拒食症の漢方治療

2026/9/20

拒食症・不食症

大塚敬節よしのり 漢方治療の実際:

拒食症(神経性食思欠乏症)に小柴胡湯:大塚敬節 漢方治療の実際 22歳婦人。Ⅰ年半前より米飯は一粒も食べられない。食べるとみぞおちに石の様を感じ苦しむ。食事はリンゴとパン一片。便通は10日もない。月経停止。体重30kgになった。足冷・肩こり・血圧90。右の季肋下に圧痛。胸脇苦満。拒食症は神仙労ともいった。香川修庵は癇と言った。妙齢の婦人に多く、数年間、果実・小豆・菓子など少量で別に苦にならない。

拒食症に古人は、延年半夏湯・四君子湯・半夏厚朴湯・分心気飲・駆瘀血剤を用いた。

この患者には腹証により小柴胡湯を用い、1回飲むと、強い腹痛を起こして下痢し、七転八倒したがしばらくしておさまり、三日目から米飯を三碗たべても平然としていた。

延年半夏湯:外台秘要:気滞湿脾:半夏5 生姜3(乾姜1) 桔梗3 枳実1 呉茱萸1 柴胡3 鼈甲3 檳榔子3 人参2:痃癖げんぺき:積聚しゃくじゅと類似:臍腹部や脇肋部に癖塊があるものの総称。

延年半夏湯:気滞湿脾:慢性の胃腸障害があり、左季肋下部あるいは左乳房下部に疼痛を訴え、その痛みは左の肩背にかけて凝り痛むものに用いる。足冷え・足首の冷えが目標。

延年半夏湯:外台秘要:腹内左助に痃癖げんぺきあり、気満し、食する能わず、胸背の痛むを主る。

拒食症:半夏瀉心湯・半夏厚朴湯・逍遥散・小柴胡湯・柴朴湯・延年半夏湯・抑肝扶脾散・桃核承気湯:時々発作的に食べ拒食症と過食症が同時に混在するのは瘀血なので色々な瘀血の薬:桃核承気湯等で治療する。

小柴胡湯:肝鬱胆熱・脾虚・嘔気を降逆:柴胡7、黄芩3、半夏5、生姜4、人参3、大棗3、甘草2。

小柴胡湯:小柴胡湯の治療対象の肝胆熱証では熱が陰気を損傷し、肝血・肝陰の不足を招きやすいので、肝炎に柴胡剤を長期に使うと、小柴胡湯の作用は、さらに冷やし乾かすので間質性肺炎になりやすい。予防法は、四物湯や六味丸を少量合方することである。