桂枝加龍骨牡蠣湯
桂枝加龍骨牡蠣湯:陰陽双補・補腎安神:桂枝湯+竜骨・牡蠣各3g:桂枝4・芍薬4・大棗4・生姜4・甘草2 +竜骨3・牡蠣3
適用となる症状:全身疲労にともない、眼がしぶりチカチカして疲れるもの。
インポテンツ、精力減退、早漏などに応用する。体力の低下と、精神的なものとが混在するものである。夢精、遺精にも効果がある。
ものに驚くと、発作的に動悸が始まり、脈が速くなるもの(柴胡加竜骨牡蠣湯も)。
透明な帯下が多く出る場合、竜骨・牡蠣の固渋作用が効果を発揮する。(生理時の帯下は六君子湯・小柴胡湯合六君子湯)
帯下は腎虚の症状である。竜骨・牡蠣・桂枝は補腎薬である
竜骨:渋涼:鎮静安神・固精・平肝潜陽:重鎮安神薬
桂枝加龍骨牡蠣湯の遺尿は、足が冷え、下腹がつれて(臍下さいか拘急:小腹拘急:腎虚の症状)動悸があり、陰部に冷たい汗をかき(陰頭寒冷)、寝ぼける傾向(譫語・夜中に無意識に叫ぶ・夢遊病)がある。
物音やつまらないことで驚きやすく、汗が出て、神経が過敏になる、その際のチック病は桂枝加龍骨牡蠣湯の適応である(肝風によるチック病は抑肝散加陳皮半夏)
桂枝加龍骨牡蠣湯:それ失精家は、少腹弦急し、陰頭冷え、目眩し、髪落つ。脈極めて虚し芤遅コウチは、清穀・亡血・失精となす。
脈諸々の芤動微緊を得、男子は失精、女子は夢交(鬼交:夢で性交し疲労する:疲れる夢をみる)するは、桂枝加龍骨牡蠣湯これを主る
円形脱毛症・ふけ症:大柴胡湯・柴胡加竜骨牡蠣湯・桂枝加龍骨牡蠣湯・桂枝加龍骨牡蠣湯合四物湯・加味逍遥散
皮膚科の医者は円形脱毛症に桂枝加龍骨牡蠣湯のみを処方しているが効かない場合が多い。大柴胡湯・柴胡加竜骨牡蠣湯。
柴胡加竜骨牡蛎湯:疏肝清熱・潜陽安神:円形脱毛症に応用される:円形脱毛症;肝鬱が脱毛の原因なら加味逍遙散・大柴胡湯・柴胡加竜骨牡蠣湯・桂枝加龍骨牡蠣湯合四物湯
神経的にすごく疲れる人、一生懸命に仕事で神経を遣って疲れる人、冷え症で、精神不安で疲れる人によい。西医ではEDや円形脱毛症によく処方されるが、あまり効かないので四物湯を合方する。
桂枝甘草竜骨牡蠣湯:心陽虚の心悸・不整脈:温補心陽(苓桂朮甘湯も温通心陽):動悸・疲労で動悸は悪化する・面紅・わずかに顴紅・手は火照るが足冷・多夢・不眠:インポ・円形脱毛症には四物湯を合方する。
桂枝加龍骨牡蠣湯は疲れ目に使うが、肝血虚の薬は少なく、腎虚による精神不安や疲れ・疲れ目を竜骨・牡蠣で治している。
不安感がありよく夢をみる人、鬼交夢交の人:精神不安と冷え症が同時にある人に使う。
桂枝加龍骨牡蠣湯の原則は、手足の冷えがある。