2026/2/2~3
麻黄附子細辛湯(麻黄細辛附子湯)
麻黄附子細辛湯:温経散寒法で表裏双解する:麻黄4 附子1 細辛1:肩や肘の屈曲・関節痛に使う:風寒+陽虚に適応。冷えて活動エネルギーがない状態で手足の冷えと倦怠感があるカゼの初期に使いる。
麻黄附子細辛湯:方函口訣:少陰の表熱を解す。一老人 咳嗽吐痰し午後背中がゾクゾクと悪寒し、後 少し汗を発して治らない時に使用。
麻黄附子細辛湯:方函口訣:「此方少陰の表熱を解するなり。一老人 咳嗽吐痰、午後に背 洒浙シャセキ悪寒し、後 微しく汗に似たるを発して止まず。
一医 陽虚の悪寒として医王湯(補中益気湯)を与えて効なし。
此方を服す僅か五貼にして愈ゆ。すべて寒邪の初発を仕損じて、労状をなす者、此方及び麻黄附子甘草湯にて治することあり。
此方はもと表熱を兼ねるもの故、後世の感冒挟陰の症と同じ。また陰分の頭痛に、防風・川芎を加えて効あり。また陰分の水気に、桂枝去芍薬湯を合して用う。陳修園(清代の医者)は知母を加えて去水の聖薬とす。」
麻黄附子甘草湯(麻黄附子湯に同じ):傷寒論:麻黄3 附子1 甘草3g。
麻黄附子細辛湯:傷寒論:助陽解表:陽虚・風寒表証:悪寒が強く発熱は軽度・無汗・頭痛・身体が怠い・眠い・横になりたがる・四肢冷・舌淡苔白・脈沈で無力。陽虚の体質の者が風寒を感受して生じる症状。
麻黄附子細辛湯:邪が虚に乗じて太陽と少陰(心腎)を侵犯した状態。表寒と裏寒を両感。陽気虚弱なので発熱が軽度。衛気が微弱なので悪寒が強い。寒邪で心腎の陽気が阻滞され、怠い・眠い・横になる・四肢冷。
辛温の細辛:太陽・少陰に入り、辛散で麻黄の解表を助け、温経散寒で附子を助ける。発散して陽気を損傷せず、扶正して邪を残さない。
傷寒論:「少陰病、始めてこれを得、かえって発熱し、脈沈のものは、麻黄附子細辛湯これを主る。」「始めて」は発病初期を示す。少陰病(心腎陽虚)では発熱しないはずが「反って発熱する」は表証を意味する。脈沈は陽虚をあらわす。」
「脈沈は陽虚を表す」:「少陰の病たる、脈微細ただ寝ねんと欲するなり」に表証を伴っている。麻黄附子細辛湯は陽虚の外感に適するが、陽虚が強くて不消化下利・脈微弱に麻黄剤を用いると亡陽のショックの畏れがある。
「張氏医通」:「暴啞し声出でず、咽痛異常、卒然として起き、あるいは咳せんとして咳することあたわず、無痰あるいは清痰上溢し、脈多くは弦緊、これ大寒犯腎なり、麻黄附子細辛湯にてこれを温む」。
「蘭室秘蔵」:「少陰経の頭痛、三陰三陽の経は流行せずして、足の寒気逆して寒厥をなし、その脈沈細は、麻黄附子細辛湯主とす」
寒厥:素問厥論「陰気は五指の裏におこり、膝下に集まり、膝上に聚まる。故に陰気が勝ときは五指より膝上に寒が至り、其の寒は外に従わず皆内に従う」。
桂枝加朮附湯合清上蠲痛湯または桂枝加朮附湯合麻黄附子細辛湯:
顔面の神経痛や顔筋麻痺・顔面神経麻痺。
血瘀の頭痛に清上蠲痛湯:寿世保元:瘀血の頭痛・顔面痛:コタローに製品あり。
止痛の羗活・独活・防風・川芎・白芷・菊花・蔓荊子・細辛:
頭痛・顔面痛以外には袪瘀の効果がない:桃仁・紅花・赤芍・当帰・牡丹皮・桂枝・降香などが無いから。
羗活:散寒燥湿・解表・袪風湿・止痛:温めて風湿を去るカゼ薬。
独活:袪風湿・通経絡:特に項背部の筋肉や下半身の関節の風湿を去る・背中の痛み・臀部の痛み・両足のしびれ:独活寄生湯。
防風:発汗・利尿・鎮静・止瀉・止血:和食のツマ食中毒を防ぐ。
川芎:活血補血の頭痛薬:薬を上部に運ぶ引経薬。
白芷びゃくし:袪風解表・止痛・消腫排膿・燥湿止帯:辛温:
散寒解表(カゼ薬)・袪風止痛(頭痛薬)・消腫排膿・燥湿止帯おりものに適応、激しい燥性(乾かす作用):「その気芳香にしてよく九竅を通ず。」
菊花:疏散風熱・清熱明目・清熱解毒(刺身のツマ)・平肝陽。
万荊子:辛苦微寒:膀胱肝胃経:疏散風熱、清頭目・止痛、袪風除湿。
細辛さいしん:辛温:発散風寒・温経散寒・袪風止痛・温肺化飲。
桂枝・附子:心陽虚の生薬:温通心陽。
麻黄附子細辛湯:温経散寒法で表裏双解:麻黄4 附子1 細辛1:
肩や肘の関節痛に使う:風寒+陽虚の状態に適応。冷えて活動エネルギーがない状態で手足の冷えと倦怠感があるカゼの初期に使います
細辛:ウマノスズクサ科ケイリンサイシンの全草:辛温:
散寒解表・袪風止痛・温肺化飲:小青竜湯など:
細辛はもっぱら少陰に走り、麻黄、附子を助けて表裏の寒を散じる。
少陰は三陰の枢カナメ:少陰は太陰と厥陰の間にあって、枢要な機能を果たしている。
少陰:経脈の名称の一つ。心腎両経の代名詞。その位置は太陰と厥陰の中間にある。陽気の大変小さいという意味。少陰は陰気の初生で、人身の先天の元陰元陽はこの少陰の存在するところに根づく。
少陰病:六経病の一つ。三陽病から伝変したり、外邪が少陰に直中して病む。腎陽の衰微、陰寒の内盛により、症状は脈微細、ただ眠を欲し、悪寒踡臥、下痢清穀、四肢逆冷、ひどければ冷汗出で亡陽(四逆湯)となる。
少陰病:治法は温経回陽法(回陽救逆法)で四逆湯・真武湯・参附湯などを使う。少陰病は裏虚寒証のほか、陰虚火旺に属するものがあり、これを「少陰の熱証」(陰虚火旺)という。少陰の寒証とははっきり区別される。
少陰の熱証(陰虚火旺):主な症状は、心中煩、臥するを得ず、舌紅口燥、脈細数:治法は滋陰清火の法で黄連阿膠湯が代表処方である。
黄連阿膠湯:心腎不交:黄連3 黄芩2 白芍3 阿膠3 鶏子黄1個:心火亢盛で下に「腎陰虚」を招き「上熱下虚」を呈する:心中煩して、臥するを得ず、舌紅口燥、脈細数。
麻黄+石膏:石膏を加えると麻黄の発作用を抑えて麻黄の利水作用を強める。
細辛さいしん:辛温:発散風寒・温経散寒・袪風止痛・温肺化飲。
麻黄附子細辛湯:少陰経の頭痛、三陰三陽の経 流れ行らず足寒気逆するは寒厥たり、その脈沈細なるは、麻黄・附子・細辛を主となす。
気逆:めまい・頭痛・頭重・のぼせ・肩こりなど;
「平衡降逆:桂枝、衝逆(上逆)を治するを主どるなり」。
寒厥・冷厥:陽虚陰盛による厥証。手足の厥冷:四肢の冷え。悪寒して横になりたがる・水様便・不渇・腹痛・面赤・指甲青黒色・重症は昏厥し舌淡、苔潤、脈微細:温陽益気の法。血虚寒凝には養血和営法を兼用。
寒厥・冷厥:陽虚陰盛による厥証には温陽益気の法、血虚寒凝には養血和営法を兼用する。四逆湯・通脈四逆湯・附子理中湯・当帰四逆湯。
寒厥:素問厥論「陰気は五指の裏におこり、膝下に集まり、膝上に聚まる。故に陰気が勝ときは五指より膝上に寒が至り、其の寒は外に従わず皆内に従う」。
骭厥かんけつ:膝の下、脛の上の部分を骭という。骭厥の証は冷えが足腰から上行・下行するために起こるところから名づけられた。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯・麻黄附子細辛湯・透頂散の細辛:辛温:
発散風寒・袪風止痛・温肺化飲。
麻黄附子細辛湯:少陰経の頭痛、三陰三陽の経 流れ行らず足寒気逆するは寒厥たり、その脈沈細なるは、麻黄・附子・細辛を主となす。
気逆:めまい・頭痛・頭重・のぼせ・肩こり。
普段から毛糸の帽子をかぶったりする人の頭痛には麻黄附子細辛湯を使う。