苓桂朮甘湯の口訣集

2025/4/2~3

苓桂朮甘湯の口訣集

苓桂朮甘湯:温化寒飲・通陽化痰・健脾利水:
茯苓6 桂枝4 白朮3 甘草2g:心陽虚に用い:眩暈・頭痛(湿邪の包裹痛)・頭重感・のぼせ・肩こり(桂枝は気逆を降逆する)・足冷:もともと心臓の薬で痰気鬱血薬。

「傷寒、若しくは吐し、若しくは下して後、心下逆満し、気上りて胸を衝き、起てば頭眩し、脈沈緊、汗を発すれば動経し、身振振として揺をなす者は、茯苓桂枝白朮甘草湯之を主る」:傷寒論。

苓桂朮甘湯証の水気凌心:動悸・胸が脹って苦しい(夜中に胸悶しやすい心不全)・頭のふらつき・めまい・尿量が少なくスムーズに出ない・舌質淡・舌苔水滑・脈沈弦。

苓桂朮甘湯の主薬は茯苓である。茯苓は滲湿作用(湿気を濾こす)により、痰飲を除去する。同時に、健脾作用もある。

苓桂朮甘湯:中焦陽虚・水飲内停に対して、温陽化気、培中滲湿の法を体現。茯苓は補脾・滲湿で主薬である。飲邪の患いは気化不行で陽気不足なので桂枝で温陽化気し茯苓とともに停飲を治す。

神経症では、咽喉中に異物感(咽中炙臠・梅核気)を覚えることがある。
一般には半夏厚朴湯が適応するが苓桂朮甘湯・加味逍遙散の有効な場合もある。

苓桂朮甘湯:「顔がのぼせてくる(のぼせは痰飲が原因)と動悸がする」(気逆)、めまい・耳鳴がする。

苓桂朮甘湯:不安・動悸・多痰・めまい・のぼせ・目の周囲のむくみ・(足冷・下利はあっても無くてもよい)。

痰飲の処方:苓桂朮甘湯・平陳湯・二陳湯・六君子湯・半夏厚朴湯・
二朮湯・温胆湯・導痰湯・竹筎温胆湯。

痰の病は、脾虚により産生されるので、健脾薬(六君子湯・補中益気湯・参苓白朮散・人参湯など)と併用する。

芍薬、膠飴は栄養物質で舌苔の厚い者の食滞や痰飲にさらなる有余をもたらすため用いることを避けるの

湿邪をとる薬(麻杏薏甘湯・平胃散・半夏厚朴湯・苓桂朮甘湯・真武湯・桂枝加朮附湯・防已黄耆湯など)。

痰飲による動悸:苓桂朮甘湯は人前で喋るとボーッとのぼせカーッとなって頭が真っ白になる人に使う。
緊張して手がガタガタ震える人は半夏厚朴湯を使い、両方ある人は合方する苓桂朮甘湯合半夏厚朴湯。

緊張で、単なるのぼせは苓桂朮甘湯をつかうが、震えガタガタ(気滞)は無いガタガタは半夏厚朴湯。

苓桂朮甘湯:赤面症の原因は痰飲が原因で、水分や野菜や果物を多く摂るのに小便の出が悪い人に生じる。また胃腸の状態が悪くてのぼせて赤面症になる。本来、赤面症は半夏厚朴湯・知柏地黄丸。

赤面症:

苓桂朮甘湯(痰飲・気逆でのぼせることが原因)

半夏厚朴湯(肝鬱・痰飲が原因)

知柏地黄丸(陰虚火旺)。

苓桂朮甘湯に芎黄散(川芎・大黄二味)を加えると耳聾、目疾にさらに効くようになる。

苓桂朮甘湯は、飲家、眼に雲翳を生じ、昏暗疼痛し、上衝頭眩し、瞼腫れ、目やに 涙多き者、車前子を加えて最も奇効あり。当に、心胸動悸し、胸脇支満し心下逆満などを目的とする。夜盲症。
苓桂朮甘湯加車前子・苓桂朮甘湯合牛車腎気丸。

「方極:吉益東洞」では、苓桂朮甘湯は、
心下悸で上衝して起きれば頭眩し、小便不利の者を治す。

苓桂朮甘湯:脾虚と腎虚の為、
水飲が内停して胸脇支満が生じ、
飲邪が清陽をさまたげ目眩を生じる。
心悸は水気凌心の症状であり、
短気は水邪が肺を犯している症状である。

水気凌心の心悸:動悸・胸が脹って苦しい・頭のふらつき・めまい・尿量が少なくスムーズに出ない・舌質淡・舌苔水滑・脈沈弦:通陽化飲の苓桂朮甘湯加減。

前額部に頭重痛を訴える疾患に、蓄膿症がある。
そこで、苓桂朮甘湯・半夏白朮天麻湯・六君子湯は、
蓄膿症に応用され、慢性では袪瘀薬と補腎薬を加える。
苓桂朮甘湯合桂枝茯苓丸合真武湯など。

苓桂朮甘湯:中焦陽虚して水飲が内停している証:脾は水湿を運化し、腎は気を生じ行水する。今、脾虚して水を制御できず、腎虚して気を生ずることができない。

101:苓桂朮甘湯は心臓の薬で心臓の不安感に使い、半夏厚朴湯は肝臓からでる不安感に使い、病理は異なるが出てくる不安感は同じであるので、両者の使い方の違いが分からなければ合方する。
苓桂朮甘湯合半夏厚朴湯。

101:苓桂朮甘湯・苓桂朮甘湯合半夏厚朴湯:どちらも痰をとる薬。
体の中から水気を除くので、肌がカサカサしている人には使えないが、神経症で面紅・不安感・痰が出る人には合方処方の方がよい:苓桂朮甘湯合半夏厚朴湯。

苓桂朮甘湯:ものが停滞すると気は下に降りていかないので胃の中でジャボジャボ音を立てる胃内停水があると人はのぼせる(頭痛・頭重・肩こり・めまい・耳鳴り・面紅)があれば苓桂朮甘湯。

寒痰による動悸は、不安感、眩暈、多痰、眼の周りのむくみ、小便不爽、足冷、下利:苓桂朮甘湯を使う:顔がのぼせくると動悸がする(気逆)、めまいがする。

湿困脾胃の症状(食べすぎ・食べ放題の翌日の朝に生ずる)で、起床時天井がぐるぐる回る眩暈めまいには半夏白朮天麻湯や苓桂朮甘湯。

半夏白朮天麻湯:化痰熄風・補気健脾・利水消食:製半夏3 天麻2 白朮3 人参2 黄耆2 茯苓3 沢瀉2 蒼朮3 陳皮3 神麹2 麦芽2 黄柏1 乾姜1:脾気虚の痰濁上擾。

痰濁上擾:眩暈し頭重し頭冒感があり、悪心胸悶・動悸を伴い、少食多寝でひどければ嘔吐し目が回る(めまい・陰天時頭痛)。舌苔白じ、脈濡滑じゅかつ:半夏白朮天麻湯:化痰熄風・補気健脾・利水消食。

苓桂朮甘湯証:痰飲のある者は朝は症状が悪化で不調。鬱病は、朝は怠く、夕方から元気なのは痰飲と陽気不足が原因。朝の悪化は、痰飲が原因であることが多い。

何病を問はず、心下悸し小便不利を準拠として、苓桂朮甘湯を用ゆべし。

「痰火鬱結」の耳鳴りで痰や唾液が多い人は、苓桂朮甘湯。

痰火蒙竅の特徴:胸の閉塞感・胸脇部の脹った痛み・不眠・頭痛・目の充血・顔面紅潮・口が苦い・便秘・尿が濃い・情緒不安定でイライラする。舌質紅・舌苔はじ苔。脈弦滑数で有力。

苓桂朮甘湯の主薬は茯苓である。茯苓は滲湿作用(湿気を濾こす)により、痰飲を除去する。同時に、健脾作用もある。

川芎茶調散の頭痛の代用処方は、苓桂朮甘湯。

川芎茶調散は、風寒の頭痛が特に強く救急車を呼ぶほど痛む時もあり、代用処方は苓桂朮甘湯。

川芎茶調散:風寒の頭痛:疏風散寒・止頭痛:
川芎3 荊芥3 薄荷3 羗活2 白芷2 炙甘草1 防風2 細辛1g
を粉末として緑茶で服用。

苓桂朮甘湯は、いつも自信がなく、ちょっとした刺激にも不安を覚える傾向がある。その不安感にともなって、動悸が起こってくる。

小柴胡湯合二陳湯・小柴胡湯合苓桂朮甘湯:肝熱による:眩暈・嘔吐・耳鳴り・メニエル病。

精神的な緊張によって起こる動悸はすべて苓桂朮甘湯の適応である。苓桂朮甘湯は、あがらないための薬でもある。吃音きつおん(どもり)(本来は抑肝散)や赤面症(のぼせ)にも使う。

連珠飲は、眩暈に血虚を兼ねる:苓桂朮甘湯合四物湯に同じ。

動悸の処方の連珠飲:婦人失血・経血過多、或は産後、男子痔疾下血の後、面部浮腫、両脚微腫して心下及び水分に動悸あり、頭痛眩暈を発し、また周身青黄に浮腫して、黄胖状をなす者に効あり。

柴胡加竜骨牡蠣湯の病理は、心腎不足であるので、だるく・不安感・動悸・悪夢・肝気鬱結でイライラ・肝陽上亢で雲の上をふわふわと歩く感じのめまい・のぼせ。苓桂朮甘湯も雲の上を斜めに歩く感じ。

285.腎臓結石による疝痛よる嘔吐に苓桂甘棗湯を与えたところ、一回の服用で嘔吐が全くやみ、痛みは半減した。しかし、尿量は増加せず、食欲もない:「漢方診療三十年」大塚敬節。

奔豚気:痰濁があると、不安感や火傷によって、下腹部からヒステリー球が上がってきて動悸が激しくなる。桂枝加桂湯は桂枝湯の桂枝を増やした奔豚気の火傷の薬である。火傷でない奔豚気には苓桂甘棗湯を使う。

耳鳴・難聴:耳鳴丸・大柴胡湯合竜胆瀉肝湯・小柴胡湯合竜胆瀉肝湯・苓桂朮甘湯・滋腎通耳湯。耳聾左慈丸は腎虚の難聴(耳鳴り)にしか使わないので肝鬱の耳鳴・耳聾には効かない。

耳聾左慈丸じろうさじがん:六味丸加磁石じせき・石菖蒲・五味子:熱病後期、退熱後、腎虚精脱による耳鳴りと耳聾を治す。

苓桂朮甘湯は、少し運動すると動悸がする。精神的な不安があると動悸するものに適応する。心部でも心下部でも有効である。

苓桂朮甘湯はもともと心臓の薬で心陽虚に使い症状は:動悸・足冷・体の冷えがあるので顔色がよくない:陽虚の人は朝、顔がむくみやすい。

緊張すると顔がのぼせて、目が充血したり、なんとなく目まいがする場合は、ほどんどが苓桂朮甘湯。

中気下陥の治療原則:健脾補中・昇陽益気:
健脾益気薬に升提薬の柴胡・升麻を配合する:

補中益気湯

補中益気湯合苓桂朮甘湯

補中益気湯合真武湯。

痰飲症状の場合(眩暈、多痰、浮腫、嗜眠)、

上部には苓桂朮甘湯

中部(胃)には二陳湯や六君子湯

下半身には八味丸や六味丸を用いる。

痰飲の基本症状は、眩暈、多痰、浮腫、嗜眠(四大症状)、小便不利、しこり、朝の起床時の顔のむくみ、疲労時の顔のむくみや手足のむくみ、軽い咳払いで簡単に痰がでる体質、閑な時すぐ眠くなる:二陳湯。

「痰火鬱結」の耳鳴り・耳聾・耳塞:

セミの大きな鳴き声の耳鳴りは苓桂朮甘湯。

胃内停水がある人:頭痛・頭重・肩こり・めまい・耳鳴り・面紅などのぼせの症状が出てくる時は苓桂朮甘湯。便秘でのぼせでは桃核承気湯や大承気湯の類。

耳鳴りにも、苓桂朮甘湯の適応がある。

耳鳴り:小柴胡湯合二陳湯・小柴胡湯合苓桂朮甘湯・蒿芩清胆湯・半夏白朮天麻湯加菖蒲磁石・大柴胡湯合六味丸・大柴胡湯合八味丸・大柴胡湯・大柴胡湯合竜胆瀉肝湯・小柴胡湯合竜胆瀉肝湯・苓桂朮甘湯。

耳鳴り:加味逍遙散・桂枝茯苓丸・柴胡加竜骨牡蛎湯・竜胆瀉肝湯・黄連阿膠湯・補中益気湯・柴蘇飲・杞菊地黄丸・当帰芍薬散・釣藤散・苓桂朮甘湯合1/2黄連解毒湯、二陳湯合1/2黄連解毒湯・加味逍遙散合八味丸。

耳鳴り:右帰丸・左帰丸・補中益気湯合真武湯合耳鳴丸合小柴胡湯合香蘇散・半夏白朮天麻湯合真武湯合耳鳴丸合小柴胡湯合香蘇散。

耳鳴り:益気聡明湯:東垣試効方・眼門:金の時代、李杲りこう(李東垣)1266年:黄耆、甘草、人参、升麻、葛根、蔓荊子(万荊子)、芍薬、黄柏:白内障で気虚による者、脾胃不足、内障、耳鳴、昏暗、視物不能。

自律神経失調症、不安神経症などに苓桂朮甘湯は適応がある。

苓桂朮甘湯:体によけいな水気をもっている人:胃腸の力に比したくさん食べる人や脾虚の人:湿気の多い季節にめまいするのは痰飲である。