不整脈・心不全・動悸の口訣集

2025/6/10～11～13

 不整脈・心不全・動悸の口訣集

血府逐瘀湯：：活血袪瘀・瘀血内阻・心筋梗塞の予防。

炙甘草湯：益気通陽・滋陰補血：心気虚・心陽虚：動悸・不整脈。

炙甘草・黄耆・党参・人参・桂枝：補益心気：心気虚に。

苓桂朮甘湯：心臓薬・動悸・足冷・痰飲・気逆・赤面症。

苓桂朮甘湯合血府逐瘀湯：心陽虚と心血瘀阻。

天王補心丹：補心血：動悸・不安感・不眠など精神不安。

天王補心丹・抑肝散・柴胡加竜骨牡蠣湯：パニック障害・動悸・不安感。

生脈散：益気止汗・滋陰生津・益気生津：不整脈・動悸・息切・心不全。

柴胡加竜骨牡蠣湯：肝陽上亢・肝風内動・肝気鬱結：動悸・心不全。

桂枝加龍骨牡蠣湯：温補心陽：心陽虚の心悸・不整脈・神経症。

龍骨・牡蠣：固渋作用。

龍骨・牡蠣：重鎮安神作用：心腎不足に。。

桂枝：発汗解表・通陽化気・通陽利水・温通経脉。

帰脾湯：補脾・養心安神・摂血：心脾両虚・心血虚・動悸・気血両虚。

加味帰脾湯：不眠症･健忘症･自律神経失調･不正性器出血･心臓神経症｡

十全大補湯：気血両虚：動悸・不安感･不眠・疲れ易い・食欲不振。

小柴胡湯：食欲不振・拒食症・悪心・腹痛・動悸・咳・小便不利。

折衝飲：活血化瘀・理気止痛：心陽虚・夜間心筋梗塞痛。

桂枝・附子：心陽虚の生薬：温通心陽。

養心湯：心気虚。

生地黄、麦門冬、阿膠、麻子仁、大棗：補心血・補心陰。

真武湯・炙甘草湯合真武湯・牛車腎気丸・生脈散合真武湯：心腎陽虚。

加味逍遙散合半夏厚朴湯・柴胡加竜骨牡蠣湯・天王補心丹・大柴胡湯：甲状腺機能亢進の動悸の症状。

炙甘草湯・補中益気湯・磁朱丸・養心湯：心気虚。

栝楼仁：清熱化痰･潤肺化痰・利気通便・理気寛中。

附子人参湯・附子理中湯：回陽救逆・温中散寒・補気健脾・心不全。

人参湯：胸痞に用いる。

栝楼薤白半夏湯：気滞血瘀による胸痞・狭心症。

栝楼薤白白酒湯：理気袪痰・通陽散結。

四逆湯：回陽救逆・温中散寒。

真武湯：回陽救逆・温陽利水：腎陽虚・寒湿に適応。

木通（通草）：心火による心不全や浮腫：九竅や血脈や関節を通利。

桂枝+茯苓：心悸亢進（動悸）に用いる。

茯苓：不眠・心悸亢進。

牛車腎気丸・八味丸：温補腎陽・補陰陽。

牛車腎気丸：心腎陽虚の心不全。

牛膝：袪瘀止痛・活血通経・補益肝腎・薬を下行させる引経薬。

車前子：利水・通淋・止瀉・明目・袪痰止咳：利尿剤・咳止め。

桂枝＋炙甘草：心胸の陽気を扶ける。

生姜、大棗：辛甘化陽。

木防巳湯：胸部の痰飲・鬱血性心不全・肺水腫・心臓喘息・胸水。

木防已：袪風利湿･利水消腫・袪風止痛。

温胆湯：清化熱痰・和胃降逆：胸痞痰多・心悸・眩暈・嘔吐・不眠。

天南星：胆南星：熄風解痙・化痰。

半夏厚朴湯：理気化痰・肝鬱・痰飲・赤面症。

竜眼肉：補心安神・補脾養血：心血虚の動悸。

酸棗仁：養肝・寧心・安神・斂汗・動悸。

半夏：痰湿による嘔吐。

竹筎：熱痰（胃熱を冷ます作用）による嘔吐。

大柴胡湯：心下痞硬・驚悸：パニック障害・不整脈。

疎経活血湯合血府逐瘀湯・疎経活血湯合冠心二号方・疎経活血湯合折衝飲・疎経活血湯合補陽還五湯：重症の血瘀・夜間心痛。

降香：理気止痛・袪瘀止血・打撲捻挫

血府逐瘀湯：「心は血脈を主る、肝は血を蔵す」。瘀血内阻により血液循環は障害されるので頭痛、胸痛、心前部の胸悶、失眠多夢、心悸、易怒などが生ずる：牛膝4　桃仁3　紅花3　当帰4　赤芍3　川芎2　生地黄4　枳殻3　柴胡3　桔梗2　甘草1ｇ：心筋梗塞の予防。

血府逐瘀湯：医林改錯：活血袪瘀：瘀血内阻：頭痛・胸痛・心前部胸悶、失眠多夢・心悸怔忡・急躁易怒・脇肋疼痛、月経不調、血灌瞳神、暴盲、血瘀久しき者。

柴胡加竜骨牡蠣湯：柴胡5　黄芩3　半夏4　生姜3　人参3　茯苓3　大棗3　桂枝3　竜骨3　牡蠣3　大黄1：肝陽上亢・肝風内動・のぼせ・めまい・肝気鬱結（体が重だるい、不安感、動悸、心不全）。

桂枝加龍骨牡蠣湯けいりゅうぼ：心陽虚の心悸・不整脈：温補心陽（苓桂朮甘湯も温通心陽）。

固渋作用：龍骨・牡蠣には、固渋作用がある。
汗・小便・大便・精液・帯下などの流出を止める。

動悸：龍骨・牡蠣の重鎮安神作用により、柴胡加竜骨牡蠣湯は心腎不足の不安・動悸・不安感を伴う不眠を取り除く。

心陽虚の動悸：柴胡加竜骨牡蠣湯・桂枝加龍骨牡蠣湯の桂枝：辛甘温：発汗解表・通陽利水・温通経脉（心不全・心陽虚の動悸を鎮める）・通陽化気（陽気を通じ元気を増す）。

桂枝：発汗解表・通陽化気・通陽利水・温通経脉。

苓桂朮甘湯は「もともと心臓の薬で心陽虚に使い」症状は：動悸・足冷・体の冷えがあるので顔色がよくない：陽虚の人は朝、顔がむくみやすい：心陽虚と心血瘀阻に苓桂朮甘湯合血府逐瘀湯。

心陽虚の心悸・不整脈：温補心陽：桂枝加龍骨牡蠣湯：桂枝湯+竜骨・牡蠣、各3ｇ。

心陽虚：折衝飲の心陽虚に対する鎮痛効果は血府逐瘀湯より高い：陽虚が極まる午前2～4時に心筋梗塞が起きやすい。瘀血なので一点が痛み、夜間悪化するような痛み・腹痛・五十肩・腰痛などにも効く。

折衝飲：活血化瘀・理気止痛：桃仁5　紅花2　丹皮3　当帰5　赤芍3　川芎3　桂枝3　牛膝3　延胡索3：心筋梗塞痛・瘀血の腰痛・足痛・夜中の腹痛や心臓痛・月経痛。

心陽虚では、心気虚の症状に加え四肢冷・面色晦暗カイアンや青紫などの寒証と血行不利の症状がみられ、重篤では大汗のショック状態・四肢浮腫・顔面浮腫・口唇のチアノーゼ・もうろう状態・脈微細の陽気暴脱の危急症状を呈す：炙甘草湯・四逆湯・真武湯。

心陽虚の生薬：温通心陽の桂枝・附子。

補益心気（心気虚）の生薬：炙甘草・黄耆・党参・人参・桂枝。

心気虚：面色不華（淡白）・元気が無い（精神萎靡イビ）・めまい・心悸・怔忡（持続性の動悸）・気短（息切れ）・自汗・舌質淡胖・脈遅細弱あるいは結代（不整脈）：心気不足で血脈を温運できず、精神萎靡を示す：炙甘草湯・補中益気湯・養心湯・生脈散合真武湯・苓桂朮甘湯合真武湯。

心気虚には炙甘草湯：益気通陽・滋陰補血：炙甘草3　人参3　桂枝3　麦門冬6　麻子仁3　生地黄しょうじおう6　大棗3ｇ。

心気虚の養心湯：茯神　茯苓　黄耆　当帰　川芎　半夏　柏子仁　遠志おんじ　酸棗仁　党参とうじん　肉桂　炙甘草。

生脈散や炙甘草湯の加減は、不整脈・動悸・息切れして苦しむ・心不全・心臓の弱りによる下肢の浮腫に用いる。

生脈散：益気止汗・滋陰生津・益気生津：人参6・五味子3・麦門冬6。

動悸：生脈散：脈弱・脈結代の動悸・息切れ・夏バテ・倦怠感・不安感・恐怖感・虚煩、不眠、多夢、多汗、汗をかきやすい、寝汗、四肢のほてり、口乾、面白・顴紅、舌紅や舌尖紅、舌苔少苔光剥、脈細数。

心腎陽虚：寒がる・四肢冷など寒証が強く、尿量減少・足の浮腫などを伴う：下焦の寒水が上泛し夜中に心不全の発作：治法は温陽散寒・利水消腫：真武湯加減・炙甘草湯合真武湯・牛車腎気丸・生脈散合真武湯。

動悸・不整脈：炙甘草湯（心陽虚・心血虚）：益気通陽・滋陰補血：炙甘草3　人参3　桂枝3　麦門冬6　麻子仁3　生地黄6　大棗3ｇ：心気陰両虚の胸痛：生脈散や炙甘草湯の加減：不整脈・動悸・息切れの代表処方。

動悸・不整脈：炙甘草湯：心血虚・心陽虚による脈結代（不整脈）・動悸・不安感・胸悶に対する名方である：益気通陽・滋陰補血：炙甘草3　人参3　桂枝3　麦門冬6　麻子仁3　生地黄6しょうじおう　大棗3　阿膠2ｇ。

心陽虚・心血虚：には炙甘草湯：益気通陽・滋陰補血：
炙甘草3　生姜3　人参3　桂枝3　麦門冬6　麻子仁3　生地黄しょうじおう6　大棗3　阿膠2ｇ。

炙甘草湯の生地黄、麦門冬、阿膠、麻子仁、大棗は、
心血を補い（心血虚）心陰を滋潤（心陰虚）して血脈に栄養を与える。

心神が不安定な状態になると、動悸・不整脈・不眠・多夢・不安感・肩こり・頭痛・めまい・痙攣・癲癇などの症状を現す。

甲状腺機能亢進の症状：汗っかきで乾燥肌で皮膚が熱い・暑がり・心拍数と血圧の上昇・動悸・不整脈・神経質や不安感でイライラしけんかっ早い・軟便下利・眼球突出・代謝亢進で活動的、睡眠障害、体重減少。
甲状腺機能亢進の症状：加味逍遙散・加味逍遙散合半夏厚朴湯・柴胡加竜骨牡蠣湯・天王補心丹・大柴胡湯。

天王補心丹：心腎陰虚：酸棗仁　生地黄　柏子仁　麦門冬　五味子　当帰　遠志　丹参　玄参　桔梗　朱砂：滋陰・安神の効能も兼ねているので補心血に用いる：動悸や不安感・不眠など精神不安の症状がある。

心血虚：生地黄、麦門冬、阿膠、麻子仁、大棗は心血を補う。

丹参：活血袪瘀・涼血・養血安神。

補血活血の当帰・丹参

心気虚の症状：面色不華・元気が無い・息切れ・めまい・自汗・発作性や持続性の動悸・血行不利では胸内苦悶感・脈遅細弱あるいは脈結代・狭心痛などを生じ、精神萎靡を示す、舌質淡胖：炙甘草湯・補中益気湯・磁朱丸・養心湯。

磁朱丸：重鎮潜陽により肝風を平熄するので、肝風内動による癲癇発作にも有効で、化痰薬（半夏・陳皮・乾姜・天南星・釣藤鈎・茯苓・生姜・菖蒲根など）を配合すると効果がたかまる：製品無し。

磁朱丸・神麹丸しんきくがん：備急千金要方：
磁石60ｇ　朱砂30ｇ　神麹120ｇ
を蜜丸にして1日2回2ｇずつ服用する：摂納浮陽・鎮心明目：心陽偏亢・心腎不交「心火不済」を治す。

天南星：胆南星：熄風解痙・化痰：天南星を豚の胆汁で煮て修治、あるいは生姜とともに煎じて毒性を緩和する。二朮湯。

二朮湯：万病回春：袪風湿・化痰：半夏2　陳皮1.5　天南星1.5　甘草1.5　茯苓1.5　蒼朮1.5　白朮　茯苓1.5　香附子1.5　黄芩1.5　威霊仙1.5　羗活1.5　生姜3ｇ:　経験・漢方

導痰湯（済生方）：痰迷心竅：製半夏3　製南星3　陳皮2　枳実2　茯苓2　炙甘草1：痰迷心竅で熱証のみられない舌苔が白く厚い・脈弦滑の時に使用：温胆湯の竹筎を製南星に替えた：温胆湯加製南星でも。

痰迷心竅：痰濁が心神を阻遏ソアツして引き起こす精神障害。意識がぼんやりし、喉中に痰声があり、胸悶し、重いと意識不明となり、舌苔は白く厚く、脈滑。精神分裂病・脳溢血・癲癇の時などにみられる。

心気虚：面色不華（淡白）・元気が無い（精神萎靡）・めまい・心悸・怔忡（持続性の動悸）・気短（息切れ）・自汗・舌質淡胖・脈遅細弱あるいは結代（不整脈）：心気不足で血脈を温運できず、精神萎靡を示す：炙甘草湯・補中益気湯・磁朱丸・養心湯。

炙甘草湯：炙甘草3　生姜3　人参3　桂枝3　麦門冬6　麻子仁3　阿膠2　生地黄6　大棗3ｇ：生地黄、麦門冬、阿膠、麻子仁、大棗は、心血を補い、心陰を滋潤して血脈に栄養を与える。

栝楼薤白半夏湯：気滞血瘀による胸痞に：
栝楼実3　薤白4　半夏6　三味に濁酒40ｃｃ
に水400ｃｃを加え煮て200ｃｃに煮詰め3回に分服。

栝楼薤白白酒湯：理気袪痰・通陽散結：
栝楼実8　薤白10　白酒適量
に水を加えて煎服する。治療は胸痹、喘息咳唾、胸背痛、短気などに用いる。短気：軽度の喘息状態で、短く浅く早い呼吸。

栝楼・栝楼仁・栝楼実：楼仁：楼実：ウリ科シナカラスウリ・キカラスウリの成熟種子：苦寒：肺胃大腸経：清熱化痰･潤肺化痰・利気通便・理気寛中：栝楼薤白半夏湯は気滞血瘀で生じた胸痞・心不全に適応。

パニック障害・動悸：天王補心丹・抑肝散加陳皮半夏・柴胡加竜骨牡蠣湯。

附子人参湯・附子理中湯：回陽救逆・温中散寒・補気健脾：
附子1　人参3　白朮3　乾姜2～3　甘草3ｇ：
四逆湯の処方に近く心不全や虚脱のショックにつかえる。

四逆湯は心不全や冷えの虚脱によるショック状態などに際し強力に温め救命する。四逆湯の製品が無いので代用処方には真武湯を使う。

四逆湯：回陽救逆・温中散寒：附子1、乾姜2、炙甘草3ｇ。

真武湯：回陽救逆・温陽利水：附子1　茯苓5　白朮3　白芍3　生姜3ｇ。

木通（通草）：アケビ科アケビ、ウマノスズクサ科木通の木質茎：苦寒：心火による心不全や浮腫に用いる：九竅や血脈や関節を通利し人をして痛みを忘れる：0.8～3ｇ。

木通：心火による心不全や浮腫に用いる。

腎陽虚の重症:水飲が発生して停滞し陽虚水泛となり､上に向かって水飲があふれが､心･肺を犯す凌心瀉肺となり､動悸･呼吸困難･呼吸促迫して起坐呼吸を引き起こす心不全の状態になる：真武湯：陽虚水泛｡

心腎陽虚：寒がる・四肢冷など寒証が強く、尿量減少・足の浮腫などを伴う：下焦の寒水が上泛し夜中に心不全の発作：治法は温陽散寒・利水消腫：真武湯加減・炙甘草湯合真武湯・牛車腎気丸・生脈散合真武湯。

腎陽虚の重症：水飲が発生して停滞し陽虚水泛となり、上に向かって水飲があふれが、心・肺を犯す凌心瀉肺となり、動悸・呼吸困難・呼吸促迫して起坐呼吸を引き起こす心不全の状態になる・真武湯・牛車腎気丸。

生脈散や炙甘草湯の加減は、不整脈・動悸・息切れして苦しむ・心不全・心臓の弱りによる下肢の浮腫に用いる。

心気虚・心陽虚は、心不全・狭心症・不整脈・全身衰弱・神経症などでみられる。

牛車腎気丸は、心腎陽虚の心不全に使う。

牛車腎気丸・八味丸は、温補腎陽・補陰陽：
牛膝ごしつは、袪瘀止痛・活血通経・補益肝腎・薬を下行させる引経薬：車前子は、利水・通淋・止瀉・明目・袪痰止咳：利尿剤・咳止め。

桂枝去芍薬湯を用いて、心胸の陽気を鼓舞して邪気を表から駆逐して心不全のような胸苦しい症状を解する：芍薬は気味が酸寒で陰性で凝縮収斂性があり胸内の陽気を宣通には不適当なので去芍薬とした。

桂枝去芍薬湯は、方中の桂枝と炙甘草で心胸の陽気を扶け、辛甘の生姜、大棗を配して辛甘化陽し、胸間に内陥した邪気を陽気の生成で発散解表させる。

真武湯：腎陽虚・寒湿に適応：ストレスがあり、下半身の冷え（膝や足首の冷え）が目標・寒湿のジトジトした痔・地面に吸い込まれるような倦怠感。回陽救逆・温陽利水：附子1　茯苓5　白朮3　白芍3　生姜3ｇ。

「金匱要略」には、人参湯を胸痞に用いている。胸痞は胸がふさがったように胸が痛む病気であるから人参湯を用いたが一回のんだだけで嘔吐が止み、胸痛が緩解し、十日分を飲み終わらないうちにすっかり快復。

木防巳湯:支飲（胸部の痰飲）・肺水腫の呼吸困難・尿量減少・口渇・発熱・利尿・鎮静・消炎・軽度の強心：鬱血性心不全・肺水腫・心臓喘息・胸水：利水滲湿・益気・清熱：木防已4　桂枝2　党参4　生石膏6。

木防已：ウマノスズクサ科広防已の根：苦辛寒：膀胱肺経：袪風利湿･清熱：鎮痛・口渇・胸悶・舌苔黄じ（黄色の厚い舌苔）：表虚や裏虚に使用：利水消腫（肺水腫・胸水の利水）・袪風止痛（風邪薬・鎮痛剤）。

疲労や不安感・思慮過度で動悸が起きたら帰脾湯を使う。

柴胡加竜骨牡蠣湯の病理は、心腎不足・肝陽上亢であるので、腎虚でだるく・不安感・動悸・悪夢・肝気鬱結があるのでイライラ・肝陽上亢で雲の上をふわふわと歩く感じのめまい・のぼせ。

柴胡加竜骨牡蠣湯：柴胡5　黄芩3　半夏4　生姜3　人参3　茯苓3　大棗3　桂枝3　竜骨3　牡蠣3　大黄1：心腎不足・肝陽上亢・肝風内動・のぼせ・めまい・肝気鬱結（腎虚で体が重だるい。不安感、動悸）。

龍骨・牡蠣の重鎮安神作用により、柴胡加竜骨牡蠣湯は心腎不足の不安・動悸・不安感を伴う不眠を取り除く。

「汗は心液と為す」ので発汗過多で不安感・焦躁感・動悸が生ずる。

103：心脾両虚による精神不安：不安感・動悸・不眠が主証。食少や胃もたれなど脾虚があり食後嗜眠や、面色青白いか面色萎黄には帰脾湯だが、心脾両虚は貧血の症状に似て、疲れ易く・食少である。

帰脾湯：気血双補･補脾・養心安神・摂血：黄耆2　人参3　白朮3　当帰2　茯苓3　竜眼肉3　酸棗仁3　遠志2　炙甘草1　木香1　大棗2　生姜1ｇ：不安感のある気血両虚・心脾両虚・心血虚：脾虚が顕著。

竜眼肉・桂円肉・桂円：ムクロジ科リュウガンの果肉：甘温：心脾経：補心安神・補脾養血：心血虚の神経衰弱・不眠・健忘・易驚・心血虚の動悸・虚証の出血病後の衰弱：3～5ｇ、10～20ｇ：帰脾湯。

酸棗仁さんそうにん：クロウメモドキ科サネブトナツメの成熟種子の乾燥：甘酸平：心脾肝胆経：養肝・寧心・安神・斂汗：不眠・動悸・不安・自汗・盗汗。心臓神経症・神経衰弱・鎮静：3～6ｇ、7～8ｇ、10ｇ。

精神不安・動悸（心悸・驚悸・怔忡）・不眠などが主証であるが、脾虚で、食欲不振・胃もたれ・食後嗜眠・面色蒼白・萎黄となるが、薬局に来る精神不安の多くがこの心脾両虚である：帰脾湯を使う。

心臓神経症・衄血にはイライラのぼせ火照りをとる肝火旺の加味帰脾湯：済生方：帰脾湯＋柴胡3ｇと山梔子2ｇ：不眠症・健忘症・自律神経失調・不正性器出血・心臓神経症。

心臓神経症・衄血にはｲﾗｲﾗのぼせ火照りをとる肝火旺の加味帰脾湯:済生方:帰脾湯+柴胡3gと山梔子2g:不眠症･健忘症･自律神経失調･不正性器出血･心臓神経症｡

小柴胡湯：シャックリ（吃逆きつぎゃく。酒飲みのシャックリは黄連解毒湯）、食欲不振・拒食症・悪心・腹痛・動悸・咳・小便不利。

動悸・不安感･不眠・疲れ易い・食欲がないなどであり、二つ処方があれば足りる。十全大補湯や帰脾湯を使う。貧血にも使う。

炙甘草湯：心陽虚・心血虚に適用：益気通陽・滋陰補血：炙甘草3　人参3　桂枝3　麦門冬6　麻子仁3　生地黄6　大棗3：心気陰両虚の胸痛・心不全・狭心症：生脈散や炙甘草湯の加減：不整脈・動悸・息切れ。

茯苓は不眠・心悸亢進を、桂枝も心悸亢進を鎮めるので桂枝+茯苓は心悸亢進（動悸）によく配合される（苓桂朮甘湯・苓桂甘棗湯）。

痰飲による動悸：苓桂朮甘湯は、人前で喋るとボーッとのぼせカーッとなって頭が真っ白になる人（痰飲が原因）に使う。緊張して手がガタガタ震える人は半夏厚朴湯を使う。両方ある人は両方を合方する。

赤面症：苓桂味甘湯：傷寒論：茯苓6　桂枝4　五味子3　甘草2。苓桂朮甘湯の白朮の代わりに五味子が入っている。

赤面症：苓桂朮甘湯（痰飲・気逆が原因）・半夏厚朴湯（肝鬱・痰飲が原因）・知柏地黄丸（陰虚火旺）。

動悸、脈結代は気虚陰虚、血不養心による炙甘草湯を併用し、益気養血、滋陰で復脈する。

桂枝加桂湯：桂枝は倍量。寒により奔豚を生じ（動悸・不安感・腹痛）、気は少腹より昇り心に至り腹痛する（陽虚が原因で寒が昇ってくる、裏寒の水逆もある）：調和肝脾。桂枝は温中降逆の作用がある。

帰脾湯：心血虚・脾気虚の心脾両虚に使う：心臓を治す動悸の薬。
疲労で動悸は心血虚の症状。心脾両虚では食欲があまりない。失恋した時の症状：心血虚だけの動悸にも使う。不安感のある気血両虚を補う。

温胆湯：眩暈、嘔吐、不眠、心悸、嘈雑、癲癇など。証は皆、胸痞痰多、口苦して微かに渇し、舌苔黄じ：清化熱痰・和胃降逆：製半夏6　陳皮2.5　茯苓6　炙甘草1　枳実1　竹筎2　大棗1　乾生姜1ｇ。

制吐作用：竹筎と半夏の制吐作用の比較：半夏は痰湿による嘔吐に、竹筎は熱痰（胃熱を冷ます作用）による嘔吐に効果がある。

桂枝加龍骨牡蠣湯：陰陽双補・補腎安神：桂枝4・芍薬4・大棗4・生姜4・甘草2+竜骨3・牡蠣3：精力減退・自慰過多・疲労・夜尿症・遺精・神経症・多夢・不眠・動悸：面紅・顴紅・手はほてり足冷。

龍骨・牡蠣の重鎮安神作用により、桂枝加龍骨牡蠣湯は陰陽双補・補腎安神により神経症・動悸・不安感を伴う不眠を取り除く。

心中煩：心煩より深く、症状が強い。のぼせ・顔面紅潮・興奮し狂騒し・動悸などを現す。

心筋梗塞には、血府逐瘀湯・冠心二号方・折衝飲だが、胸をひらく狭心症には栝楼薤白半夏湯を使う。
心筋梗塞に栝楼薤白半夏湯を上記の処方に合方する場合もある。共に動悸を伴う。

栝楼薤白半夏湯：気滞血瘀による胸痞に：栝楼実3　薤白4　半夏6　三味に濁酒40ｃｃに水400ｃｃを加え煮て200ｃｃに煮詰め3回に分服。

栝楼・栝楼仁・栝楼実：楼仁：楼実：ウリ科シナカラスウリ・キカラスウリの成熟種子：苦寒：肺胃大腸経：清熱化痰･潤肺化痰・利気通便・理気寛中：栝楼薤白半夏湯は気滞血瘀で生じた胸痞に適応。

冠心二号方かんしんにごうほう：丹参　赤芍　川芎　紅花　降香こうこう　木香　香附子：各メーカーに商品あり。コタローの還元清血飲・イスクラの冠元顆粒。

コタロー製薬の冠元清血飲：丹参4.5　芍薬2.5　川芎2.2　紅花2.2　木香1.1　香附子1.1ｇで、冠心二号方の降香が入っていない。夜間の痛みがひどい場合は重症の血瘀ですので、疎経活血湯に血府逐瘀湯や冠元清血飲（冠心二号方）・折衝飲・補陽還五湯など瘀血の薬をさらに合方する

降香こうこう・降真香：ミカン科降香の木部乾燥：辛温：肝経：理気止痛・袪瘀止血・打撲捻挫：陰虚火旺や血熱には禁忌：粉末0.8~1ｇを衝服、煎剤1～2ｇ：冠心二号方に配合。

折衝飲：活血化瘀・理気止痛：桃仁5　紅花2　丹皮3　当帰5　赤芍3　川芎3　桂枝3　牛膝3　延胡索3：心筋梗塞痛・瘀血の腰痛・足痛・夜中の腹痛や心臓痛・月経痛。製品あり。

補陽還五湯：益気・活血・通絡：黄耆40ｇ　当帰3　赤芍3　川芎3　桃仁2　紅花3　地竜3（コタロー製薬の商品名）：気虚･血虚･瘀血の脳卒中後遺症･心筋梗塞･高次脳機能障害:代用処方は十全大補湯合血府逐瘀湯。用いるには気虚であることが必要。

大柴胡湯：精神異常：驚き易く動悸する（驚悸：パニック障害・不整脈）。