不眠症

2025/5/25~26

不眠症の口訣集

酸棗仁湯(心血虚・心肝火旺・養心安神・清熱除煩)

酸棗仁湯合逍遥散(疏肝作用の逍遥散・抑肝散を合方)

帰脾湯(食少・不安感・動悸・不眠)

抑肝散加陳皮半夏(易怒・痰火・奔豚気・不眠)

甘草瀉心湯(消化不良による不眠症)

半夏瀉心湯(心火・胃火:胃熱腸冷の煩躁状態の不安感・不眠)

半夏瀉心湯合帰脾湯(心火・胃火・心血虚の不眠・動悸・)

天王補心丹(心腎陰虚・焦躁感・不眠・動悸:強迫神経症)

桂枝加龍骨牡蠣湯(精力減退・疲労・夜尿症・遺精・神経症・不眠)

柴胡加竜骨牡蠣湯(心肝火旺・脾虚・心腎不足の動悸・不安感の不眠)

杞菊地黄丸(肝腎陰虚・五心煩熱・めまい・ふらつき・耳鳴・不眠)

知柏地黄丸(陰虚火旺・眩暈・イライラ・不眠)

大柴胡湯(イライラして眠れない不眠症)

当帰芍薬散(肝血虚・脾虚湿滞・過敏性大腸炎・頭帽感・不眠)

加味逍遙散(肝陽上亢・眩暈・イライラ・不眠)

血府逐瘀湯(瘀血内阻:頭痛・胸痛・狭心症・失眠多夢・心悸怔忡)

三黄瀉心湯(顔面紅潮、のぼせ、めまい、イライラ、不眠、出血傾向)

三黄瀉心湯加山梔子

黄連解毒湯(炎症や出血・脳の興奮性増大の不眠、自律神経興奮)

温胆湯(痰熱による不眠・不安感・易驚・動悸)

黄連温胆湯(痰熱による不眠・動悸・のぼせ)

黄連阿膠湯(心腎不交・焦躁感・・のぼせで不眠・動悸:強迫神経症)

梔子鼓湯(胸中の鬱熱を発散させ除煩し、心煩不眠)

朱砂安神丸(心火旺に清熱安神・滋陰補血)

三物黄芩湯(陰虚火旺:手掌・足心の四肢煩熱)

交藤飲(夜交藤・酸棗仁・柏子仁・竜眼肉)

竜眼肉

柏子仁

夜交藤

琥珀

黄連阿膠湯:心腎不交:黄連3 黄芩2 白芍3 阿膠3 鶏子黄1個:動悸・胸悶し煩躁・熱感やのぼせで不眠・各種出血:鼻衄びじく・不眠症・かさかさ皮膚炎(タイツコウ)・皮膚の痒み:胸悶し居ても立ってもいられない状態。コタローに500gボトル製品あり。

狐惑病こわくびょう(憑依症)に甘草瀉心湯:半夏瀉心湯に甘草一味のクラシエの甘草湯を加えるか、ツムラ芍薬甘草湯を合方してもよいが、狐とかにとりつかれた狐惑病に使うがこれは特殊な場合で通常は消化不良による不眠に使用する。

甘草瀉心湯:消化不良による不眠症。製品は無いが半夏瀉心湯+クラシエ甘草湯。

痰火の特徴:胸の閉塞感・胸脇部の脹った痛み・不眠・頭痛・目の充血・顔面紅潮・口が苦い・便秘・尿が濃い・情緒不安定でイライラする。舌質紅・舌のこけが厚く豆腐かすのような苔。脈弦滑数で有力。

「痰火鬱結」の耳鳴り・耳聾・耳塞:セミの大きな鳴き声の耳鳴りは苓桂朮甘湯。

痰火:痰が火にあぶられ肺に硬着しコロコロした痰をさす。平素は顕著な症状はないが、外邪や飲食内傷などで哮喘や煩熱胸痛・口乾唇燥・痰の咯出困難などが生ずる。

痰火動風の四肢強直:内風(脳卒中など)が原因で、突然に両側の四肢の過度の伸展と強直が生じ屈曲できなくなり、頚項部も強直する(髄膜炎)。

痰火怔忡:痰火による怔忡。発作に間断があり火熱で悪化する。治療は清火導痰法で、黄連温胆湯などを用いる。

怔忡(持続性の動悸)。

黄連温胆湯:清化熱痰・和胃降逆:製半夏6 陳皮3 茯苓6 炙甘草1 枳実1 竹筎2 大棗1 黄連3:痰熱による不眠・動悸・のぼせ・口苦・イライラ。

温胆湯で、痰熱が心に上擾すると心煩し不眠となりあるいは心気して驚悸しやすくなり、酷くなると、痰は清竅を阻み癲癇を生じる。

脾虚の癲癇には、導痰湯合六君子湯(二朮湯合六君子湯)。

抑肝散加陳皮半夏:125.腹部動悸が胸に衝き上げてくる(奔豚気)、易怒、大便秘結、倦怠感、食欲不振、呑酸嘈雑どんさんそうざつ、不眠31歳の婦人、月経正常。抑肝散加陳皮半夏10日分で安眠。1カ年で完治。抑肝散加陳皮半夏:「肝木が虚して痰火の甚だしい証」「漢方診療三十年」大塚敬節

痰火内閉の半身不遂:至宝丹しほうたんから冷羊鈎藤湯へかえる。

至宝丹:和剤局方:化濁開竅・清熱解毒:犀角30 玳瑁30たいまい  琥珀30 朱砂30 雄黄30 竜脳0.3 麝香0.3 安息香45 金箔50片 銀箔50片。製品無し。

玳瑁たいまい:ウミガメ科玳瑁の甲羅:甘寒:心肝経:潜陽熄風・清熱解毒:熱性疾患の意識障害や痙攣発作に涼血清熱解毒:犀角・羚羊角に似ている効果がある。

雄黄ゆうおう・鶏冠石:硫化砒素の鉱石・As2S2二硫化砒素:止痛解毒:神経性皮膚炎・皮膚化膿症・掻痒・蛇の咬傷:硫化砒素は熱すると猛毒の酸化砒素As2O3になるので焼いてはいけない。

冷羊鈎藤湯れいようこうとうとう:羚羊角1 釣藤鈎6 桑葉3 川貝母4 竹筎4 生地黄6 白芍6 菊花4 茯神3 炙甘草1g。製品無し。

釣藤鈎ちょうとうこう・鈎藤・鈎鈎・双鈎藤:アカネ科カギカズラの鈎棘のある茎枝:甘微寒::熄風定驚・平肝清熱・軽清透熱:のぼせを取り熄風する:平肝止痙・鎮静で、てんかん発作の抑制。

肝気上逆の釣藤散:脾胃気虚・痰湿の肝陽化風に:平肝潜陽・明目・補気健脾・化痰:釣藤鈎5 菊花5 防風5 石膏10(先煮)人参2 麦門冬5 茯苓5 半夏5 陳皮5 甘草2 生姜2g。

血府逐瘀湯:「心は血脈を主る、肝は血を蔵す」。瘀血内阻により血液循環は障害されるので頭痛、胸痛、心前部の胸悶、失眠多夢、心悸、易怒などが生ずる。

血府逐瘀湯:医林改錯:活血袪瘀:瘀血内阻:頭痛・胸痛・心前部胸悶の狭心症、失眠多夢・心悸怔忡・急躁易怒・脇肋疼痛、月経不調、血灌瞳神ひとみの出血、暴盲、血瘀久しき者。

帰脾湯:103:心脾両虚による精神不安:不安感・動悸・不眠が主証。食少や胃もたれなど脾虚があり食後嗜眠や、面色青白いか面色萎黄には帰脾湯だが、心脾両虚は貧血の症状に似て、疲れ易く・食少である。

柏子仁はくしにん(心血虚):甘辛平:心・肝・腎経:ヒノキ科コノテガシワの成熟種子を乾燥:寧心安神・潤腸通便・止汗:不眠・動悸・便秘・自汗:心血虚:2~3g:柏子仁は心血虚の不眠。酸棗仁は肝陽上亢の不眠(酸棗仁湯)にも。

天王補心丹:心腎陰虚(心腎不交):酸棗仁10 生地黄20 柏子仁10 麦門冬10 五味子10 当帰6 遠志5 丹参5 玄参5 桔梗5 粉末を蜜丸とし朱砂をまぶし、1回2gずつ服用。

玄参4gげんじん:肺胃腎経:ゴマノハグサ科玄参の根:涼血解毒・降火滋陰・滋陰清熱・瀉火解毒(腎陰虚の薬):涼血・滋陰・解毒作用の要薬。皮膚・頭頸部に働く。冷やし潤す:3~4g、6~10g、10~30g

酸棗仁湯:心血虚・心肝火旺に養心安神・清熱除煩:

酸棗仁5 茯苓5 知母3 川芎3 炙甘草1:

疏肝作用の逍遥散・抑肝散を合方する。思慮過度で生ずるのぼせ・イライラや不安感・不眠を鎮める:

不眠:酸棗仁湯合逍遥散・酸棗仁湯合抑肝散加陳皮半夏。

養血安神薬:遠志おんじ・酸棗仁(肝陽上亢)・柏子仁(心血虚)・丹参(心血虚)・竜眼肉(心血虚)・茯神・朱砂・磁石・夜交藤:帰脾湯・酸棗仁湯・天王補心丹・朱砂安神丸。

朱砂安神丸しゅしゃあんじんがん:蘭室秘蔵:心火旺しんかおう に清熱安神・滋陰補血:黄連 朱砂 生地黄しょうじおう 当帰 炙甘草 などがある(台湾・韓国・中国で販売:朱砂は日本では使用禁止)

遠志:ヒメハギ科イトヒメハギの根:安神・袪痰・消癰しょうよう。

丹参:シソ科タンジンの根:苦微寒:心・心包経:活血袪瘀・涼血・養血安神:血管拡張・鎮静・精神安定・鎮痛・肝不全の疼痛・神経衰弱・動悸・不眠・煩躁・不安など心血虚:天王補心丹:2~5g~10~20g。

竜眼肉・桂円肉・桂円:ムクロジ科リュウガンの果肉:甘温:心脾経:補心安神・補脾養血:心血虚の神経衰弱・不眠・健忘・易驚・動悸・虚証の出血病後の衰弱:3~5g、10~20g:帰脾湯。

茯苓3~6g、10~15g・雲茯苓3~6g:利水滲湿、健脾補中、寧心安神。陰気を益して、心をやすらかにし神を養う。

不眠症:大柴胡湯証・酸棗仁湯は、イライラして眠れない不眠症。

桂枝加龍骨牡蠣湯は、精力減退・疲労・夜尿症・遺精・神経症・不眠症。

遺精の症状に桂枝加龍骨牡蠣湯の類を用いて効果が無い者は、上盛下虚に属すので清心蓮子飲がよい。

桂枝加龍骨牡蠣湯:精力減退・疲労・夜尿症・遺精・神経症でつまらないことが気になる・自慰過多による症状・多夢・不眠・過労で悪化する動悸・面紅・顴紅・手はほてり足は冷える。

桂枝加龍骨牡蠣湯:陰陽双補・補腎安神:桂枝4・芍薬4・大棗4・生姜4・甘草2+竜骨3・牡蠣3:精力減退・疲労・夜尿症・遺精・神経症・自慰過多・多夢・不眠・過労で悪化動悸・面紅・顴紅・手はほてり足は冷える。

龍骨・牡蠣の重鎮安神作用により、柴胡加竜骨牡蠣湯は心腎不足の不安・動悸・不安感を伴う不眠を取り除く。

柴胡加竜骨牡蛎湯:夜もよく眠れず、怖い夢(鬼交・疲れる夢)を見ては眼が醒めてしまう不眠症。(怖い夢は腎虚証の夢)。

大柴胡湯証は、イライラして眠れない不眠症。神経性のインポテンツ。

黄連解毒湯は、不眠症。夜になっても、頭がはっきりとして、なかなか眠気をもよおさない。

黄連解毒湯:黄連1.5・黄芩3・黄柏1.5・山梔子2、はすべて消炎・鎮静・燥湿作用(乾かす作用)がある。炎症や出血・脳の興奮性増大の不眠、自律神経興奮、代謝亢進状態を治す。

竜歯:古代脊椎動物の歯牙の化石。性質は渋・涼で効能は竜骨とほぼ同じ。鎮静安神作用は竜骨より強い。不眠・煩躁・全身痙攣・筋肉の痙縮には竜歯を用いる。下痢や遺精には竜骨が良い。

夜交藤・首烏藤:タデ科何首烏ツルドクダミの蔓茎:苦甘平:心肝経:安神・養血活絡:神経衰弱・貧血などで不眠・動悸:3~10g:交藤飲。

交藤飲こうとういん:夜交藤10g 酸棗仁5 柏子仁2 竜眼肉3g、水煎服。製品無し。

三物黄芩湯:金匱要略:黄芩3 苦参3 干地黄6:陰虚火旺:手掌・足心の四肢煩熱、アトピーの乾燥・掻痒・紅潮、乾癬、白癬、トリコモナス陰部の掻痒、心煩、不眠、頭痛、ほてり、寝汗。

三物黄芩湯:金匱要略:「千金の三物黄芩湯は、婦人草褥に在りて、自ずから発露して風を得、四肢煩熱に苦しむを治す。頭痛するものは小柴胡湯を与う。頭痛まず但 煩する者はこの湯を主どる」。

草褥そうじょく:草のしとね・わらの寝床。

温胆湯:三因方:清化熱痰・和胃降逆:

製半夏6 陳皮3 茯苓6 炙甘草1 枳実1 竹筎2 乾生姜1g:

不眠には琥珀、酸棗仁、牡蛎、沢瀉を加えて袪痰利水する。

温胆湯:ストレスで粘液状の分泌物が増えたり、胃腸の働きが悪い人が水分の摂り過ぎで湿邪がたまり長く停滞すると熱を持ち、粘り気を増す痰熱による不眠・不安感・動悸の症状に適す。

温胆湯で、痰熱が心に上擾(痰火)すると心煩し不眠となりあるいは心気して驚悸しやすくなり、酷くなると痰は清竅を阻み癲癇を生じる。

温胆湯:動悸の処方:胆熱による不眠・易驚・動悸の胆虚証の代表処方。

竹筎と半夏の制吐作用の比較:半夏は痰湿による嘔吐に、竹筎は熱痰(胃熱を冷ます作用)による嘔吐に効果がある。

琥珀こはく・血珀:古代のカエデや松の樹脂の化石:甘平:心・肝・膀胱経:鎮驚安神・利水通淋・活血袪瘀:腎結石の血尿・炎症に琥珀通淋方:腹腔内腫瘤に活血袪瘀の琥珀に三稜・鼈甲など配合。

268.当帰芍薬散を与える。これで頭冒感は軽くなったが、よく眠れない。酸棗仁湯とする。今度の薬より当帰芍薬散がよいという。また当帰芍薬散に戻しこれでよく眠れるようになった。「漢方診療三十年」大塚敬節

当帰芍薬散:肝血虚・脾虚湿滞:当帰3 白芍4 白朮4 茯苓4 沢瀉4 川芎3:過敏性大腸炎・頭帽感・不眠:真武湯も過敏性大腸炎に適用:当帰がもたれる脾虚の人もいる。

頭冒感ズボウカンの頭重は、湿邪・湿滞・痰飲の症状。

半夏瀉心湯:130.胃弱、食少、不眠の24歳の男子(半夏瀉心湯)。心下痞硬、大便1日一行。半夏瀉心湯で胃がすいて気持ちが良い。安眠できるようになった。「漢方診療三十年」大塚敬節

半夏瀉心湯:和胃降逆・消痞・安寧・心火や胃熱・胆熱を冷ます安定剤:半夏5 乾姜3 黄芩3 黄連1 人参3 炙甘草3 大棗3:舌は心の支配なので舌炎は心火を冷ます半夏瀉心湯や半夏瀉心湯合帰脾湯が適応する。

「舌は心の症状」なので、心火による舌炎には加味逍遙散合帰脾湯も考慮する。また、舌炎には黄連+黄芩を含み「心火・胃火を冷ます半夏瀉心湯」の適用でもある。

加味逍遙散では、精神的なストレスが亢じてくると、口内や舌に糜爛を生ずる。なおりにくい歯齦炎シギンエン・口内炎・舌炎など口腔内炎症など。産後に口内や舌に糜爛が生じるは肝火上炎で加味逍遙散や竜胆瀉肝湯。

加味逍遙散:126.死産後の27歳の婦人。頭痛・めまい、動悸、不眠、肩こり、便秘に加味逍遙散15日分。気分が軽くなり、頭痛、めまい、便通が改善。「漢方診療三十年」大塚敬節

抑肝散加陳皮半夏:125.腹部動悸が胸に衝き上げてくる(奔豚気)、易怒、大便秘結、倦怠感、食欲不振、呑酸嘈雑、不眠31歳の婦人、月経正常。抑肝散加陳皮半夏10日分で安眠。1カ年で完治。「肝木が虚して痰火の甚だしい証」「漢方診療三十年」大塚敬節

抑肝散:124.脳出血後後遺症。左半身が不自由になった。易怒、不眠、手の振戦、足もつっぱりうまく歩けない。抑肝散(大柴胡湯)で、安眠、ひとりで歩けるようになった

抑肝散加厚朴芍薬:122.8歳のチックの少女。大声で夜わめく。ストレスで不眠。二週間でやや良い、三ヶ月、七ヶ月で完治。

三物黄芩湯:157.手足がほてって眠れない33歳の女。「漢方診療三十年」大塚敬節

黄連解毒湯加釣藤黄耆:153.肩こり・頭重・不眠の17歳の少年。

釣藤鈎と菊花は平肝作用で肝鬱の薬。

羚羊角・釣藤鈎には、涼肝清熱・平肝熄風の効果がある。

釣藤鈎ちょうとうこう・釣藤鈎・鈎藤・鈎鈎・双鈎藤:アカネ科カギカズラの鈎棘のある茎枝:甘微寒::熄風定驚・平肝清熱・軽清透熱:のぼせを取り熄風する:平肝止痙・鎮静で、てんかん発作の抑制。

黄連解毒湯:146.頭重・めまい・不眠の55歳の婦人の神経症患者(黄連解毒湯)「漢方診療三十年」大塚敬節

三黄瀉心湯:145.高血圧をともなう不眠症の38歳の婦人(三黄瀉心湯加山梔子)「漢方診療三十年」大塚敬節

三黄瀉心湯は、顔面紅潮、のぼせ、めまい、イライラ、不眠などの患者で、便秘の傾向で、みぞおちにつかえのあるものに用いる。諸種の出血、高血圧症、神経症、常習便秘、胃炎、胃潰瘍、脳出血などに用る。

心腎不交(黄連阿膠湯・天王補心丹)の症状:焦躁感・不眠・多夢:強迫神経症。

心腎不交の症状:煩躁・睡眠時不安・動悸・煩熱・口乾・尿が濃い・夢精:黄連阿膠湯・天王補心丹。

心腎不交:夢を見て遺精し(夢精)・鬼交、頭暈、心悸、神経疲労、不眠・耳鳴り・難聴・目花・小便黄赤で量は少なく排尿時に熱感がある:黄連阿膠湯。

心神が不安定な状態になると、動悸・不整脈・不眠・多夢・不安感・肩こり・頭痛・めまい・痙攣・癲癇などの症状を現す。

桂枝加龍骨牡蠣湯は、精力減退・疲労・夜尿症・遺精・神経症・不眠症。

陽亢(肝陽上亢:加味逍遙散。陰虚火旺:知柏地黄丸)の症状:眩暈・イライラ・不眠。

酸棗仁湯:金匱要略「虚労にて虚煩し眠るを得ざれば酸棗仁湯之を主どる」:陰虚陽亢・虚労虚煩:大病後の不眠、心身疲労による不眠、高齢者の不眠、神経衰弱の寝汗多夢・不眠。

陰虚陽亢:杞菊地黄丸・知柏地黄丸:盗汗・五心煩熱・口乾・目の異物感・苔少無苔・舌紅・めまい・ふらつき?耳鳴・焦躁感・不眠・多夢・脈細数・細弦:平肝定眩の杞菊地黄丸・菊花芍薬湯。

肝血虚の症状:めまい・不眠・多夢・目花・視力低下(目糊)・筋肉の障害・痛みひきつれ(筋脈不利)・爪甲不栄・月経量少・無月経(経閉)・不正性器出血(崩漏)の出現。

肝血虚:視力低下や眼乾渋や目のつかれや夜盲(滋腎明目湯)・頭暈・めまい・耳鳴や耳聾(滋腎通耳湯)・皮膚乾燥や爪甲の色淡で薄いや不眠や多夢(帰脾湯)・筋肉の痙攣や四肢のしびれ(疎経活血湯)。

肝血虚:視力減退・両眼乾渋はシェーグレン症候群の症状・夜盲・頭暈・耳鳴・爪甲の色淡で薄く・不眠・多夢・口乾・脈減弱:「肝は剛臓なり」といわれ血によって養われている。

肝血虚:めまい・目花・月経量少・無月経・不眠・多夢・四肢麻木・筋肉の運動障害:養肝血・滋腎陰:補肝湯・四物湯・杞菊地黄丸・黒逍遥散:逍遙散加生地黄4または熟地黄4を加える。

肝血虚:当帰芍薬散・補肝湯・四物湯・杞菊地黄丸・黒逍遥散:逍遙散加熟地黄4・小建中湯・疎経活血湯・帰脾湯・十全大補湯・滋腎明目湯・滋腎通耳湯。

寝汗・急躁易怒・不安感・不眠は心陰虚:天王補心丹は心腎陰虚。

血虚の症状:皮膚につやがない・面色萎黄・目がつかれやすい・目花・頭がぼーっとする・四肢麻木(神応養神丹・黄耆桂枝五物湯)・筋けいれん・肝血虚・浅眠・多夢・不眠・月経後期・髪枯燥・爪の剥離・舌質淡、間歇的な動悸、怔忡。

神応養神丹しんおうようしんたん:外科正宗:養血理気:当帰 芍薬 川芎 熟地黄 天麻 羗活 木瓜もっか 菟糸子としし 各3g(白鮮皮ソバカスがある時加える)。

天麻・明天麻:ラン科オニノヤガラの塊茎:甘微温:肝経:袪風鎮痙(天麻鈎藤飲)・通絡止痛:抗痙攣・鎮静:めまい(半夏白朮天麻湯)・頭痛(陰天時頭痛の半夏白朮天麻湯)の主薬。

羗活きょうかつ:セリ科羗活の根や根茎:辛苦温:散寒燥湿・解表・袪風湿・止痛;羗活は風邪薬によく配合される:荊防敗毒散・蠲痺湯・大防風湯。

木瓜もっか:ボケの成熟果実・カリンも用いる:酸温:舒筋活絡・和胃化湿:湿邪による筋疾患に適応。

菟糸子:ヒルガオ科ハマネナシカズラの成熟種子:辛甘平:肝腎経:補腎益精・明目・止瀉・安胎:菟糸子は平補で性質は穏やか:眼科は八味丸加菟糸子:遺精に菟糸子丸:2~6g。

出血で動悸や不眠など心神不寧には:遠志・酸棗仁・丹参・竜眼肉・茯神・朱砂・磁石・夜交藤などの養血安神薬(帰脾湯・酸棗仁湯)などを配合する。

柴胡加竜骨牡蛎湯:動悸、不眠、驚きやすいなどを訴える、甲状腺機能亢進症。

柴胡加竜骨牡蠣湯:不眠症で心肝火旺・脾気虚・痰湿を呈するものに適応。

寝汗・急躁易怒・不安感・不眠は心陰虚。

柴胡加竜骨牡蛎湯:狂症にて脇腹の動甚だしく、恐懼キョウクして人を避け、兀坐ゴツザして独語し、昼夜寐ねず、あるいは猜疑多く、あるいは自ら死せんと欲し、床に安ぜざる者を治す。

兀坐ゴツザ:動かずじっと坐る。

心陰虚の症状とは、虚熱による興奮症状から不眠・動悸・頻脈・多夢・甲状腺機能亢進症・自律神経失調症となり、消耗状態から健忘(緩やかな認知症)・見当識障害が生じる。

梔子鼓湯で胸中の鬱熱を発散させ除煩し、心煩不眠・心胸煩悶を治す。

心陽偏亢・心腎不交:五志過極等で心陽が上亢し陰血を灼傷して腎陰不足をとなり心陽は腎に下通しないため腎精の上承がならず心陽がさらに上浮し心神不安から動悸・不眠・耳鳴り・難聴・目花。

肝陽上亢の症状:イライラ・易怒いど・頭痛・めまい・面紅・目赤・口乾・脈弦・舌質紅・不眠・動悸・腰重・下肢無力感ふらふらフワフワ(柴胡加竜骨牡蠣湯)・脈細数・陰虚症状:治療は滋陰平肝する。

心血虚:心血の不足による心臓の症状と心神の不安が生じ、面色不華(淡白でつやがない)・舌質淡・脈細・発作性の動悸(心悸)・持続性の動悸・健忘・多夢・不眠・不安などの精神症状がみられる。

心陽虚:には炙甘草湯:益気通陽・滋陰補血:炙甘草3 生姜3 人参3 桂枝3 麦門冬6 麻子仁3 生地黄しょうじおう6 大棗3g。

不安感と動悸と不眠:貧血の症状と同じで、さらに疲れ易い・食欲不振には十全大補湯や帰脾湯をつかう。不安感を伴う気血両虚には帰脾湯。

心熱:心火亢盛で生ず:面紅、心中煩熱、睡眠不安、小便赤色、または狂のごとく譫語し、吐血、衄血などがある。

肝陽上亢:イライラ・易怒・頭痛・めまい・面紅・目赤・口乾・脈弦・舌質紅・不眠・動悸・腰重で怠い・下肢無力感ふらふら・脈細数・陰虚症状:滋陰平肝:加味逍遙散・柴胡加竜骨牡蠣湯・杞菊地黄丸・天麻鈎藤飲。

天王補心丹:心腎陰虚:寝汗・急躁易怒・不安感・不眠は心陰虚。

三物黄芩湯さんもつおうごんとう:陰虚火旺:手掌・足心の四肢煩熱、アトピーの乾燥・掻痒・紅潮、乾癬、白癬、トリコモナス陰部の掻痒、心煩、不眠、頭痛、ほてり、寝汗