小活絡丹とリウマチ

小活絡丹:駆瘀血薬・除湿袪痰薬:中風後の半身不随など

小活絡丹:聖済総録せいさいそうろく:活血通絡・除湿袪痰法:制川烏 制草烏 地竜 製南星 各180g 乳香 没薬 各60gを細末とし煉蜜で丸を作り1gとし毎時1丸、毎日1~2回服用。製品無し。台湾に製品有り。

烏頭うず・川烏せんう・草烏そうう:キンポウゲ科トリカブトの主根:辛温大毒:袪風止痛の鎮痛作用は附子より強いが、強心・袪寒・救急作用は附子(烏頭の側根)が強い:烏頭は風寒による痹痛に使う。

草烏頭ソウウズ(草烏は北烏頭):キンポウゲ科の烏頭うず(トリカブト)の主根。川烏は主として四川省で栽培されている。草烏はすなわち北烏頭で各地に野生している。成分は同じであるが草烏の方が毒性と効果が強い。

川烏や草烏は毒性が強いので、日本では使われない。

小活絡丹:聖済総録:中風後、湿痰と死血(瘀血)が経絡を阻滞し、手足の感覚が無く(不仁)、腿臂がうまく使えず(不霊)、或は疼痛する。長く癒えずして風寒湿痺になり手足の関節が疼痛するを治す。

不仁:知覚の麻痺。

臂ヒ(前腕:肘から手首まで)。

不霊フレイ:うまく使えない。

小活絡丹は、中風の後、湿痰と瘀血が経絡を阻滞し手足不仁し長く癒えない症状を治す。

また、風寒湿邪により痹阻されても血絡が不通となり、通ぜざれば則ち痛むで、証はやや異なるが風寒湿痺と小活絡丹証は病理は同じである。湿痰死血が経絡を阻滞させているので、同じく活血通絡し除湿袪痰すべきである。

小活絡丹の川烏と草烏は温経散寒と除湿の力はすこぶる強く、寒湿の病に特によく効く。さらに南星(天南星)は袪風袪痰に効き、乳香・没薬は活血通絡し、地竜は最もよく血に入り通絡の良品である。

小活絡丹の組成の薬を合わせ用いれば、瘀血と風寒湿痰をよく去ることができ、経絡は通じ、経絡が通じれば疼痛は愈ゆ。方名の活絡は、小活絡丹の主要な作用が活血通絡にあることを説明している。

小活絡丹は、脳溢血の後遺症の半身不遂に用いることができ、風湿や関節の疼痛、麻痺や知覚鈍麻などの証に、長く服用すると有効である。

小活絡丹の加減法

鉄弾丸:乳香・没薬各30g、五霊脂120g、麝香3g、制川烏30g、共に細末として丸剤をつくり、弾子大として毎服一粒を薄荷酒で、一日三服する。一切の(癱瘓)しびれ・中風・半身不随を主治する。

癱瘓タンフアン:中風・半身不随。

小活絡丹は、台湾の勝昌製薬廠股彬有限公司が製造している2g90入り。

台湾に行かれた折には安く買えるので購入してくるとよい。日本で取り寄せると15000円