2025/10/2
腎炎・慢性腎炎・急性腎炎
参苓白朮散(脾虚・下利軟便)
六君子湯(脾虚・食欲不振・痰飲)
参苓白朮散合真武湯(脾虚・足冷・腹痛・下利・腎陽虚)
六君子湯合真武湯(脾虚・食欲不振・足冷・腹痛・下利・腎陽虚)
五苓散合小柴胡湯(柴苓湯)(痰飲・口渇・小便不利・脾虚・柴胡証七症)
五苓散合参苓白朮散(痰飲・口渇・小便不利・脾虚)
五苓散合六君子湯(痰飲・口渇・小便不利・脾虚)
五苓散合真武湯(痰飲・口渇・小便不利・腹痛・下利・足冷・腎陽虚)
小柴胡湯(柴胡証の七症:胆熱・肝鬱・嘔気)
小柴胡湯合半夏厚朴湯(柴朴湯)(柴胡証七症・理気化痰・気滞)
防已黄耆湯(自汗・虚弱・風水・腰重)
越婢加朮湯(無汗・風水・体質強い)
牛車腎気丸(腎陽虚の重症・夜間尿)
当帰芍薬散(肝血虚・脾虚湿滞・冷え症・浮腫)
六君子湯合十全大補湯(脾虚・食欲不振・気血両虚)
参苓白朮散合十全大補湯(脾虚・軟便下利・気血両虚)
当帰補血湯(気血両虚)
黄耆(利尿で浮腫消退)
慢性腎炎の過半数は脾虚であるので補脾薬の参苓白朮散や六君子湯などで尿蛋白はとれる。六君子湯は脾虚の疾患には劇的には効かないが徐々に体質改善する。
腎炎に五苓散だけでは補脾補腎がないので悪化する。
慢性腎炎(小柴胡湯合五苓散・柴苓湯・参苓白朮散合真武湯が効く)は、五苓散だけでは治らない・悪化しやすい。脾虚や腎虚が背景にあるため。
慢性腎炎の主訴はほとんどが食欲不振・食物の匂いを嫌うで、六君子湯を使う。
腎臓は、漢方では脾に属し、腎臓病は脾虚・脾陽虚・脾腎陽虚を治す:参苓白朮散合真武湯。
五苓散:腎炎、ネフローゼ、膀胱炎、腎盂炎、偏頭痛、急性胃腸炎、糖尿病などに用いるが、脾虚には参苓白朮散・六君子湯、腎虚には真武湯などを合方する。
半夏厚朴湯合小柴胡湯:柴朴湯に同じ:慢性腎炎。
五苓散は、乳幼児の嘔吐に用いる場合が多い。風邪時に葛根湯などを用いて汗がでてから(自汗)五苓散証になることが多い。腎炎、ネフローゼ、膀胱炎、腎盂炎、偏頭痛、急性胃腸炎、糖尿病などに。
防已黄耆湯は腎炎および風湿関節疼痛にもちいられる。
原因不明のむくみで虚に偏する者(自汗)には防已黄耆湯は有効である。
204.浮腫と呼吸困難の腎炎の5歳の女児(五苓散)「漢方診療三十年」大塚敬節
慢性腎炎:参苓白朮散合真武湯・五苓散合参苓白朮散・五苓散合六君子湯・五苓散合真武湯・黄耆・防已黄耆湯・柴朴湯・牛車腎気丸・真武湯・当帰補血湯・六君子湯合十全大補湯・参苓白朮散合十全大補湯・柴苓湯。
急性腎炎:越婢加朮湯(体質強い場合)・小柴胡湯。
越婢加朮湯は、急性腎炎の浮腫、脚気、リウマチ性紫斑病などに用いる、無汗の風水:麻黄6 石膏8 白朮4 生甘草2 生姜3 大棗3:
越婢加朮湯は虚弱者には禁忌で、虚弱者・自汗の浮腫には防已黄耆湯を使う。
越婢加朮湯:疏風宣肺・利水・風水に適応・急性腎炎・初発は面部浮腫:
麻黄6 石膏8 生甘草2 生姜3 大棗3 白朮4g。
黄耆:急性あるいは慢性腎炎に用いる。黄耆の利尿で浮腫消退し蛋白尿を軽減。
急性腎炎では悪風・関節痛・肢体や顔面の浮腫、脈浮の風水の症状に、防已・白朮・甘草配合の防已黄耆湯を使用する。
真武湯:回陽救逆・温陽利水:附子1 茯苓5 白朮3 白芍3 生姜3:冷えとストレスをとるが脾虚は補わないので、腎炎の浮腫への留守番処方は真武湯合参苓白朮散とする:足冷の下利・腹痛に適用。
参苓白朮散は、慢性腎炎で尿中に蛋白があり久しく消えないものは、「脾虚して精微を摂納できない者」として、慢性腎炎にも応用できる。
五苓散は、腎炎、ネフローゼ、膀胱炎、腎盂炎、偏頭痛、急性胃腸炎、糖尿病などに口渇・小便不利・自汗・(水逆)を目標に用いる:単に、水毒だとして、腎炎に五苓散を用いると悪化するので脾を補う。
292.腎臓炎29歳の婦人(牛車腎気丸)。「漢方診療三十年」大塚敬節
272.妊娠するたびに腎臓炎を起こす患者に、妊娠と同時に当帰芍薬散を内服させて腎臓炎を予防し、無事出産した例もある。「漢方診療三十年」大塚敬節
269.慢性腎炎の53歳の婦人(当帰芍薬散)
当帰芍薬散:当帰+芍薬+川芎で補血補陰活血して止痛する。婦人の腹痛・妊婦の腹痛に創薬された。
当帰芍薬散:足の指 疼痛して歩行することを得ず。
236.腎炎患者に続発した脳出血の52歳の男子(茵蔯蒿湯)。「漢方診療三十年」大塚敬節
173.めまいが主訴の脳出血患者や慢性腎炎の66歳・73歳の婦人(真武湯)「漢方診療三十年」大塚敬節
当帰補血湯:気血両虚を峻補・補気生血の基本:黄耆15 当帰3:
重度の貧血・再生不良性貧血・慢性腎炎・褥創。
慢性腎炎:小柴胡湯合五苓散、つまり柴苓湯。
慢性腎炎は腎虚も予想されるので六君子湯合真武湯・参苓白朮散合真武湯:
血虚なら六君子湯合十全大補湯・参苓白朮散合十全大補湯。