2025/3/28
独活寄生湯の口訣集
独活寄生湯:備急千金要方(千金方)唐、孫思邈そんしばく652年。
独活寄生湯:袪風湿・散寒・補気血・益肝腎・強筋骨・活血止痛:
独活2 防風2 桑寄生4 秦艽3 杜仲3 当帰3 白芍4 川芎2 熟地黄5 牛膝3 茯苓3 党参3 細辛1 肉桂0.5(沖服) 炙甘草1g。
独活:袪風湿・通経絡・散寒止痛:特に項背部の筋肉や下半身の関節の風湿を去る・
臀部の痛み・両足のしびれ:独活寄生湯。
防風:セリ科防風の根:辛甘微温:膀胱肝脾経:
袪風解表(カゼ薬)・袪湿解痙・止瀉止血:発汗・解熱・鎮痛:袪風の主薬:
和食のつまに使用し食中毒を防ぐ。
桑寄生そうきせい:ヤドリギ:補肝腎・強筋骨・袪風湿・安胎(滑胎に寿胎丸):
梅の木の梅寄生もある::桑寄生・杜仲・牛膝は補肝腎・強筋骨。
秦艽じんぎょう:リンドウ科秦艽の根:胃肝胆経:苦辛平:
袪風湿・通絡舒筋・退黄疸・除虚熱:陰虚内熱・骨蒸潮熱:三痺必用の薬:秦艽鼈甲湯・秦艽防風湯。
杜仲:トチュウ科杜仲の幹皮:甘微辛温:補肝腎・強筋骨・安胎:
杜仲茶が販売されている:幹皮を割るとグッタペルカの糸を引く。
独活寄生湯の効能:骨格・関節・筋肉の痛みを現す痹証に用いる。
素体が腎虚・肝腎虚・気血両虚などの虚弱者や高齢者が風寒湿邪に感受して発症する痹証の痛みに用いる。
「痹」とは「閉」で、閉塞して経絡や気血が通じないため疼痛が発生する。
中医理論の「通ぜざれば則ち痛む」である。「しびれ」「痛み」の意味である。
独活寄生湯の臨床応用:腰痛・坐骨神経痛・膝関節痛・関節リウマチ・
椎間板ヘルニア。腎虚・肝腎虚・気血両虚の素体虚証の者が、
風寒湿邪を感受して筋痛・骨痛を発症する。急性痛にも慢性痛にも用いる。
腰まがり:帰耆建中湯(東洋薬行)・独活寄生湯合小建中湯。
腰もまがりは、骨格の弱さだけでなく腹筋の筋肉の弱りもあるので、
腰曲がりには独活寄生湯に「腎虚・肝血虚・脾虚の小建中湯」を合方する。
帰耆建中湯:華岡青洲方:気血双補・生肌・緩急止痛・温中補虚:
桂枝4 白芍6 炙甘草2 生姜4 大棗4 膠飴20 黄耆4 当帰4:
慢性化膿症・慢性中耳炎(いつまでもジクジクと滲出液が出てくる)。
577:虚証の痹証:気血両虚は疲れると神経症やリウマチが悪化する。
気血両虚は十全大補湯だがこれだけでは寒湿の邪に対応していないので効かない。十全大補湯合苓姜朮甘湯・独活寄生湯が虚証の神経痛に効く。
十全大補湯:気血双補・補腎陽・袪寒:
四君子湯+四物湯+黄耆・桂枝(腎陽虚薬:肉桂)。
四君子湯:健脾益気:人参4、白朮4、茯苓4、甘草1 大棗1 生姜1g。
気血両虚の症状:筋の萎縮・四肢の無力・頭暈・目花・倦怠無力感・動悸・息切れ・自汗・盗汗・舌淡・苔少・脈微細。
独活寄生湯:腎虚では寒湿邪が侵入しやすく疼痛が発症し悪化する。
寒冷(エアコンの冷えは苓姜朮甘湯や五積散も適用)・寒冷環境の職場・
水中作業・雨天時の労働・釣り・陰天時で発症する疾患に使う。
五積散は「風寒湿」:1.腰冷痛、2.腰腹攣急、3.上熱下冷、4.小腹痛の四症が目標となる:寒いと小便頻数となる人の神経痛や腰痛・手の痛みに効果があり患部に熱感が無い:半夏2 陳皮2 茯苓2 当帰2 蒼朮2 白朮2 白芍1 川芎1 白芷1 枳穀1 麻黄1 桔梗1 乾姜1 肉桂(桂枝1) 厚朴1 大棗1 炙甘草1。
腰痛とともに下肢の冷えがある場合は、苓姜朮甘湯は疎経活血湯に内包されていますが、さらに苓姜朮甘湯を合方する:疎経活血湯合苓姜朮甘湯。
疎経活血湯:袪風湿・補血・活血化瘀:
四物湯 + 蒼朮 茯苓 桃仁 牛膝 防已 威霊仙 羗活 防風 白芷 竜胆草 陳皮 生姜 甘草。
苓姜朮甘湯:袪湿散寒・止痛:寒湿の腰痛:茯苓6 乾姜3 白朮3 甘草2。
寒湿・瘀血による尿量減少・下肢のむくみが顕著な時は、
疎経活血湯に牛車腎気丸を合方する。
疎経活血湯合牛車腎気丸
疎経活血湯合独活寄生湯。
独活寄生湯合芍薬甘草湯・疎経活血湯合芍薬甘草湯:筋肉のひきつり痙攣が強い時や夜中の足のつり:芍薬甘草湯単独では効果の無い人に。
独活寄生湯合補中益気湯:
痹証(リウマチ・神経痛)で疲労倦怠・怠さ・心悸・息切れ(気虚)の時。
補中益気湯:補気健脾・昇陽虚寒・甘温除熱(疲労時発熱):黄耆4、甘草1.5 人参4 当帰3 陳皮2 升麻0.5 乾姜0.5 柴胡1 白朮4 大棗2:
中気下陥を昇陽挙陥するので、怠さの強い肝炎に。
独活寄生湯合十全大補湯:腎虚と血虚がひどいため両足が痩せ細り、
筋のひきつり痙攣、面色不華・眩暈がある時に疏肝薬と一緒に使う。
(血虚では痩せてくる)。
血虚の症状:面色淡白でつやがない、面色萎黄、頭暈、目花・目渋、舌質淡、脈細、口唇や爪が淡白、心悸、易驚、怔忡、不眠、手足のしびれ(麻木)・手足のつり痙攣や痛み。
血瘀の主症状は、関節痛、刺痛、チクチクする刺痛、固定痛、
少腹痛(桂枝茯苓丸)しびれ、クモ状血管腫、夜間悪化、舌紫・舌黒紫、
舌青紫色で代表方剤は桂枝茯苓丸・疎経活血湯・血府逐瘀湯・折衝飲。
桂枝茯苓丸:活血化瘀:桂枝4、茯苓4、桃仁4、赤芍4、牡丹皮4。
瘀血の方剤:桃紅四物湯・血府逐瘀湯・桃核承気湯・桂枝茯苓丸・折衝飲・補陽還五湯・疎経活血湯・四物湯・冠心二号方・大黄䗪虫丸・失笑散・
大黄牡丹皮湯。
大黄牡丹皮湯:清熱瀉下・活血消癰:大黄3 牡丹皮4 桃仁4 冬瓜仁6:慢性胆嚢炎・慢性胆石症・腎臓結石:
大黄牡丹皮湯合桂枝茯苓丸・大黄牡丹皮湯合桃核承気湯。
独活寄生湯:千金方:袪風湿・散寒・補気血・益肝腎・活血止痛。
独活寄生湯合疎経活血湯:痛みが夜間に悪化する血瘀がある時。
血瘀の 生薬(活血化瘀薬):桃仁・紅花・赤芍・当帰・川芎・牛膝・牡丹皮・桂枝・威霊仙・地竜・降香コウコウ。
疎経活血湯:袪風湿・補血・活血化瘀:四物湯 + 蒼朮 茯苓 桃仁
牛膝 防已 威霊仙 羗活 防風 白芷 竜胆草 陳皮 生姜 甘草。
独活寄生湯合麻子仁丸、又は独活寄生湯加蜂蜜(潤腸通便・補中):
便秘を伴う痹証。
麻子仁丸:腸燥便秘・切れ痔・風燥の痔:肛門はカサカサの切れ痔に適応:麻子仁5(研末) 甜杏仁2 大黄4 枳実2 厚朴2 白芍2:肛門が湿っていれば乙字湯が適応し陰部の掻痒・悪臭を治す。
寒湿・瘀血による尿量減少・下肢のむくみが顕著な時は、
疎経活血湯に牛車腎気丸を合方する。
疎経活血湯合牛車腎気丸
疎経活血湯合独活寄生湯。
独活寄生湯合八味丸或は独活寄生湯合海馬補腎丸:
脚力が弱く、遠路歩行が困難な痹証:高齢化社会の歩行困難の必需品。
中風後遺症の半身不随に、独活寄生湯合補陽還五湯(補気・活血・通絡)。
補陽還五湯:気虚・血虚瘀血の脳卒中後遺症・心筋梗塞・高次脳機能障害:代用処方は十全大補湯合血府逐瘀湯:益気活血・和営通絡:
黄耆40 当帰3 赤芍3 川芎3 桃仁2 紅花3 地竜3:
適用に気虚が必ず必要なのは、脳出血を助長しないように。
独活寄生湯は、補肝腎・強筋骨・袪湿に党参と細辛で補脾補陽していて
疎経活血湯より補肝腎や補虚の薬が多い。
桑寄生・杜仲・牛膝は補肝腎・強筋骨:「強筋骨」の三種の生薬の組合せはエキス剤では、独活寄生湯だけである。ストレスの肝の昂ぶりがある人には肝鬱の薬を合方しないと発疹などの副作用が生じることがある。
独活寄生湯は、腎虚・気血両虚を補い、同時に侵入した風寒湿邪を発散する働きがあるが疏肝薬と一緒が必要。
独活寄生湯:独活2 防風2 桑寄生4 秦艽3 杜仲3 当帰3 白芍4 川芎2 熟地黄5 牛膝3 茯苓3 党参3 細辛1 肉桂0.5(沖服)炙甘草1g。
独活:袪風湿・通経絡・散寒止痛:特に項背部の筋肉や下半身の関節の風湿を去る・臀部の痛み・両足のしびれ:独活寄生湯。
防風:セリ科防風の根:辛甘微温:膀胱肝脾経:
袪風解表(カゼ薬)・袪湿解痙・止瀉止血:発汗・解熱・鎮痛:袪風の主薬:
和食のつまに使用し食中毒を防ぐ。
桑寄生そうきせい:ヤドリギ:補肝腎・強筋骨・袪風湿・安胎(滑胎に寿胎丸):梅の木の梅寄生もある::桑寄生・杜仲・牛膝は補肝腎・強筋骨。
寿胎丸:菟糸子 桑寄生 続断 阿膠:外傷の滑胎に聖癒湯合寿胎丸。
秦艽じんぎょう:リンドウ科秦艽の根:胃肝胆経:苦辛平:
袪風湿・通絡舒筋・退黄疸・除虚熱:陰虚内熱・骨蒸潮熱:三痺必用の薬:秦艽鼈甲湯・秦艽防風湯。
杜仲:トチュウ科杜仲の幹皮:甘微辛温:補肝腎・強筋骨・安胎:
杜仲茶が販売されている:幹皮を割るとグッタペルカの糸を引く。
筋力減少や骨の老化に、独活寄生湯で、補肝腎・強筋骨で充筋・整骨する。
骨粗鬆症や骨折に、独活寄生湯で、補肝腎・強筋骨により成骨する。
独活寄生湯合十全大補湯:腎虚と血虚がひどく、両足が痩せ細り、
筋のひきつり、面色不華・眩暈がある時。
独活:袪風湿・通経絡:特に「項背部の筋肉」や「下半身の関節の風湿」
を去る・臀部の痛み・両足のしびれ:独活寄生湯。
強筋骨はエキス剤では、独活寄生湯だけである:
ひきつりが強ければ独活寄生湯合芍薬甘草湯とする。
独活寄生湯加減:調補気血・舒筋活絡:気血虚痹:独活3 桑寄生4 秦艽3 杜仲4 当帰3 白芍4 川芎3 生地黄3 牛膝3 茯苓4 党参3 桂枝2 炙甘草1.5。
独活寄生湯:独活2 防風2 桑寄生4 秦艽3 杜仲3 当帰3 白芍4 川芎2 熟地黄5 牛膝3 茯苓3 党参3 細辛1 肉桂0.5(沖服)炙甘草1g。
独活寄生湯:気血虚痹:軟便では生地黄を去り、焦白朮4を加える。
独活寄生湯:気血虚痹:自汗・乏力に加える:黄耆5g。
独活寄生湯:気血虚痹:寒がり・肢痛に加える:熟附片3(先煎)、細辛2:独活寄生湯合麻黄附子甘草湯。
独活寄生湯:気血虚痹:血瘀のある者に加える:桃仁3、紅花2。
独活寄生湯は熱邪による痛みなど患部を触って熱い人にはあまりむきません。体が冷えていて患部だけ熱い痹証には桂芍知母湯を使います。
桂芍知母湯:寒湿痺と局所の熱感と発赤を呈するものに。
気血両虚で冷えと湿気で悪化する腰痛には、独活寄生湯を使う。
独活寄生湯は十全大補湯の加減方である。
十全大補湯と苓姜朮甘湯(寒湿)・十全大補湯合五積散(風寒湿)の合方に近い。
肝腎両虚の四肢疼痛・・補肝益腎・宣痺和絡:独活寄生湯。
独活寄生湯は、特に腰から下の関節、筋肉などの痛みによく使う。
ギックリ腰の急性期には疎経活血湯合治打撲一方とします。
慢性化している時は独活寄生湯合疎経活血湯を使い、夜間悪化する痹証にも使います。
独活寄生湯 は「寒湿・気血両虚・肝腎虚」:袪風湿・散寒・補気血・
益肝腎・活血止痛。
独活寄生湯合八味丸は間歇性跛行にも使いますが、独活寄生湯加地竜とすることもあります。
独活寄生湯は、風寒湿の外邪をさばきながら、内臓の肝腎の虚や全身の気血を補う方剤で、体の気血・臓腑を丈夫にしながら風寒邪などを除いてくれる薬です。
独活寄生湯は、特に腰から下の関節、筋肉などの痛みによく使い、補肝腎、舒筋利痹、筋肉の引き攣れや痛みを去り、強筋骨作用があり、腰痛、膝痛、膝関節の屈伸不利を解消する。
風湿邪と臓腑の虚と気血虚の病証の主症状は腰痛、膝痛、腿痛、足の痛み、関節の屈伸困難、下肢のしびれ、足腰が弱いような腰膝酸軟で独活寄生湯を使う。
独活寄生湯は、袪風寒湿・補肝腎・補気血・活血化瘀の薬物がバランスよく配合されており、体が肝腎虚・気血虚の者が、風寒湿邪に感受して発症した痹症の痛みを治療する方剤です。しかし、各薬物量が少ないので合方しないとすぐに効果とはなりません。
芎帰調血飲第一加減は、全体が瘀血の薬で理気剤がたくさんあるので気をめぐらす力が強く内傷の瘀血の痛みに使える。特に産後の色々な痛みに、産後には独活寄生湯等と合方する。
痛み止めの使い分けは、
五積散は「風寒湿」
麻杏薏甘湯は「風湿」
二朮湯は「痰湿」
三妙散は「湿熱」
独活寄生湯は「寒湿・気血両虚・肝腎虚」
苓姜朮甘湯は「寒湿」
桂枝人参湯は「風寒」。
「衆方規矩しゅうほうきく」では独活寄生湯は腰痛の第一選択薬。