桂枝人参湯の解説

2026/1/29

桂枝人参湯

桂枝人参湯:温中散寒・健脾益気・辛温解表:

人参3 乾姜2 白朮3 甘草3 桂枝4:

心下痞という半表半裏証をともなう裏寒証:

表証は下してはいけない。発散させるのがよい。

桂枝人参湯は「風寒」:温中散寒・健脾益気・辛温解表。

196.桂枝人参湯は、表熱裏寒の下利を治すのである。

桂枝で表の熱を去り、人参湯で裏寒を去るのである。

194.桂枝人参湯は、人参湯の証に似ていて、動悸(胸痞)がしたり、体表に熱があったりするものに用いる。

人参湯(理中湯):金匱要略:温中散寒・補気健脾:脾陽虚・胸痞:

人参3 乾姜3 白朮3 甘草3g:代用処方は六君子湯合真武湯。

163.桂枝人参湯、人参湯などでよく浮腫のくることがある。このような場合には、

五苓散や真武湯などで、わけなく浮腫はとれる。

「漢方診療三十年」大塚敬節

痛み止めの使い分けは、五積散は「風寒湿」、麻杏薏甘湯は「風湿」、二朮湯は「痰湿」、三妙散は「湿熱」、独活寄生湯は「寒湿・気血両虚・腎虚」、苓姜朮甘湯は「寒湿」、桂枝人参湯は「風寒」。

三妙散:蒼朮・黄柏・牛膝。

四妙散:黄柏 蒼朮 牛膝 薏苡仁。

桂枝人参湯は、風寒の胃腸の冷えによる、後頭部痛。

風寒の方剤:

荊防敗毒散は、頭痛・身体痛・発熱・悪寒・咳:やや虚弱者。

麻黄湯は、咳嗽・呼吸促迫・喘息・無汗が顕著な時(咳は肺が乾燥し悪化の畏れ)。

川芎茶調散は風寒の頭痛(激痛)が特に強い時(代用処方は苓桂朮甘湯)。

桂枝人参湯は、胃腸の冷え後頭部痛。

外感風湿の頭痛に荊防敗毒散:摂生衆妙方:辛温解表・袪風湿・止咳化痰・頭痛・咽喉痛・身体痛:荊芥3 防風3 羗活2 独活2 柴胡3 前胡2 川芎2 桔梗1 枳穀2 茯苓3 炙甘草1 生姜1 薄荷1g:やや虚弱者の「カゼ薬のファーストチョイス」。

荊芥:辛微温:袪風解表・止血・消炎・咽痛には古人は必須とした:風病・血病・産後の主要薬:辛温でも燥ではない。

防風:発汗・利尿・鎮静・止瀉・止血。

羗活:散寒燥湿・解表・袪風湿・止痛:温め風湿を去るカゼ薬。

独活:袪風湿・通経絡:特に項背部の筋肉や下半身の関節の風湿を去る・背中の痛み・臀部の痛み・両足のしびれ:独活寄生湯。

寒薬の前胡ぜんこ;苦辛微寒:セリ科白花前胡の根:苦辛微寒:下気化痰・疏散風熱:風熱が原因の咳・痰を冷やして止める:咳止め痰切り薬。

病者一身ことごとく疼み、発熱し、日晡に劇しきところのもの、風湿と名づく。この病は汗出でて風に当たるによりて傷れ、あるいは久しく冷を取るに傷れて致すところなり。

風湿(相搏つ):風邪と湿邪が肌表筋骨に侵入し相争い、肌表停留では身体疼痛・転則不能となり、関節に停留では四肢関節に牽引性の疼痛が生じ(掣痛)屈伸できなくなる。甘草附子湯(甘草 白朮 桂枝 附子)。

「傷寒論:太陽病下」:「風湿相搏ち、骨節疼煩、掣痛して屈伸するを得ず、之に近づけば、則ち痛み劇しく、汗出で短気し、小便利せず、悪風し、衣を去るを欲せず、或は身微腫する者は、甘草附子湯之を主る」

掣痛せいつう(牽引痛)は、冷えの場合の絞痛ではなく、例えば足がぐっとつった時の痛みである。月経痛のほとんどがこの掣痛で、子宮が墜ちそうに下にひっぱられる痛み(当帰四逆加呉茱萸生姜湯)である。

甘草附子湯:傷寒論」:表裏の陽虚を緩やかに補う:

甘草2 白朮6 桂枝3.5 附子1。

桂枝人参湯は「風寒」を治す辛温解表剤であり裏証には使わない:

温中散寒・健脾益気・辛温解表:人参3 白朮3 乾姜2 甘草3 桂枝4。

桂枝人参湯は「風寒」を治す:表証の残存時に誤って下したため脾胃の陽気を損傷し虚寒となり、表邪が心下に陥結して協熱下利が止まらない表裏不解の状態に使う。

協熱下利:原因は寒邪を受けそれが除かれない時に誤下して脾の陽気が傷られ「虚寒となり脾虚腹瀉の裏証」があるが「身熱する表証」もある状態の下利。

痛み止めの使い分けは、五積散は「風寒湿」、麻杏薏甘湯は「風湿」、二朮湯は「痰湿」、三妙散は「湿熱」、独活寄生湯は「寒湿・気血両虚」、苓姜朮甘湯は「寒湿」、桂枝人参湯は「風寒・協熱下利」。