蓄膿症の鼻痛

2025/11/20~21

鼻部の疼痛(蓄膿症の顔面の痛み)

処方:藿香正気散加葛根・葛根湯加辛夷川芎合真武湯・銀翹散加白芷葛根・銀翹散・麻杏甘石湯合葛根湯加辛夷川芎・大柴胡湯合麻杏甘石湯・麻杏甘石湯・清胃散合調胃承気湯・調胃承気湯・竜胆瀉肝湯・荊芥連翹湯・黄連解毒湯合平胃散・犀角・玄参・連翹・山枝・丹皮・赤芍・生甘草・。

1.風寒湿邪の鼻痛:風寒湿邪が経絡に侵襲。

鼻孔の「軽度の疼痛」・鼻閉・うすい鼻水・軽度の悪風寒・発熱・胃が重苦しい・食欲不振・腹満・泥状便・舌苔薄あるいは苔が白く厚い。脈浮数あるいは濡数。

治法は、袪風化湿・散寒:藿香正気散加葛根・葛根湯加辛夷川芎合真武湯。

風寒の症状:頭痛・身体痛・悪寒が強く発熱は軽く、無汗・咳嗽・稀薄な痰・不渇・舌苔が白潤・脈浮緊などを伴う。

藿香正気散:芳香化湿・理気和中・解表・止瀉:表証をともなう湿困脾胃に適用。藿香1 半夏3 白朮3 茯苓3 紫蘇葉1 厚朴2 白芷1 陳皮2 桔梗2 生姜1 大腹皮1 大棗2g。湿困脾胃のカゼ薬。

葛根は、表邪を解除し、津液を上昇させて筋脈を滋養し、項背(太陽膀胱経)の拘緊を緩める:葛根は辛涼発表薬であるので温病にもつかえる:そのため本来は葛根湯は辛温解表薬だが温病にもつかえる。

真武湯:腎陽虚・寒湿に適応:ストレスがあり、下半身の冷えが目標・寒湿の痔・地面に吸い込まれるような倦怠感。

2,風熱の鼻痛:風熱の邪が経絡に侵襲。

鼻孔の「熱性疼痛」・発赤・腫脹。黄色の鼻汁・発熱・頭痛・口渇・咳嗽・黄色の痰・舌紅・舌苔薄あるいは微黄・脈浮数。

治法:袪風清熱:銀翹散加白芷葛根・麻杏甘石湯合葛根湯加辛夷川芎

白芷びゃくし:袪風解表・止痛・消腫排膿・燥湿止帯:辛温:散寒解表(カゼ薬)・袪風止痛(頭痛薬)・消腫排膿・燥湿止帯おりものに適応、激しい燥性(乾かす作用)

風熱:高熱・軽度の悪風・咳嗽・咽喉発赤疼痛・舌尖紅・尿赤など風熱の表証。

風溫:冬春に多い温病で身熱、咳嗽、煩渇があり辛涼透表で治し、
銀翹散・麻杏甘石湯・千金葦茎湯などを用いる。

風溫の進展は早く神昏譫語・痙厥抽搐など逆伝心包の症候となりやすく、清営湯・犀角地黄湯・安宮牛黄丸などを用いる。

逆伝心包:温病の伝変は衛から気・営をへて血に至るが、病邪が重く、発病から変化が迅速なものは順序通りに伝変せず、衛分から突然営分(心包)に陥り、神昏譫語など中枢神経症状となるのを逆伝心包という。

風溫の虚脱には回陽固脱薬:参附湯・参附竜牡湯・参附竜牡合生脈散などを用いる。

千金葦茎湯(葦茎湯):備急千金要方:清肺化痰・袪瘀排膿:
芦根3ロコン(葦茎イケイ) 生薏苡仁10 冬瓜仁7 桃仁4:
肺化膿症・肺炎の肺熱・肺癰に特効:喉頭痛・熱感・煩躁・鼻出血・上気道炎・急性気管支炎・肺炎・肺膿瘍。

参附竜牡合生脈散:発汗が強い時は参附湯の人参5 附子4gに固渋止汗の竜骨3・牡蠣3gを加え更に生脈散:益気止汗・滋陰生津・益気生津の人参6・五味子3・麦門冬6g:回陽救逆・大量の汗:顔面蒼白・無欲状態・脈微細・心不全や血圧下降のショック状態・大出血・創傷・激しい嘔吐や下痢。

生脈散:脈弱・脈結代の動悸・息切れ・夏バテ・倦怠感・不安感・恐怖感・虚煩、不眠、多夢、多汗、汗をかきやすい、寝汗、四肢のほてり、口乾、面白・顴紅、舌紅や舌尖紅、舌苔少苔光剥、脈細数。

3.肺胃熱盛の鼻痛:飲酒・辛熱物の過食で胃熱がある時に熱邪を外感し、熱邪が鼻竅を上擾し経絡に壅滞している。

鼻に「強い疼痛と圧痛(鼻痛が激烈)」・少量の出血・口渇・咽の乾燥・「便秘」・尿が濃い色・舌苔黄・脈数。
治法:泄肺清胃で清胃散合調胃承気湯加減・大柴胡湯合麻杏甘石湯。

鼻痛は実熱が多く、病位は肺胃にある。李時珍の「本草綱目」に「鼻痛は陽明の熱なり」と述べている通りである。

清胃散:蘭室秘蔵・脾胃論:胃中積熱・火気上攻:
生地黄4 当帰2 牡丹皮3 黄連1~1.5 升麻2g:
胃熱が経脈を循って上攻する病態。

調胃承気湯:熱結腸道の但熱不寒:大黄2 芒硝1 甘草1g。

熱結:熱邪が聚結して腹痛・大便燥結・酷ければ潮熱譫語・脈沈実。
熱邪が血分に結すれば瘀血の証をあらわす。顔面の熱感・唇舌や頬部の腫脹疼痛・歯齦のびらん等、火熱上攻の症状である。

大柴胡湯:肝火上炎・肝気鬱結・胃実熱・心下痞硬・降逆に適応する:口渇・口臭・便秘:柴胡6 黄芩3 白芍3 半夏4 生姜4 大棗3 枳実2 大黄1g(心下痞硬:上腹部の脹り・苦満)。

「張氏医通」清、張璐ちょうろ、1695年
「鼻痛み久しく薬を服して応ぜず、時に痛み劇し、時に安きに向かい、あるいは両顴紫赤を兼ぬ、これ湿熱壅滞たり。犀角・玄参・連翹・山枝・丹皮・赤芍・生甘草の類に宜し。」「張氏医通」

犀角0.5~3g:サイ科クロサイ角:苦酸鹹寒:心肝胃経:清熱定驚・涼血解毒・強心・解熱・鎮静・止血:ヤスリですった粉末を衝服か、すりつぶした汁を衝服。犀角は効果なため牛角10~40gで代用する。

玄参:涼血解毒・滋陰清熱。

連翹:苦寒:心肺経:清熱解毒・清心熱・消瘡:皮膚や頭頸部の風熱を散じ、熱毒による発疹(頭部の腫瘍の角)を消す。連翹は心熱を冷まし、金銀花は解表する:風熱に荊芥連翹湯。清上防風湯は袪風清熱・解毒排膿。

荊芥連翹湯(耳・鼻・咽・肺の慢性炎症。青年に多い):荊芥連翹湯は、食欲がある人の耳だれ・難聴・耳鳴り・中耳炎・蓄膿症に使うが、肝胆経に異常があり(柴胡+黄芩)、食欲があるが何を食べてもおいしいという味音痴に使う。

荊芥連翹湯:万病回春:荊芥2 連翹2 黄芩2 山梔子2 防風2 
当帰2 川芎2 白芍2 柴胡2 枳穀2 白芷2 桔梗2 甘草1.5。
(荊芥・連翹・山梔子・黄芩は強い消炎・抗菌・解熱作用)。

不欲飲の湿熱の症候:胸苦しい・食少・口苦・口粘・口渇して不欲飲・身重・尿黄で量少・苔黄じ(黄色がかった厚ぼったい舌苔)・脈弦数:竜胆瀉肝湯。

竜胆瀉肝湯:疏肝解鬱・瀉火・利湿・補血:竜胆草1.5 黄芩3 山梔子1.5 木通5 車前子3 沢瀉3 当帰5 地黄5 甘草1.5:肝火上炎の耳鳴りや難聴・鼻衄・淋証・陰部のしこり。

575:湿熱の膝関節や親指の発赤:はっきりした鮮紅色で患部が腫れ熱い:三妙散や二妙散・白虎加蒼朮湯・黄連解毒湯合平胃散。淡紅色や無色は寒証か湿邪か虚証のどれかであり暗紅色は寒証である。

三妙散(黄柏・蒼朮・牛膝)

風湿に蒼朮そうじゅつ:キク科ホソバオケラの根茎:苦辛温:
燥湿健脾・袪風湿・風湿の筋肉痛や関節疾患の鎮痛薬。

(白朮は補益性がありオオバナオケラの根茎)

黄柏・黄檗おうばく:キハダのこと:清熱燥湿・瀉火解毒・清虚熱:ベルベリン。