2025/6/2
のぼせ・面紅の口訣集
苓桂朮甘湯:温陽化気・培中滲湿法・虚痰飲
苓桂朮甘湯合半夏厚朴湯:温陽化気・・培中滲湿法・理気化痰
加味逍遙散;肝鬱化火・肝陽上亢・脾虚・湿邪・血虚
天王補心丹:心腎陰虚:更年期障害ののぼせ面紅・陰虚
五積散:風寒湿・腰冷痛・腰腹攣急・上熱下冷・小腹痛
温経湯:温経補虚、活血行瘀・上熱下冷
苓姜朮甘湯:寒湿の腰痛
当帰芍薬散:肝血虚・脾虚湿滞:のぼせには使えない。
川芎:辛温:活血行気・袪瘀・袪風止痛・上部への引経薬
石決明:平肝潜陽・清熱明目
麦門冬湯:滋陰益気・補益肺胃・降気
黄連阿膠湯:心腎不交・動悸・胸悶・不眠・熱感・出血・皮膚炎
左帰丸加減:陰虚痹・頭暈・面赤くのぼせ・筋脈肌肉跳動
三黄瀉心湯:清熱瀉火・解毒・化湿・瀉下・止血
桂枝加龍骨牡蠣湯:陰陽双補・補腎安神・精力減退・夜尿症・神経症
柴胡加竜骨牡蠣湯:心腎不足・心肝火旺・肝陽上亢・肝気鬱結
酸棗仁湯:心血虚・心肝火旺・養心安神・清熱除煩
桃核承気湯:清熱瀉下・活血逐瘀・発狂・健忘・少腹硬満・小便自利・消穀善飢
釣藤散合平胃散:痰湿の肝陽化風に平肝潜陽
釣藤鈎:熄風定驚・平肝清熱・軽清透熱
釣藤散:肝気上逆・痰湿の肝陽化風・平肝潜陽・補気健脾・化痰・明目
知柏地黄丸:陰虚による虚火上炎
杞菊地黄丸:肝腎陰虚・肝陽化風
補中益気湯:補気健脾・昇陽虚寒・甘温除熱・量多でのぼせ
大柴胡湯:和解半表半裏・瀉下熱結・疏肝解鬱・理気止嘔・清熱瀉下
小柴胡湯合黄連解毒湯:のぼせ・ひどい熱感
白朮+炙甘草+生姜:健脾利水で袪湿
黄連解毒湯:消炎・鎮静・燥湿
六君子湯:脾虚・袪痰飲・めまい・頭重・のぼせ・肩こり・小便不利
101:苓桂朮甘湯(袪痰薬):緊張すると顔がのぼせる、目が充血する(古方では緑内障に使う)、緊張すると軽い目まいが生ずる人に使う(痰が原因である):苓桂朮甘湯合半夏厚朴湯も使う。
苓桂朮甘湯:傷寒論:温陽化気・培中滲湿法:茯苓6 桂枝5 白朮5 甘草2:中焦陽虚、水飲内停、胸脇支満、目眩、のぼせの者を治す。また心悸、気短、吐痰清稀などの証を治す。
苓桂朮甘湯:ものが停滞すると気は下に降りていかないので胃の中でジャボジャボ音を立てる胃内停水がある人でのぼせがあれば苓桂朮甘湯(頭痛・頭重・肩こり・めまい・耳鳴り・面紅)。
苓桂朮甘湯:「顔がのぼせくると動悸がする」(気逆)、めまいがする。
人前で喋る場で、緊張してのぼせたり何を喋っているか分からなくなるのは苓桂朮甘湯。
上熱下冷の五積散は「風寒湿」:1.腰冷痛、2.腰腹攣急(ぎっくり腰・腹痛)、3.上熱下冷の冷えのぼせ、4.小腹痛の四症が目標:寒いと小便頻数となり陰虚となりのぼせる人の神経痛・腰痛・手の痛みに効果。
上熱下冷は五積散・温経湯。
顔がのぼせる人の寒湿の腰痛は、五積散。
五積散:太平恵民和剤局方(局方):半夏2 陳皮2 茯苓2 当帰2 蒼朮1 白朮2 白芍1 川芎1 白芷1 枳穀1 麻黄1 桔梗1 乾姜1 肉桂(桂枝1) 厚朴1 大棗1 炙甘草1g。
寒湿の腰痛には苓姜朮甘湯を使う。
寒湿腰痛で顔がのぼせる人は五積散を使う。
温経湯:下焦虚寒のため血行不良となり血瘀が発生し、虚寒と血瘀から血虚が生じ、甚だしければ陰虚火旺が生じて上部に熱証・のぼせがあらわれる病態:月経不順・不妊・主婦湿疹・更年期障害・不正性器出血。
温経湯:金匱要略:温経補虚、活血行瘀法:呉茱萸3 桂枝3 当帰4 白芍6 川芎3 丹皮2 人参3 甘草2 阿膠珠4 麦門冬3 半夏4 生姜3g:温補の作用は局方の温経湯より強い。
当帰芍薬散:肝血虚・脾虚湿滞は、陰虚火旺・のぼせ・面紅の人には川芎があるので使えない:当帰3、白芍4、白朮4、茯苓4、沢瀉4、川芎3。
川芎:辛温:活血行気・袪瘀・袪風止痛(頭痛薬):桔梗と同じく薬を頭部に運ぶ引経薬で(のぼせには使わないが頭痛には使う)補血活血し瘀血を去り鎮痛する。
麦門冬湯:233.のぼせと咽喉閉塞感を訴える21歳の青年(麦門冬湯)。「漢方診療三十年」大塚敬節
麦門冬湯:滋陰益気・補益肺胃(胃陰虚・肺陰虚に適応)・降気:麦門冬10 人参2 製半夏5 炙甘草2 粳米こうべい5 大棗3:口乾の吃逆に一服で効く:消渇病で多食善飢だが体重減少がある陰虚でのぼせるにつかう。
左帰丸加減:陰虚痹:頭暈・面赤くのぼせ・筋脈肌肉跳動に加える:
石決明10(先煎)、牡蛎10(先煎)、天麻3、釣藤4(後下)。製品無し。
石決明:平肝潜陽・清熱明目:アワビ科の貝殻を乾燥したもの:炭酸カルシウム等:肝陽上亢・骨蒸潮熱に適用。
桂枝は気逆を降逆する作用。苓桂朮甘湯など。
黄連阿膠湯:動悸・胸悶し煩躁・熱感やのぼせで不眠などの精神症状・かゆみ・各種出血:鼻衄・不眠症・かさかさした湿疹・皮膚炎・皮膚の痒みなどの燥証:黄連3 黄芩2 白芍3 阿膠3 鶏子黄1個。
黄連阿膠湯:心腎不交:動悸・胸悶し煩躁・熱感やのぼせで不眠・各種出血:胸悶し居ても立ってもいられない状態。
三黄瀉心湯は、のぼせ、不安感などがあって出血する者に用いるが、出血しているときは、冷服がきまりである。温服すると悪化する。配合されている大黄は瀉下よりも、炎症や充血を冷ます目的である。
三黄瀉心湯は、顔面紅潮、のぼせ、めまい、イライラ、不眠などの患者で、便秘の傾向で、みぞおちにつかえのあるものに用いる。諸種の出血、高血圧症、神経症、常習便秘、胃炎、胃潰瘍、脳出血などに用る。
三黄瀉心湯:大黄3 黄連3 黄芩3g:清熱瀉火・解毒・化湿・瀉下・止血。
桂枝加龍骨牡蠣湯で、のぼせ、耳鳴、めまい、足冷がよくなることがある。虚弱体質・精力減退・神経質・夜尿症・手はほてり足は冷える。
桂枝加龍骨牡蠣湯:陰陽双補・補腎安神:桂枝4・芍薬4・大棗4・生姜4・甘草2+竜骨3・牡蠣3:精力減退・疲労・夜尿症・遺精・神経症・自慰過多・多夢・不眠・過労で悪化動悸・面紅・顴紅・手はほてり足冷
陰虚による虚火上炎:午後の潮熱、顔ののぼせ・目赤・イライラ・頬部の紅潮(顴紅かんこう)、五心煩熱・手足がほてる、盗汗、口乾・舌質紅、脈細数・夕方や夜に悪化:知柏地黄丸。
朝から何回ものぼせて熱くなる人は、心の症状か虚熱か肝鬱である。心腎陰虚の無汗ののぼせなら天王補心丹であり、虚熱(腎陰虚)六味丸加減方か知柏地黄丸(心の症状が無い)。肝鬱で冷汗なら加味逍遙散。
陰虚は、疲労や慢性病などが原因の水気不足による虚熱発生の状態である:陰虚の症状:顔がのぼせ・目赤・イライラ・顴紅・口が乾き・陰虚の便秘・手足がほてる・夕方悪化・五心煩熱・寝汗・消渇では痩せてくる。
柴胡加竜骨牡蠣湯の病理は、心腎不足であるので、だるく・不安感・動悸・悪夢・肝気鬱結があるのでイライラ・肝陽上亢で雲の上をふわふわと歩く感じのめまい・のぼせ。
柴胡加竜骨牡蠣湯:柴胡5 黄芩3 半夏4 生姜3 人参3 茯苓3 大棗3 桂枝3 竜骨3 牡蠣3 大黄1:肝陽上亢・肝風内動・のぼせ・めまい・肝気鬱結(体が重だるい、不安感、動悸)。
心肝火旺の症状:イライラ・不眠・多夢・易驚・動悸・のぼせ・落ち着かない・胸脇脹満・筋惕肉瞤:柴胡加竜骨牡蠣湯。
酸棗仁湯:心血虚・心肝火旺に養心安神・清熱除煩:
酸棗仁5 茯苓5 知母3 川芎3 炙甘草1:
思慮過度して生ずる心肝火旺による、のぼせ・イライラや不安感・不安による不眠を鎮める。
酸棗仁さんそうにん:クロウメモドキ科サネブトナツメの成熟種子の乾燥:甘酸平:心脾肝胆経:養肝・寧心・安神・斂汗:不眠・動悸・不安・自汗・盗汗。心臓神経症・神経衰弱・鎮静:3~6g、7~8g、10g。
承気湯類:便秘してのぼせ(頭痛・頭重・肩こり・めまい・耳鳴り・面紅)の状態があれば、桃核承気湯・大承気湯などの承気湯類を使う。
のぼせを下げる方法は承気湯で気を承け、桃核承気湯・大承気湯・小承気湯・調胃承気湯の下剤の類で気が上がる症状を降ろす:のぼせ・耳塞や肩こり・頭痛・頭重・めまい・耳鳴り。
瘀血:発狂・或は喜忘(健忘)・或は消穀善飢(糖尿病)、少腹硬満、小便自利、或は大便の色は必ず黒い。桃核承気湯。
肝陽化風:のぼせ・ほてり・めまい・ふらつき・手足のふるえ・耳鳴り:肝風は内風であり、肝腎の陰液が極度に損傷(肝腎陰虚)したために、肝の陽気が肝腎の陰液による濡養じゅようと制約を受けられなくなって発症する:杞菊地黄丸(肝腎陰虚)。
釣藤散合平胃散:痰湿の肝陽化風に平肝潜陽:釣藤鈎5 菊花5 防風5 石膏10 人参2 麦門冬5 茯苓5 半夏5 陳皮5 甘草2 生姜2:理気化湿・和胃:蒼朮4 厚朴3 陳皮3 大棗2 生姜1 甘草1g
肝陽化風の半身不遂:天麻鈎藤飲加減・杞菊地黄丸。
釣藤鈎ちょうとうこう・鈎藤・鈎鈎・双鈎藤:アカネ科カギカズラの鈎棘のある茎枝:甘微寒::熄風定驚・平肝清熱・軽清透熱:のぼせを取り熄風する:平肝止痙・鎮静で、てんかん発作の抑制。
肝気上逆の釣藤散(脾胃気虚・痰湿の肝陽化風に:平肝潜陽・明目・補気健脾・化痰:釣藤鈎5 菊花5 防風5 石膏10(先煮)人参2 麦門冬5 茯苓5 半夏5 陳皮5 甘草2 生姜2)
肝陽化風は、肝陽上亢が基礎にあり、脳卒中などの原因になるので、抑肝散・加味逍遙散・柴胡加竜骨牡蠣湯・知柏地黄丸・杞菊地黄丸・釣藤散・釣藤散合平胃散・天麻鈎藤飲・牛黄清心丸・羚羊鈎藤湯などで予防する。
のぼせと震えには合方し苓桂朮甘湯合半夏厚朴湯とする。
顔のシミの加味逍遙散と当帰芍薬散の使い分けは、
逍遙上逆やのぼせが有る時は加味逍遙散で
のぼせが無い時に当帰芍薬散
(川芎の活血作用は強く薬を上に引き上げる作用があるのでのぼせる)
天王補心丹(心腎陰虚):心陰虚(心腎不交も心陰虚の一種)では、動悸・のぼせて面紅、疲れると症状悪化し、心身は疲れやすく、顴紅、手足の火照りが適用に絶対に必要な症状。心腎不交は黄連阿膠湯。
天王補心丹(心腎陰虚):更年期障害ののぼせ面紅は陰虚なので、天王補心丹はのぼせはあるが冷や汗は無い時に使用する。
心腎両虚の症状には、不安感や怒り易い、一日の内で周期的に顔が赤くなりのぼせるが冷や汗は無い。これが閉経前後の症状である。
(心腎陰虚には天王補心丹)。
加味逍遙散の症状には痰飲症状はなく湿邪だけで、イライラによって体に熱症が生じて、その熱によって頭痛・のぼせるのだが、ストレスは気滞なので脹った頭痛(脹痛・頭脹痛)となる。
加味逍遙散にも、めまい・頭重感・のぼせ・肩こりがある。
加味逍遙散には、肝胆経の湿熱を除去する作用もある:丹梔で熱を冷まし、健脾利水の白朮+炙甘草+生姜で袪湿する。
イライラの状態では加味逍遙散や抑肝散が適応するが、長引くと心血の栄養不足になりその症状には帰脾湯(心脾両虚・気血両虚)や天王補心丹(心腎陰虚)を使う。
加味逍遙散;肝鬱化火(肝火上炎の軽症の肝陽上亢でもある)・脾虚・湿邪・血虚:柴胡 芍薬 薄荷 当帰 牡丹皮 山梔子 茯苓 白朮 生姜 甘草:丹梔の部分が化火に適応する。
加味逍遙散は、夕方になってのぼせる人(潮熱)に使う。
大柴胡湯は胃実熱なので食欲旺盛・イライラ・のぼせ・食毒熱滞留なので食欲不振もある。
大柴胡湯:和解半表半裏・瀉下熱結・疏肝解鬱・理気止嘔・清熱瀉下:柴胡6 黄芩3 白芍3 半夏4 生姜4 大棗3 枳実2 大黄1g。
周期的なのぼせと冷や汗は、往来寒熱の症状だが、加味逍遙散を使う。加味逍遙散は本来夕方になってのぼせる人に使い、発熱の型は潮熱であり1日1回である。
六君子湯も痰飲をとる薬であるので、苓桂朮甘湯と同じく、六君子湯は、めまい、頭重感、のぼせ、肩こり、小便不利、脾虚という症状。
気虚の痔には補中益気湯を使うが、量が多いと下陥したものを一気に引き上げるので、のぼせや肩こり、頭痛が起こり易いので量を加減する。量を増やすことで悪化することが多い。
のぼせ・ひどい熱感:小柴胡湯合黄連解毒湯。
黄連解毒湯:消炎・鎮静・燥湿:黄連1.5g 黄芩3g 黄柏1.5g 山梔子2g。