柴胡加竜骨牡蠣湯の口訣集

2025/4/26~27

柴胡加竜骨牡蠣湯の口訣集

柴胡加竜骨牡蠣湯:肝気鬱結・肝陽上亢・心肝火旺・脾気虚・心腎不足・肝風内動:柴胡5 黄芩3 半夏4 生姜3 人参3 茯苓3 大棗3 桂枝3 竜骨3 牡蠣3 大黄1:のぼせ・めまい・重だるい、不安感、動悸。

肝風内動の半身麻木の原因)肝が昂ぶり肝陽が亢進して化風し(内風が生じ)、肝風が経絡を失調させ、経絡が栄養されずに発症する。情緒変動に関連して発症することが多い。

柴胡加竜骨牡蠣湯の病理は、心腎不足であるので、腎虚でだるく・心虚で不安感・動悸・悪夢・肝気鬱結でイライラ・肝陽上亢で雲の上をふわふわと歩く感じのめまい・のぼせ。

柴胡加竜骨牡蠣湯:自律神経失調症・神経症・心臓神経症のパニック障害・発作性頻脈・高血圧症・甲状腺機能亢進症・不眠症・帯下で心肝火旺・脾気虚・痰湿を呈するものに適応。

心肝火旺の症状:イライラ・不眠・多夢・易驚・動悸・上逆のぼせ・心煩・胸脇脹満・筋惕肉瞤きんてきにくじゅん・腹部に動悸。

柴胡加竜骨牡蛎湯:癇証にて、時々寒熱交作し(寒熱往来)、鬱鬱悲愁、多夢少寐、あるいは人に接するを悪み、あるいは暗室に屛居ヘイキョし、殆ど労瘵ろうさい(肺病)の如き者を治す。

柴胡加竜骨牡蠣湯:ひとりで外出できない。

肝風内動:頚項部の強直・眼瞼や口唇や舌や手指のふるえ・言葉がつかえる・四肢麻木・手足の痙攣・意識障害など:平肝熄風・育陰潜陽:柴胡加竜骨牡蠣湯・羚羊角湯・大定風珠。

大定風珠だいていふうじゅ:陰虚生風(陰虚陽亢・虚熱内擾の煩躁証)に滋陰熄風:生地黄8しょうじおう 白芍8 麦門冬8 牡蛎4 鼈甲4 亀板8 炙甘草4 阿膠3 五味子2 麻子仁2 鶏子黄1個。製品無し。

柴胡加竜骨牡蠣湯:この処方の帯下は腎虚の症状:龍骨・牡蠣には、固渋作用がある。汗・小便・大便・精液・帯下などの流出を止める。

肝鬱久しければ癇証となる。婦人別して肝鬱并に癇症多し。此湯(柴胡加竜骨牡蛎湯)を識得しりえ里会りかいすれば、当今の雑病を療するに難からず。

癇症:びくびくと臆病・驚き易く動悸する・頭重足軽ふわふわ・肩こり・めまい・面火・足冷・胸満・睡眠中足を引かれる様で驚き・怒強く・憂鬱感・体はふわふわと感じ・手足痛・手足拘急・腹中動悸。

柴胡加竜骨牡蠣湯:不安神経症・対人恐怖症・高所恐怖症・強迫神経症・胆虚で気が小さい人・心臓神経症・脳動脈硬化症・高血圧症。

柴胡加竜骨牡蛎湯:平素からつまらないことが気になり(桂枝加龍骨牡蠣湯も)、イライラして落ち着きがなく、疲れやすく不安感が強い。

柴胡加竜骨牡蠣湯:地の底に落ちて行くような感じがする。

桂枝加龍骨牡蠣湯:精力減退・疲労・夜尿症・遺精・神経症でつまらないことが気になる(自慰過多による症状)・多夢・不眠・過労で悪化する動悸・面紅・顴紅・手はほてり足は冷える。

柴胡加竜骨牡蛎湯:此の数症の中うち、胸満が主症にして、煩驚、小便不利が客症なり。・・・・故に此の方を用ゆる標準は、胸満なり。

柴胡加竜骨牡蠣湯の柴胡・生姜も疏肝理気作用がある。

柴胡加竜骨牡蛎湯:疏肝清熱・潜陽安神(肝鬱化火を清熱し、肝陽上亢を鎮め心神を安らぐ)。

柴胡加竜骨牡蛎湯:動悸、不眠、驚きやすいなど心虚胆虚を訴える、甲状腺機能亢進症(動悸・頻脈・易怒・けんかっぱやい・痩せる・眼球突出・軟便・甲状腺腫。

傷寒八九日、これを下し、胸満し煩し驚し、小便利せず、譫語し、一身尽ことごとく重く、転則ネガエリす可からざる者は、柴胡加竜骨牡蛎湯これを主る。傷寒論。

柴胡加竜骨牡蛎湯:狂症にて、脇腹の動甚だしく、恐懼して人を避け、兀坐コツザして独語し、昼夜寐ねず、あるいは猜疑多く、あるいは自ら死せんと欲し、床に安ぜざる者を治す。

兀坐コツザ:じっとすわっていること。

柴胡加竜骨牡蛎湯:肝鬱生風・脾虚痰飲:胸脇満悶、煩躁易怒、驚惕不安きょうてきふあん、脇腹悸動きどう(動悸)、頭重足軽、不安感から不眠多夢、譫語(寝言が大きい)、疲倦(疲れ易い)。

驚惕(驚きおそれる)。

円形脱毛症・ふけ症:大柴胡湯・柴胡加竜骨牡蠣湯・桂枝加龍骨牡蠣湯・桂枝加龍骨牡蠣湯合四物湯。

柴胡加竜骨牡蛎湯:疏肝清熱・潜陽安神:円形脱毛症に応用される:円形脱毛症;肝鬱が脱毛の原因なら加味逍遙散・大柴胡湯・柴胡加竜骨牡蠣湯・桂枝加龍骨牡蠣湯合四物湯。

帯下:補中益気湯、生理時の帯下に六君子湯・当帰芍薬散・柴胡加竜骨牡蠣湯・温清飲。

六君子湯:健脾益気・和胃化濁:党参4 茯苓4 炒白朮3 炙甘草1 製半夏4 陳皮3 乾姜0.1 大棗2.。

柴胡加竜骨牡蛎湯:頭が痛い・重い、のぼせ、眩暈、耳鳴り、肩こりなどを訴える。頭が重く足が軽く(頭重足軽)、まるで雲の上をあるいているようだという。常習性頭痛、高血圧症。

肝気鬱結で、腎虚で体がだるく、心虚で不安感や毎晩いやな夢をみたり(心虚)動悸がある人は、柴胡加竜骨牡蠣湯である:肝陽上亢・肝風内動・のぼせ・イライラ・めまい:心腎不足で怠く・不安・動悸に適応。

柴胡加竜骨牡蛎湯は、肝気鬱結を解消し(柴胡+半夏と生姜+桂枝:理気作用)、肝胆の熱をさまし(柴胡と黄芩)、肝陽の上亢・肝風をおさえ、神気を鎮め脾胃に対する考慮(人参・大棗・生姜・桂枝)。

痰飲(癭瘤・しこりがある)を兼ねる場合には、半夏厚朴湯を合方し 加味逍遙散合半夏厚朴湯・柴胡加竜骨牡蠣湯合半夏厚朴湯とする。

柴胡加竜骨牡蛎湯:痙攣をともなう疾患。癲癇、小児の夜啼き・ひきつけ:肝陽上亢・肝胆鬱熱を冷まして治す。

柴胡加竜骨牡蛎湯:夜も不安感であまり眠れず、よく夢を見て、うわごと(譫語せんご・ウーとか大きな寝言)を言う。

桂枝加龍骨牡蠣湯:ものに驚くと、発作的に動悸が始まり、脈が速くなるもの(柴胡加竜骨牡蠣湯も)。

柴胡加竜骨牡蛎湯:疲れ易く(腎虚)、胸満し(肝鬱)、いつもイライラして怒りっぽく(肝鬱)、落ち着きがない。ものに驚きやすく(心虚)、音や光、あるいは何かの刺激によって驚き、動悸(心虚)が始まる。

柴胡加竜骨牡蛎湯:狂癇の二症は、また当に胸脇苦満、上逆、脇腹動悸等を以って目的となすべし。「類聚方広義」尾台榕堂 著

柴胡加竜骨牡蠣湯の龍骨・牡蠣には、肝陽の上亢をおさえ、肝風をしずめる作用がある。また。龍骨・牡蠣は、重鎮安神薬の代表でもある。茯苓にも、安神作用がある。

柴胡加竜骨牡蛎湯:痙攣をともなう疾患。癲癇、小児の夜啼き・ひきつけ。

柴胡加竜骨牡蛎湯:帯下にも応用される。

柴胡+黄芩の組合せは:肝胆鬱熱を疏肝し、鬱熱を冷まして治療する基本生薬構成:小柴胡湯・大柴胡湯・柴胡桂枝湯・柴胡加竜骨牡蠣湯など

柴胡加竜骨牡蛎湯:物音、例えば、ドアや電話の音などで、びっくりして動悸が止まらなくなり、冷や汗が出て、ふるえてくる。不安神経症、うつ病、血の道症。

柴胡加竜骨牡蛎湯:疲れやすく、食欲がない。小便の量が少なく、便秘気味であるが軟便・水様便の場合は服用すると普通便になる。舌質は紅く、舌苔は黄色い。

柴胡加竜骨牡蛎湯は、本来、傷寒(カゼ)の少陽病の七症に適応する方剤であるが、(傷寒論の少陽病)今日では、肝陽上亢・肝風内動の方剤として広く応用されている。

龍骨・牡蠣の重鎮安神の作用により、柴胡加竜骨牡蠣湯は心腎不足の不安・動悸を取り除く。

柴胡加竜骨牡蠣湯:肝気鬱結が強ければ、柴胡+白芍とし、鬱金・川楝子・青皮ジョウヒなどを加える。

鬱金うこん・広鬱金・川鬱金・玉金:ショウガ科姜黄キョウオウは広鬱金と呼ばれこれを一般に使う)、鬱金ハルウコンは川鬱金で薬性が温和で別名温鬱金)それぞれの塊根:疏肝理気・解鬱袪瘀・止痛・健胃・利胆。

柴胡加竜骨牡蠣湯の生姜・桂枝の理気作用。

心陽虚の心悸:温補心陽:桂枝甘草竜骨牡蠣湯:桂枝加龍骨牡蠣湯:桂枝湯+竜骨・牡蠣、各3g

柴胡加竜骨牡蠣湯の肝陽上亢めまいと比較すると・・苓桂朮甘湯のめまいは天井がぐるぐるまわるめまいではなく真っ直ぐ歩いているつもりでも少し横にそれているようなめまい。

柴胡加竜骨牡蠣湯:頭が重く足が軽くて歩いていても雲の上を歩くように体がゆれる。

柴胡加竜骨牡蛎湯:頭が痛い・重い、のぼせ、眩暈、耳鳴り、肩こりなどを訴える。頭が重く足が軽く、まるで雲の上をあるいているようだという。常習性頭痛、高血圧症。