2023/12/14
65.頭傾(頭が前に下垂):首に力がなく頭が前に傾いて挙上できないこと:パーキンソン病・認知症・高齢者の難聴者にみられる。
1,中気虚衰の頭傾:補中益気湯(補中益気・昇挙清陽)
2.髄海不足の頭傾:左帰丸・河車大造丸(補腎益精)
脳は髄の海(髄海)。
左帰丸さきがん:景岳全書:腎精不足の治療:補腎益精:填精益髄の紫河車しかしゃ・鹿茸ろくじょう・杜仲・枸杞子・肉ジュ蓉・巴戟天はげきてん・鎖陽さよう・山茱萸・菟糸子・熟地黄:
寒証には填精温腎の右帰丸うきがん。
左帰丸の紫河車:人の胎盤:甘鹹温:心・肺・腎経:益気・養血・補精・強壮。
左帰丸の鹿茸ろくじょう:鹿角・血茸片:甘・鹹・温:温腎補陽・強筋骨・健胃・生精補血:婦人科疾患は多くは「帯脈」の異常で、これには鹿茸が効くので子宮疾患・子宮筋腫に鹿茸を使う:女性に良く効く。
左帰丸の杜仲とちゅう:甘微辛温:補肝腎・強筋骨・安胎:杜仲茶。
肝を養う「養血の薬物」:当帰・白芍・地黄・首烏しゅう・枸杞子3g・女貞子・旱蓮草・桑椹子そうじんし などの薬物。
滋陰・補陰の女貞子:モクセイ科トウネズミモチの成熟果実:苦平:肝腎経:補腎滋陰・養肝明目:中心性網膜炎に網膜炎方。
旱蓮草かんれんそう:キク科タカサブロウの地上全草:甘酸寒:肝腎経:滋陰補腎・涼血止血:肝腎陰虚・肝火旺による出血を止める:婦人薬に頻用される。
桑椹・桑椹子そうじんし:クワ科マグワの成熟果実:甘微酸温:養血袪風・補益肝腎・利尿・鎮咳・肝腎平補。
左帰丸や左帰丸の腎精不足の治療薬の肉ジュ蓉にくじゅよう:
ハマウツボ科ホンオニクの 肉質茎:甘鹹温:腎大腸経:滋腎益精・補陽潤腸:強壮・通便:肉ジュ蓉は補陽でも燥でなく滋してしつこくないので従容という。
左帰丸の腎精不足の治療薬の巴戟天はげきてん:アカネ科巴戟天の根:辛甘微温:腎経:温腎補陽・強筋骨・袪寒湿:淫羊藿と同じ:腰や膝の寒湿による障害に適す:腎陽虚による失禁・頻尿に用いる。
左帰丸の鎖陽さよう:ハマウツボ科鎖陽の肉質茎:甘温:肝・腎経:補陽益精・潤燥滑腸・養筋:腎陽虚による四肢の筋萎縮・末梢神経炎・脊髄神経根炎・小児麻痺後遺症:肉ジュ蓉の代用:滋陰丸。
左帰丸の菟糸子:ヒルガオ科ハマネナシカズラの成熟種子:辛甘平:肝腎経:補腎益精・明目・止瀉・安胎(滑胎に寿胎丸)。
寿胎丸じゅたいがん:菟糸子 桑寄生 続断 阿膠:外傷の滑胎に聖癒湯合寿胎丸。
桑寄生そうきせい:ヤドリギ:補肝腎・袪風湿・強筋骨・安胎(滑胎に寿胎丸):梅寄生もある。
補肝腎安胎薬の続断ぞくだん:マツムシソウ科川続断の根:苦辛微温:肝・腎経:補肝腎・続筋骨(筋骨を修復する)・活血・安胎(滑胎に):打撲・捻挫・骨折・腰や下肢の疼痛・四肢疼痛。
補腎益精の生薬:続断・桑寄生・菟糸子・鎖陽・巴戟天・淫羊藿・肉ジュ蓉・杜仲・鹿茸・紫河車。
河車大造丸:中成薬:填精益髄てんせいえきずい:紫河車・亀板・熟地黄・人参・天門冬・麦門冬・牛膝・杜仲・黄柏。
紫河車:人の胎盤:甘鹹温:心・肺・腎経:益気・養血・補精・強壮。
河車大造丸の亀板:ツチガメ科クサガメの腹部甲羅・背部甲羅:滋陰潜陽・強筋骨・涼血補血・止血。
河車大造丸の地黄:甘苦寒:心・肝・腎経:清熱滋陰、涼血(血熱を清熱)、止血、生津止渇。「地黄、血症及び水病を治するを主どるなり」。
河車大造丸の人参:ウコギ科オタネニンジンの細根を除いた根を乾燥、または軽く湯通しして乾燥したものが白参。根を蒸して乾燥したものを紅参という:大補元気・安神益智・健脾益気・生津。
河車大造丸の天門冬:ユリ科クサスギカズラの塊状根:甘・苦・大寒:補陰・滋陰潤燥・清熱化痰・肺陰虚の虚熱の咳嗽につかい虚熱を潤し冷ます:養陰生津薬。
河車大造丸の麦門冬・麦冬:ユリ科ジャノヒゲの塊状根:甘微苦微寒:潤燥生津・化痰止咳:性質が滋潤で、肺を滋補するが痰を生じ易いので解表には不利。
河車大造丸の牛膝ごしつ:ヒユ科イノコズチモドキ:平:活血袪瘀止痛・活血通経・舒筋利痹・補益肝腎・強筋骨・薬を下行させる引経薬で下半身の痛みに繁用する。
河車大造丸の黄柏:清熱燥湿・瀉火解毒・清虚熱:清熱する。湿を除く、清熱して炎症を鎮める。