と肺の疾患で半夏白朮天麻湯も胃腸の薬だが首から上にひっぱる処方で、鼻(ちくのう鼻炎)・耳(耳だれ)・目の薬である。

食後、とくに昼食後に体がだるくなり、眠くなるもの:六君子湯・補中益気湯。

いくら寝ても寝たりず、昼間から眠くなり寝てしまうもの:六君子湯。

六君子湯:脾虚・痰飲・むくみのある気虚の眩暈。

六君子湯は、めまい、頭重感、のぼせ、肩こり、小便不利という症状があってもよく、六君子湯は、それに脾虚(食少・軟便・下痢しやすい)。

肺気虚や脾肺気虚に使う六君子湯の適用は疲倦・懶言・食少・軟便の4症状があれば使えるが、さらに自汗があれば補中益気湯を使う。

痩せたいと希望して無理して食べないようにしているのに太ってしまうのは浮腫であり、すべて六君子湯を使う。

六君子湯:アレルギー性鼻炎・慢性鼻炎などで疲労時・空腹時に発作を起こし加重する。くしゃみとともに、白い粘ったあるいは水様の鼻水が出る。(半夏白朮天麻湯も適応する)。

六君子湯:慢性気管支炎など、慢性の咳嗽にも応用する。

起床時(痰飲)・食後(脾虚)に咳嗽が甚だしくなる傾向がある。

慢性腎炎の主訴はほとんど食欲不振なので六君子湯や参苓白朮散や六君子湯合真武湯・参苓白朮散合真武湯をつかい、五苓散はほとんど使わない。

夜食の前に六君子湯や補中益気湯を飲ませると食欲が出てきて痰飲を予防しながら太れる。

夜食の前に六君子湯や補中益気湯を飲ませると食欲が出てきて痰飲を予防しながら太れる。

小柴胡湯合六君子湯(七症で脾虚や湿邪が強い時・月経中の帯下)。

六君子湯:脾虚・痰飲・むくみのある気虚の眩暈。

痰擾し心神不寧なら菖蒲3~4、遠志3 胆南星3~4 白僵蚕1.5~2を六君子湯に加える。

肺癌:肺脾気虚には益肺健脾:六君子湯加減。四君子湯は健脾益肺し、半夏・陳皮は袪痰化湿行気する。適宜、山薬(長芋)・黄精・沙参などを加えて補益力を増強する。

脾失健運の原因:暴飲暴食・精神情緒の失調・病後の衰弱(六君子湯は、病後の調理薬の効果大)・過労により脾の陽気が損傷を受け、脾の運化機能の失調や中気下陥(昇挙無力:補中益気湯)などによる。

六君子湯は、基本は胃腸が弱い人が対象で、喘息とは書かれていないが胃腸の状態が治まった時には喘息の発作は出なくなる。

八味丸は食欲が無い脾虚の人は地黄がもたれ悪心となり使えない。脾虚の薬の六君子湯等を合方するか、小建中湯(腎虚・脾虚・肝血虚)とする。

めまいの処方便覧:苓桂朮甘湯・六君子湯・半夏白朮天麻湯・加味逍遙散・逍遥散(柴胡桂枝湯)。

食欲が無い人の耳鳴り・耳聾は、補中益気湯・六君子湯。