滋腎明目湯

四物湯加減法・滋腎明目湯

四物湯の起源について

1,出典「金匱要略」の芎帰膠艾湯からできた。

芎帰膠艾湯:当帰・芍薬・川芎・地黄・阿膠・艾葉・甘草から
阿膠・艾葉がいよう・甘草をのぞいて、四物湯ができた。

四物湯は、養血調経して月経を調え女性の血虚証に用いる。

血虚の症状:面色淡白でつやがない、面色萎黄いおう、頭暈、目のかすみ(目花もっか)、舌質淡、脈細、間歇的な動悸(心悸しんき:帰脾湯)、持続する動悸(怔忡せいちゅう:帰脾湯)、不眠、手足のしびれ(手足麻木まぼく)。

2,出典「仙授理傷続断秘方せんじゅりしょうぞくだんひほう」846年に・・

「四物湯 およそ傷重く、腸内に瘀血有る者 此れを用う」この時は、熟地黄を用いる。(仙授なので、道教の影響を受けているようだ)

熟地黄・熟地:ゴマノハグサ科カイケイジオウの塊状根:酒にて蒸す:血虚に適す:滋陰・補血:4~10g~15~20g~30g。

四物湯の加味方はたくさんある。
たとえば活血剤(袪瘀剤)として、疎経活血湯(万病回春)、血府逐瘀湯(医林改錯いりんかいさく)

疎経活血湯:万病回春:袪風湿・補血・活血化瘀:四物湯 + 蒼朮 茯苓 桃仁 牛膝 防已 威霊仙 羗活 防風 白芷 竜胆草 陳皮 生姜 甘草。

疎経活血湯:全身の関節痛・しびれ。「昼軽く夜重きはこれ血虚なり」:

痰には南星なんしょう・半夏を加う。上腕(臂ヒ)痛むは桂枝を加う。
下半身痛には木瓜もくか・木通・塩水炒黄柏・薏苡仁・牛膝を加う。

木瓜もっか:ボケの成熟果実・カリンも用いる:酸温:舒筋活絡じょきんかつらく・和胃化湿:湿邪による筋疾患に適応。

血府逐瘀湯:医林改錯:活血化瘀・通絡・理気止痛・補血:生地黄4 桃仁4 紅花3 当帰3 赤芍3 牛膝3 柴胡2 枳穀2きこく 桔梗2 甘草1:瘀血一般に繁用処方(川芎は入っていないが四物湯がある)心筋梗塞の予防。

二朮湯:万病回春:袪風湿・化痰:蒼朮4.5 白朮 天南星 陳皮 茯苓 香附子 黄芩 威霊仙 羗活 甘草各3 半夏6 生姜:痰飲にて双臂・手臂の痛む湿盛挟痰を治す。

臂ヒ(二の腕・肩の付け根から肘まで:上腕)・臂ヒ(前腕)。

袪風湿:威霊仙いれいせん・羗活きょうかつ。

袪風湿薬の威霊仙:キンポウゲ科シナボタンヅルの根・枝・茎:辛温:膀胱経:袪風除湿・通絡止痛・消痰逐飲:魚骨が咽に刺さった時:(センニンソウ:根をシナボタンヅルの代用として⇒鉄脚威霊仙、威霊仙)。

羗活きょうかつ:セリ科羗活(シシウド)の根や根茎:辛苦温:散寒燥湿・解表・袪風湿・止痛;羗活は風邪薬によく配合される:荊防敗毒散けいぼうはいどくさん・川芎茶調散・疎経活血湯・大防風湯。

化痰燥湿:天南星・陳皮・姜半夏きょうはんげ(生姜で修治した半夏)。

健脾:(人参)・白朮・茯苓・甘草。

血府逐瘀湯:活血化瘀・通絡・理気止痛・補血:生地黄4 桃仁4 紅花3 当帰3 赤芍3 牛膝3 柴胡2 枳穀2 桔梗2 甘草1:瘀血一般に繁用処方(川芎は入っていないが四物湯がある)心筋梗塞の予防。

「「太平恵民和剤局方」は北宋の陳師文の編撰1151年においては、
「四物湯は、営衛を調益し、気血を滋養す。衝任虚損し・・」
四物湯が、気血を滋養し、「気血両虚」に効くことを示す。

つまり、四物湯は、血虚証と衝任虚損(腎虚)に使う(熟地黄を使う)。
衝任は腎の支配下にあり、つまり「衝任虚損は腎虚である」。

このため、四物湯は、血虚証と腎虚に使うことができる。

「丹渓心法」朱丹渓 明 1481年、これは弟子が刊行したもので
「四物湯 衝任虚損(腎虚)し、月水調わず臍腹さいふく絞痛するを治す」とあり、やはり腎虚に使うとある。

「蕉窓方意解しょうそうほういかい」和田東郭(古方派)1813年
には、「四物湯・・いわゆる肝虚とは、独り肝気妄動するにみならず、腎気倶に虚するなり。・・皆 腎気虚耗して肝気妄動するの症候なり。・・地黄を補腎の薬と云うは、この如く 肝血を清涼するに因りて腎水枯渇せざるをさして補腎の薬と云う也。」

地黄は、肝血を清涼して腎水が消耗するのを予防して地黄が腎虚を予防しているので、「四物湯は腎虚の薬である」と言っている。

「論語集解ろんごしっかい、魏・何晏かあん」では、四物湯は月経病を治す、つまり補腎薬であると言っている。熟地黄と芍薬は補血薬で、当帰・川芎は活血作用(補血作用もある)があり、血の道を健やかにする。

「婦人良方大全」陳自明ちんじめい 編 ; 薛己セツキ 註(金元時代)の第2巻には、四物湯の加減法が沢山載っていて参考になる。

華佗:かだ:後漢の末の外科の名医は、張仲景ちょうちゅうけい と同時代の人である。

四物湯の地黄について、

1,熟地黄:補血(血虚に使える)調経、滋腎(腎虚を補う)益精。
2.乾地黄(干地黄)は、熟地黄と生地黄の中間の性質で、生地黄が無いときに代用する。
3,生地黄しょうじおう:清熱(冷まして炎症を抑える)滋陰、涼血止血(炎症による出血を冷まして止血する)、生津止渇(潤いを生じ陰虚の虚熱を冷ます)

「成方便読・四物湯」清、張 1904年には、
「補気するには、まさに之を脾肺に求め、
補血するには、まさに之を肝腎に求むべし。

四物湯:当帰・芍薬・川芎・熟地黄。

四物湯の組成は、すべて肝に帰経し、熟地黄は肝腎に帰経する。
つまり四物湯は、肝の蔵血作用を高めて補血して腎を潤して、腎と関係する衝任脈を補い(補腎し)調経する。

「黄帝内経こうていだいけい」は、春秋戦国時代~前漢までの医学を整理したもの。

「黄帝内経・素問そもん・金匱真言論」前漢末~後漢初に成立。
には、「それ精とは、身の本なり」
つまり、腎精(精)は生命活動を維持するための基本物質である。

「黄帝内経・霊枢れいすう・決気」・・
には、「中焦(脾胃)気(水穀の気)を受け 汁(精微物質)をとり、変化して赤し これを血と謂う」

血は「先天の精(腎精)」と、後天の「水穀の精」により、血が化生される。
精(腎精)は、後天の「水穀すいこくの精」から化生して腎精が形成される。

「精血は同源」であり、「肝は血を蔵し」、「腎は精を蔵す」ので、肝腎は同源である。

気の一部分は、気の気化作用で精に転化する。
血の不足が長引くと精も不足する。
精の一部分は、気の気化作用で血に転化する。
精(腎精)が不足すると血も不足する。

つまり精血同源であるので、四物湯やその加減法は、腎虚を補うことができる。

四物湯の加減法

芎帰膠艾湯・疎経活血湯・血府逐瘀湯・十全大補湯・当帰飲子・桃紅四物湯・七物降下湯・温清飲・滋腎明目湯・滋腎通耳湯・大防風湯。 

滋腎明目湯:万病回春:当帰3 芍薬3 川芎3 熟地黄3 生地黄3 桔梗1.2 人参1.2 山梔子1.2 黄連1.2 白芷1.2 蔓荊子1.2 菊花1.2 甘草1.2 細茶1.2 灯心草1.2。

滋腎明目湯:神を労し腎虚し、血少なく(肝血虚)眼痛む(シェーグレン症候群のドライアイ)を治す。視力低下・白内障・飛蚊症(内障にて黒花を見)は、皆血少なく神を労した腎虚なり。

滋腎明目湯:
肝熱甚だしき(緑内障)は竜胆草・柴胡を加う。
腎陰虚火旺するは知母・黄柏を加う:滋腎明目湯合知柏地黄丸。

陰虚火旺:内傷七情で肝鬱化火したり、房室不節で腎陰が消耗し陰虚火旺となる:五心煩熱・夕方に微熱が出る・顴紅かんこう・口渇少津・冷飲を好む・舌質紅・脈数など熱証を呈する:知柏地黄丸。

内傷七情とは、(七気:喜・怒・憂・思・悲・驚・恐の過度の長期継続や激烈な感情の爆発によって正常な五臓の機能を障害すること)

風熱壅盛(目赤)には防風・荊芥を加う:滋腎明目湯合荊芥連翹湯。
風熱にて眼の充血するは連翹・黄芩を加う:滋腎明目湯合銀翹散・滋腎明目湯合荊芥連翹湯。

荊芥連翹湯:万病回春:荊芥2 連翹2 黄芩2 山梔子2 防風2 当帰2 川芎2 白芍2 柴胡2 枳穀2 白芷2びゃくし 桔梗2 甘草1.5。(荊芥・連翹・山梔子・黄芩は、強い消炎・抗菌・解熱作用)。

銀翹散:辛涼透表・清熱解毒:連翹30 金銀花(忍冬にんどう)30 桔梗18 薄荷18 竹葉2ちくよう 生甘草15 荊芥穂12 淡豆鼓15たんとうし 牛蒡子18ごぼうし:麻疹はしかに辛涼透疹作用:咽痛が目標・口渇・舌尖紅・高熱・咳・胸痛。

牛蒡子ごぼうし・牛子・鼠粘子・大力子:キク科ゴボウの種:辛苦寒:肺胃経:辛苦寒:肺・胃経: 疏散風熱、袪痰止咳、解毒消腫:風熱の咽痛・麻疹初期の透疹・風熱時の便秘:牛蒡湯。

「万病回春」9988:龔廷賢きょうていけん、1587年:中風(脳溢血・脳梗塞に非常に詳しい)・内科病証・耳病・眼病・婦人病・小児科を論じている。日本でも江戸時代に30回も出版された。

「万病回春」の有名処方:疎経活血湯・荊芥連翹湯・二朮湯・通導散・芎帰調血飲・芎帰調血飲第一加減・清上防風湯・啓脾湯・五虎湯・洗肝明目湯・滋腎明目湯・滋腎通耳湯・分消湯など、漢方家の必読書である。

疎経活血湯:万病回春:袪風湿・補血・活血化瘀:四物湯 + 蒼朮 茯苓 桃仁 牛膝 防已 威霊仙 羗活 防風 白芷 竜胆草 陳皮 生姜 甘草。

二朮湯:万病回春:袪風湿・化痰:蒼朮4.5 白朮 天南星 陳皮 茯苓 香附子 黄芩 威霊仙 羗活 甘草各3 半夏6 生姜:痰飲にて双臂そうひ・手臂しゅひ の痛む湿盛挟痰を治す。

通導散:万病回春:理気活血・破血逐瘀・瀉下:当帰3 紅花3 蘇木2そぼく 木通3 大黄3 芒硝3ぼうしょう 枳実3 厚朴2 陳皮3 甘草3:打撲・瘀血による腰痛・瘀血の痔:小承気湯と調胃承気湯を内包している。

芎帰調血飲第一加減:万病回春:活血化瘀・補血・理気健脾:当帰2 川芎2 熟地黄2 白朮2 茯苓2 陳皮2 烏薬2 香附子2 牡丹皮2 益母草2 大棗2 乾姜1 炙甘草1。

烏薬うやく:クスノキ科テンダイウヤクの根:辛温:行気止痛・散寒温腎。

清上防風湯:万病回春:袪風清熱・解毒排膿:川芎2.5 黄芩2.5 連翹2.5 防風2.5 白芷2.5 桔梗2.5 山梔子2.5 荊芥1 黄連1 枳穀1 甘草1 薄荷1:額のニキビ。

啓脾湯けいひとう:万病回春:補気健脾・化湿・滋補脾陰:人参3 蓮肉3 山薬3 朮4 茯苓4 山楂子2 陳皮2 沢瀉2 甘草1:参苓白朮散とほぼ同じで、滋補脾陰の効果はやや劣る。

蓮肉・蓮子れんし:スイレン科ハスの種子の仁:甘淡平:清心益腎・健脾止瀉・益腎固渋・収斂・鎮静・清心火・清熱・心腎不交:中国人は不安感に煎じて使う。

五虎湯:麻黄4 杏仁4 生石膏10 生甘草2 桑白皮1:麻杏甘石湯+桑白皮1g。

桑白皮そうはくひ:桑マグワの根の皮は白い:甘・辛・寒:瀉肺平喘・行水消腫・利尿・消炎:肺熱を冷やし利水消腫す:燥熱乾咳に肺熱を冷まし潤す瀉白散しゃはくさん に配合。

瀉白散・別名は瀉肺散:小児薬証直訣しょうにやくしょうじっけつ:桑白皮4 地骨皮4 粳米2 生甘草2:清肺止咳:慢性の肺熱を冷まし急性の肺炎の炎症には不適。麻疹の肺炎・肺結核の肺熱を冷ます:成薬は無い。

黒内障こくないしょう:黒花、黒風内障ともいう。目中に時に黒い花が見え、飛び回り、長い間には瞳神どうしん(瞳孔・瞳子どうし)が黒くなってくる。多くは腎陰(腎精)不足によって起こる。

「眼科秘訣・滋腎明目湯」唐、千金備急要方の孫思邈そんしばく581~682年。

滋腎明目湯:眼科秘訣:菊花、川芎、白朮、決明子、人参、陳皮、山梔子、肉ジュ蓉、黄柏、知母、木賊、茺蔚子、枸杞子:

少年・中年の気血壮盛なる者の雲翳を治す。
雲翳うんえい:黒目に薄い不透明な膜を生じる。白内障をさす。

滋腎明目湯:万病回春:当帰3 芍薬3 川芎3 熟地黄3 生地黄3 桔梗1.2 人参1.2 山梔子1.2 黄連1.2 白芷1.2 蔓荊子1.2 菊花1.2 甘草1.2 細茶1.2 灯心草1.2。

決明子けつめいし・草決明:マメ科エビスグサの成熟種子:甘鹹微寒:肝胆経:清肝明目・袪風熱・通便・降圧:下利・低血圧には禁忌。

腎精不足の薬の肉ジュ蓉にくじゅよう:ハマウツボ科ホンオニクの肉質茎:甘鹹温かんかんおん:腎大腸経:滋腎益精・補陽潤腸:強壮・通便:肉ジュ蓉は穏やかで補陽でも燥でなく滋してしつこくないので従容という:2~6。
肉ジュ蓉のジュは、くさかんむりのついた従。

木賊もくぞく・木賊草:トクサ科の木賊の全草:甘微苦平:肺肝胆経:袪風熱・退眼翳たいがんえい:風熱の眼病。

茺蔚子じゅういし:シソ科益母草メハジキの果実。益母草と効能は同じ:辛微苦微寒:活血通経・行血袪瘀:母を益すので婦人病によく使う。

益母草やくもそう:シソ科メハジキの全草:辛微苦微寒:活血通経・行血袪瘀:母を益すので婦人病によく使う。

蔓荊子(万荊子)まんけいし:疏散風熱・清頭目:鎮静・鎮痛作用:頭痛・風湿による肢体のしびれ・だるさ・運動障害に:よく眼薬・頭痛薬に配合される。

灯心草・灯芯草:イグサ科トウシンソウの茎髄:甘淡微寒」心・小腸経:清熱利湿・清心火・利尿:小児の夜泣き心熱に。

「方読弁解・眼目」江戸時代、福井楓亭ふくいふうてい81725~1792)別名「崇蘭館方読弁解すうらんかんほうどくべんかい」

「滋腎明目湯 心神の労、あるいは(肝血虚で)血少なく、眼乾き痛み(ドライアイ)、昏暗する者に用ゆべし。

滋腎明目湯は、霊羊角湯(羚羊角湯)の症に似て、逆上なき者に宜し。
また補肝散は、黒花を生ずるが如き者に用ゆ。

滋腎明目湯は、黒花こくか(黒内障)に非ずして、ただ眼力薄く、明らかならず、昏暗する者に宜し。
滋腎明目湯の白芷は、眼病にして頭上に昇提するが為なる可し。

その他の加減の方、後世(後世方派ごせいほうは)の意に似たれば、随いて用ゆ可し。
補肝散・羚羊角湯、倶に参考にして証を取る。」

羚羊角湯:張氏医通いつう・目門方:清、張璐ちょうろ、1695年:肝熱生風・内障:羚羊角、人参、玄参、地骨皮・羗活・車前子:滋腎明目湯に似るが、逆上する者(脳卒中など)に用いる。

補肝散:証治準縄・目・内障」明、王肯堂おうこうどう、1602年:肝風内障・不痛不痒、あるいは一物二形(復視):羚羊角、防風、人参、茯苓、細辛、玄参、車前子、黄芩、羗活:黒花を生ずるが如き者に用ゆ。

黒内障:黒花、黒風内障ともいう。目中に時に黒い花が見え、飛び回り、長い間には瞳神(瞳孔・瞳子どうし)が黒くなってくる。多くは腎陰(腎精)不足によって起こる:補肝散。

「勿誤薬室方函口訣ふつごやくしつほうかんくけつ」浅田宗伯 口授、浅田惟學これのり 筆記・神林寛ひろし校訂、1878年(明治11年)によれば、
「腎気明目湯回春(滋腎明目湯)は、神を労し、腎虚、血少なく、眼痛み昏暗なるを治す。この方は内障眼(白内障)の主方とす。

浅田惟學これのり・・のりは、學へん の字。

内障(白内障)に気虚血虚の分あり。
血虚の者を滋腎明目湯とす。
気虚の者を益気聡明湯とす。

益気聡明湯の気虚一等重き者を医王湯(補中益気湯)加防風・蔓荊子・白豆蔲とす。

滋腎明目湯の血虚の一等重きものを、十全大補湯加沈香・白豆蔲・附子とす。

内障に硬翳こうえい(眼球が硬くなる:緑内障)、
乳汁翳にゅうじゅうえい(白濁:白内障)の二症あり。

また、黒内障、癲家てんか(癲癇てんかん)に属する者あり。
宜しく専門に就いて辯明すべし。

滋腎明目湯:万病回春:当帰3 芍薬3 川芎3 熟地黄3 生地黄3 桔梗1.2 人参1.2 山梔子1.2 黄連1.2 白芷1.2 蔓荊子1.2 菊花1.2 甘草1.2 細茶1.2さいちゃ 灯心草1.2とうしんそう:白内障で血虚による者。

益気聡明湯:東垣試効方・眼門:金の時代、李杲りこう(李東垣)1266年:黄耆、甘草、人参、升麻、葛根、蔓荊子(万荊子)、芍薬、黄柏:白内障で気虚による者、脾胃不足、内障、耳鳴、昏暗、視物不能。

補中益気湯:補気健脾・昇陽虚寒・甘温除熱:黄耆4、甘草1.5 人参4 当帰3 陳皮2 升麻0.5 乾姜0.5 柴胡1 白朮4 大棗2:

中気下陥を昇陽挙陥するので、怠さの強い肝炎に使う。

防風:セリ科防風の根:辛甘微温:膀胱肝脾経:袪風解表・袪湿解痙・止瀉止血:発汗・解熱・鎮痛:袪風の主薬。

蔓荊子まんけいし:疏散風熱・清頭目:鎮静・鎮痛作用:頭痛・風湿による肢体のしびれ・だるさ・運動障害に:清頭目で、よく眼薬・頭痛薬に配合される。

白豆蔲びゃくずく1.5~3g:・白豆仁・白叩仁・蔲仁:ショウガ科白豆蔲の果実中の種子:辛温:肺脾胃経:化湿和胃・行気寛中きょうきかんちゅう:草豆蔲そうずく・草果そうか と似ている。