2025/7/9~10 10/6~~10/8
腰痛の口訣集
腰痛:
血府逐瘀湯(瘀血によるぎっくり腰および腰痛)
八味丸合桂枝加朮附湯(腰膝酸軟無力・風寒湿邪・脚弱冷え)
八味丸合五積散(顔がのぼせる人の「寒湿の腰痛」患部に熱感無し)
八味丸(夜眠れないほどの腰痛と口渇・腎の陰陽両虚)
五積散(のぼせる人の寒湿腰痛・膝痛・寒いと小便頻数の人の神経痛)
葛根湯(寒いと小便頻数になる人の神経痛・腰痛・手や二の腕の痛み)
疎経活血湯(腰痛、膝関節、足関節、足指関節、肩関節、肘関節、手首関節、下肢の筋肉、腰部・背部の筋肉の骨格や筋肉痛・痛風や腰痛・夜間悪化の膝痛の刺痛:多くは他の処方と組み合わせて効果を増す:瘀血と寒冷を兼ねた腰痛)
疎経活血湯合八味丸(慢性の腰痛・腰膝酸軟・脚弱冷え)
疎経活血湯合苓姜朮甘湯(腰痛とともに下肢の冷えが強い)
疎経活血湯合独活寄生湯(痹証・慢性の腰痛・腰膝酸軟・脚弱冷え)
疎経活血湯合桂枝加朮附湯(関節痛と風寒湿邪)
疎経活血湯合芍薬甘草湯(関節痛や腰痛の筋肉のひきつりが強い時)
疎経活血湯合治打撲一方(打撲で瘀血を生じた腰痛)
疎経活血湯合桂枝茯苓丸(瘀血を強調した腰痛)
苓姜朮甘湯や真武湯(寒湿の腹痛・腰痛・下肢冷)
八味丸合苓姜朮甘湯(怠さ・冷えは下半身に強く・下焦を温める)。
独活寄生湯(気血両虚と腎虚で、冷えと湿気で悪化する腰痛)
独活寄生湯合芍薬甘草湯(痹証・筋肉のひきつりが強い時)
独活寄生湯合八味丸(痹証・腎虚・間歇性跛行)
独活寄生湯合小建中湯(痹証・腎虚・脾虚・肝血虚:腰痛:のばせばのびる腰まがりの処方:帰耆建中湯も)
大柴胡湯(胃熱・心下痞硬・肩こり・腰痛・肝気鬱結は筋肉の緊張が加重する。つまり心因性腰痛)
柴胡桂枝湯(肝鬱によるひきつり・心因性腰痛:平肝熄風・補血活血・燥湿化痰・理気)
柴胡桂枝湯合芍薬甘草湯(心因性腰痛でひきつり強い)
抑肝散加陳皮半夏合逍遥散(心因性腰痛で肝鬱が強い)
大柴胡湯(心因性腰痛・心下痞硬・胃熱・口渇・便秘)
抑肝散加陳皮半夏(肝気を潤し緩むる腰痛薬・チック)
逍遥散合真武湯(肝鬱腰痛・寒湿・腹痛・下利・腎陽虚)
逍遥散合苓姜朮甘湯(肝鬱腰痛・寒湿・下肢冷・腰冷痛)
黄耆建中湯(いつもかったるい人の腰痛・自汗・寝汗・手足がほてり、喉もかわく)
当帰建中湯(婦人科によく用いる下腹部痛や腰痛)
帰耆建中湯(のばせばのびる腰まがりの処方:独活寄生湯合小建中湯。)
当帰芍薬散(隠隠たる腰痛)
通導散(打撲などの瘀血の腰痛・瘀血の痔・肝鬱多食の肥満薬)
折衝飲(瘀血の腰痛)
身痛逐瘀湯(瘀血の腰痛)
平胃散(原因が湿邪だけなら神経痛・腰痛・膝痛につかえる)
平胃散合二陳湯(湿邪と起床時に症状が悪化する痰飲が原因・重苦しい痛みが多く、小便不利、痰多、眠い)
桂枝加朮附湯(湿邪による神経痛にはあまり効かない・手肩の痛み)
桂枝加朮附湯合平胃散(風邪・寒邪・湿邪を去りだるさ痛みが取れる)
折衝飲(瘀血の心筋梗塞・瘀血の腰痛・身痛逐瘀湯の代用処方)
天王補心丹(心を遣い過ぎた心陰虚は心腎陰虚になりやすい)
小柴胡湯合平胃散(発熱・体痛・腰痛・体沈重でだるい・食不振)
小建中湯(腎虚の腰痛で、食欲がなければ陰虚でも陽虚でも使う)
柴胡疏肝散(腰痛は平時は痛まず明け方に痛む・肝鬱気滞型)
六味丸(腎陰虚になると腰痛・腰から下がだるい)
十全大補湯合苓姜朮甘湯(独活寄生湯の代用処方)
腰痛:疎経活血湯、苓姜朮甘湯、五積散、海馬補腎丸、折衝飲、独活寄生湯、柴胡疏肝散、十全大補湯、補中益気湯、通導散、当帰芍薬散、二陳湯合平胃散、小建中湯、身痛逐瘀湯、八味丸合五積散、八味丸合疎経活血湯、八味丸合苓姜朮甘湯。
五積散は「風寒湿」:1.腰冷痛、2.腰腹攣急、3.上熱下冷、4.小腹痛の四症が目標となる:寒いと小便頻数となる人の神経痛・腰痛・手の痛みに効果があり患部に熱感が無い場合に使う。二の腕の痛みに葛根湯。
五積散:寒いと小便頻数になる人の神経痛・腰痛・手の痛みには桂枝加朮附湯や五積散や葛根湯をつかうがほとんどは五積散である。五積散は患部に熱感が無い神経痛に使う。
五積散は顔がのぼせる人(上熱下冷)の「寒湿の腰痛」に使う。
「寒湿」では、足が冷え・その湿気は胃腸と関係している。寒湿で膝痛の人は、もともと水気をたくさん飲んでいるし胃腸が丈夫ではない。
苓姜朮甘湯は基本は脾に作用するが、冷えは下半身・下焦にあり、
下半身が冷えるだけで、下半身が水に浸かっているよう覚える。
独活寄生湯合芍薬甘草湯・疎経活血湯合芍薬甘草湯:
筋肉のひきつりが強い時芍薬甘草湯を合方する。
肝鬱によるひきつりの場合は大柴胡湯や柴胡桂枝湯も考慮する。
抑肝散加陳皮半夏:本方には芍薬なし、甘草の分量も亦少く芍薬甘草湯の効果は無い。按ずるに此薬専ら「肝気を潤し緩むる」を以て主とす。
抑肝散加陳皮半夏:釣藤鈎3 柴胡2 川芎3 当帰3 白朮3 茯苓4 甘草1.5 半夏3 陳皮3:平肝熄風・補血活血・燥湿化痰・理気:癭瘤えいりゅうに用いる。
甲状腺機能亢進症・癭瘤:加味逍遙散合半夏厚朴湯。
あるいは癭瘤エイリュウに抑肝散加陳皮半夏を用いる。
釣藤鈎ちょうとうこう・鈎藤こうとう・鈎鈎こうこう・双鈎藤そうこうとう:アカネ科カギカズラの鈎棘のある茎枝:甘微寒:熄風定驚・平肝清熱・軽清透熱:のぼせを取り熄風する:平肝止痙・鎮静、てんかん発作の抑制。
鬱病など精神抑鬱には逍遙散を使う。
肝鬱の逍遙散の代用処方は当帰芍薬散(当帰+芍薬)や柴胡桂枝湯(柴胡+芍薬)で、強いイライラには柴胡桂枝湯を使うが、逍遙散の使用が基本である。
逍遙散:肝気鬱結・血虚・脾虚・湿邪:衝任不調:柴胡3 白芍3 当帰2 白朮3 茯苓3 生姜3 炙甘草2 薄荷1:痰飲はとれないので半夏厚朴湯・苓桂朮甘湯・二陳湯・六君子湯などを合方する。
肝鬱と痰飲に・・・
逍遥散合半夏厚朴湯(肝鬱・血虚・脾虚・湿邪・理気化痰・気滞)
逍遥散合苓桂朮甘湯(肝鬱・血虚・脾虚・湿邪・温陽化気・痰飲)
逍遥散合二陳湯(肝鬱・血虚・脾虚・湿邪・痰飲)
逍遥散合六君子湯(肝鬱・血虚・脾虚・湿邪・脾虚痰飲)
心腎陰虚(天王補心丹)は、疲労や慢性病などが原因の水気不足による虚熱発生の状態。心を遣いすぎて生じた心陰虚は心腎陰虚になりやすい。
いつもかったるい人の腰痛には黄耆建中湯を使う。
黄耆建中湯は汗がでやすく自汗、寝汗もあり手足がほてり、喉もかわく。(黄耆建中湯は自汗・盗汗・咽乾・火照り)
黄耆建中湯(金匱要略)黄耆 桂枝 白芍 大棗 生姜 甘草 膠飴。
黄耆:補気升陽・固表止汗・利水消腫・托毒排膿(元気を補い汗を止め、皮膚病の膿を治す)
内托(托法):内服薬で瘡瘍を治療する三大治法の一つ。気血を補益する薬物を用いて、正気を扶け托毒外出させて毒邪の内陥を防ぐ方法。
托毒:毒を押し出すこと。
通導散:万病回春:理気活血・破血逐瘀・瀉下:当帰3 紅花3 蘇木2そぼく 木通3 大黄3 芒硝3 枳実3 厚朴2 陳皮3 甘草3:
打撲などの瘀血の腰痛・瘀血の痔・肝鬱多食の肥満薬:小承気湯と調胃承気湯を内包(すなわち大承気湯)。
大承気湯:峻下熱結:大黄2 芒硝3 枳実3 厚朴5
調胃承気湯:大黄2 芒硝1 甘草1g。
小承気湯:大黄2 枳実2 厚朴3(芒硝1~3gが無い)
瘀血の心筋梗塞や瘀血の腰痛に折衝飲:活血化瘀・理気止痛:心筋梗塞痛・瘀血の腰痛・足痛・膝痛:当帰5 桃仁5 牡丹皮3 川芎3 赤芍3 桂枝3 牛膝3 紅花2 延胡索3g。
五積散の中には平胃散が入っているので、五積散は神経痛・腰痛・膝痛に使ってよい処方:五積散に鎮痛効果を増すためにさらに平胃散や苓姜朮甘湯を合方する。
原因が湿邪だけなら神経痛・腰痛・膝痛に平胃散でよいが、起床時に症状が悪化する場合は、ほとんどが痰が原因であるから、他の処方に二陳湯を加えて対処する。平陳湯など。
平胃散:理気化湿・和胃:蒼朮4 厚朴3 陳皮3 大棗2 生姜1 甘草1g。鎮痛剤である。
起床時悪化に二陳湯を併用する。
逍遥散や加味逍遙散は、肝鬱はあるが寒湿の症状は無く、寒湿の症状が入ってくると逍遥散・加味逍遙散では取れない。真武湯や苓姜朮甘湯が必要となる。或は二陳湯を合方する:二陳湯:燥湿化痰:半夏5、陳皮4、茯苓5、生姜1、甘草1gの処方が必要。
二陳湯:燥湿化痰:半夏5、陳皮4、茯苓5、生姜1、甘草1:痰飲の基本処方。
寒湿の処方:平胃散・胃苓湯・胃苓湯合桂枝加朮附湯・当帰芍薬散・真武湯・苓姜朮甘湯・八味丸合苓姜朮甘湯・五積散・五積散合平胃散・五積散合苓姜朮甘湯・釣藤散合平胃散・当帰四逆加呉茱萸生姜湯・独活寄生湯。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯:温経散寒・養血通脈:寒湿。
当帰3 桂枝3 白芍3 木通3 細辛2 呉茱萸2 大棗5 生姜4 甘草2g。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯:頭痛・腹痛・疝痛・眩暈・嘔吐強・食少・頻尿、月経後期、しもやけ、レイノー、寒帯肝脈。
木通:強心・利尿作用により袪湿する苦寒性の利尿薬である。
細辛さいしん:辛温:発散風寒・袪風止痛・温肺化飲。
温経散寒の桂枝と細辛。
温通血脈の呉茱萸は行気止痛にすぐれている。
湿邪による神経痛に桂枝加朮附湯はあまり効かないが平胃散を加えると風邪・寒邪・湿邪を去り、だるさ痛みが取れる:桂枝加朮附湯合平胃散。
柴平湯さいへいとう:小柴胡湯合平胃散:発熱・体痛・腰痛・体沈重でだるい・食不振:湿邪は粘じ(ジは体質に痰湿の存在を示す)で、症状が再発しやすいため一日4回、3~4日続けて服用する:怠いカゼで体痛・腰痛・食少に適応。
苓姜朮甘湯・真武湯は寒湿の腹痛・腰痛に使う。
「寒湿」の膝痛・腰痛(苓姜朮甘湯・平胃散・胃苓湯・五積散・五積散合平胃散・五積散合苓姜朮甘湯の適応)では、体はしだいに悪化して気血両虚(十全大補湯・帰脾湯)という状態になり、神経痛・リウマチの発症につながる。
不安感と動悸と不眠:貧血の症状と同じで、さらに疲れ易い・食欲不振には十全大補湯や帰脾湯をつかう。
不安感を伴う気血両虚には帰脾湯だが脾虚が明らか。
小建中湯:「腎虚の腰痛」で、食欲がなければ、陰虚でも陽虚でも小建中湯。
「かかと痛(腎虚の症状)、ふくらはぎ痛(胃腸の症状:脾虚)、すねの筋も痛い(筋は肝の支配:肝血虚かんけっきょ)」という子供は腎虚・脾虚・肝血虚の三つが重なった状態なので小建中湯(成長痛)を使う。
疎経活血湯 の部位・・腰痛、膝関節、足関節、足指関節、肩関節、肘関節、手首関節、下肢の筋肉、腰部・背部の筋肉の骨格や筋肉痛の両方に使う。
慢性の腰痛・腰膝酸軟・脚弱冷え:
疎経活血湯合八味丸、疎経活血湯合独活寄生湯。
陰天時悪化で雨の日に痛みが悪化するのは「風寒湿邪」ですから、疎経活血湯に桂枝加朮附湯を合方します。
279.糖尿病からくる腰痛、房事過多による腰痛にも八味丸は良く効く。
独活寄生湯合八味丸は間歇性跛行にも使いますが、
独活寄生湯加地竜とすることもあります。
独活寄生湯:千金方:袪風湿・散寒・補気血・益肝腎・活血止痛:独活2 防風2 桑寄生4 秦艽3 杜仲3 熟地黄5 白芍4 当帰3 牛膝3 川芎2 茯苓3 党参3 細辛1 肉桂0.5(沖服) 炙甘草1g。
独活寄生湯の臨床応用:腰痛・坐骨神経痛・膝関節痛・関節リウマチ・椎間板ヘルニア。腎虚・肝腎虚・気血両虚の素体虚証の者が、風寒湿邪を感受して発症する、急性痛にも慢性痛にも用いる。合方する場合が多い。
独活寄生湯の適応症:腰痛・腰背痛・膝痛・腿痛・足痛・膝関節の屈伸困難・下肢のしびれ・下肢の冷え・寒冷で悪化・温めると緩和・風寒湿邪で悪化・腰脚膝が弱り重だるい・下肢浮腫・疲れ易い、舌淡・舌苔白。
寒帯肝脈:風邪をひかないし疲れも訴えない。ガリガリに痩せている。本人は食べても肥れないという。生理痛がひどい。寒冷でお腹の下墜感の激痛・腰痛もある。顔色は悪いが、冷え症ではないと言う。
279.夜眠れないほどの腰痛と口渇の59歳の婦人(八味丸)。「漢方診療三十年」大塚敬節
腰痛とともに下肢の冷えがある場合は、苓姜朮甘湯は疎経活血湯に内包されていますが、さらに苓姜朮甘湯を合方する:
疎経活血湯合苓姜朮甘湯。
苓姜朮甘湯:袪湿散寒・寒湿腰痛:茯苓6 乾姜3 白朮3 甘草2:クーラーの冷え症(五積散も)や冷えによる膀胱炎:真武湯は寒湿の腹痛・下利に使う。(苓姜朮甘湯加杏仁は腎著湯)。
痛風や腰痛や膝痛で刺すように痛む神経痛に疎経活血湯を使うが、膝が刺すように痛むのは瘀血であり、その特徴は夜中になると非常に痛む時に使うのが原則で天気が悪くなると夜とても痛む。
疎経活血湯は、天気が悪くなると夜とても痛む固定痛の刺痛。
瘀血の症状の特徴:「刺痛」で「固定痛」が特徴で痛む範囲がとても狭く、「夜間に悪化」し、実証なので「拒按」で「温めても冷やしても悪化」する。「舌は青紫色の斑点」や「舌体が青紫色で赤い」:心の熱状。
大柴胡湯は、肩こり・腰痛・癲癇にも使う。
大柴胡湯:肝火上炎・肝気鬱結・胃実熱・心下痞硬に適応する:
柴胡6 黄芩3 白芍3 半夏4 生姜4 大棗3 枳実2 大黄1(上腹部の脹り・苦満)
278.67歳の老婦人の腰痛(八味丸)。「漢方診療三十年」大塚敬節
当帰建中湯は、婦人科によく用い下腹部痛や「腰痛」に用いる。
当帰芍薬散の腹痛より衰弱して疲労感が強く、急迫的な痛みの時に当帰建中湯を用いる。
当帰芍薬散:当帰3、白芍4、川芎3、白朮4、茯苓4、沢瀉4g。
当帰建中湯:金匱要略:当帰4 桂枝4 生姜4 大棗4 芍薬5 甘草2 膠飴20:当帰建中湯は強壮、止血、鎮痛、貧血をなおす効果もある。
腎陰虚になると腰痛・腰から下がだるい、月経閉止や遅延。
腎陰虚の全身症状:易疲労・踵痛、腰膝酸軟無力、めまい、頭暈・頭痛、不眠、老眼、老人性白内障、脳鳴、遺精、口渇、ほてり・赤ら顔、寝汗、皮膚乾燥、白髪・禿頭とくとう、健忘、舌紅、舌苔少、五心煩熱。
柴胡疏肝散の腰痛は、平時は痛まず明け方に痛むが、これは気血運行が不良な肝鬱気滞型である。日中の活動では気血の流通は正常で腰痛はしない。
柴胡疏肝散:疏肝解鬱・理気止痛・活血:
柴胡6 白芍3 香附子3 川芎3 炙甘草2 枳穀2:
ストレスの腰痛・脇痛・腹痛・月経痛:帯状疱疹後の胸脇痛。
柴胡疏肝湯:医学統旨:肝気鬱結症状:抑鬱感・胸脇部が脹って痛む胸脇苦満・脈弦:疏肝理気:柴胡6 白芍3 枳実2 香附子3 川芎3 甘草2 青皮2じょうひ(成分は陳皮と同じ)。
疎経活血湯:痛風や腰痛・夜間悪化の膝痛の刺痛に疎経活血湯。
腎虚の腰痛で陰虚には六味丸を使うが、食欲がなければ小建中湯である。陽虚でも食欲がなければ八味丸ではなく小建中湯・真武湯である:食欲がないのに八味丸を使うといずれの症状も悪化するので陽虚には一般に真武湯を使う。
陰虚の症状(陰虚陽亢いんきょようこう):顔がのぼせ・目赤・イライラ・顴紅かんこう・口が乾き・手足がほてる・夜や夕方悪化・五心煩熱・寝汗・消渇では陰虚となるので痩せてくる。
消渇しょうかち:しょうかつ:消癉しょうたん:多飲・多食・多尿の症状が特徴:糖尿病も含む。臓腑燥熱・陰虚火旺(知柏地黄丸)して消渇や糖尿病を生ずる。治法は滋陰・潤燥・降火の法。
ぎっくり腰び腰痛の代用処方は桂枝茯苓丸を3時間おきに3回服用させる:本来は血府逐瘀湯を使う。
桂枝茯苓丸:活血化瘀:桂枝4、茯苓4、桃仁4、赤芍4、牡丹皮4。
血府逐瘀湯:医林改錯:瘀血内阻:牛膝4 桃仁3 紅花3 当帰4 赤芍3 川芎2 生地黄4 枳殻3 柴胡3 桔梗2 甘草1g。
瘀血の方剤:桃紅四物湯・血府逐瘀湯・桃核承気湯・桂枝茯苓丸・折衝飲・補陽還五湯・疎経活血湯・四物湯・冠心二号方・大黄䗪虫丸・大黄牡丹皮湯・失笑散・身痛逐瘀湯・膈下逐瘀湯・治打撲一方。
帰耆建中湯:腰や背中の痛み。疲れると、すぐに腰や背中が痛くなり、居動作に困難を覚える:のばせばのびる腰まがりの処方の治療薬(独活寄生湯合小建中湯も)。
痰飲の腰痛は重苦しい痛みが多く、小便不利、痰多、眠いという症状がある。二陳湯合平胃散(平陳湯)を使う。
痰飲の基本症状は、眩暈、多痰、浮腫、嗜眠、小便不利、しこり、朝の起床時の顔のむくみ、疲労時の顔のむくみや手足のむくみ、軽い咳払いで簡単に痰がでる体質、閑な時すぐ眠くなる:痰飲を取る基本処方は、二陳湯。
大柴胡湯は、肩こり・腰痛:神経性腰痛・癲癇。
腎虚の腰痛の症状:腰痛または腰重だけで腎虚である。また腰から背骨にかけて、腰から少し上の背骨にかけて痛むのも腎虚で虚証なので疲れると悪化・同じ姿勢で悪化するのも腎虚:八味丸・海馬補腎丸・真武湯・六味丸類・小建中湯・桑螵蛸散・巴戟天・淫羊藿・河車大造丸・右帰丸・左帰丸・紫河車・八味丸合桂枝加朮附湯、八味丸合五積散。
桑螵蛸散は夜尿症・頻尿・遺尿・尿失禁・遺精・滑精・頭昏・健忘を治す:固腎渋精だけでなく腎虚や精神不安にも効果がある。
「腰は腎の府である」ので、腎は膝や腰を支える力を発揮している:そのため、腎虚となると腎虚腰痛や腎虚膝痛が生ずる。
腎精不足の治療薬の巴戟天はげきてん:アカネ科巴戟天の根:辛甘微温:腎経:温腎補陽・強筋骨・袪寒湿:淫羊藿と同じ:腰や膝の寒湿による障害に適す:腎陽虚による失禁・頻尿に用いる。
腎虚腰痛に河車大造丸:中成薬:填精益髄てんせいえきずい:紫河車・亀板・熟地黄・人参・天門冬・麦門冬・牛膝・杜仲・黄柏。
紫河車しかしゃ:胎盤(プラセンタCBカプセル。注射薬は整形外科で使用して若い女性がよく通っている)。
疎経活血湯は、腰から大腿部に痛みが走る症状に適応するが坐骨神経痛にもっともよく使う。
強い抑鬱の腰痛に大柴胡湯:和解半表半裏・瀉下熱結・疏肝解鬱・理気止嘔・清熱瀉下:柴胡6 黄芩3 白芍3 半夏4 生姜4 大棗3 枳実2 大黄1g。
腰痛とともに下肢の冷えがある:疎経活血湯合苓姜朮甘湯。
八味丸はたまに腰がなんとなくだるく痛んでくる時に用いるが本当に腰痛になったら・八味丸合桂枝加朮附湯、八味丸合五積散とする。
ギックリ腰の場合は急性の、気滞・血瘀ですので、疎経活血湯に治打撲一方や桂枝茯苓丸の合方がよい:
疎経活血湯合治打撲一方・疎経活血湯合桂枝茯苓丸。
治打撲一方:香川家:川骨5センコツ 樸樕3ボクソク 川芎3 桂枝2 丁香1 大黄1 甘草2:活血化瘀・消腫・通陽:打撲・捻挫の腫脹や疼痛:ツムラに製品有り。
気血両虚で冷えと湿気で悪化する腰痛には、独活寄生湯を使う。独活寄生湯は十全大補湯の加減方である。十全大補湯と苓姜朮甘湯の合方に近い。
独活寄生湯:千金方:袪風湿・散寒・補気血・益肝腎・活血止痛:独活2 防風2 桑寄生4 秦艽3 杜仲3 熟地黄5 白芍4 当帰3 牛膝3 川芎2 茯苓3 党参3 細辛1 肉桂0.5(沖服) 炙甘草1g。
柴胡疏肝散:疏肝解鬱・理気止痛・活血:柴胡6 白芍3 枳穀2 香附子3 川芎3 炙甘草2:ストレスの腰痛(大柴胡湯)・脇痛・腹痛・月経痛。
小建中湯:腎虚の腰痛で食欲がなければ陰虚でも陽虚でも小建中湯。
小建中湯は脾胃の陰陽両虚「腎虚・肝血虚・脾虚」に使う。
つまり脾と胃の陰陽がどちらも不足した状態に使われる。
当帰芍薬散:隠隠たる腰の痛み。
肝気の鬱結は筋肉の緊張を加重する。そこで、大柴胡湯は、肩こり・腰痛・癲癇てんかん(便秘・食欲旺盛・肝鬱イライラ) などに応用される:大柴胡湯は和解半表半裏・心下痞硬・瀉下熱結・疏肝解鬱・理気止嘔・清熱瀉下。
柴胡桂枝湯も肩や背中のこり、痙攣、書痙、ジストニア・音楽家ジストニア、ふるえなどである。斜頚しゃけい・チック病・癲癇てんかん、あるいは腰や腹が引きつって痛むもの(股関節痛)などに応用される。
気血両虚の腰痛は十全大補湯だが食欲不振では補中益気湯・気血両虚の腰痛で不安感があれば帰脾湯。
寒湿の腰痛には苓姜朮甘湯を使う。顔がのぼせる人の寒湿の腰痛は五積散を使う。
独活寄生湯は、特に腰から下の関節、筋肉などの痛みによく使い、補肝腎、舒筋利痹、筋肉の引き攣れや痛みを去り、強筋骨作用があり、腰痛、膝痛、膝関節の屈伸不利を解消する。
風湿邪と臓腑の虚と気血虚の病証の主症状は腰痛、膝痛、腿痛、足の痛み、関節の屈伸困難、下肢のしびれ、足腰が弱いような腰膝酸軟で独活寄生湯を使う。
独活寄生湯:千金方:袪風湿・散寒・補気血・益肝腎・活血止痛:
独活2 防風2 桑寄生4 秦艽3 杜仲3 熟地黄5 白芍4 当帰3 牛膝3 川芎2 茯苓3 党参3 細辛1 肉桂0.5(沖服) 炙甘草1
気血両虚で冷えと湿気で悪化する腰痛には独活寄生湯(寒湿)を使う。
寒湿阻絡は湿熱の逆で、冷たい湿邪が体に特に下半身にたまる状態。主症状は腰、膝、足が冷えて重だるく痛む、膝や下肢の水腫となる。苓姜朮甘湯が適応する。
腎虚:同じ姿勢を続けていると悪化する腰痛は腎虚。
腎陽虚の腰痛では冷えると悪化するが陰虚では冷えても悪化しない。
腰痛や膝痛には、独活・桑寄生を増量する。
ストレスの腰痛の脹りには柴胡疏肝散や大柴胡湯を使うが、柴胡疏肝散の適応が多い。加味逍遙散も使うが脹りはあまり取れない。
心因性の腰痛:柴胡桂枝湯合芍薬甘草湯・抑肝散加陳皮半夏合逍遥散。
気血両虚の腰痛は、疲労すると悪化し休息で軽減する。食欲不振など色色な症状があるが、痛みは強弱両方ある。一般には十全大補湯だが、食欲不振があれば補中益気湯を使う。
柴胡桂枝湯は肩や背中のこり、痙攣、ふるえなどである。斜頚しゃけい・チック病・癲癇てんかん、あるいは腰や腹が引きつって痛むものなどに応用される。(心因性腰痛など)
「衆方規矩」では独活寄生湯は腰痛の第一選択。
「医療衆方規矩しゅうほうきく・中暑」曲直瀬道山まなせどうさん、1636年。
瘀血に寒冷を兼ねた腰痛には疎経活血湯。
腎陰虚の腰痛では手足が火照り、口乾、顔が何となくのぼせる(面紅)
痛風や腰痛・神経痛で、座っていて立った時や立っていて座った時に痛む場合は、麻杏薏甘湯を使う。
外感風湿に麻杏薏甘湯:袪風湿・解表・止咳平喘:麻黄4 杏仁3 薏苡仁10 炙甘草2:風湿の表証で浮腫に使用・風湿が化熱して熱をもったものに使用・イボに使用・雨に濡れて風湿が化熱してひいた風邪に使う。
腎陽虚の腰痛では八味丸を使うが、必ず丸薬を使う。
腎陰虚の腰痛では六味丸を使うが必ず丸薬を使う。
心因腰痛:柴胡桂枝湯合芍薬甘草湯・大柴胡湯。
腰痛の原因の一つは過労:重い物をもって起こった腰痛も過労である。
瘀血の腰痛は外傷が多いが折衝飲や通導散や身痛逐瘀湯。
折衝飲:活血化瘀・理気止痛:桃仁5 紅花2 丹皮3 当帰5 赤芍3 川芎3 桂枝3 牛膝3 延胡索3:心筋梗塞痛・瘀血の腰痛・足痛・夜中の腹痛や心臓痛・月経痛。
通導散:万病回春:理気活血・破血逐瘀・瀉下:当帰3 紅花3 蘇木2そぼく 木通3 大黄3 芒硝3 枳実3 厚朴2 陳皮3 甘草3:
打撲や瘀血の腰痛・瘀血の痔・肝鬱多食肥満:小承気湯と調胃承気湯を内包。
疎経活血湯:万病回春:袪風湿・補血・活血化瘀:当帰2 芍薬2.5 川芎2 地黄2 蒼朮2 茯苓2 桃仁2 牛膝1.5 防已1.5 威霊仙1.5 羗活1.5 防風1.5 白芷1 竜胆草1.5 陳皮1.5 生姜1 甘草1g。
瘀血薬の身痛逐瘀湯:医林改錯:活血化瘀・通絡止痛・袪風湿:
桃仁3 当帰2 川芎2 五霊脂2 没薬2 牛膝3 秦艽3 羗活3 香附子3 地竜2 甘草1g 黄耆(日本に製品は無く折衝飲で代用する)。
いつから腰痛が生じた?
どのような痛みか?刺痛?鈍痛?引っ張られる痛み?
いつ痛くなるか?
温めると楽か?風呂に入ると楽か?
冷えると悪化するか?
腰は冷えているか?
疲労で悪化するか?
夜中に悪化するか?
口が乾くか?
夜中の小水は?
腰痛になった原因は?
打撲?手術?疲労?ストレス?重い物を持った?冷えた?雨にあたった?