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膝腫痛しつしゅつう（膝の腫脹と疼痛）
膝痛：大防風湯：三気飲（大防風湯合杞菊地黄丸）：加味二妙散：五積散（麻杏薏甘湯）・陽和湯：五味消毒飲合活絡効霊丹（自潰後十全大補湯）：薏苡仁湯：六味丸加鹿茸牛膝（六味丸合牛車腎気丸）：紺珠丹。
膝痛：気血両虚・肝腎両虚・湿熱・寒湿・熱毒・湿毒・鶴膝風・膝游風。
膝痛：
気血両虚（大防風湯）・
肝腎両虚（大防風湯合杞菊地黄丸）・
湿熱（加味二妙散）・
寒湿（五積散（麻杏薏甘湯））・
湿毒（薏苡仁湯）・
鶴膝風（六味丸合牛車腎気丸）
1、気血両虚の膝腫痛：補気血・温経脈・散風湿：大防風湯。
大防風湯：和剤局方：袪風湿・散寒・補気血・益肝腎・活血止痛：気血両虚・肝腎不足の風寒湿痺：四物湯＋人参 白朮 甘草 黄耆 生姜 大棗 杜仲 牛膝 防風 羗活 附子：大病後の起立歩行困難に。
羗活きょうかつ：セリ科羗活の根や根茎：辛苦温：散寒燥湿・解表（カゼ薬）・袪風湿・止痛；羗活は風邪薬によく配合される：荊防敗毒散・蠲痺湯・大防風湯。
2，肝腎両虚の膝腫痛：補肝腎・填精髄てんせいずい・散寒湿：三気飲（大防風湯合杞菊地黄丸）
三気飲：補肝腎・填精髄・散寒湿：当帰・枸杞子・杜仲・熟地黄・牛膝・茯苓・白芍・肉桂・細辛・白芷・甘草・附子・生姜。
3，湿熱の膝腫痛：清熱滲湿・疏利関節：加味二妙散
加味二妙散：黄柏・蒼朮・牛膝・当帰・防已・萆薢ひかい・亀板。
萆薢：ヤマノイモ科粉萆薢の地下根茎：苦平：肝胃経：袪風湿：頻尿・小児の尿失禁・膏淋・湿熱による痺痛：萆薢分清飲（前立腺炎）。
4．寒湿の膝腫痛：散寒温経・除湿活血：五積散・陽和湯（麻杏薏甘湯）
陽和湯ようわとう：外科全生集：熟地黄 白芥子 鹿角膠 炮姜炭 麻黄 肉桂 甘草。
白芥子はくがいし：アブラナ科白芥の成熟種子：辛温：肺経：利気袪痰・消腫止痛：温化寒痰の常用薬：三子養親湯（白芥子・蘇子・莱菔子ダイコンの種、各1ｇ）
外感風湿に麻杏薏甘湯：袪風湿・解表・止咳平喘：
麻黄4 杏仁3 薏苡仁10 炙甘草2：
風湿の表証で浮腫に使用・風湿が化熱して熱をもったものに使用・イボに使用・雨に濡れてひいた風邪に使う：膝痛：麻杏薏甘湯合防已黄耆湯。
5，熱毒の膝腫痛：清熱解毒・活血・利関節：五味消毒飲合活絡効霊丹で、自潰後は十全大補湯。
五味消毒飲：医宗金鑑：金銀花（忍冬ニンドウ） 野菊花 蒲公英 紫花地丁 紫背天葵子。
金銀花3～6ｇ・忍冬：スイカズラの花蕾：甘寒：肺経：清熱解毒・芳香化濁：皮膚や頭頸部や肺の熱毒を除き、湿濁を化す：頭皮の角状の腫瘍。
三金湯：金銀花（スイカズラの花蕾）・菊花・蒲公英（タンポポの根）：松浦薬業に500ｇボトル有り。
加減活絡効霊丹かげんかつらくこうれいたん：子宮外妊娠、下腹部一側突然疼痛、絞割る痛み、出血、開始時量少紫暗につづいて大量出血：丹参5 赤芍3 乳香3 没薬3 桃仁3ｇ、水煎服用する。
丹参：シソ科タンジンの根：苦微寒：心・心包経：活血袪瘀・涼血・養血安神：血管拡張・鎮静・精神安定・鎮痛・肝不全の疼痛・神経衰弱・動悸・不眠・煩躁・不安など心血虚：天王補心丹：2～5ｇ～10～20ｇ。
血府逐瘀湯：医林改錯：瘀血内阻：牛膝4 桃仁3 紅花3 当帰4 赤芍3 川芎2 生地黄4 枳殻3 柴胡3 桔梗2 甘草1ｇ：血府逐瘀湯合折衝飲加地竜：血府逐瘀湯冠心二号方。
桔梗キキョウ：苦辛平：肺経：宣肺袪痰、排膿消腫、引経上浮：痰を除き、他薬を上部に導く作用がある。
蘇葉・白芷・桔梗は寒を散じ、膈塞かくそく（上下不通）して、通じないものを利し、表邪を発散する。
折衝飲：活血化瘀・理気止痛：当帰5 赤芍3 桃仁5 紅花2 牡丹皮3 川芎3 桂枝3 牛膝3 延胡索3（すべて袪瘀作用の生薬）：心陽虚・瘀血による鎮痛効果が血府逐瘀湯より高く地竜を加えるとよい：折衝飲加地竜。
冠心二号方：丹参 赤芍 川芎 紅花 降香。
冠心二号方：丹参 赤芍 川芎 紅花 降香 木香 香附子：コタロー還元清血飲には降香が無いが木香と香附子が入っている：2ｇ90包：11500円。
木香もっこう：キク科インド木香の根：辛苦温：行気止痛（行気薬ぎょうきやく・理気薬）。
降香こうこう・降真香：ミカン科降香の木部乾燥：辛温：肝経：理気止痛・袪瘀止血：打撲捻挫・陰虚火旺や血熱には禁忌：粉末0.8~1ｇを衝服、煎剤1～2ｇ：冠心二号方に配合。
冠心二号方の五薬はすべて血栓抑制し、補血も少しあるが袪瘀に特化していて、袪瘀の効果は、赤芍・丹参・紅花・川芎・降香の順？
6，湿毒の膝腫痛：利湿袪風・活血解毒：薏苡仁湯。
薏苡仁湯：湿痹・健脾燥湿・袪風散寒：生米仁（薏苡仁）10 川芎3 当帰3 麻黄3 羗活3 独活3 桂枝2 防風3 川烏3 蒼朮3 甘草1.5 生姜二片：湿毒の膝腫痛・湿邪が強い四肢の筋肉や関節の強直。
7，その他、鶴膝風：補腎壮火：六味丸加鹿茸・牛膝（六味丸合牛車腎気丸）
8．その他、膝游風：順気捜風・通利経絡：紺珠丹。
紺珠丹こんじゅたん：外科大成：順気捜風・通利経絡：蒼朮 全蠍 石斛 天麻 当帰 甘草 川芎 羗活 荊芥 防風 麻黄 細辛 川烏頭 草烏頭 何首烏 雄黄。
膝游風しつゆうふう：膝関節部にひきつるような痛みがあり、膝の上下に軽度の腫脹と熱感をともなうもの。
「医門法律・風門雑法」鶴膝風は、風寒湿痺である。膝骨が日に大し、上下の肌肉は日に枯細し、治す可ならざるは、まず気血を養い、肌肉をしｔ漸栄せしめ、のちその膝を治せば可なり。
「張氏医通」
婦人の鶴膝風証、胎産経行失調により、鬱怒の肝脾を虧損して、外感の傷るところ、あるいは先に肢体筋攣し、続きて膝は漸大し、腿は漸細し、鶴膝の状のごとし。
もし、かかと高く赤痛するものは治し易く、漫腫して赤からざるものは治し難し。二～三ヶ月に潰して膿の粘稠なるものは治し易く、膿の清なるものは治し難し。大要は、まさに元気を固めるを主となし、
もし食少・体倦は、六君子湯。
晡熱内熱し、寒熱往来するもの、逍遥散。
発熱悪寒のもの、十全大補湯。
少寝驚悸のもの、帰脾湯。
月経後期のもの、補中益気湯。
月経先期のもの、加味逍遙散。
腎水虚弱のもの、六味地黄丸。
腎虚風襲のもの、安腎丸・腎気丸を参用す。
およそ潰の後は、まさに脾胃を大補す。もし、膿出でて反って痛み、あるいは寒熱煩渇証は、みな気血虧損、一に倍補において、庶は終吉を保つ。