けいれんの口訣集

2025/12/3

けいれんの口訣集

当帰芍薬散:こむらがえりなど(芍薬甘草湯も適応)。
当帰芍薬散・芍薬甘草湯・当帰芍薬散合芍薬甘草湯・当帰芍薬散合苓姜朮甘湯・
疎経活血湯合芍薬甘草湯・疎経活血湯合苓姜朮甘湯・疎経活血湯合当帰芍薬散。

加味逍遙散:飲み過ぎて足のつる人、手足がつる人、どこかつって痛み体が怠くなる時は肝臓の症状である。軽い時は加味逍遙散で、熱状が強く出てくると大柴胡湯や竜胆瀉肝湯を使う。足のつる人:
加味逍遙散合四物湯・加味逍遙散合疎経活血湯。

血虚の症状:皮膚につやがない・面色萎黄・目がつかれやすい・目花・頭がぼーっとする・四肢麻木(神応養神丹)・筋のけいれん・肝血虚・浅眠・多夢・不眠・月経後期・髪枯燥・爪の剥離・舌質淡。心血虚では間歇的な動悸、怔忡、多夢、不眠。

心血虚:心血の不足による「心臓の症状」と「心神の不安」が生じ、面色不華(淡白でつや無し)・舌質淡・脈細・発作性の動悸(心悸)・持続性の動悸(怔忡)の心臓の症状。健忘・多夢・不眠・不安などの精神症状がみられる。

血虚の妊婦の流産・子癇:妊婦では胎児が育たず流産しやすい。瘀阻もひどくなると血虚で流産しやすい。流産は血虚であって気虚ではない。血虚の人は子癇や産後にめまいや痙攣、便秘を起こしやすい:当帰芍薬散。

竜歯:古代脊椎動物の歯牙の化石。性質は渋・涼で効能は竜骨とほぼ同じ。鎮静安神作用は竜骨より強い。不眠・煩躁・全身痙攣・筋肉の痙縮には竜歯を用いる。下痢や遺精には竜骨が良い。

熱極生風の四肢抽搐:冷羊鈎藤湯:肝陽化風に清熱熄風:
羚羊角1 釣藤鈎6 桑葉3 菊花4 川貝母4 竹筎4 生地黄6 白芍6 茯神3 炙甘草1:
カゼの高熱による痙攣発作に使用。

防已茯苓湯:金匱要略:皮水(痰飲による)で筋肉がピクピク痙攣する時に用いる:
防已3 黄耆3 桂枝3 茯苓4 甘草1.5g。

防已黄耆湯:金匱要略:補気健脾・利水消腫・袪風止痛:気虚の浮腫・関節痛:
木防巳4 黄耆4 白朮2 生姜3 大棗2g。

肝風内動(脳卒中の症状に似る):頚項部の強直・眼瞼や口唇や舌・手指のふるえ・言葉がつかえる・四肢麻木しびれ・手足の痙攣・意識障害など:治療は平肝熄風・育陰潜陽する:
柴胡加竜骨牡蠣湯・釣藤散・羚羊鈎藤湯・天麻鈎藤飲・大定風珠・鎮肝熄風湯。

肝風内動の全身のふるえ:柴胡加竜骨牡蠣湯・釣藤散:怒りっぽく肝火旺となる。「肝は全身の筋を主る」肝火から肝陽化風して内風が生じるとふるえが生じる。頭暈・肢体麻木・脈弦有力。肝風内動から中風となり易い。

皮膚の寒温は、体温の反映だが、全身の観察も必要。風邪で熱邪が鬱閉されていると、胸腹部に灼熱感があるのに、四肢が冷えていることがあり、亡陽のショックか意識障害・痙攣の前兆であり小児や高齢者は注意。

真珠・珍珠:痙攣発作・熱性痙攣に用いる。

真珠・真珠末・珍珠・真珠層粉・珍珠層粉:ウグイスガイ科ままぐり類やアコヤ貝の病理産物の核の真珠。真珠層粉(貝殻の内側の薄層の真珠質):甘鹹寒:肝心経:安神定驚・清熱解毒・収斂生肌:精神安定・鎮痙。

犀角は清熱解毒作用が羚羊角より強いが、羚羊角は鎮痙熄風作用が強く、高熱・意識障害・痙攣がひどい時は両者を併用する。

犀角+羚羊角。

犀角0.5~3g:サイ科クロサイ角:苦酸鹹寒:心肝胃経:
清熱定驚・涼血解毒・強心・解熱・鎮静・止血:
ヤスリですった粉末を衝服か、すりつぶした汁を衝服。犀角は高価なため牛角10~40gで代用する。

鹹寒の羚羊角1.5(先煮)は、涼肝熄風にはたらく。

平肝薬の羚羊角れいようかく:ウシ科「サイガ」羚羊の角:
鹹寒:肝経:清熱解毒・平肝熄風・解熱・鎮静・抗痙攣作用:
羚角鈎藤湯・冷羊鈎藤湯。製品無し。

熱極生風は高熱や感染による痙攣・後弓反張などを生ずるポリオや日本脳炎・肺炎の熱盛期や小児の高熱など生じる:清熱熄風で羚羊角・白僵蚕・玳瑁タイマイ・六神丸など解熱・抗痙攣作用薬を用いる。

玳瑁たいまい:ウミガメ科玳瑁の甲羅:甘寒:心肝経:
潜陽熄風・清熱解毒:熱性疾患の意識障害や痙攣発作に涼血清熱解毒:
犀角・羚羊角に似ている効果がある。

六神丸:阿仙薬アセンヤク・麝香ジャコウ・蟾酥センソ・牛黄ゴオウ・竜脳・人参・熊胆ユウタン(以上七味):開竅剤。

宇津救命丸:開竅・鎮驚・解熱剤・消化不良・食欲不振・疳の虫:
麝香・牛黄・羚羊角・牛胆・人参・黄連・甘草・丁子。

白附子は頭面の風をさり、ひきつれ、痙攣を寛解する:牽正散。

五生丸:天南星 川烏頭 白附子各一両 大豆(去皮)二銭五分。生を細末として水にて丸とす。毎服三丸から五丸。七丸を越えず。生姜湯で服す:癲癇。

牛黄清心丸:高熱・転々反側・意識障害・うわごと・けいれん・舌紅~深紅:急性熱病あるいは脳血管障害などで、高熱・意識障害に適用。

動悸をもたらす痰飲の症状は、浮腫・むくみ・めまい・動悸・嗜眠・不安感・癲癇・痙攣を示す抽搐チュウチクなどである。

裏急:筋脈の攣縮のこと。虚労して裏急・・とは手足が痙攣すること。

風邪阻絡の四肢のけいれん:袪風通絡・養血和営:大秦艽湯加減・防已黄耆湯合四物湯。

大秦艽湯:医学発明:当帰 白朮 川芎 生地黄 秦艽 石膏 甘草 羗活 独活 防風 黄芩 白芍 白芷 熟地黄 茯苓 細辛。

防已黄耆湯:補気健脾・利水消腫・袪風止痛:気虚の浮腫・関節痛

風痰挟瘀の四肢のけいれん・・てんかん:袪瘀・熄風:
鎮肝熄風湯合血府逐瘀湯・導痰湯・二朮湯合血府逐瘀湯。

肝風内動の四肢のけいれん・・・ヒステリー発作:滋陰潜陽・平肝熄風:
柴胡加竜骨牡蠣湯・釣藤鈎・鎮肝熄風湯・天麻鈎藤飲。

熱極生風の四肢のけいれん:清熱熄風:羚羊鈎藤湯・防風通聖散合黄連解毒湯。

熱極生風の四肢抽搐:冷羊鈎藤湯:肝陽化風に清熱熄風:
羚羊角1 釣藤鈎6 桑葉3 菊花4 川貝母4 竹筎4 生地黄6 白芍6  茯神3 炙甘草1:
カゼの高熱による痙攣発作に使用。

湿熱生風の四肢のけいれん:湿熱生風には、鮮地竜・秦艽・威霊仙・滑石・蒼耳子そうじし・絲瓜絡しからく・酒炒黄連の配合処方。

灼熱感(痛風・リウマチなど)は実熱証である。これは湿邪による重怠さ(重痛)も伴うので、二妙散:蒼朮の燥湿と黄柏の清熱の組合せで熱を取る。三妙散(蒼朮・黄柏・牛膝)。

脾腎陽虚の四肢のけいれん:温陽固本:固真湯の加減・
十全大補湯+附子・当帰芍薬散合真武湯・補中益気湯合真武湯
・参苓白朮散合真武湯・附子人参湯。

肝鬱血虚の四肢のけいれん:ヒステリー発作:養血舒肝:
補肝湯合四逆散・逍遥散合四物湯・半夏厚朴湯合帰脾湯。

血虚生風の四肢のけいれん「鶏爪風けいそうふう」ともよばれる:
養血熄風:四物湯加味・柴胡桂枝湯合当帰芍薬散・十全大補湯。

血虚生風の四肢のけいれん:不正性器出血・血便などによる血の消耗、あるいは脾虚による血の生化の不足などで、血が不足して筋脈が栄養されないために、四肢のけいれんが生ずる。