2025/12/14
参苓白朮散の口訣集
参苓白朮散:補気健脾・理気化湿・止瀉:党参 白朮 茯苓 炒白扁豆 炒山薬 薏苡仁 蓮子 陳皮 縮砂 桔梗 炙甘草:消化不良・泥状便・水様便・カゼ時の嘔吐・ノロウイルスの嘔気や嘔吐。
白扁豆・扁豆:マメ科フジマメの種子:甘微温:脾・胃経:
消暑化湿・和中健脾(よけいな湿を除く胃腸薬):夏季の胃腸型感冒や胃腸炎に適用。
山薬:長芋ながいも:補脾胃(胃腸薬)・益肺腎(補腎薬)・袪痰(喘息薬)。
薏苡仁:清熱解毒・排膿・利水・滲湿・治疣贅ゆうぜい。
蓮肉レンニク・蓮子:清心益腎・健脾止瀉・益腎固渋・収斂・鎮静・軽度の滋養・清心火・清熱・心腎不交(黄連阿膠湯)。
縮砂しゅくしゃ・砂仁しゃじん:ショウガ科縮砂の成熟果実:辛温:脾・胃・腎経:理気寛胸:健胃:香砂六君子湯・香砂養胃湯。
紫蘇葉・白芷びゃくし・桔梗:寒を散じ、膈塞かくそく(上下不通)して通じないものを利し、表邪を発散する。
桔梗:苦辛平:肺経:宣肺袪痰、排膿消腫、引経上浮:痰を除き「他薬を上部に導く作用:川芎も引経上浮」がある。
慢性腎炎の過半数は脾虚であるので補脾薬の参苓白朮散や六君子湯などで尿蛋白はとれる。空腹感が生じてから食事をする習慣をつける。糖尿病の予防にもなる。
六君子湯は脾虚の疾患には劇的には効かないが徐々に体質改善する。
五苓散:腎炎、ネフローゼ、膀胱炎、腎盂炎、偏頭痛、急性胃腸炎、糖尿病などに用いるが、脾虚には参苓白朮散・六君子湯、腎虚には真武湯などを合方する。
腎炎、ネフローゼ、膀胱炎、腎盂炎、偏頭痛、急性胃腸炎、糖尿病
五苓散合参苓白朮散(口渇・小便不利・脾虚・下利)
五苓散合六君子湯(口渇・小便不利・脾虚・食欲不振)
五苓散合真武湯(口渇・小便不利・腎虚)
561:痰飲による認知症の治療薬は、導痰湯加減方・二朮湯。
痰飲による認知症の予防には釣藤散。
認知症で痰飲・食欲不振には六君子湯で痰飲を予防する。
脾虚の人の認知症の治療には、六君子湯・補中益気湯・参苓白朮散・人参湯などを使う。
脾虚の症状:「脾は四肢を主る」ので手足が疲れる・面色蒼白あるいは面色萎黄(煤けた黄色)・正座でお腹を凹ませて座る人・悪心嘔吐・胃は喜按・胸焼け・食後嗜眠・食後腹脹・食少:参苓白朮散・六君子湯を使う。
アトピー性皮膚炎:乾燥したアトピー性皮膚炎には当帰飲子は必須で本治には脾虚薬は必要。
当帰飲子合小建中湯(脾虚だが食欲がほどほどある)
当帰飲子合参苓白朮散(脾虚で食欲が無く、または下痢傾向)
当帰飲子合補中益気湯(脾虚で食欲不振で体がだるい)
アトピー性皮膚炎は脾虚を兼ねているので、当帰飲子合小建中湯とする。小建中湯は脾虚でも食欲がほどほどあり、食欲が無い場合は、参苓白朮散や補中益気湯を合方する。
当帰飲子:補血潤燥・止痒:血虚生風:当帰5 芍薬3 川芎3 地黄4 白蒺蔾3びゃくしつり 防風3 何首烏2かしゅう 荊芥1.5 黄耆1.5 甘草1:四物湯があるので炎症・浮腫・湿潤の皮膚炎には適さない。
蒺蔾子しつりし・白蒺蔾・刺蒺蔾:ハマビシ科ハマビシの果実:辛苦微温:肝経:疏肝熄風・行瘀袪滞・解鬱・明目・止痒:降圧・鎮静・眼科の常用薬。
養血薬:当帰・川芎・白芍・赤芍・熟地黄・何首烏・阿膠。
木瓜もっか:ボケの成熟果実・カリンも用いる:酸温:肝脾経:舒筋活絡・和胃化湿:筋肉の痙攣を緩解し湿邪による筋疾患の常用薬。
参苓白朮散合真武湯:腎機能低下による下肢の浮腫。
真武湯:回陽救逆・温陽利水:附子1 茯苓5 白朮3 白芍3 生姜3:冷えとストレスをとるが脾虚は補わないので、腎炎の浮腫への留守番処方は真武湯合参苓白朮散とする:真武湯は足冷の下利に適用。
参苓白朮散は、慢性腎炎で尿中に蛋白があり、久しく消えないものは、脾虚して精微を摂納できない者として、慢性腎炎にも応用できる:久病では真武湯を合方すべき。
参苓白朮散は、婦人の脾虚して湿の甚しく、帯下の色白く、面色皓白こうはく、身体肥満で大便溏薄し、あるいは両足の浮腫し、あるいは月経時に下痢(六君子湯)する者にも また宜し。
参苓白朮散は中虚湿滞、昇降が失調した病理である。
啓脾湯けいひとう:万病回春:補気健脾・化湿・滋補脾陰:人参3 蓮肉3 山薬3 朮4 茯苓4 山楂子2 陳皮2 沢瀉2 甘草1:
参苓白朮散とほぼ同じで、滋補脾陰の効果はやや劣る。
瘀血によるアトピー性皮膚炎は脾虚の薬と合方する:
折衝飲合参苓白朮散・折衝飲合小建中湯。
瘀血の症状:「午後や夜間の潮熱発生や症状悪化」「刺痛」「固定痛」や「硬結」「肌膚甲錯」「舌瘀斑青紫色」全身的な 血流停滞・内出血:一般には血府逐瘀湯(折衝飲)。皮膚の紫斑は気鬱が原因には半夏厚朴湯・逍遥散・当帰芍薬散。
気鬱のあざ:ぶつけた憶えが無いのに腕・足にあざができるのはすべて気鬱が原因であり半夏厚朴湯・逍遥散・当帰芍薬散を使う。帰脾湯のあざは心脾両虚が原因で気鬱ではない。疎経活血湯(瘀血と血虚が原因のあざ)。
折衝飲:活血化瘀・理気止痛:桃仁5 紅花2 丹皮3 当帰5 赤芍3 川芎3 桂枝3 牛膝3 延胡索3:心筋梗塞痛・瘀血の腰痛・足痛・夜中の腹痛や心臓痛・月経痛。
疎経活血湯:袪風湿・補血・活血化瘀:四物湯 + 蒼朮 茯苓 桃仁 牛膝 防已 威霊仙 羗活 防風 白芷 竜胆草 陳皮 生姜 甘草:疎経活血湯は、天気が悪くなると夜とても痛む固定痛の刺痛。
帰脾湯:脾不統血:機能性子宮出血、痔出血、血小板減少性紫斑病、過敏性紫斑症、血友病・白血病などの症状の者に用いる。また白血球減少や全血成分の低下に用いることができる。
アトピー性皮膚炎で、「脾腎の陽虚」が原因の場合は、患部は白色で、中心部だけときどき淡紅色になるが、原則はが白っぽくなる。
補中益気湯合真武湯・参苓白朮散合真武湯を使う。
真武湯:回陽救逆・温陽利水:腎陽虚・寒湿に適応:ストレスがあり、下半身の冷えが目標・寒湿の痔・地面に吸い込まれるような倦怠感:
附子1 茯苓5 白朮3 白芍3 生姜3g。
脾気虚には参苓白朮散あるいは香砂六君子湯を使う。次善の薬は補中益気湯である。
小便不利の原因は、体に熱があるか、胃腸が弱いかのどちらかであるが、胃腸の弱りが圧倒的に多く、六君子湯や参苓白朮散や補中益気湯で小便がよくでるようになる。