2021/8/31 改訂2021/9/2-2 改訂2021/9/3 2026/9/6 9/29
アトピー性皮膚炎・皮膚病
皮膚の状態は「内臓の鏡」である。
皮膚の状態は、特に胃腸の機能のあらわれで、また、肺の機能も皮膚の潤いと関係する。
アトピー性皮膚炎に長期間ステロイド軟膏を使っていると、患部がツルツル・テカテカになり皮膚が薄くて真っ赤になるのは脾虚と陰虚の合併になっているため。
ステロイド軟膏を止めたとたんにリバウンドでひどく悪化する。
ステロイド軟膏を長期間使っていなければ漢方薬で治り易い。
ステロイド軟膏の長期使用によるリウバウンドがおさまるには何もしなければ1年かかる。
ステロイド軟膏の短期使用では、リバウンドは無い。
(イボや感染症はステロイド軟膏を続けていると免疫抑制のため悪化する)。
アトピー性皮膚炎は、血虚生風だけが原因ではなく、痒みが強い時は、血虚生風と脾虚の合併であるので、脾虚はずっと治療を続けなければならない。
その理由は、もともと胃腸が弱いので、なにかの拍子に胃腸の状態が悪くなり症状が悪化するので、大人の場合は脾虚の薬は一生飲んだほうがよい。
子供は二回の胃腸の回復期があるので、それをうまく活かせばアトピー性皮膚炎や脾虚は、完治しやすい。
また、大人でもアトピー性皮膚炎自体は完治し易いが、生まれつき胃腸が弱い場合は疲労や睡眠不足や食事の不摂生などでアトピー性皮膚炎が再発したり、喘息などの他病に変化するので胃腸は常に丈夫にする心がけが大切になる。
漢方薬の胃薬を常備して、胃腸を丈夫に保つために継続して飲んだ方がよい。症状が生じた原因が完全に取れていないことが多いので、その原因となるどこかの虚の部分をいつも補う必要がある。
アトピー性皮膚炎は、食物などによって起こる自家中毒反応で、食が普通にみえても胃腸が弱く消化吸収が悪いので、一般には陰虚(内臓や皮膚を潤い冷ます栄養成分の不足)によって生ずる虚熱(ほてり)で皮膚がカサカサである。
太っていることと胃腸の強弱は、アトピー性皮膚炎に関しては関係ない。
アトピー性皮膚炎は保湿剤やステロイド剤を塗っても、胃腸を丈夫にしないと治らない。
カサカサの原因は消化吸収力の低下による陰血不足だが、陰血を補うような胃腸の状態が治らなければ、アトピー性皮膚炎は徐々に悪化する。
アトピー性皮膚炎は、疲労・発汗・飲食不節の三つで悪化するが、
悪化の原因は脾虚(胃腸虚弱)による陰血不足であるので胃腸を改善する漢方薬が必要となる。
胃腸が弱いと食物の精微の部分を吸収することができず、太っていても陰血不足によって虚熱(ほてり)が起こり痒みがますます強くなり、寝汗をかくとさらに痒みが悪化して睡眠が浅くなり睡眠不足で食欲がなくなったりして陰血不足が悪化する。
陰血不足により潤いが失われ、虚熱が生ずるので口の乾きが起こり、水や牛乳など冷たい物を欲しがり、一度に沢山飲みすぎてさらに胃腸を傷めてします。
血は陰に属するので陰血は血を指す。
陰血は「少陰の血」をさし、陽血は「陽明の血」を指す。
陰血不足の患者は:多くは痩せ型で、顔色が蒼黒または黄色で、顴紅、潮熱盗汗、不眠多夢、大便乾結で、舌は痩せ、舌は赤く、脈細数。
痹証のタイプは多くは風熱湿痹となる。
血虚の人は食欲は普通にあるが、気虚の人は食欲があまりない(脾気虚:補中益気湯)
血虚の症状:頭痛・頭暈・顔色が青白い・面色萎白・面色萎黄・動悸・不眠・目の異物感・目花(かすみ目)・肌かさつき・髪枯燥・白髪・枝毛切れ毛・爪もろく薄い・月経後期・経血は少なくでだらだら続く・舌体淡色・口唇淡:
四物湯が基本:当帰芍薬散・逍遙散・十全大補湯・帰脾湯。
陰虚の症状:顔がのぼせ・目赤・イライラ・顴紅・口が乾き・手足がほてる・夕方悪化・五心煩熱(手の平・足裏・胸の熱感)
つまり、胃腸が丈夫でないとアトピー性皮膚炎は治らない。
もちろん外から軟膏を塗っても根本的にはなおらない。
小児の食事に時間がかかるのは胃腸が弱いと診断する。
ムラ食い・好き嫌いも胃腸が弱いと診る。小建中湯・参苓白朮散・六君子湯・補中益気湯などの脾虚の薬を当帰飲子・真武湯・六味丸類・四物湯・折衝飲などと併用する。
小建中湯合当帰飲子
参苓白朮散合当帰飲子
六君子湯合当帰飲子
補中益気湯合当帰飲子
参苓白朮散合真武湯
補中益気湯合真武湯
など
漢方理論では、「脾(胃腸)は肌肉を主る」。
皮膚は「肌肉キニク」の「肌」に相当する。「肉」は筋肉である。
「肺は気を主り衛に属し、外は皮毛に合し、表を主る」。
衛え:外を守るもの。衛気の略。
衛気えき・・陽気の一部で脈外をめぐり迅速にして滑らかに臓腑や肌表腠理のいたるところを温養し温潤し肌表を衛り汗腺を開閉し外邪に抵抗するので衛気という。桂枝は衛気を調整する。
皮毛:皮膚とその上のこまかい毛:肺気が虚すと皮毛の腠理は粗となり乾燥肌や顔色が悪く白くなり、風寒の邪を受けやすく、呼吸器症状を現す。
胃が冷えていると、スイカは胃を冷やすので冷え症で人参湯を使うような人はスイカやキュウリやメロンやヨーグルトを嫌うことが多い。
人参湯は脾陽虚の食欲不振・下利に使う。
人参湯:温中散寒・補気健脾:脾陽虚
:人参3 白朮3 乾姜2~3 甘草3
:中焦の冷えによる下痢・小便頻数・腹痛(食欲不振が必要)
しかし、アトピー性皮膚炎に関しては人参湯のように朝鮮人参が多いと悪化することがあるので人参湯ではなく、脾腎陽虚には真武湯(補脾作用は無く、補腎陽と寒湿・肝鬱を治す)を使う。
真武湯:回陽救逆・温陽利水:寒湿の腹痛や下利・疏肝作用
:附子1 茯苓5 白朮3 白芍3 生姜3
アトピー性皮膚炎が治る時期が二度あり、1.小学校に上がる前と 2.中学校に上がる頃で、この時期は、人生で最も食欲が出る時期で、この時期に胃腸の弱りが治っていない場合はアトピー性皮膚炎が 西洋医学ではまったく治らない。
アトピー性皮膚炎が悪化すると、皮膚が分厚くなり、皸裂が生じる。皮膚がゴワゴワになったり手の平だけ割れてしまう人がいる。これには当帰飲子をつかう。
当帰飲子:補血潤燥・止痒:「血虚生風」にはアトピー性皮膚炎には絶対必要な処方。
当帰飲子:補血潤燥・止痒:血虚生風:当帰5 芍薬3 川芎3 地黄4 白蒺蔾3びゃくしつり 防風3 何首烏2かしゅう 荊芥1.5 黄耆1.5 甘草1:炎症・浮腫・湿潤(汁が出てくる状態)には適さない。
アトピー性皮膚炎が悪化すると、皮膚が分厚くなり、皸裂が生じる。首のまわりの皮膚がゴワゴワになったり手の平だけ割れてしまう人がいる。これには当帰飲子をつかう。
蒺蔾子しつりし・白蒺蔾びゃくしつり・刺蒺蔾:ハマビシ科ハマビシの果実:辛苦微温:肝経:疏肝熄風・行瘀袪滞・解鬱・明目・「止痒」:降圧・鎮静・眼科の常用薬。
防風:発汗・利尿・鎮静・止瀉・止血。
袪風湿剤:羗活・独活・防風・秦艽・桑寄生・防已など。
何首烏かしゅう:タデ科ツルドクダミの塊状根:苦甘渋温:肝腎経:滋陰・強壮・益精補血・緩下・養血熄風:3~5g。:
夜交藤はタデ科何首烏ツルドクダミの蔓茎:安神・養血活絡)。
荊芥:辛微温:袪風解表(荊防敗毒散に配合)・止血・消炎。
脾虚のアトピー性皮膚炎:
当帰飲子合小建中湯(ほどほど食欲がある:肝血虚・脾虚・腎虚)
当帰飲子合参苓白朮散(食欲が無い場合:脾虚・嘔気・軟便傾向)
当帰飲子合補中益気湯(食欲が無い場合:元気不足・だるい・疲れ易い・うつ的・中気下陥)
アトピー性皮膚炎(脾腎陽虚):補中益気湯合真武湯・参苓白朮散合真武湯
アトピー性皮膚炎(脾虚・腎陰虚・血虚)
参苓白朮散合六味丸類・参苓白朮散合小建中湯・参苓白朮散合四物湯
アトピー性皮膚炎(気虚・中気下陥)補中益気湯で皮膚が濡う。
アトピー性皮膚炎(脾虚・瘀血では皮膚がザラザラの肌膚甲錯に折衝飲)
折衝飲合参苓白朮散・折衝飲合小建中湯・折衝飲合補中益気湯合当帰飲子。
肌膚甲錯:慢性病で皮膚の乾燥が強く、触れるとざらざらするのは「肌膚甲錯きふこうさく」といい、陰血不足・瘀血内結である。
アトピー性皮膚炎’(血虚・脾虚)当帰飲子合小建中湯・
当帰飲子合参苓白朮散・当帰飲子合補中益気湯
瘀血によるアトピー性皮膚炎:瘀血の特徴は、夜間に痒みが悪化・固定性:
折衝飲合参苓白朮散
折衝飲合参苓白朮散合当帰飲子
折衝飲合小建中湯
折衝飲合補中益気湯
折衝飲合補中益気湯合当帰飲子
温清飲は、カサカサして、熱があり、赤いという状態の皮膚病に使う
皮膚病に温清飲は、疲れると痒みやかさつきが悪化。手足煩熱・顴紅が絶対条件だが、脾虚の薬との合方が必要な場合が多い。
黄連解毒湯は、患部が赤く熱感があり痒みが強い。
患部が赤く熱感があり痒みが強く乾燥があれば黄連解毒湯に四物湯の入った温清飲とする。
アトピー性皮膚炎は脾虚だが、血虚や陰虚・瘀血も兼ねている
参苓白朮散合四物湯(四物湯を少量合方して血虚を治す)
参苓白朮散合六味丸類(六味丸を少量合方して陰虚を治す)
参苓白朮散合小建中湯(脾虚・腎虚・肝血虚「咽が渇いてお腹が痛い」となれば小建中湯を使う:脾虚・腎虚・肝血虚)
黄耆建中湯・・・寝汗で痒くなる人・汗をかきやすい人に黄耆が効く。
補中益気湯・・・怠く・食欲不振・入浴や寝汗で痒くなる人。
掌蹠膿疱症は脾虚が圧倒的に多いので、参苓白朮散や補中益気湯で治る場合が多い。
掌蹠膿疱症が消風散や竜胆瀉肝湯で治ることもある。
原則は、参苓白朮散や補中益気湯などの脾虚に対する治療で掌蹠膿疱症を治す必要がある。
当帰飲子:補血潤燥・止痒:血虚生風
:当帰5 芍薬3 川芎3 地黄4 白蒺蔾3びゃくしつり 防風3 何首烏2かしゅう 荊芥1.5 黄耆1.5 甘草1
:赤味・炎症・浮腫・湿潤のある皮膚病には四物湯を含むので当帰飲子は適さない
:白っぽいアトピー性皮膚炎に当帰飲子は適応する。
当帰飲子の四物湯:当帰4 白芍4 川芎4 熟地黄4
:「治婦人諸疾」営衛を調益し、気血を滋養す。衝任虚損して月水不調なるもの・・を治す。
当帰飲子の蒺蔾子しつりし・白蒺蔾・刺蒺蔾:ハマビシ科ハマビシの果実:辛苦微温
:肝経:疏肝熄風・行瘀袪滞・解鬱・明目・止痒
:降圧・鎮静(疏肝して肝を伸びやかにするので蒺蔾子は眼科の常用薬)
当帰飲子の防風:辛甘微温:膀胱肝脾経
:袪風散寒解表・勝湿止痛・袪風止痙・袪湿解痙・止瀉止血
:発汗・解熱・鎮痛:突然発症する症状に袪風して治す主薬
当帰飲子の何首烏:タデ科ツルドクダミの塊状根:苦甘渋温:肝腎経
:滋陰・強壮・益精補血・緩下・養血熄風(軟便には不適)
当帰飲子の荊芥:辛微温:袪風解表・止血・消炎:咽痛には古人は必須とした:風病・血病・産後の主要薬:辛温でも燥ではない
当帰飲子の黄耆:補気升陽・固表止汗・利水消腫・托毒排膿
:元気を補い汗を止め、皮膚病を治す。
当帰飲子の血虚生風:血虚にともなって発生するかゆみ。皮膚の萎縮や皮脂腺・汗腺の萎縮による分泌減少と皮膚の乾燥・落屑らくせつなどが特徴。
止痒には:防風・荊芥・白蒺蔾・蝉退せんたいを当帰飲子に加える。
鎮静には:釣藤鈎・夜交藤・合歓皮ごうかんひを当帰飲子に加える。
鎮静の釣藤鈎・鈎藤・鈎鈎・双鈎藤:アカネ科カギカズラの鈎棘こうきょくのある茎枝
:平肝止痙・鎮静・てんかん発作の抑制:抑肝散加陳皮半夏
鎮静の夜交藤やこうとう:タデ科何首烏かしゅう(ツルドクダミの蔓茎)安神・養血活絡
鎮静の合歓皮ごうかんひ:マメ科ネムノキの樹皮:甘平:心脾肺経
:解鬱・活血・消腫・止痛:強壮・興奮・利尿・鎮痛作用
:不眠・抑鬱・胸苦・食少など神経衰弱に合歓湯
:合歓皮10 丹参5 夜交藤5 柏子仁2
当帰飲子の代用で温清飲を一般には多用しているが、痒みが多少とれるが、温清飲は四物湯合黄連解毒湯で脾虚の薬は入っていないので治す薬ではない。
当帰飲子も脾虚の薬は入っていないので脾虚には「脾虚の薬」合方する。。
当帰飲子:補血潤燥・止痒:血虚生風:皮膚の潤沢と痒み止めの処方
:当帰5 芍薬3 川芎3 地黄4 白蒺蔾3 防風3 何首烏2 荊芥1.5 黄耆1.5 甘草1
もともと温清飲は帯下や不正出血を治す薬であり皮膚病薬ではないが、しばしば使われている。温清飲は黄連解毒湯合四物湯である。
皮膚病に温清飲を使う場合は、疲れる(血虚になると)と痒み・かさつきがひどくなる人。手足がほてり(手足煩熱:陰虚の症状:四物湯)、顴紅(陰虚の症状:四物湯)があることが条件であり、そのような人の皮膚病に使う。
温清飲の黄連解毒湯は、患部が赤く熱感があり、痒みが強い。
乾燥があれば、四物湯を合方し、温清飲とする
温清飲は、カサカサして、熱があり、赤いという状態の皮膚病に使う。
皮膚に水虫の痒みがあったら温清飲の四物湯で滋し、黄連解毒湯で痒みの熱を冷ます。
痒みをとるために、今までの処方に原則は温清飲を合方してはならない。
(なぜなら四物湯はもたれやすく、黄連解毒湯は続けると冷やしすぎるので脾虚の回復を阻害するため。当帰飲子は四物湯が入っているので脾虚の漢方を合方する。)
水虫の痒みに温清飲。
アトピー性皮膚炎は脾虚なので、「当帰飲子合小建中湯」とする。
小建中湯は脾虚でも食欲がほどほどあり、
食欲が無い場合は、参苓白朮散や補中益気湯を当帰飲子に合方する。
参苓白朮散:補気健脾・理気化湿・止瀉:党参 白朮 茯苓 炒白扁豆 炒山薬 薏苡仁 蓮子 陳皮 縮砂 桔梗 炙甘草
補中益気湯:補気健脾・昇陽虚寒・甘温除熱
:黄耆4、甘草1.5 人参4 当帰3 陳皮2 升麻0.5 乾姜0.5 柴胡1 白朮4 大棗2:中気下陥・気虚発熱・気虚の眩暈
脾虚(胃腸虚弱)は虚証なので、疲れやすく・下利し易い・食欲が無い・ムラ食い・偏食・手足が怠くなる・面色蒼白・面色萎黄・喜按・胸焼け(嘈雑)・胃内停水・食後嗜眠・呑酸・食事の味がしない・初硬後溏も脾虚である。
味覚障害の口淡無味の人に補中益気湯を使う。まるで砂をかんでいるようで味をまったく感じない人に補中益気湯を使う。味覚障害に使う亜鉛では治らない。
脾虚の人は、食事でも発汗し、排便時や体を動かすとすぐに発汗する。
脾虚ではアイスクリームでも温かい物でも発汗する。
(防已黄耆湯もちょっと動くと一気に発汗する体質に使う)
脾虚のアトピー性皮膚炎:
当帰飲子合小建中湯(小建中湯は、ほどほど食欲があり、疲れやすく咽が渇いて腹痛や足痛に使う)
当帰飲子合参苓白朮散(食欲が無い場合・嘔気・下利体質)
当帰飲子合補中益気湯(食欲が無い場合・疲れ易い・怠い)
当帰飲子合補中益気湯合真武湯(脱力感・だるさがひどければ、真武湯合補中益気湯とする)
脾虚のアトピー性皮膚炎につかう小建中湯は脾胃の陰陽両虚「腎虚・肝血虚・脾虚」に使う。つまり脾と胃の陰陽がどちらも不足した状態に使われる
脾虚のアトピー性皮膚炎につかう小建中湯:腎虚・肝血虚・脾虚の同時存在時に適応(疲れると咽が渇いて腹痛・足痛となる時適応):
桂枝4 芍薬6 大棗4 生姜4 炙甘草2 膠飴20。
膠飴は補脾胃虚の作用:餅米・粳米・小麦粉の三種類の穀物を麦芽で加工した飴
脾虚のアトピー性皮膚炎につかう参苓白朮散
:補気健脾・理気化湿・止瀉・止嘔
:党参 白朮 茯苓 炒白扁豆 炒山薬 薏苡仁 蓮子 陳皮 縮砂 桔梗 炙甘草
参苓白朮散の白扁豆・扁豆:マメ科フジマメの種子:甘微温:脾・胃経
:消暑化湿・和中健脾:夏季の胃腸型感冒や胃腸炎
参苓白朮散の山薬・薯蕷しょよ・長芋:補脾胃・益肺腎・袪痰
参苓白朮散の蓮肉・蓮子:スイレン科ハスの種子の仁:甘淡平
清心益腎・健脾止瀉・益腎固渋・収斂・鎮静・清心火・清熱・心腎不交
参苓白朮散の縮砂・砂仁:ショウガ科縮砂の成熟果実:辛温
:理気寛胸:健胃:香砂六君子湯・香砂養胃湯
参苓白朮散の桔梗は気機の昇降を促す:苦辛平:清肺提気・袪痰排膿(咽痛・化膿を治療する効果)
アトピー性皮膚炎は脾虚だが、血虚や陰虚・瘀血も兼ねていて、皮膚枯燥があるが、脾虚なので皮膚が分厚くなることはあまりなく、亀裂が生じることもほとんどない。
アトピー性皮膚炎は、脾虚・血虚・陰虚で皮膚枯燥し患部は無色か淡紅色で落屑は少ない。食物で悪化し、滋潤する食物や脾胃にもたれるお餅や煎餅・糯米と摂ると確実に悪化する。
皮膚病には参苓白朮散を主にして、補陰薬(六味丸類)や補血薬(四物湯など)を少量加えて対処します。
アトピー性皮膚炎は脾虚だが、血虚や陰虚・瘀血も兼ねているので、
参苓白朮散合四物湯(少量:血虚症状)
参苓白朮散合六味丸類(少量:陰虚症状)
参苓白朮散合小建中湯(脾虚・肝血虚・腎虚)
黄耆建中湯・・・寝汗で痒くなる人
補中益気湯・・・入浴中や寝汗で痒くなりだるい人
アトピー性皮膚炎で、「脾腎の陽虚」が原因の場合は真武湯を合方する。
皮膚の患部は白色で、中心部だけときどき淡紅色になるが、原則は白っぽくなる。
補中益気湯合真武湯・参苓白朮散合真武湯を使う。
参苓白朮散:補気健脾・理気化湿・止瀉
:党参 白朮 茯苓 炒白扁豆 炒山薬 薏苡仁 蓮子 陳皮 縮砂 桔梗 炙甘草
腎の陽虚が原因のアトピー性皮膚炎に真武湯を合方する
:回陽救逆・温陽利水:寒湿の腹痛・過敏性大腸炎
:附子1 茯苓5 白朮3 白芍3 生姜3
:「白朮+白芍」の組合せはお腹の痛みを止める薬であるので、
真武湯は過敏性大腸炎に使える。
ストレスで腹痛下痢が生ずるが、肝鬱処方の抑肝散や抑肝散加陳皮半夏では腹痛はとれないので・・・
当帰芍薬散を使う(当帰芍薬散:当帰3、白芍4、白朮4、茯苓4、沢瀉4 川芎3:ストレスによる腹痛下痢):しかし肝鬱の体質改善には抑肝散加陳皮半夏は効果がある。
参苓白朮散合真武湯合当帰芍薬散・・白っぽいアトピー性皮膚炎で皮膚軟弱。
ハタケはほとんどお腹の虫で生じ、陽虚の人に多く、虫積ちゅうせき(寄生虫による腹痛、腹部膨満・蛔虫を吐す)である。
瘀血によるアトピー性皮膚炎は、患部が暗い青紫色になり、落屑が多くパラパラとふけ様の皮膚が落ち、痒みが瘀血なので夜間に甚だしくなり睡眠不足である。皮膚甲錯でおろし金のようにかさついている。
瘀血によるアトピー性皮膚炎は、折衝飲(活血化瘀・理気止痛)をベースに使う。
瘀血によるアトピー性皮膚炎は、脾虚があるので折衝飲に参苓白朮散や小建中湯を合方する。
瘀血によるアトピー性皮膚炎:
折衝飲合参苓白朮散
折衝飲合小建中湯
折衝飲合補中益気湯
折衝飲合参苓白朮散合真武湯
折衝飲合当帰飲子合参苓白朮散合真武湯
折衝飲:活血化瘀・理気止痛
:当帰5 桃仁5 牡丹皮3 川芎3 赤芍3 桂枝3 牛膝3 紅花2 延胡索3
:心筋梗塞痛・瘀血の腰痛・足痛・夜中の腹痛心臓痛・アトピー性皮膚炎
掌蹠膿疱症の治療方針は湿疹の分類と同じだが、基本的には脾虚が圧倒的に多いので、参苓白朮散や補中益気湯で治る場合が多い。
掌蹠膿疱症の一例報告で温清飲で治ったという例があるが、ほとんどには効かない。
しかし、掌蹠膿疱症が消風散や竜胆瀉肝湯で治ることもある。
原則は、参苓白朮散や補中益気湯などの脾虚に対する治療で治す必要がある。
掌蹠膿疱症の消風散:疏風・清熱化湿・養血潤燥
:荊芥1 防風2 当帰3 生地黄3 苦参1 蒼朮2 蝉退1 胡麻仁1 牛蒡子2 知母1 石膏3 生地黄1 木通2
:掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症の消風散の荊芥:辛微温:袪風解表・止血・消炎
掌蹠膿疱症の消風散の防風:辛甘微温:膀胱肝脾経
:袪風散寒解表・勝湿止痛・袪風止痙・袪湿解痙・止瀉止血
:発汗・解熱・鎮痛:和食を食べた後の突然の症状に袪風する主薬(和食料理のツマに防風)
掌蹠膿疱症の消風散の蝉退せんたい・蝉脱せんだつ・蝉衣せんい:セミの抜け殻:鹹甘寒:肺肝経:疏散風熱・退目翳・定驚癇
止痒:防風・荊芥・白蒺蔾びゃくしつり・蝉退せんたい
掌蹠膿疱症の消風散の苦参:マメ科クララの根:苦寒:心・肝・小腸・大腸・胃経:清熱燥湿・袪風殺虫・利尿:陰部掻痒症に洗浄用(猛烈に苦い)
掌蹠膿疱症の消風散の胡麻仁ごまにん・胡麻・黒芝麻・黒脂麻・巨勝子:甘平:肺・脾・肝・腎経:潤燥滑腸・滋養肝腎
掌蹠膿疱症の消風散の牛蒡子ごぼうし・牛子・鼠粘子・大力子:キク科:辛苦寒:肺胃経:ゴボウの種:疏散風熱・袪痰止咳・清熱解毒:風熱の咽痛・麻疹初期の透疹・風熱時の便秘:牛蒡湯(咽喉の腫脹疼痛)・銀翹散(辛涼透表・清熱解毒)
銀翹散:辛涼透表・清熱解毒
:連翹30 金銀花30 桔梗18 薄荷18 竹葉2 生甘草15 荊芥穂12 淡豆鼓15 牛蒡子18
:麻疹はしかに銀翹散の辛涼透疹作用。
掌蹠膿疱症の消風散の知母:ユリ科ハナスゲの根茎:苦寒:清熱瀉火:滋腎潤燥
掌蹠膿疱症の消風散の石膏:甘辛大寒:清熱瀉火・解渇・除煩:石膏の色は白。肺は五行色体表で白に配当され、石膏は肺熱を冷ます
消風散の生地黄しょうじおう:ゴマノハグサ科カイケイジオウの塊状根:甘苦:清熱涼血・生津
:虚熱を潤して冷まし養血する:熟地黄は補血
掌蹠膿疱症の消風散の木通:苦寒:降火利水・通乳:熱を冷まし利尿する
竜胆瀉肝湯:疏肝解鬱・瀉火・利湿・補血:肝経湿熱
:陰部の腫脹・耳鳴り・耳聾じろう(大柴胡湯合竜胆瀉肝湯)
:竜胆草 柴胡 黄芩 山梔子 木通 車前子 沢瀉 当帰 地黄 甘草
竜胆瀉肝湯の竜胆草:竜胆・胆草:リンドウ科トウリンドウの根茎と根:苦寒
:清熱燥湿・瀉火定驚:肝胆実火・健胃・難聴・排尿痛
竜胆瀉肝湯の柴胡は、少陽経の気の昇降出入の流れを調整する
竜胆瀉肝湯の黄芩:苦寒:清熱燥湿・瀉火解毒・安胎
:柴胡+黄芩で肝胆湿熱をとりイライラをとる
竜胆瀉肝湯の木通:苦寒:降火利水・通乳:利尿して熱を排出する。
木通(通草):降火利水し、「心火」による心不全や浮腫に用いる:
九竅や血脈や関節を通利し人をして痛みを忘れる。
心火の症状:煩熱・尿黄・面紅・口渇・口内炎・鼻血・発熱・脱水・充血・自律神経の興奮の時に見られる:心火・胃火を冷ます半夏瀉心湯。
「脾は思を主る」ので心火を瀉し「心下痞を鎮める」と心が落ちつく。
つまり半夏瀉心湯は胃不和で落ち着かない時の精神安定剤でもある。
舌炎:半夏瀉心湯:和胃降逆(吐き気止め)・心下痞を消痞・安寧・
心火や胃熱・胆熱を冷ます緩和な精神安定剤:
半夏5 乾姜3 黄芩3 黄連1 人参3 炙甘草3 大棗3:
舌は心の支配なので舌炎は心火を冷ます半夏瀉心湯や半夏瀉心湯合帰脾湯。
舌炎は心火を冷まして治療する:半夏瀉心湯合帰脾湯・加味逍遙散合帰脾湯・半夏瀉心湯・甘露飲・桂枝五物湯・逍遙散合天王補心丹・加味逍遙散合天王補心丹。
竜胆瀉肝湯の車前子:利水・通淋・止瀉・明目・袪痰止咳:利尿剤・咳止。