下肢静脈瘤の解説
下腿に発生することが多く、青紫色で樹枝状または帯状の湾曲を呈し、起立時にはっきり認められ、下肢が脹って重い感じがあり、疲労しやすい。
弁証の要約
1.湿熱瘀滞の下肢静脈瘤:萆薢解毒湯の加減・三妙散合平胃散。
湿熱瘀滞の下肢静脈瘤の原因:湿邪により発生。湿熱の邪を感受するか、過食・美食・酒の飲み過ぎなどの不摂生で湿熱が形成され、湿熱下注して経脈を瘀滞し発生する。
2,寒湿瘀滞の下肢静脈瘤:苓姜朮甘湯合血府逐瘀湯加地竜・真武湯合補陽還五湯・鶏鳴散の加減。
寒湿瘀滞の下肢静脈瘤の原因:湿気の多い処に居住したり、雨水にうたれるなどにより、寒湿の邪が筋脈に侵入し、気血の流れを阻滞して静脈瘤が生ずる:苓姜朮甘湯合血府逐瘀湯加地竜。
3.気虚による血瘀の下肢静脈瘤:補陽還五湯の加減・十全大補湯合血府逐瘀湯加地竜・補中益気湯合血府逐瘀湯。
気虚血瘀の下肢静脈瘤の原因:虚弱体質や慢性病などで気虚の者が、長期間起立したり登山などで歩き続けることで下肢に負担がかかり、下肢の血行障害をおこして下肢静脈瘤となる
1.湿熱瘀滞の下肢静脈瘤:萆薢解毒湯の加減・三妙散合平胃散。
湿熱瘀滞の下肢静脈瘤の原因:湿邪により発生。湿熱の邪を感受するか、過食・美食・酒の飲み過ぎなどの不摂生で湿熱が形成され、湿熱下注して経脈を瘀滞し発生する。
湿熱下注の症状:下肢の無力感・麻木・運動障害・発赤・腫脹・疼痛・熱感・口渇・口粘・濃縮尿・遺尿・小便不禁(八正散)・舌質紅・舌苔黄じ(黄色がかった厚ぼったい舌苔)。
八正散(木通、車前子、萹蓄へんちく、瞿麦くばく、滑石、甘草、大黄、山梔子)
湿熱瘀滞の下肢静脈瘤の症状:下肢の発赤・腫脹・灼熱感・疼痛と静脈瘤がみられ、湿疹・潰瘍を伴うことがあり、発熱・口苦・肢体がだるい・尿が濃く少量・大便不通・便が硬軟ととのわない。起立時に静脈瘤がはっきり認められる。舌苔黄じ(黄色がかった厚ぼったい舌苔)・脈弦数。
萆薢解毒湯:萆薢ひかい・当帰・牡丹皮・牛膝・防已・木瓜・薏苡仁・秦艽。
牛膝:活血袪瘀止痛・活血通経・舒筋利痹・補益肝腎・強筋骨。
下肢痛には牛膝4、木瓜2gを加え、関節腫脹には防已・牛膝を加える。
三妙散:医学正伝:清熱化湿・活血:湿熱下注・「湿熱」の灼熱痛:
黄柏 蒼朮 牛膝の等分の粉末。製品無し。
灼熱痛の四妙散:伝青主女科:鎮痙・利尿・浮腫消退:
黄柏 蒼朮 牛膝 薏苡仁。製品無し。
薏苡仁:清熱・解毒・排膿・利水・滲湿・治疣贅・胃薬。
秦艽じんぎょう:リンドウ科秦艽の根:胃肝胆経:苦辛平:
袪風湿・通絡舒筋・退黄疸・除虚熱:陰虚内熱や骨蒸潮熱を治す
「三痺必用の薬」:秦艽鼈甲湯・秦艽防風湯(痔瘻)。
秦艽鱉甲湯:秦艽 別甲 知母 柴胡 当帰 青蒿 地骨皮 烏梅。
陰虚の五心煩熱・・をさらに分類すると
肺陰虚に秦艽鼈甲湯
肝陰虚に清骨散加味
腎陰虚に左帰飲加地骨皮と白薇びゃくび。
青蒿せいこう:キク科カワラニンジンの全草:苦寒:
清熱解暑・退虚熱:発散作用。。
秦艽防風湯じんぎょうぼうふうとう:蘭室秘蔵:痔瘻の特効薬:
秦艽2 防風2 沢瀉2 陳皮2 柴胡2 当帰3 白朮3 桃仁3 紅花1 甘草1 黄柏1 大黄1 升麻1g。
萆薢:ヤマノイモ科粉萆薢の地下根茎:苦平:肝胃経:袪風湿:頻尿・小児の尿失禁・膏淋・湿熱による痺痛:萆薢分清飲(前立腺炎)。
萆薢分清飲:丹渓心法:前立腺炎:
萆薢3 益智仁2 烏薬3 石菖蒲2 茯苓3 生甘草1g。
益智仁やくちにん:ショウガ科益智の果実:辛温:脾腎経:
補脾温腎・縮尿:脾腎陽虚に用いる・遺尿・遺精。
烏薬:クスノキ科テンダイウヤクの根:辛温:行気止痛・散寒温腎。
2,寒湿瘀滞の下肢静脈瘤:鶏鳴散の加減・苓姜朮甘湯合血府逐瘀湯加地竜・真武湯合補陽還五湯。
鶏鳴散の加減:宣散寒湿・理気通絡:
檳榔子 陳皮 木瓜 呉茱萸 桔梗 生姜 紫蘇葉。
寒湿瘀滞の下肢静脈瘤の原因:湿気の多い処に居住したり、雨水にうたれるなどにより、寒湿の邪が筋脈に侵入し、気血の流れを阻滞して静脈瘤が生ずる:苓姜朮甘湯合血府逐瘀湯加地竜。
桔梗:苦辛平:肺経:宣肺袪痰、排膿消腫、引経上浮:痰を除き「他薬を上部に導く作用:天麻・川芎も引経上浮」がある:咽の化膿の腫れや痛みを鎮め痰を切る:膈塞を通じるのは紫蘇葉・白芷・桔梗。
寒湿瘀滞の下肢静脈瘤の症状:湿邪で発生。下肢が腫脹し重い・静脈瘤・しびれ・冷痛・歩行困難・曇天や雨天・寒冷で悪化する・尿が薄い・泥状便・舌苔が白く厚い・脈濡緩:苓姜朮甘湯合血府逐瘀湯加地竜。
3.気虚血瘀の下肢静脈瘤:補陽還五湯の加減・十全大補湯合血府逐瘀湯加地竜・補中益気湯合血府逐瘀湯。
気虚血瘀の下肢静脈瘤の原因:虚弱体質や慢性病などで気虚の者が、長期間起立したり登山などで歩き続けることで下肢に負担がかかり、下肢の血行障害をおこして下肢静脈瘤となる:補陽還五湯の加減・十全大補湯合血府逐瘀湯加地竜・補中益気湯合血府逐瘀湯。
気虚血瘀の下肢静脈瘤の症状:下肢が腫脹して重い・静脈瘤・倦怠無力感・語声低微・息切れ・懶言・面白でつやが無い・口唇や舌が淡・苔薄白・脈無力:補陽還五湯の加減・十全大補湯合血府逐瘀湯加地竜・補中益気湯合血府逐瘀湯。
補陽還五湯:気虚血瘀:黄耆5 当帰3 芍薬3 川芎2 桃仁2 紅花2 地竜2g。
補陽還五湯:脳卒中・心筋梗塞・高次脳機能障害などの発症で、元気が損なわれた状態を黄耆40gで元気を強く促進し、気虚・血虚から瘀血を生じている脳卒中後遺症や心筋梗塞・高次脳機能障害を回復させる。
下肢静脈瘤は、長時間の起立や重い者を背負って仕事や長時間の歩行や登山をする人に発生しやすい美食など飲食不摂や飲酒癖による湿熱の発生による湿熱下注や気虚体質(補中益気湯体質)ならさらに発生しやすい。治療には寒熱虚実の弁証が大切である。