2020/11/30 2022/10/14
小柴胡湯のまとめ
柴胡桂枝湯の適応は肩や背中のこり、痙攣、ふるえなどである。書痙、音楽家ジストニア、ふるえ斜頚しゃけい・チック病・癲癇てんかん、あるいは腰や腹が引きつって痛むものなどに応用される。(心因性腰痛など)
バイオリン奏者の千住真理子さんは、練習だけでは体幹ジストニアで背骨がゆがんでくるので水泳で補正している。
小柴胡湯と柴胡桂枝湯の違いは、肝気鬱結(柴胡+白芍が柴胡桂枝湯には有る)の強さの違いである。柴胡桂枝湯は小柴胡湯よりイライラが強い。
肝の経絡上なので中耳炎・おたふくかぜに効果がある:小柴胡湯・小柴胡湯合桔梗石膏・柴胡桂枝湯。
小柴胡湯は発赤・腫脹・疼痛が強い場合には、桔梗石膏を加える。
桔梗:苦辛平:清肺提気・袪痰排膿(化膿を治療する効果)
石膏:甘辛大寒:清熱瀉火・解渇・除煩
小柴胡湯:柴胡7 黄芩3、半夏5 生姜4 人参3 大棗3 甘草2
柴胡桂枝湯:少陽病をかねているので(七症)心下部がつかえ(軽い胸脇苦満)、悪心嘔吐し、食欲が減退する。口は苦く粘る。少陽病の七症に適応。
少陽病の七症は、往来寒熱・胸脇苦満・口苦・咽乾・目眩めまい・黙黙不欲飲食・心煩喜嘔であるが、感冒(傷寒)によって眩暈や往来寒熱が生ずる:柴胡剤を使う。
心下支結:胃脘部に自覚的に物がつかえて煩悶して すっきりしないこと。これは少陽病の胸脇苦満の軽症である。小柴胡湯が効果あり。胃上部のつかえが強い場合は大柴胡湯の適応である。
大柴胡湯:肝火上炎・肝気鬱結・胃実熱・心下痞硬に適応する柴胡6 黄芩3 白芍3 半夏4 生姜4 大棗3 枳実2 大黄1
小柴胡湯瘰癧加味方:小柴胡湯+貝母 夏枯草3 瓜呂根2 牡蠣2 青皮2
小柴胡湯の大棗・生姜・炙甘草は中焦を振奮しんふんし(ふるいたたせ)衛気を宣発せんぱつ(全身に散布)し、邪が裏に侵入するのを防止する。(カゼをひきにくく体質改善する)
小柴胡湯:熱入血室による夜間の言語錯乱(うわごと)や意識の異常
腹痛・嘔吐をともなう黄疸:小柴胡湯
月経期間中に帯下が増えるものには六君子湯が適応する:六君子湯又は小柴胡湯合六君子湯
小柴胡湯:よく扁桃腺を腫らすアデノイド増殖症・慢性扁桃炎で喉頭癌ノイローゼ・慢性中耳炎など、小柴胡湯は慢性的に発熱を反復する疾患に、応用される。
抑鬱感が強い時:小柴胡湯合香蘇散:つまり柴蘇飲とする。
胃気虚のため、小柴胡湯では食欲がなく、悪心嘔吐(半夏・生姜で対応)が生じやすく体がだるく疲れ易い(人参・大棗・生姜・甘草で対応)
柴胡桂枝湯:少陽病をかねているので(七症)心下部がつかえ(軽い胸脇苦満)、悪心嘔吐し、食欲が減退する。口は苦く粘る。少陽病の七症
胸脇苦満を応用し、小柴胡湯は胸がはる・脇がはる・胸が痛い・脇が痛いなどを主訴とする、さまざまな疾患に適応する。
胃気虚のため、小柴胡湯では食欲がなく、悪心嘔吐(半夏・生姜で対応)が生じやすく体がだるく疲れ易い(人参・大棗・生姜・甘草で対応)
耳だれに帰耆建中湯:華岡青洲方:気血双補・生肌・緩急止痛・温中補虚:桂枝4 白芍6 炙甘草2 生姜4 大棗4 膠飴20 黄耆4 当帰4・慢性化膿症・慢性中耳炎。
頚項部がこわばる。(小柴胡湯:肝胆経の走行部の症状:首の側面の筋がこわばる・脹る)。
小柴胡湯の二味(柴胡と黄芩)の協力により、半表半裏、つまり少陽と胆(足の外側の正側面に少陽胆経が走る)にある邪熱を除去する。
小柴胡湯の半夏・生姜の辛で鬱を開き、黄芩の苦で逆を降ろす。
小柴胡湯は柴胡で散じ(疏肝)、黄芩で清することにより袪邪する。
少陽枢機が阻滞されるので身体が重く・だるい(小柴胡湯)。
枢機すうき:(「すうぎ」とも) (「枢」は戸の開閉装置のくるる、「機」は石弓の引き金。ともに大切な場所であるところから) 物事の肝心なところ。少陽枢機が阻滞されるとは:少陽の重要な機能が不全となる。
小柴胡湯の肝気鬱結が強い場合には香蘇散を合方:月経困難症で気鬱が強い時:小柴胡湯合香蘇散:柴蘇飲さいそいん:カゼ後の耳鳴りにも適応。
小柴胡湯:イライラしたり、怒ったりすると、食欲が低下し、悪心嘔吐が起こる。酸水を吐することもある神経性不食証(拒食症)など。
精神的な抑鬱によって食欲のないもの、神経性不食症に半夏厚朴湯・小柴胡湯・柴朴湯・半夏厚朴湯合六君子湯
婦人科疾患に瘀血をかねる場合には小柴胡湯や逍遙散に桂枝茯苓丸を合方する。
瘀血の症状の特徴:刺痛・固定痛で痛む範囲狭く、拒按、夜間に胃痛・腹痛など症状悪化で、温めても冷やしても悪化する。舌は青紫色の斑点や舌体や乳房が青紫色・鮫肌・精神障害者。
月経困難症:小柴胡湯合四物湯:熱入血室にも使う:小柴胡湯単独も適応。
熱入血室の症状:往来寒熱・胸脇苦満・小腹拘急・夜間言語錯乱うわごと・意識異常・月経中断或は来経・身重・頭汗。
熱病の経過において月経が開始したり終了する場合にも、血室の機能の変化に乗じて熱邪が侵入し、熱入血室を生じることがある。
七症があれば喘息に小柴胡湯:小柴胡湯合六君子湯。
少陽病の七症は、往来寒熱・胸脇苦満・口苦・咽乾・目眩めまい・黙黙不欲飲食・心煩喜嘔であるが、感冒(傷寒)によって眩暈や往来寒熱が生ずる:柴胡剤を使う。
腹痛・嘔吐をともなう黄疸(七症を確認する)に小柴胡湯は適応する。
肝は血を蔵し、肝経(足の厥陰肝経:足の内側正側面の経)は陰部をまとっているので、小柴胡湯は婦人科疾患にも応用される。月経不順、月経前症候群などである。
発熱などの症状が解消し、いったん治癒したかに見えた後に、さらに発熱することがある。このような場合にも、小柴胡湯を使用する。
小柴胡湯:和解少陽・清熱透表・疏肝解鬱・補気健脾・和胃止嘔
小柴胡湯:肝経は陰部をまとっているので外陰部の腫脹などに適応する。竜胆瀉肝湯が適応する。
竜胆瀉肝湯:耳聾・耳鳴・肝経湿熱の陰部のしこり:解毒症体質:青年期や女性や泌尿器疾患に。
七症の一症を伴う癤・癰:小柴胡湯加桔梗石膏。初期は葛根湯。
小柴胡湯:足の付け根のしこり・鼠径部リンパ腺炎(肝経は陰部をまとっているため)。竜胆瀉肝湯も適応。少腹のズキンズキンなら桂枝茯苓丸。
胸脇苦満を応用し、(小柴胡湯)胸がはる・脇がはる・胸が痛い・脇が痛いなどを主訴とする、さまざまな疾患に(小柴胡湯は)適応する。生理の前に胸が脹る・痛む。
(小柴胡湯の)少陽病は、足の少陽胆経(足の外側正側面を走行)の疾病であるとされている。
小柴胡湯は発赤・腫脹・疼痛が強い場合には、桔梗石膏を加える。
小柴胡湯は、カゼをひきにくく体質改善する
(小柴胡湯)肝胆熱証では、熱が陰気を損傷し、肝血・肝陰の不足を招きやすい
小柴胡湯の二味(柴胡と黄芩)の協力により、半表半裏、つまり少陽と胆(足の外正側面に少陽胆経が走る)にある邪熱を除去する。
小柴胡湯の柴胡は、少陽経(少陽胆経)の邪熱を清し、同時に気機(枢機)を通調する。
基本的には、往来寒熱・胸脇苦満・舌苔薄白・脈弦などを、柴胡剤を適用する際は確認すべきである。
小柴胡湯の黄芩は邪熱を清泄する:胆の熱を冷まして胆汁を排泄する。黄疸や胆道ジスキネジアや胆石等に適応
小柴胡湯の大棗・生姜・炙甘草は中焦を振奮しんふんし(ふるいたたせ)衛気を宣発せんぱつ(全身に散布)し、邪が裏に侵入するのを防止する。
小柴胡湯の半夏・生姜は辛温で和胃降逆・散結消痞:上腹部のつかえ消し、黄芩とともに辛開苦降しんかいくこうに働く
小柴胡湯は柴胡で散じ、黄芩で清することにより袪邪きょじゃする
半表半裏である熱入血室には小柴胡湯が適応。
小柴胡湯証では三焦水道が阻滞されるので水湿が定積ていしゃくし、心を上擾じょうじょう(上部の心をみだす)すると動悸が生じ、肺を上犯じょうはん(上部の肺を犯す)すると咳が生じる。
三焦は陽気と津液の通路で、全身に分布し広汎であるために、邪によって気機が鬱阻される(気の昇降出入が阻滞)と、全身に多様な病変があらわれることが示されている。
柴胡+黄芩の組合せは:肝胆鬱熱を疏肝し、鬱熱を冷まして治療する基本生薬構成:小柴胡湯・大柴胡湯・柴胡桂枝湯など
和解少陽(小柴胡湯/柴胡桂枝湯/大柴胡湯などの和解剤)
カゼ後、耳の閉塞感から耳鳴りが生ずる場合もある。その場合は、小柴胡湯合香蘇散(柴蘇飲さいそさん)が適応する。耳は肝と関係があるため小柴胡湯を使う。腎は耳に開竅するので加齢や腎虚でも耳鳴りが生ずる。耳鳴丸・耳聾左慈丸を使う。
耳鳴り・難聴:耳鳴丸・大柴胡湯合竜胆瀉肝湯・小柴胡湯合竜胆瀉肝湯・苓桂朮甘湯・小柴胡湯合八味丸・小柴胡湯合六味丸。
耳鳴丸・耳聾左慈丸じろうさじがん:耳鳴り・難聴に六味丸加磁石じせき・石菖蒲せきしょうぶ・五味子
小柴胡湯:肝鬱と脾虚の両方に効く処方である。
小柴胡湯の人参+大棗+甘草は脾虚を補う。
小柴胡湯の柴胡+黄芩は肝胆鬱熱を治す。
小腹拘急には小柴胡湯・五積散:少腹痛には桂枝茯苓丸。
五積散は「風寒湿」:1.腰冷痛、2.腰腹攣急、3.上熱下冷、4.小腹痛の四症が目標となる:寒いと小便頻数となる人の神経痛・腰痛・手の痛みに効果がある:患部に熱感は無い。
小柴胡湯は月経が遅れる生理不順に効く
(小柴胡湯の七症:往来寒熱・胸脇苦満・口苦・咽乾・目眩・黙黙不欲飲食・心煩喜嘔)
小柴胡湯は生理の二日目に生理が止まり、カゼで発熱する場合に使う。
小柴胡湯を妊婦が服用すると調子がよくなる。
小柴胡湯:肝鬱胆熱・脾虚・嘔気・往来寒熱・胸脇苦満:七症:柴胡7、黄芩3、半夏5、生姜4、人参3、大棗3、甘草2
七症の一症を伴う癤・癰:小柴胡湯加桔梗石膏、初期の場合は葛根湯・
小柴胡湯は月経が遅れる生理不順に効く。
月経期間中に、外感病(カゼ)にかかることがある。「熱入血室ねつにゅうけっしつ」とよばれ、往来寒熱・夜間せん妄等の熱型を現す。小柴胡湯の適応である
半表半裏である熱入血室には小柴胡湯が適応。血虚を伴うなら小柴胡湯合四物湯が適応。
血室:子宮・肝・衝脈をさす場合がある。
小柴胡湯は月経が遅れる生理不順に効く。血虚なら四物湯が合方する。
血虚の症状・・頭痛・頭のふらつき・顔色が青白い・面色萎白・面色萎黄・動悸・不眠・目の異物感・目がかすむ・肌かさつき・髪枯燥・白髪・枝毛切れ毛・爪もろく薄い・月経後期・経血少でだらだら続く・舌体淡色・口唇淡
柴胡+黄芩の組合せは:肝胆鬱熱を疏肝し、鬱熱を冷まして治療する基本生薬構成:小柴胡湯・大柴胡湯・柴胡桂枝湯など。
カゼ後などの耳の閉塞感に小柴胡湯合香蘇散(柴蘇飲)
小柴胡湯証では三焦水道が阻滞されるので水湿が定積する。
柴胡+黄芩の組合せは:肝胆鬱熱を疏肝し、鬱熱を冷まして治療する基本生薬構成:小柴胡湯・大柴胡湯・柴胡桂枝湯・柴胡加竜骨牡蠣湯など。
柴胡:解表・解熱・疏肝解鬱・升挙:カゼ薬・疏肝作用
黄芩:苦寒:清熱燥湿・瀉火解毒・安胎:冷やし乾かす作用・上焦の熱を冷ます。
(小柴胡湯)肝胆熱証では、熱が陰気を損傷し、肝血・肝陰の不足を招きやすい下地があり肝炎に漫然と小柴胡湯を長期に使うと小柴胡湯は熱を冷まし乾かすので間質性肺炎になる。
少陽病の七症:往来寒熱・胸脇苦満・口苦・咽乾・目眩・黙黙不欲飲食・心煩喜嘔・・記憶すること
耳は肝とも腎と関係があるので、耳の症状には小柴胡湯を使う。肝腎陰虚なら杞菊地黄丸。小柴胡湯合八味丸・小柴胡湯合六味丸・小柴胡湯合杞菊地黄丸。
小柴胡湯は発赤・腫脹・疼痛が強い場合には、桔梗石膏を加える
桔梗:苦辛平:清肺提気・袪痰排膿(化膿を治療する効果)石膏:甘辛大寒:清熱瀉火・解渇