2022/4/1、2023/11/28
平胃散へいいさん
平胃散:理気化湿・和胃:蒼朮4 厚朴3 陳皮3 大棗2 生姜 1 甘草1。
平胃散は、「関節や体表面の水気」と「胃中の水気」を去る:
湿潤した水虫は乾かして治す。脾胃の異常で皮膚の表面の異常(湿潤・水疱・浸出液)が出てきたら、胃腸を調え、痰飲を袪湿し、梅雨の季節なら湿を取り除く薬の平胃散を使う。
平胃散は、湿邪による神経痛やリウマチの「重苦しい痛み」に効く。
「重だるい痛み」の神経痛は、桂枝加朮附湯合平胃散でとれる。
桂枝加朮附湯:桂枝湯+蒼朮4・附子1:
附子が入っているので、冷えている者に用い、熱証では悪化する。
身体痛では、表の衛気営血の不足があるから、人参、黄耆だけを投与しても裏に働くだけで効果は不十分であり、肌表に働く桂枝湯を用いて始めて効果が得られる。
桂枝湯:辛温解肌しんおんげき・調和営衛:表寒・表虚を補う:桂枝4 芍薬4 大棗4 生姜4 甘草2:肌表きひょう の邪を外解がいげ し、営衛を調和する。適用には自汗であること。
蒼朮:キク科ホソバオケラの根茎:苦辛温:燥湿健脾・袪風湿・風湿の筋肉疾患の鎮痛薬。(白朮:オオバナオケラの根茎)
平胃散は、湿気が強い梅雨時などに飲むと、胃がすっきりし、体の重だるさが軽くなって元気になる。
平胃散は、体表面の水気(皮膚病や重だるさの原因)と胃の中の水気が同時にとれる。
五積散の中には平胃散が入っているので、神経痛・腰痛・膝痛に使える。
五積散は「風寒湿」に用いる:
1.腰冷痛、2.腰腹攣急、3.上熱下冷、4.小腹痛の四症が目標:
半夏2 陳皮2 茯苓2 当帰2 蒼朮2 白朮2 白芍1 川芎1 白芷1 枳穀1 麻黄1 桔梗1 乾姜1 肉桂(桂枝1) 厚朴1 大棗1 炙甘草1:赤字は平胃散。
苓姜朮甘湯・甘姜苓朮湯・甘草乾姜茯苓白朮湯・腎著湯じんちゃくとう:袪湿散寒・止痛:下焦の寒湿に適応:
茯苓6 乾姜3 白朮3 甘草2:
寒湿の腰痛・クーラーの冷え症(五積散も適用)。
平胃散:理気化湿・和胃:蒼朮4 厚朴3 陳皮3(三味は理気化湿作用) 大棗2 生姜 1 甘草1(後半の三味は健脾和胃作用)(六味)。
平胃散は、湿気による「重苦しい痛み」を止める処方である。
胃が重苦しい・重苦しく痛い、
腕が重苦しく熱感が無い場合(葛根湯も上腕痛に用いる)
関節痛も重苦しい痛みがよくとれる。
重痛は、圧迫された時に、単純に重い感じがするのは湿邪が原因で平胃散を加える
桂枝加朮附湯合平胃散:風邪ふうじゃと寒邪と湿邪を去り痛みをとる。
小柴胡湯は泄瀉をともなう場合があり、七症を呈している時は、平胃散を合方する:小柴胡湯合平胃散:腰の重だるさ・体痛・寒熱往来・風邪が長引く。
柴胡剤・少陽病の七症:往来寒熱・胸脇苦満・口苦・咽乾・目眩・黙黙不欲飲食・心煩喜嘔(記憶すべき七つの症状で、どれか一つで適応となる)。
湿潤した水虫は乾かして治す。
脾胃の異常で皮膚の表面の異常が出てきたら、胃腸を調え、痰飲は袪湿し、梅雨の季節なら湿を取り除く薬の平胃散を使う。
平胃散は、「体表面の水気:湿潤・浸出液・水疱」と「胃中の水気」を去る。
竜胆瀉肝湯も、水気を取り除く処方であり、水虫でイライラが強く、治らないと薬を頻繁に替えるような人に使う。下半身の湿熱を去る肝経湿熱の処方で陰部の湿熱・しこり・悪臭・陰癬いんせん 陰部掻痒症を去る。
竜胆瀉肝湯の水虫は、靴を履いているとすぐに蒸れて足が臭くなる人の水虫に適用。体に湿気があると湿疹や水虫がジュクジュクする。
竜胆瀉肝湯:医宗金鑑:竜胆草3 柴胡3 黄芩4 山梔子3 生地黄5しょうじおう 当帰3 木通4 沢瀉3 車前子4しゃぜんし 甘草1(中医治法と方剤)
清肝瀉火の山梔子、黄芩、黄連、竜胆草。
竜胆・竜胆草:苦寒:肝胆胃膀胱経:清熱解毒・燥湿通淋:
肝胆の相火と湿熱を瀉す要薬。
木通は「通草」の原名:脾胃の寒熱を除き、九竅きゅうきょう、血脈、関節を通利する。
九竅(体の穴:目・耳・鼻・口・肛門・尿道など)
水虫で、乾燥と湿潤の状態が同時に存在する場合は防風通聖散をつかうが、その条件は食欲があり、便秘する人である。
防風通聖散:疏風解表・瀉熱通便:体を冷まし乾かす作用:当帰 芍薬 川芎 山梔子 連翹 薄荷 生姜 荊芥 防風 麻黄 各1.2 大黄1.5 芒硝1.5 桔梗 白朮 黄芩 石膏 甘草 各2 滑石3。
防風通聖散:口渇・便秘・肥満・食欲旺盛・蓄膿症(脾虚には別の処方が適応)・湿った肛門の痔。
肝胆経に湿熱(肝経湿熱)があると、陰部に湿潤・糜爛びらん・発赤・熱感、しこり、が生じる。そこで、竜胆瀉肝湯・加味逍遙散は陰部掻痒症(乙字湯も適応)に使用される。
乙字湯:大腸湿熱では肛門は湿潤している:柴胡 升麻 炙甘草 大棗 生姜 黄芩 大黄。(肛門が乾燥している切れ痔は麻子仁丸で潤す)
乙字湯:大腸湿熱を乾かす・清熱化湿・升提活血:肛門は湿っている:陰癬いんせん 陰部掻痒症:乙字湯は陰部の悪臭:柴胡 升麻 炙甘草 大棗 生姜 黄芩 大黄)を使う。
升麻:甘辛微寒:発表透疹・清熱解毒・升挙。
夏バテ防止に平胃散合五苓散(胃苓湯:やせ薬):食欲不振・咽乾・怠い:五苓散も夏バテに使う:水飲の証に適応:口渇、小便不利、身体の沈重感、眩暈・浮腫・動悸・嘔吐・水を飲めば吐く水逆に使う。