2025/1/18
心不全に使う処方
牛車腎気丸・真武湯・炙甘草湯・木防巳湯・生脈散・生脈散合真武湯・炙甘草湯合真武湯・木通・桂枝。
腎陽虚の重症:水飲が発生して停滞し陽虚水泛となり、上に向かって水飲があふれが、心・肺を犯す凌心瀉肺となり、動悸・呼吸困難・呼吸促迫して起坐呼吸を引き起こす心不全の状態になる:炙甘草湯・真武湯・牛車腎気丸。
真武湯:回陽救逆・温陽利水:心腎陽虚で陽虚水泛の心不全・寒湿の腹痛下利:附子1 茯苓5 白朮3 白芍3 生姜3(白朮+白芍の組合せはお腹の痛みを止める薬であるので、過敏性大腸炎に使える)。
炙甘草湯:心陽虚・心血虚に適用:益気通陽・滋陰補血:炙甘草3 人参3 生姜2 桂枝3 阿膠2 麦門冬6 麻子仁3 生地黄6 大棗3:心気陰両虚の胸痛・心不全・狭心症:生脈散や炙甘草湯の加減:不整脈・動悸・息切れ。
炙甘草湯の生地黄、麦門冬、阿膠、麻子仁、大棗は、心血を補い、心陰を滋潤して血脈に栄養を与える。
生脈散や炙甘草湯の加減は、不整脈・動悸・息切れして苦しむ・心不全・心臓の弱りによる下肢の浮腫に用いる。
生脈散:人参6・五味子3・麦門冬6(生脈散合炙甘草湯・生脈散合補中益気湯・生脈散合真武湯)。
心気陰両虚の胸痛:生脈散合炙甘草湯の加減:脈結代(不整脈)・動悸・息切れの代表処方。
生脈散加減:益気養陰・疏通心脈:気陰両虚:党参5 麦門冬4 五味子2g 北沙参4 丹参7 石斛4 生地黄3 炙甘草2 赤芍3 白芍3 天花粉5g(括楼根)。
石斛せっこく:ラン科石斛の茎:甘微寒:肺胃腎経:生津益胃・滋陰潤肺・補陰:胃陰を滋養する:養陰生津薬。
天花粉てんかふん・花粉・括楼根:ウリ科シナカラスウリの塊根・甘大寒:心肺胃経:清化熱痰:風熱による咳嗽:10~30g衝服。
柴陥湯さいかんとう:和解半表半裏・清熱化痰:胸痛・胸内苦悶・黄痰・舌苔は黄色く厚い:栝楼仁3 柴胡5 黄芩3 黄連1.5 半夏5 生姜3 人参2 大棗3 甘草1.5(肺炎による胸痛や長引いた咳や痰に適応する)。
柴胡加竜骨牡蠣湯の桂枝:辛甘温:発汗解表・温通経脉(心不全・心陽虚の動悸を鎮める)・通陽化気(陽気を通じ元気を増す)・通陽利水。
木防巳湯:支飲(胸部の痰飲)・肺水腫の呼吸困難・尿量減少・口渇・発熱・利尿・鎮静・消炎・軽度の強心:鬱血性心不全・肺水腫・心臓喘息・胸水:利水滲湿・益気・清熱:木防已4 桂枝2 党参4 生石膏6g。
木防已:ウマノスズクサ科広防已の根:利水消腫(肺水腫・胸水の利水)・袪風止痛(風邪薬・鎮痛剤):袪風利湿・清熱。
心腎陽虚:寒がる・四肢冷など寒証が強く、尿量減少・足の浮腫などを伴う:下焦の寒水が上泛し夜中に心不全の発作:治法は温陽散寒・利水消腫:真武湯加減・炙甘草湯合真武湯・牛車腎気丸・生脈散合真武湯。
牛車腎気丸は、心腎陽虚の心不全に使う。
過敏性大腸炎:加味逍遙散・半夏瀉心湯・当帰芍薬散・真武湯・加味逍遙散合半夏瀉心湯・真武湯合半夏瀉心湯・半夏瀉心湯合当帰芍薬散・真武湯合当帰芍薬散・真武湯合補中益気湯・加味逍遙散合当帰芍薬散。
桂枝去芍薬湯を用いて、心胸の陽気を鼓舞して邪気を表から駆逐して心不全のような胸苦しい症状を解する:芍薬は気味が酸寒で陰性で凝縮収斂性があり胸内の陽気を宣通には不適当なので去芍薬とした。
木通(通草):アケビ科アケビ、ウマノスズクサ科木通の木質茎:苦寒:降火利水・通乳:心火による心不全や浮腫に用いる:九竅や血脈や関節を通利し人をして痛みを忘れる:0.8~3g。
木通(通草):「通草つうそう:ウコギ科カミヤツデ」の原名?:降火利水・通乳:中品:悪蟲を去り、脾胃の寒熱を除き、九竅、血脈、関節を通利す。
心気虚・心陽虚は、心不全・狭心症・不整脈・全身衰弱・神経症などでみられる。