耳鳴り・難聴

耳の症状:耳だれ・耳鳴り・難聴

留守番処方:耳聾・耳鳴り:補中益気湯合真武湯合耳鳴丸合小柴胡湯合香蘇散・半夏白朮天麻湯合真武湯合耳鳴丸合小柴胡湯合香蘇散

耳の症状に使う処方一覧

荊芥連翹湯・八味丸・六味丸・小柴胡湯合香蘇散・竜胆瀉肝湯合大柴胡湯・竜胆瀉肝湯合小柴胡湯・加味逍遙散・大柴胡湯・苓姜朮甘湯・清気化痰湯・釣藤散・二陳湯合黄連解毒湯・苓桂朮甘湯合黄連解毒湯・耳聾左慈丸(耳鳴丸)・補中益気湯合耳聾左慈丸・補中益気湯合八味丸・加味逍遙散合八味丸

・イライラで耳だれ・・荊芥連翹湯

・何年も続く腎虚の耳だれ・・八味丸や六味丸

・耳の病気は、肝・胃腸・腎の三つと関係している。

・カゼ後、耳の閉塞感から耳鳴り小柴胡湯合香蘇散(柴蘇飲)

・肝火上炎の耳鳴り竜胆瀉肝湯合大柴胡湯(竜胆瀉肝湯加柴胡)

・胃弱者の肝火上炎の耳鳴りは竜胆瀉肝湯合小柴胡湯

・肝火上炎の代用処方では、男性は荊芥連翹湯の適応が多い。

・肝火上炎による耳鳴りに、女性は加味逍遙散か大柴胡湯

・肝火上炎の繁用処方は、加味逍遙散や竜胆瀉肝湯・大柴胡湯

・「痰火鬱結」の耳鳴りで痰や唾液が多い人は、苓桂朮甘湯

「肝火上炎」のめまいは、イライラすると瞬間的にめまいが生じても続かない。

 竜胆瀉肝湯や加味逍遙散をつかう

加味逍遙散:胃に灼熱感・ジリジリやけるような胸焼け・嘈雑そうざつには、安中散ではなく加味逍遙散を使う。量は1/3を何回か投与

「痰火鬱結」の耳鳴りには、

清気化痰湯

苓桂朮甘湯

釣藤散

二陳湯合黄連解毒湯

苓桂朮甘湯合黄連解毒湯だが

黄連解毒湯は1/2としないと具合が悪くなる。

「痰火鬱結」の耳鳴り・難聴:体内に水分が多いことによる耳鳴り・難聴:セミの「ジージー」と大きな音である。飛行機の中で音がこもり大きな音、自分の声が反響するのも耳聾で、絶え間なく中断しない。

慢性腎炎には小柴胡湯合五苓散(柴苓湯)

慢性腎炎の主訴はほとんど食欲不振なので六君子湯や参苓白朮散、六君子湯合真武湯、参苓白朮散合真武湯。

五苓散は小便を出そうと使っても反ってむくんでしまい、慢性腎炎につかうと悪化しやすい。

心血瘀阻の胸痛(心筋梗塞):血府逐瘀湯合失笑散(失笑散:五霊脂ごれいし 生蒲黄)・折衝飲せっしょういん。

夜中に生じる腹痛や胃痛の原因は瘀血であり加味逍遙散加田七・柴胡桂枝湯加田七や折衝飲・血府逐瘀湯・補陽還五湯を使う。

瘀血:癥瘕・腹部の腫塊・蓄血し発狂・面色暗・皮膚青紫色で鱗状に乾枯・おろし金状の鮫肌・夜間悪化・固定痛・刺痛・拒按・実証・紫色の血塊・小腹硬満・少腹痛で夜間悪化・胸脇痛・閉経・大便黒色・舌紫暗瘀点

折衝飲:活血化瘀・理気止痛:当帰5 桃仁5 牡丹皮3 川芎3 赤芍3 桂枝3 牛膝3 紅花2 延胡索3(すべて袪瘀作用がある生薬):心陽虚・瘀血による鎮痛効果が血府逐瘀湯より高い。

補陽還五湯:益気・活血・通絡:黄耆40g 当帰3 赤芍3 川芎3 桃仁2 紅花3 地竜3(コタロー製薬):気虚・血虚・瘀血の脳卒中後遺症・心筋梗塞・高次脳機能障害:代用処方は十全大補湯合血府逐瘀湯。

ふくらはぎ全体、あるいは大腿部の筋肉が痛い時、山登りで、ふくらはぎが痛くなる人は、血虚・肝血虚:四物湯や十全大補湯

「かかと、ふくらはぎ、すねも痛い」という子供は腎虚・肝血虚・脾虚の三つが重なった状態で、小建中湯(成長痛と言われるような)

成長痛や歩き過ぎた後の踵痛(足跟痛)だけなら六味丸(陰虚)

腎虚の耳鳴りは蝉の鳴く様な音で耳聾左慈丸(耳鳴丸)だが耳鳴りより難聴の方が効く

耳聾左慈丸には柴胡・磁石じせきをつかうが、

中国では鉱物薬をよく使い、鉄粉・水銀(朱砂)・もう石(もう:石偏に蒙)などであるが、朱砂は硫化水銀などが成分で、もともとは不眠症の薬で、日本では不許可。

耳聾左慈丸は腎虚の難聴・耳鳴りにしか使わないが、これ以外に八味丸・六味丸が使われる。

耳鳴り・難聴に八味丸を使うが、腎虚の症状以外に、下半身が冷えることが適応に必要

六味丸・耳聾左慈丸は、手と足の平がほてる陰虚の人に使う

特に足がほてる、お風呂に入りすぎても手足がほてってしまい、のぼせたり、体が熱くて頭がさえて眠れないのは体の水気不足のせいである:生脈散・知柏地黄丸を使う

胃腸の働きが弱いと、耳鳴りや耳の聞こえが悪くなることがある陰虚と脾虚が起きるからである。益気聡明湯や補中益気湯、軟便の人には半夏瀉心湯。

食欲不振(脾虚)で腎虚の耳鳴りには、

補中益気湯と八味丸の合方。あるいは

補中益気湯と耳聾左慈丸(耳鳴丸)の合方

耳鳴りで、ストレス(肝郁)が強く足跟痛(腎虚の症状)があり、腰以下が怠い人(腎陽虚)は、加味逍遙散と八味丸の合方とする。肝鬱と腎虚は同時に処方しないと症状はとれない。