血府逐瘀湯
血府逐瘀湯:医林改錯:活血袪瘀:瘀血内阻:牛膝4 桃仁3 紅花3 当帰4 川芎2 赤芍3 生地黄4 枳殻3 柴胡3 桔梗2 甘草1g。
血府逐瘀湯:医林改錯:活血袪瘀:瘀血内阻:頭痛・胸痛・心前部胸悶、失眠多夢・心悸怔忡・急躁易怒・脇肋疼痛、月経不調、血灌瞳神、暴盲、血瘀久しき者。
血府逐瘀湯で治する諸症は、みな瘀血によって患っている。
瘀血の症状:癥瘕チョウカ・腹部の腫塊(桂枝茯苓丸)・蓄血し発狂(抵当丸・桃核承気湯)・面色暗・皮膚青紫色で鱗状に乾枯・おろし金状の鮫肌(肌膚甲錯)・夜間悪化・固定痛・刺痛・拒按・実証で温めても冷やしても悪化・紫色の血塊(冷えでも生ずる)・小腹硬満(桃核承気湯)・少腹痛で夜間悪化(桂枝茯苓丸)・胸脇痛・閉経・大便黒色・舌紫暗瘀点:瘀血一般は血府逐瘀湯。
「心は血脈を主る、肝は血を蔵す」。瘀血内阻により血液循環は障害されるので頭痛、胸痛、心前部の胸悶、失眠多夢、心悸、易怒などが生ずる。
桃仁、紅花、赤芍、川芎、牛膝は活血袪瘀し、血分の瘀滞を治す。
枳殻、柴胡、桔梗、甘草は、調気疏肝し肝気鬱結を治す。
血府逐瘀湯は、瘀を去鬱血を緩めて瘀血による諸症を緩解することができる。しかるに「肝は蔵血の臓」であり、もしただ活血して血を養わなければ、陰血が損なわれる恐れがある(血虚は気虚も生ずる)。そこで当帰、地黄で補血調肝して、活血が耗血のおそれなく、理気しても傷陰の弊害がなくなる。
陰血:血液のこと。血液は陰に属するため。また、陰血は温病学中の歯齦出血の診断熟語で、温熱病はもっとも腎陰胃液を消耗しやすく陰血は少陰の血をさし、陽血は陽明の血を指す。
血虚の症状:面色淡白でつやがない、面色萎黄、頭暈、目のかすみ(目花もっか)、舌質淡、脈細、間歇的な動悸(心悸)、持続性の動悸(怔忡せいちゅう)、不眠、手足のしびれ(手足麻木)。
血府逐瘀湯を基礎として加減し、心絞痛や脳震盪後遺症の頭痛、健忘、失眠、経閉、不孕フヨウ、腹部腫塊などの証に用いることができる。
血府逐瘀湯加減は、眼科では、前房積血、眼底出血にも応用される。
冠心二号方:丹参10 赤芍5 川芎5 紅花6 降香5g:冠心病の心絞痛で瘀血型に属する者を主治する。
冠心二号方:丹参 赤芍 川芎 紅花 降香 木香 香附子。