癌について

2026/7/6

癌証

癌証の病因中、七情の変化は重要である。

七情鬱結:喜・怒・憂・思・悲・驚・恐の七情が過ぎて瘀血・痰濁などから癌症が生じる。

「素問・通評虚実論」に「膈塞閉絶し、上下通ぜざれば、則ち暴憂の病なり」とあり、噎膈イッカクの発病は暴憂と関係があると説明している。

噎膈いっかく:嚥下困難。

「陳実功:外科正宗・乳癰乳岩論」は、乳岩の病因は「憂鬱は肝を傷り、思慮は脾を傷る、積想、心にありて、願う所 得ざれば、経絡の痞渋するを致し、聚結ジュケツして核をなす」とし、五積の病と関係があると認めている。

また「儒門事親じゅもんじしん」にも七情が抑鬱して伸びないことが癌を生ずると指摘している。

七情の失調は五臓の機能に影響を及ぼしてこれを虧損キソンさせ、外邪の侵入を容易にする。また気機も暢びなくなり、脈絡を阻滞させて気滞血瘀を起こし、癌症を形成する。

飲食の失調は容易に脾胃を損傷し、水穀の消化吸収に影響を及ぼす。

飲食が精微に化生し、気血を生長することができず、化源(栄養)が欠乏すれば、生体の正気は虧損して外邪の侵襲を受けやすくなる。

また飲食が精微に化さなければ痰濁に変成し、痰阻気滞や脈絡阻塞を起こして血行が暢びなくなり、痰血が搏結ハッケツして癌症を形成する。

平素から飲食の失調で脾胃を損傷していれば、痰濁、食滞、気阻、血瘀などの病理変化を産生するに至り、癌症誘発の基礎となる。

飲食上においてはこのほかに、長期の慢性刺激も癌症の発生を促す。

たとえば「陳実功:外科正宗・繭唇」に「繭唇ケンシンは煎炒炙センを過食し、又は思慮暴急を兼ねるにより、痰の火に随いて行り、唇に留注す」の記載がある。

「医学統旨」は「酒麺炙セン、粘滑難化の物、中宮に滞り、腸胃を損傷して、漸く痞満呑酸をなし、甚だしきは則ち噎膈反胃をなす」。

反胃はんい:朝食を夕方に、夕食を朝に嘔吐すること。消化不良の症状で脾胃虚寒によることが多い

「張氏医通」は、「好熱の人、多くは膈症を患う」と説いている。

以上はみな癌症発生を促す飲食因素を説明している。

発病上において、中国医学は「邪の湊あつ まる所、其の気必ず虚す」と強調している。

「霊枢・百病始生篇」の中でも「壮人に積なし、虚なれば之あり」と説いている。

一般に癌症は老齢者の発病が多く、「外科啓玄」は、発癌の論中で「四十歳以上、血虧気衰し、厚味過多にして生ずる所は・・」と提示している。

「景岳全書・噎膈イッカク」でいう噎膈の証は、「少年は此の証を見わすこと少なく、而して惟 中衰耗傷する者多くは之あり」とある。

高齢者は元気が衰敗し、臓腑の陰陽や気血が虧損して癌症の基礎が形成されると説明している。

脾(胃腸)は後天の本であり、腎は先天の本であるので、

脾腎が虧損することも癌症発生の素因となる。

「諸病源候論・虚労病諸侯」は「積聚は臓腑の病なり、・・虚労の人、陰陽傷損し、血気凝渋し、経絡を宣通すること能わず、故に内に積を聚るなり」。

「羅天益の『衛生宝鑑』は「凡そ人の脾胃虚弱、または飲食過剰、または生冷過度により、剋化コクカすること能わず、積聚結塊をなすを致す」と説いている。

癌症の発生は正虚の状態から産生することが多く、

特に脾腎二臓の虚損が最も重要であることを説明している。

七情や飲食などの素因が人体に長期に作用して生体の陰陽を失調させ、正気が衰退することが癌症の生長や発生の条件である。

そして癌証が急速に進行すれば、更に正気を耗傷して臓腑、気血、陰陽が失調するとともに、痰結(痰飲)、湿聚、気阻(気滞)、血瘀、鬱熱などの病理性素因を産生し、正虚と同時に並存して相互に因果関係を形成し、悪循環する。このために癌症は治癒困難となるのである。

癌症の発症素因 1)痰結:二陳湯・平陳湯・六君子湯・加味逍遙散合半夏厚朴湯・抑肝散加陳皮半夏合半夏厚朴湯など

癌症の発症素因 2)湿聚シツジュ:六君子湯・防已黄耆湯・麻杏薏甘湯・五苓散・胃苓湯・など

癌症の発症素因 3)気阻(気滞):半夏厚朴湯・逍遥散・当帰芍薬散・柴胡剤・軽い運動

癌症の発症素因 4)血瘀:血府逐瘀湯・桂枝茯苓丸・冠心二号方・補陽還五湯・四物湯・疎経活血湯・芎帰膠艾湯・芎帰調血飲・芎帰調血飲第一加減・失笑散・身痛逐瘀湯・膈下逐瘀湯・大黄䗪虫丸・三稜+莪朮

癌症の発症素因 5)鬱熱(蓄熱に同じ):

癌症の発症素因 1)痰結:二陳湯・平陳湯・六君子湯・加味逍遙散合半夏厚朴湯・抑肝散加陳皮半夏合半夏厚朴湯など

脾は生痰の源である。水湿が化せず、津液が敷布せずに久しく鬱すれば熱と化し、津液は熱に灼かれ痰となる(二陳湯・平陳湯・六君子湯など)。

痰は身体のあらゆる所に到達し、肺にあれば多痰咳喘となり、胃にあれば嘔悪痰涎タンセンし、皮下に流入すれば腫れ物(癭瘤・粉瘤・コブ)を形成する。

二陳湯:燥湿化痰:半夏5、陳皮4、茯苓5、生姜1、甘草1:

痰飲の基本処方。

平胃散:理気化湿・和胃:蒼朮4 厚朴3 陳皮3 大棗2 生姜1 甘草1:体全体の湿気を除くが半夏茯苓が無い。体全体の潤いには生脈散。

半夏厚朴湯:理気化痰・肝鬱・痰飲・赤面症:緊張で手や体や声が震えるのは半夏厚朴湯:半夏6 厚朴3 茯苓5 生姜4 紫蘇葉2。

六君子湯:健脾益気・和胃化濁:党参4(人参4) 炒白朮4 茯苓4 炙甘草1 製半夏4 陳皮2 乾姜0.5 大棗2g。

癭瘤:加味逍遙散合半夏厚朴湯・抑肝散加陳皮半夏合半夏厚朴湯

粉瘤:排膿散及湯合平陳湯・排膿散及湯合半夏厚朴湯。

排膿散及湯:枳実3 芍薬3 甘草3 桔梗3 生姜3 大棗6。

枳実キジツ:ミカン科:苦辛微寒:破気消積・化痰散痞・理気寛胸:2~3g。

桔梗:宣肺袪痰、排膿消腫、引経上浮:痰を除き、他薬を上部に導く作用がある:蘇葉・白芷・桔梗は寒を散じ、膈塞(上下不通)して、通じないものを利し、表邪を発散する。

平陳湯:平胃散合二陳湯(湿邪と起床時に症状が悪化する痰飲が原因の症状を治す・湿は重濁の性質があり重苦しい痛みが多く、

痰飲の特徴は小便不利、痰多、眠い)。

癌症の発症素因 2)湿聚シツジュ:六君子湯・防已黄耆湯・麻杏薏甘湯・五苓散・胃苓湯・など

脾虚すれば水湿を運化できず(六君子湯・補中益気湯・参苓白朮散・人参湯・防已黄耆湯・麻杏薏甘湯・五苓散・胃苓湯)、水は体内に集まり、蓄積されて水毒となる。湿毒が泛濫して浸淫し瘡を生じ(水虫・乳癌など)、膿水を流して久しく経過すれば治癒しなくなる。

六君子湯:健脾益気・和胃化濁:党参4(人参4) 炒白朮4 茯苓4 炙甘草1 製半夏4 陳皮2 乾姜0.5 大棗2g。

参苓白朮散:補気健脾・理気化湿・止瀉:党参 白朮 茯苓 炒白扁豆 炒山薬 薏苡仁 蓮子 陳皮 縮砂 桔梗 炙甘草:

消化不良・泥状便・水様便・カゼ時の嘔吐・ノロウイルスの嘔気や嘔吐

防已黄耆湯:金匱要略:木防巳4 黄耆4 白朮2 生姜3 大棗2g:膝痛などの患部は熱感がなく皮膚の色は正常で、風湿の神経痛やリウマチに使い、風邪薬・胃腸の薬・怠い人の肥満症の薬でもある。

痛風・リウマチ・腰痛・神経痛で、立った時や座った時に痛む場合は、麻杏薏甘湯を使う:湿気(風湿)を袪湿するのは麻杏薏甘湯で、天気が悪くなると膝痛がひどくなる時に適応する。

五苓散:利水滲湿・通陽・解表・風邪薬でもある:茯苓5 猪苓5 沢瀉6 白朮5 桂枝3:五苓散は小便を出そうと使っても反ってむくんでしまい、慢性腎炎につかうとほとんど悪化する。

五苓散の使い方は、口渇があり、小便不利の場合に適応。

277.大塚は、十六味流気飲を乳腺腫や乳癌の手術後によく用いる。

以前には、甲状腺腫に十六味流気飲を用いて効いた例があった。

「漢方診療三十年」大塚敬節

十六味流気飲:万病回春:当帰2.5 芍薬2.5 川芎2.5 人参2.5 桔梗2.5 桂枝2.5 白芷 黄耆 木香 烏薬 厚朴 枳殻 檳榔子 防風 紫蘇葉 甘草 各1.5。

白芷びゃくし:袪風解表・止痛・消腫排膿・燥湿止帯:辛温:散寒解表(カゼ薬)・袪風止痛(頭痛薬)・消腫排膿・燥湿止帯おりものに適応、激しい燥性(乾かす作用):その気芳香にしてよく九竅を通ず。

烏薬:クスノキ科テンダイウヤクの根:辛温:行気止痛・散寒温腎。

檳榔子びんろうじ・大腹子だいふくし・尖檳せんびん:シュロ科ビンロウジュの成熟種子:辛苦温:胃・大腸経:殺虫・消積・利気・健胃・行気導滞・利気逐水。

九竅(体の穴:目・耳・鼻・口・肛門・尿道などで九竅:膣も含む)。

桂姜棗草黄辛附湯は、桂枝去芍薬湯に麻黄附子細辛湯を合方したもので、工藤球郷という仙台の名医は、これを乳癌や肺結核に用いて著効を得たという。

乳房の腫塊に、さらに肝気鬱結(ストレス)が強まって肝火旺となり、塊がさらにストレスにより圧縮され化火し加熱変性すると乳癌となる。

癌症の発症素因 3)気阻(気滞):半夏厚朴湯・逍遥散・当帰芍薬散・柴胡剤・軽い運動

気とは人体の生理機能の一つの表現であり、正常なときは暢びやかに流れて阻滞することなく昇降出入し、身体各部を循行する。

気の運動形態は、気機と称され、昇・降・出・入の四つの形式がある。

臓腑・経絡などは、元気の昇降出入する場所である。

もし何らかの原因で気の機能(気機)が失調すれば、気鬱、気滞(半夏厚朴湯・逍遥散・当帰芍薬散・柴胡剤・軽い運動などで改善を要する)の病状が現れる。

逍遙散:肝気鬱結・血虚・脾虚・湿邪:衝任不調:人参と大棗・黄芩は無い。柴胡3 白芍3 当帰2 白朮3 茯苓3 生姜3 炙甘草2 薄荷1g。

癌症の発症素因 4)血瘀:血府逐瘀湯・桂枝茯苓丸・冠心二号方・補陽還五湯・四物湯・疎経活血湯・芎帰膠艾湯・芎帰調血飲・芎帰調血飲第一加減・失笑散・身痛逐瘀湯・膈下逐瘀湯・大黄䗪虫丸・三稜+莪朮

気は血の帥であり、気がめぐれば血もめぐる。血の瘀滞は多くは気が暢びやかにめぐらないことに起因する。故に血瘀の大部分は同時に気滞があり(袪瘀薬に半夏厚朴湯など理気薬を合方する)、瘀滞して久しいと腫塊となる。有形の血が久しくのびやかにめぐらないと内に凝結し、瘀滞して化さなければ結塊となる。

血瘀の処方:血府逐瘀湯・桂枝茯苓丸・冠心二号方・補陽還五湯・四物湯・疎経活血湯・芎帰膠艾湯・芎帰調血飲・芎帰調血飲第一加減・失笑散・身痛逐瘀湯・膈下逐瘀湯・大黄䗪虫丸・三稜+莪朮。

失笑散:五霊脂 蒲黄 各等分の細末を毎回3g・黄酒か酢で服用:妊婦は禁忌。

血瘀の生薬:桃仁・紅花・赤芍・当帰・丹参・川芎・牛膝ごしつ・牡丹皮・益母草やくもそう・桂枝・威霊仙いれいせん・地竜・降香・沢蘭たくらん・田三七。

癌症の発症素因 5)鬱熱(蓄熱に同じ):

癌症の病因には憂思、鬱怒が多い。

五志(喜・怒・憂・思・恐:広く精神活動をさす)の過極は火と化し、陽勝れば熱し、熱甚しければ腐る。故に熱証を現し、悪臭穢濁エダクの膿液を分泌する。五志過極を防ぐ精神生活や処方薬を考慮する。

鬱熱はまた気血痰湿と搏結して複雑な癌症の病機を造り出し、正虚邪実となって治癒困難となる。

要するに、癌症の病因は外因と内因に分けられ、外因は外邪の感受と、内因は七情の内傷や飲食の失調と各々関係がある。

発病においては老齢者や脾腎衰敗者に多く現れる。

病機上においては生体の臓腑や陰陽気血の失調により、外来の発病素因は必ず体内で産生される痰、湿、気、瘀などの病理素因と互いに搏結し、癌症の発生を引き起こす。

癌の弁証論治

弁証の要点

1)癌症の現象は、「臓腑の癌の定位」と「癌の病状の定性」を総合して考える。

「臓腑の癌の定位」の弁別には、癌の部位の経絡循行とその臓腑の機能により判断する。

「癌の病状の弁別」は、陰証・陽証、在表、在裏、在気、在血、虚証、実証を区別する。

一般に体表にある癌は、痛みも痒みもなく、堅くて核のようで、生長して消退することはない。

長引いて潰れ、花びらのようになるのは陰証で、

紅腫疼痛するものは陽証である。

陰証は、畏寒肢冷し、うずくまるように動かないものが陰証で、

高熱、煩躁不安のものは陽証である。

癌症は、虚の体質に発病するので、

局部の癌症は実であっても、体は虚の状態である。

実は気滞、血瘀、痰瘀、湿聚、毒火であり、

虚は全身の気血陰陽の虚衰である。

気滞血瘀は痰湿と相搏結して癌瘤となりその進展には常に瘀熱、痰熱、湿熱などの「化火の病機」が生じ、その火と気血痰湿が互結して悪化し正気を傷耗し正虚邪実の癌証が形成されるので熱をもたらす処方は癌を悪化させる。

舌質淡、舌体胖大、舌辺の歯痕、舌中の裂紋はいずれも虚証である。

舌質が紅青、瘀斑や瘀点が有るものは瘀血である。

舌苔白は寒、苔黄は熱、じ苔は舌のこけが厚く、豆腐かすのような苔がみられれば体質に痰湿の存在を示す。

癌の、標と本をみきわめる:癌症は虚の状態により発病するので虚が本である。

虚によって臓腑陰陽気血が失調して産生される

痰結、湿聚、気阻、血瘀、鬱熱などは標に属す。

正虚標実で、標実があって正が虚していない早期の癌患者でも虚の症状はあるので、標だけを治療対象としてはいけない。虚も補いつつ実を除去するのである。

肺癌

1)肺癌の肺脾気虚:六君子湯加山薬・黄精・沙参

2)肺癌の肺腎陰虚:六味丸・生脈散・百合固金湯・八仙丸・都気丸

3)肺癌の気陰両虚:大補元煎・四君子湯合八仙丸・

          補中益気湯合八仙丸・参耆麦味地黄湯

肺癌の証候:咳嗽、胸痛、気息が主。喀痰は稀薄あるいは粘稠、血痰。心咳では咳して心痛、咽腫喉痹す。

肝咳は両脇下痛み転則不能、転則すれば両肢下満す。

肺痿の症状:肺葉萎縮し、濁唾涎沫(唾液・よだれ)の慢性虚弱性疾患:肺結核などの症状。

肺癰の症状:咳すれば胸中隠隠と痛み、咳唾膿血は肺癌でもみられる:肺炎の症状。

肺癌の末期:大骨枯槀、大肉陥下、胸中気満、喘息不便、内痛肩項に引き、身熱し肉脱し・・」などの症状。

1)肺癌の肺脾気虚:六君子湯加山薬・黄精・沙参

肺癌の肺脾気虚:肺気不足なので短気自汗、咳嗽、痰多稀薄、全身疲労、脾の運化不調で納呆腹脹し大便稀溏。舌淡で歯痕あり、脾肺気虚で湿を挟んでいて舌苔が白く厚い、脈沈緩か濡:六君子湯加山薬・黄精・沙参。

黄精おうせい:ユリ科黄精カギクルマバナルコユリの根茎:甘微温:脾肺経:補脾潤肺:滋補強壮・抗菌・肺陰虚の咳嗽:3~10g。

2)肺癌の肺腎陰虚:六味丸・生脈散・百合固金湯・八仙丸・小建中湯・都気丸・六味丸合生脈散

肺癌の肺腎陰虚:肺陰虧損で乾咳無痰・痰少喀出困難、陰虚火旺で喀血、胸悶気短、腎陰の陰液不足で心煩口渇、陰虚内熱で潮熱盗汗、午後頬紅、嗄声させい、舌紅舌乾、苔薄か光剥、脈細数:六味丸・生脈散・百合固金湯・八仙丸・小建中湯・都気丸。

肺腎陰虚の薬の百合固金湯:滋陰清肺・化痰止咳:肺陰虚に使用:

生地黄4 熟地黄3 麦門冬5 玄参3 当帰3 白芍3 百合5(冷やし潤し止咳) 川貝母3(潤し冷やす) 桔梗2 生甘草3:八仙丸。

百合びゃくごう:甘苦微寒潤:ユリ科オニユリ・ハカタユリの鱗茎:

潤肺止咳・寧心安神:「神農本草経」の中品「味は甘く平。川谷に生ず。邪気、腹脹、身痛を治し、大小便を利し、中を補い、気を益す」。

八仙丸:医級:肺腎陰虚:地黄・山茱萸・山薬・沢瀉・茯苓・牡丹皮・五味子・麦門冬(六味丸+ 五味子・麦門冬):小建中湯で代用できる。又は六味丸合生脈散(六味丸+人参五味子麦門冬)。

3)肺癌の気陰両虚:大補元煎・四君子湯合八仙丸・補中益気湯合八仙丸・参耆麦味地黄湯。

肺癌の気陰両虚:

肺陰虚で咳嗽痰少と血痰、

脾胃気虚で精神倦怠乏力と食少腹脹、

肺陰虚で口乾喜飲、大便乾結、

気陰両虚のため舌質淡紅・歯痕、脈沈細:

大補元煎・四君子湯合八仙丸・補中益気湯合八仙丸・参耆麦味地黄湯。

肺癌の気陰両虚に大補元煎:明・景岳全書:

人参1~2両、炒山薬2銭、杜仲2銭、熟地黄2銭~3両、当帰3銭、枸杞子3銭、山茱萸1銭、炙甘草1銭:

四君子湯合八仙丸・補中益気湯合八仙丸・参耆麦味地黄湯

参耆麦味地黄湯の方中には、

補気の人参・黄耆

養血滋潤の熟地黄・当帰・山茱萸・枸杞子・麦門冬が含まれている。

痰熱兼有なら、袪痰清熱の貝母・瓜蔞・天花粉・魚醒草・黄芩・知母・白花蛇舌草などを加える。

肺癌の気陰両虚に「痰熱」を兼挟すると:痰が黄変し血痰となり、胸悶危急、舌紅、舌苔黄じ(黄色がかった厚ぼったい舌苔)、脈滑数となる。

肺癌の気陰両虚に「瘀滞」を兼有すると:脇肋脹痛、唇色青紫となる。

栝楼・栝楼仁:楼仁:楼実:ウリ科シナカラスウリ・キカラスウリの成熟種子:苦寒:肺胃大腸経:清熱化痰・潤肺化痰・利気通便・理気寛中:栝楼薤白半夏湯は気滞血瘀で生じた胸痞に適応:栝楼仁2~6g。

栝楼薤白半夏湯:気滞血瘀による胸痞に:栝楼実3 薤白4 半夏6 三味に濁酒40ccに水400ccを加え煮て200ccに煮詰め3回に分服

魚醒草・十薬・重薬:ドクダミの全草:辛微寒:肺経:

清湿熱・消癰腫:肺膿瘍の常用薬:長時間煎じないこと。

白花蛇舌草びゃっかじゃぜっそう・びゃっかだぜっそう:アカネ科

白花蛇舌草フタバムグラの全草:甘淡・涼:胃大腸小腸経:

清熱袪瘀・消癰解毒:急性虫垂炎(単純性)癌の治療には10~20g(効果は未確認)。

鼻咽頭癌

鼻咽頭癌:滋腎清肺し清熱解毒する。

鼻咽頭癌 1)肺腎陰虚:麦味地黄丸加味・八仙丸(代用:小建中湯)

鼻咽頭癌 2)肝胃鬱熱:加味逍遙散合玉女煎・加味逍遙散合甘露飲

鼻咽頭癌 3)肺胃痰湿:二陳湯加味(貝母・瓜蔞・生薏苡仁・竹筎)

鼻咽頭癌の症状:始め鼻塞・鼻衄。その後、聴力低下・視力障害・頭痛・頸部の片側や両側に腫塊。

「外科正宗」に「肩の己上に生じ初起は微腫し皮毛変わらず、漸く大きくなり堅硬石の如く按じて動かず、隠痛を生じ気血漸く衰え、形容痩削し紫斑破爛し、血水滲流す。腫泛して蓮ハスの如く穢気薫蒸エキクンジョウし・此れ倶に犯せば不治となる」。

鼻咽頭癌 1)肺腎陰虚:麦味地黄丸加味・八仙丸(代用:小建中湯)

鼻咽頭癌の肝腎陰虚で津液不足のため気化機能失調して気血痰濁が留滞して鼻塞し血涕を流し、微咳、少痰、陰虚で肝陽上亢し頭昏し耳鳴、腰膝酸軟、陰虚内熱による口苦口乾、小便黄、大便秘結、舌苔薄黄、脈細数。

八仙丸:医級:肺腎陰虚:地黄・山茱萸・山薬・沢瀉・茯苓・牡丹皮・五味子・麦門冬(六味丸+ 五味子・麦門冬):小建中湯で代用できる。又は六味丸合生脈散(六味丸+人参五味子麦門冬)。

鼻咽頭癌の肝腎陰虚:麦味地黄丸加味・八仙丸:

熱毒なら野菊花・白花蛇舌草・山豆根で清熱解毒し六神丸を併用する。

六神丸:阿仙薬アセンヤク・麝香ジャコウ・蟾酥センソ・牛黄ゴオウ・竜脳・人参・熊胆ユウタン(以上七味):開竅剤で鼻腔の症状を緩和。

野菊花のぎくか・野菊:キク科野菊(シマカンギク)の頭状花:苦辛涼:肺肝経:清熱解毒:疔・癤・癰などの化膿症に野菊湯;野菊花10 金銀花30 蒲公英10 紫花地丁10 水煎服。

白花蛇舌草びゃっかじゃぜっそう・びゃっかだぜっそう:アカネ科白花蛇舌草フタバムグラの全草:甘淡・涼:胃大腸小腸経:清熱袪瘀・消癰解毒:急性虫垂炎(単純性)癌の治療には10~20g(効果は未確認)。

山豆根さんずこん:マメ科広豆根の根:苦寒:心肺経:

清熱利咽:消炎・抗腫瘍:咽喉や歯齦の実熱の腫脹疼痛、肺癌・喉頭癌の初期に白花蛇舌草10g・魚醒草10gなどと配合して用いる。効果は未確認。

鼻咽頭癌 2)肝胃鬱熱:加味逍遙散合玉女煎・加味逍遙散合甘露飲

鼻咽頭癌の肝胃鬱熱:肝鬱が久鬱し化熱して鼻衄・血涕。頭痛、歯痛、煩躁易怒、口苦咽乾、舌紅苔黄、脈弦滑また弦数はいずれも実熱:

加味逍遙散合玉女煎:養陰清熱のために牡丹皮・山梔子・生石膏・地黄。

加味逍遙散は、血虚・気虚(脾気虚)・陰虚・肝鬱にも使えるが、どれか一つの症状があれば使える:肝鬱化火・脾虚湿性・血虚:

柴胡3 芍薬3 薄荷1 当帰3 牡丹皮2 山梔子2 茯苓3 白朮3 乾姜1 甘草2(人参・大棗が無いのは化火を増悪させるため)。

玉女煎・養陰清胃煎・石膏熟地煎:景岳全書:清胃瀉火・滋陰補腎:

胃熱・胃陰虚の処方:

生石膏10 知母3 麦門冬3 熟地黄8 牛膝3g:

歯周炎・歯槽膿漏・口内炎・舌炎・慢性胃炎:甘露飲。

牛膝は袪瘀止痛・活血通経・補益肝腎・薬を下行させる引経薬。

甘露飲:滋陰和胃・清熱化湿:胃陰虚・湿熱:慢性歯周炎・歯槽膿漏・口内炎・咽喉炎・慢性胃炎:

生地黄 熟地黄 麦門冬 天門冬 枳殻 枇杷葉 石斛 黄芩 茵蔯蒿 炙甘草の等分を粉末とし5~10g水煎。

天門冬2g:ユリ科クサスギカズラの塊状根:甘・苦・大寒:

滋陰潤燥・清熱化痰・肺陰虚の虚熱の咳嗽。

枇杷葉:バラ科ビワの葉:苦平:肺胃経:化痰止咳・降肺気・和胃止嘔・清熱:鎮咳・袪痰・健胃:上焦の熱を冷ます。肺熱を冷まし肺炎に。

石膏も肺熱をさます。夏によく飲まれる枇杷葉茶:3~5g。

石斛せっこく:ラン科石斛の茎:甘微寒:肺胃腎経:

生津益胃・滋陰潤肺・補陰:胃陰を滋養する:

養陰生津薬よういんしょうしんやく:甘露飲。

茵蔯蒿:カワラヨモギの幼苗ヨウビョウ:苦平微寒:清熱利湿・退黄疸:胆汁分泌促進・黄疸の主薬。

鼻咽頭癌 3)肺胃痰湿:二陳湯加味(貝母・瓜蔞・生薏苡仁・竹筎)

鼻咽頭癌の肺胃痰湿:脾胃虚損し痰湿内盛し鼻汁、痰が胃に壅塞し悪心嘔吐し粘稠の痰涎を吐出。脾の運化不全で納呆腹脹。舌苔白く厚い、脈沈細・沈緩:二陳湯加味:袪痰化湿作用の貝母・瓜蔞・生薏苡仁・竹筎を加える。

二陳湯:燥湿化痰:半夏5、陳皮4、茯苓5、生姜1、甘草1:痰飲の基本処方。

貝母:アミガサユリの鱗茎:苦・寒:開泄肺気・清熱散結:鎮咳薬に配合。

栝楼・栝楼仁:楼仁:楼実:ウリ科シナカラスウリ・キカラスウリの成熟種子:苦寒:肺胃大腸経:清熱化痰・潤肺化痰・利気通便・理気寛中:栝楼薤白半夏湯は気滞血瘀で生じた胸痞に適応:栝楼仁2~6g。

薏苡仁:清熱・解毒・排膿・利水滲湿(湿気をさばく)・治疣贅・胃薬。

竹筎ちくじょ:イネ科ハチクの第二層皮:甘微寒:肺胃経:清熱化痰・止嘔:竹筎と淡竹葉の比較:竹筎は胃熱(熱痰)を冷まし、淡竹葉(竹葉)は心火をさまして煩熱を除く。

食道癌

食道癌 1)鬱熱化火:玉女煎に竜胆草・夏枯草・白花蛇舌草・敗醤草

食道癌 2)肝胃陰虚:一貫煎・養胃湯・五汁飲・増液湯の加減。

食道癌 3)脾虚痰凝:四君子湯・六君子湯・啓膈散。痰瘀には二陳湯を合用。

食道癌:進行性の消痩、嚥下困難。「景岳全書」には「噎膈イッカクは、膈 塞がりて通ぜず、食下る能わず故に噎膈という」。

食道癌 1)鬱熱化火:玉女煎に竜胆草・夏枯草・白花蛇舌草・敗醤草

食道癌の鬱熱化火:食物が食道につかえる、冷飲を好む、煩躁易怒、口乾口苦、大便乾結、舌紅絳、舌苔黄造、脈弦滑・弦数で脈も舌も火熱の証。七情が鬱結し、久鬱して熱を生じ化火となり冷飲を好む。

食道癌の鬱熱化火:治法は養陰瀉熱で玉女煎に竜胆草・夏枯草・白花蛇舌草・敗醤草などを加え用いる。

玉女煎・養陰清胃煎・石膏熟地煎:景岳全書:清胃瀉火・滋陰補腎:

胃熱・胃陰虚の処方:生石膏(先煎)10 知母3 麦門冬3 熟地黄8 牛膝3g:歯周炎・歯槽膿漏・口内炎・舌炎・慢性胃炎:甘露飲。

竜胆草:竜胆・胆草:リンドウ科トウリンドウの根茎と根:苦寒:

清熱燥湿・瀉火定驚:肝胆実火・健胃・難聴・排尿痛。

夏枯草かごそう:シソ科ウツボグサの花序と果穂:苦辛寒:肝胆経:清肝熱・散結:利尿・降圧:頭痛目眩・瘰癧るいれきに効果・抗腫瘍。

白花蛇舌草びゃっかじゃぜっそう・びゃっかだぜっそう:アカネ科白花蛇舌草フタバムグラの全草:甘淡・涼:胃大腸小腸経:清熱袪瘀・消癰解毒:急性虫垂炎(単純性)癌の治療には10~20g(効果は未確認)

敗醤草はいしょうそう・敗醤3~10g:キク科タイワンハチジョウナ。オミナエシ科オミナエシの根をつけた全草:苦辛微寒:胃大腸肝経:

清熱解毒・消癰排膿・活血袪瘀:抗菌・肝庇護・急性虫垂炎。

食道癌 2)肝胃陰虚:一貫煎・養胃湯・五汁飲・増液湯の加減。

食道癌の肝胃陰虚:嚥下困難・酷ければ水も通らず、顔色悪く、消痩、舌紅無苔、舌乾乏津、脈弦細。胃陰虧損し胃が濡養を失い嚥下困難、津液が上昇せず、陰血が肌膚を濡養できないので顔色悪く、消痩となる。舌脈は陰虚火旺の象。

食道癌の肝胃陰虚の治法:滋肝養胃:一貫煎・養胃湯・五汁飲・増液湯などの加減。

滋陰養胃の沙参・麦門冬・玉竹、

滋腎養肝の当帰・生地黄・玄参・枸杞子に梨汁・藕汁・鮮芦根汁などを加えて養陰生津を強める。

一貫煎:柳州医話:滋養肝腎・疏肝理気:肝腎陰虚・肝気停滞化熱:

沙参3 麦門冬3 当帰3 生地黄10 枸杞子4 川楝子2:肝腎陰虚で肝腎の精血が不足したために肝気の疏泄が失調した病態。成薬無し。

川楝子せんれんし・金鈴子きんれいし・苦楝子くれんし:センダン科

トウセンダンの成熟果実:苦寒:肝・心包・小腸・膀胱経:理気止痛・殺虫:アニサキスに:1..5~4g:軟便を来すので多量に使用しない。

養胃湯:温病条辨:益胃生津・清虚熱:沙参3 麦門冬5 生地黄5 玉竹2 氷砂糖1:胃陰虚で口渇・喉の乾燥感・乾嘔・食欲不振・舌紅乾燥・舌苔少・剥苔・または無苔・脈細数。胃陰虚は半夏厚朴湯で悪化する。成薬無し。

玉竹ぎょくちく・葳蕤いすい:ユリ科アマドコロの根茎:甘微寒:滋陰潤肺・養胃生津よういしょうしん:養陰生津薬:力は弱いので多量に用いる3~5g、強心には10~20g。ハシリドコロは毒草。

五汁飲:温病条辨:梨汁・う齋汁?・鮮芦根汁・麦門冬汁・藕汁ぐうじゅう。

増液湯ぞうえきとう:温病条辨:増液潤燥:玄参10 麦門冬8 生地黄8g:熱邪傷津(無水舟停):便秘・発熱・口渇・腹満・舌紅で乾燥・舌苔黄燥・脈細無力:増水行舟。成薬無し。

食道癌 3)脾虚痰凝:四君子湯・啓膈散。痰瘀には二陳湯を合用。

食道癌の脾虚痰凝:嚥下困難・胃脘痞悶・嘔悪痰多・舌苔粘じ、脈濡緩。気が凝結して生痰し嚥下困難となる。舌苔粘じは痰湿の象、脈濡緩は脾虚の象。気滞では胸脇脹満・呃逆気上となり、血瘀では胸骨の裏の固定痛し便黒で舌青紫で瘀斑となる。

食道癌の脾虚痰凝:健脾化痰:四君子湯・六君子湯・啓膈散。痰瘀には二陳湯を合用。

気滞:香附子・降香・川楝子・青皮ジョウヒせいひ・陳皮・佛手・旋覆花・紫蘇子・紫蘇梗を加え、

血瘀に当帰尾とうきび・赤芍・桃仁・紅花・丹参・乳香・没薬・三七などを加える。

降香こうこう・降真香:ミカン科降香の木部乾燥:辛温:肝経:

理気止痛・袪瘀止血・打撲捻挫:陰虚火旺や血熱には禁忌:粉末0.8~1gを衝服、煎剤1~2g:冠心二号方に配合。

紫蘇梗しそこう・しそきょう:シソ科の一年草、シソやチリメンジソの茎を用いる。 シソの果実は紫蘇子、葉は蘇葉。

啓膈散:脾虚痰凝:噎膈・嚥下困難:沙参9克  丹参9克  茯苓3克  川贝母(去心)4.5克  郁金1.5克  砂仁壳1.2克  荷叶蒂2个  杵头糠1.5克。

头糠:米皮糠の内衣,中医学での名称は“头糠

胃癌

胃癌 1)肝胃陰虚:一貫煎合益胃湯

胃癌 2)脾胃虚寒:香砂二陳湯合三子養親湯加減

胃癌 3)気陰両虚:橘皮竹筎湯加減

胃癌:初期は上腹部の不快感、塞脹感、胃脘部の隠痛が主で、その後、食欲減退、噯気、心下硬満、胃脘疼痛、脹痛や刺痛、腹瀉、便秘、朝食暮吐、暮食朝吐。初期の胃脘痛・痞満では「反胃」「癥積」の治療方法を選択する。

胃癌 1)肝胃陰虚:一貫煎合益胃湯

胃癌の肝胃陰虚:肝胃陰虚し滋養を失い肝鬱し横逆して胃を犯すので胃脘脹痛して両脇痛し、嘔吐呃逆、臭気の噯気は肝胃気逆の証、陰虚の津液不足で口乾口苦し喜冷し熱を嫌い飲水多く大便乾結する。舌紅苔少・無苔、脈弦細。

胃癌の肝胃陰虚の治法:滋養肝胃の一貫煎合益胃湯。肝胃の滋養に沙参・麦門冬・玉竹・地黄。養血活血に当帰。疏肝瀉熱に川楝子。理気行滞に陳皮・生姜汁。

一貫煎:肝気が停滞化熱するので肝の経脈に横竄オウザンするので胸脇脹痛し、胃に嘔逆するので腹満・呑酸・吐苦する。津液不足と胃熱により口咽の乾燥・舌の乾燥がみられる:柔肝疏鬱の名方である。成薬無し。

益胃湯:温病条辨:滋養肺胃・肺胃津傷:沙参3 麦門冬5 氷砂糖1 生地黄5 玉竹1.5:瀉下と発汗によって傷津した時に益胃湯を使う。

すべて甘寒生津の生薬からなっている:沙参麦門冬湯とほぼ同じ。成薬無し

胃癌 2)脾胃虚寒:香砂二陳湯合三子養親湯加減

胃癌の脾胃虚寒:中焦虚寒して胃脘隠痛し喜按喜暖。朝食暮吐、暮食朝吐、飲食の精微が化さず四肢冷、疲労してものうくなる。舌淡で潤、脈沈遅。

胃癌の脾胃虚寒の治法:温中化痰の香砂二陳湯合三子養親湯加減。

広木香・縮砂仁・白芥子を加え温中化痰を強化する。

白芥子はくがいし:アブラナ科白芥の成熟種子:辛温:肺経:

利気袪痰・消腫止痛:温化寒痰の常用薬:三子養親湯(白芥子・蘇子・莱菔子ダイコンの種、各1g)

香砂二陳湯:藿香 縮砂 半夏 陳皮 茯苓 生姜 甘草

(藿香・縮砂+二陳湯)

三子養親湯:中気虚弱で運化が失調し、停食・生湿により痰が生じ、痰壅気滞のために肺が粛降できなくなり、咳嗽を生じた状態を治す:喘息等につかう:白芥子・紫蘇子・莱菔子 各1g。

胃癌 3)気陰両虚:橘皮竹筎湯加減

胃癌の気陰両虚:胃脘隠痛、脹痛、脾胃気虚し中陽不振で嘔吐頻繁、腎陰虧損し津液不足となり口乾喜飲し大便乾結する。気虚のため全身疲乏、自汗盗汗、気短怠惰、舌質淡紅で歯痕、脈沈細。

胃癌の気陰両虚:気滞があれば両脇脹痛し呃逆上逆。血瘀があれば刺痛、腫塊、嘔血、便血、舌質暗紫、瘀斑。

胃癌の気陰両虚の治法:益気養胃で橘皮竹筎湯加減。方中の益気には党参。和中養胃に橘皮・竹筎・生姜・大棗・甘草。適宜沙参・麦門冬・で胃陰を清養する。

胃癌の気陰両虚の治法:

気滞には香附子・降香・青皮・陳皮・佛手・川楝子・沈香・旋覆花を加え

血瘀には、当帰尾・桃仁・赤芍・延胡索・蒲黄ホオウ・五霊脂ごれいし・三七・丹参・紅花コウカ・茜草根を加える。

仏手柑ぶしゅかん・陳仏手・佛手ぶっしゅ・:ミカン科ブシュカンの果実の切片を日干し:辛苦酸温。肺脾経:理気止嘔・止痛:健胃作用・消化不良:2~3g~10g。陳皮より健胃止痛作用は強いが、袪痰作用は劣る。

橘皮竹筎湯:金匱要略:降逆止嘔・益気清熱:胃虚有熱・気逆不降:

橘皮3 竹筎3 大棗2 生姜3 甘草2 人参1g:久病による胃虚、急激な嘔吐・下利により胃気が虚して不降し、軽度に胃熱を伴う病態。

大腸癌

大腸癌:病位は大腸にあり、腹部腫塊、腹脹腹痛、大便膿血、大便変形、

大腸癌 1)肝胃陰虚:養肝清腸芍薬甘草湯合清腸飲・芍薬甘草湯合槐角丸合三金湯

大腸癌 2)脾腎陽虚:温補脾腎で附子理中湯・四神丸加減

大腸癌 3)肝脾両虚(気血両虚)双補気血八珍湯・十全大補湯

大腸癌 1)肝胃陰虚:養肝清腸芍薬甘草湯合清腸飲・芍薬甘草湯合槐角丸合三金湯

大腸癌の肝胃陰虚:陰虚腸熱するので隠隠と腹痛し大便秘結する。

胃陰不足なので胃気上逆し嘔吐、口乾口苦、涼を喜び熱を悪ニクむ。

舌紅質乾、脈弦細は陰虚内熱の徴シルシである。

大腸癌の肝胃陰虚の治法:養肝清腸で芍薬甘草湯合清腸飲。

方中の芍薬・当帰・玄参・麦門冬は養陰。黄芩・金銀花・地楡は涼血清熱。

槐角丸:清熱止血・理気活血:痔の薬:槐角かいかく 地楡ぢゆ 当帰 防風 黄芩 枳穀:八ツ目製薬に製品有り:類似処方は清腸飲。

三金湯:金銀花(スイカズラの花蕾)・菊花・蒲公英(タンポポの根):松浦薬業に500gボトル有り。

清腸飲:急性虫垂炎:(槐角丸合三金湯)

金銀花10 当帰6 地楡3 麦門冬3 玄参3 甘草1 薏苡仁2 黄芩1g:

やや類似処方(大黄牡丹皮湯:養陰作用が無い)。

大黄牡丹皮湯:清熱瀉下・活血消癰:大黄3 牡丹皮4 桃仁4 冬瓜仁6:

胆嚢炎・慢性胆石症・腎臓結石:大黄牡丹皮湯合桂枝茯苓丸・大黄牡丹皮湯合桃核承気湯・清腸飲。

冬瓜仁とうかにん・冬瓜子とうかし:ウリ科トウガンの成熟種子:甘寒:脾胃大腸小腸経:清肺化痰・排膿:消炎・炎症性の腫脹・化膿:内臓の化膿症(内癰:薏苡仁)・熱痰の咳嗽は栝楼仁より弱い:3~4~10g。

大腸癌 2)脾腎陽虚:温補脾腎で附子理中湯・四神丸加減

大腸癌の脾腎陽虚:中陽虚弱し消化不良で腹痛喜按、肢冷、大便溏、陽気衰微して気短乏力、五更瀉は腎陽虚、陽虚のため舌淡で歯痕し舌体腫大、脈沈遅。

大腸癌の脾腎陽虚の治法:温補脾腎で附子理中湯・四神丸加減。

方中の温腎壮陽は附子・乾姜・肉豆蔲・補骨脂。

健脾益気には党参・白朮・生姜・大棗。

五更瀉ごこうしゃ:毎日早朝か夜明け前に下痢をする五更瀉は脾腎陽虚(痛瀉要方・真武湯・附子理中湯・四神丸)である。五更泄瀉・鶏鳴下痢。

「五更」とは夜明け前の時で、天の気の陰気が最盛になり陽気が萌芽するが、腎陽虚衰の体質では至るべき陽気が至らないので、陰気がきわまって下行し、毎日この時間だけ下利するので五更泄瀉という。

痛瀉要方(別名白朮芍薬散):景岳全書:防風3 白朮3 白芍4 陳皮2:

腹鳴・腹痛して下痢:五更泄瀉・鶏鳴下痢。

四神丸:内科摘要:温補脾腎・渋腸止瀉:脾腎陽虚・五更泄瀉:

補骨脂12 五味子9 肉豆蔲6 呉茱萸3 大棗8 生姜12を粉末にし、

一日一~二回2~3gを生姜・大棗と水煎し内服。

補骨脂ほこっし:マメ科オランダヒユの果実:辛苦大温:脾・腎経:

補腎温脾・固精縮尿:五更瀉ごこうしゃに用いる:服用後に口渇・舌や咽が渇いて痛むなど熱象が生じることがある。

斂肺斂汗滋腎の五味子:酸温:肺腎経:モクレン科チョウセンゴミシの成熟果実:斂肺滋腎・生津斂汗・渋精止瀉。

脾腎陽虚薬の四神丸の肉豆蔲にくずく・肉叩・肉果:ニクズク科ニクズクの成熟種子の仁:辛温:脾胃大腸経:渋腸止瀉・温中行気:収斂・止瀉・健胃・排気:虚寒による泥状便や水様便。

呉茱萸:温通血脈の呉茱萸は行気止痛にすぐれている。

大腸癌 3)肝脾両虚(気血両虚)健脾養肝・双補気血八珍湯・十全大補湯

大腸癌の肝脾両虚:

肝脾両虚(気血両虚)して面色不華・気短乏力する。

中気下陥で脱肛下墜。

気血虧虚して眩暈眼花・心悸心慌・舌淡・脈細。

湿熱では口苦口粘・赤白下痢・裏急后重・舌黄じ・舌紅・脈弦滑となる。

瘀滞では下血・舌紫暗・瘀斑となる。

大腸癌の肝脾両虚の治法:健脾養肝・双補気血で八珍湯・十全大補湯。

方中の袪湿清熱には白頭翁・馬歯莧ばしけん・秦皮じんひ・槐花かいか・地楡を加え。

瘀滞には広木香・赤芍・当帰・檳榔びんろう・桃仁・紅花で行気活血導滞する。

八珍湯:当帰・白芍・川芎・熟地黄・人参・白朮・茯苓・甘草(半夏・陳皮・大棗・生姜は無い)(四物湯+四君子湯)。

四君子湯:健脾益気:人参4、白朮4、茯苓4、甘草1 大棗1 生姜1

六君子湯:健脾益気・和胃化濁:党参4(人参4) 炒白朮4 茯苓4 炙甘草1 製半夏4 陳皮2 乾姜0.5 大棗2g。

馬歯莧ばしけん:スベリヒユ科スベリヒユの全草:酸寒:心大腸経:清熱解毒・涼血止痢・下痢に用いる:抗菌作用・血管収縮・子宮収縮作用。

肝癌

肝癌の 1)肝胆湿熱:茵蔯蒿湯合小陥胸湯・茵蔯五苓散、二金湯加減

肝癌の 2)肝胃陰虚:一貫煎・養胃湯加減・玉女煎

肝癌の 3)肝脾両虚:帰芍六君子湯

肝癌:両脇疼痛、腹部腫塊、腹脹して食欲不振、悪心嘔吐、黄疸、鼓脹こちょう:腹部膨満症状、脇下満痛。腹水。腹脹、黄疸は「鼓脹」「黄疸」の項をよくみて治療すべきである。

「聖済総録」に「積気腹中にあり、久しく癒えず、牢堅 之を推すに移らざる者、癥なり・・之を按ずるに其の状 杯盤の如く牢結し、久しく已ます、人身 痩して腹大、死に至るも消せざらしむ」とある。

いわゆる脾積、肝積、積聚、癖黄、症はみな似たものである。

肝癌の 1)肝胆湿熱:茵蔯蒿湯合小陥胸湯・茵蔯五苓散、二金湯加減

身体も目もともに黄色く、口苦口粘、食欲不振、腹脹、胸悶悪心、大便不爽、小便短赤、脇肋疼痛、舌苔舌苔黄じ(黄色がかった厚ぼったい舌苔)、脈弦滑。

肝癌の肝胆湿熱の病機:湿熱薫蒸し、胆液が排泄されないので、身体、目も黄色く、小便は黄赤となる。湿熱蘊結で脾胃の運化が失調するので食欲不振、腹脹、胸悶悪心、大便不爽となる。舌脈は湿熱熾盛の象。

肝癌の肝胆湿熱の治法:茵蔯蒿湯合小陥胸湯・茵蔯五苓散、二金湯加減

茵蔯蒿湯:肝胆湿熱:黄疸・肝炎・急性膵炎・胆石・胆嚢炎:

山梔子3 茵蔯蒿4 大黄1:小便不利・無汗・口渇・多飲・心煩懊憹・軽い腹満・黄疸。

小陥胸湯:清熱化痰:瓜楼仁3、半夏6、黄連2g。

茵蔯五苓散:清熱利水・退黄疸:茵蔯蒿4 桂枝3 猪苓4.5 沢瀉6 茯苓.5 白朮.5:茵蔯蒿+五苓散:五苓散(口渇・小便不利)に茵蔯を加えた処方なので五苓散の用法を参考にして用いる。

二金湯:温病条辨:鸡内金5,海金沙5,厚朴3,大腹皮3,猪苓3,白通草2。

鶏内金:甘平:胃小腸膀胱経:消食積・止下利・止遺尿:止反胃。

海金砂・海金沙かいきんしゃ:カニクサ科海金沙カニクサの成熟種子:甘寒:清熱通淋・利尿作用・熱淋(急性尿道炎)・石淋(尿路結石)・尿量減少・排尿困難・排尿痛。

大腹皮:シュロ科ビンロウジュの成熟果皮を乾燥:辛微温:脾胃大腸小腸経:下気寛中・利水消腫:胃気上逆や膨満を除き消化促進:加減正気散・五皮飲:麻科活人全書:軽度の浮腫・乏尿に用いる。

白通草:通草:木通:降火利水・通乳:九竅や血脈や関節を通利し鎮痛する。

肝癌の 2)肝胃陰虚:一貫煎・養胃湯加減・玉女煎

肝区が隠痛し、食欲不振、嘔悪、口乾口苦、冷を好み悪熱、大便乾結、舌紅苔光、脈弦細。

肝癌の肝胃陰虚の病機:陰虚血少で肝絡は不養となり肝区が隠痛する。胃陰不足して胃が濡養を失い食欲不振、嘔悪、口乾口苦、冷を好み悪熱し、大便乾結する。舌脈は陰虚内熱の象である。

肝癌の肝胃陰虚の治法:一貫煎・養胃湯加減を用いる。陰虚火旺、歯槽膿漏、口臭、煩熱がみられれば玉女煎。

一貫煎:柳州医話:滋養肝腎・疏肝理気:肝腎陰虚・肝気停滞化熱:

沙参3 麦門冬3 当帰3 生地黄10 枸杞子4 川楝子2:

肝腎陰虚で肝腎の精血が不足したために肝気の疏泄が失調した病態。

養胃湯:温病条辨:益胃生津・清虚熱:沙参3 麦門冬5 生地黄5 玉竹2 氷砂糖1:胃陰虚で口渇・喉の乾燥感・乾嘔・食欲不振・舌紅乾燥・舌苔少・剥苔・または無苔・脈細数。胃陰虚は半夏厚朴湯で悪化する。

玉女煎・養陰清胃煎・石膏熟地煎:景岳全書:清胃瀉火・滋陰補腎:

胃熱・胃陰虚の処方:生石膏10 知母3 麦門冬3 熟地黄8 牛膝3:陰虚火旺・歯周炎・歯槽膿漏・口内炎・口臭・舌炎・慢性胃炎:甘露飲。

肝癌の 3)肝脾両虚:帰芍六君子湯

肝区隠痛、食欲減退、腹脹嘔悪、気短乏力、口乾喜飲、大便乾または稀、舌淡で歯型あり。脈弦細。

肝癌の肝脾両虚の病機:肝血不足で肝絡が不養となり肝区が隠痛する。脾虚で健運不能となり食欲減退、気短乏力、腹脹嘔悪となる。陰液不足で口乾喜飲。舌淡で歯痕あり、舌脈は気虚血少の証である。

肝癌の肝脾両虚の瘀血兼挟:上腹部に腫塊が顕著で肝区が劇しく止痛し、舌質暗紫・瘀斑がみられれば瘀血を兼挟している。

肝癌の肝脾両虚の治法:健脾養肝で帰芍六君子湯。当帰芍薬は養肝、

人参・白朮・茯苓・甘草は健脾益気。血瘀を伴う時は茜草・沢蘭・桃仁・紅花を加え活血袪瘀する。袪瘀が過ぎると大量出血を起こすので注意する。

瘀血の症状を呈する出血には、瘀血が経脈の血の循行を阻塞しているため出血がとまらない時は、活血化瘀薬の田三七・蒲黄・小薊・茜草根が活血と止血に作用するのでよく用いられる。

膀胱癌

膀胱癌の 1)肝腎陰虚:六味丸・二至丸加減。六味丸合女貞子・旱蓮草

膀胱癌の 2)脾腎気虚:補中益気湯・水陸二仙丹加減

膀胱癌の 3)気陰両虚:参耆地黄湯、大補元煎

膀胱癌:長期の血尿が主。排尿時は必ず溺道渋痛し、小水紅赤し利せず。尿血には痛むものと痛まないものがあり、無痛性の血尿は特に癌証と類似している。湿熱下注の血尿は痛むものがあるが、これは「淋証」に属す。

膀胱癌の 1)肝腎陰虚:六味丸・二至丸加減。六味丸合女貞子・旱蓮草

膀胱癌の 1)肝腎陰虚の症状:血尿・尿意頻数、消痩、食欲減少、口乾唇燥、口渇して喜冷飲、大便乾結、舌紅少苔、脈弦細。

膀胱癌の肝腎陰虚の病機:肝腎陰虚し、水が火を救わず、相火盲動し脈絡を灼傷して血尿・尿意頻数となる。陰虚で津液不足となり口渇・喜冷飲、大便乾結となる。舌脈は陰虚内熱の象である。

膀胱癌の肝腎陰虚の治法:滋養肝腎で、六味丸・二至丸加減。六味丸合女貞子・旱蓮草で滋腎陰すれば腎陰が潤い肝陰も自然に回復する。

六味丸:滋補肝腎・清虚熱・利湿:三補三瀉:八味丸から六味丸が出来た:八味丸中の桂枝・附子を除いたものである:地黄 山茱萸 山薬 沢瀉 茯苓 牡丹皮。

二至丸:医方集解:補腎養肝:肝腎陰虚:女貞子・旱蓮草各等分

女貞子じょていし:モクセイ科トウネズミモチの成熟果実:苦平:

肝腎経:補腎滋陰・養肝明目:中心性網膜炎に網膜炎方。

旱蓮草かんれんそう:キク科タカサブロウの地上全草:甘酸寒:

肝腎経:滋陰補腎・涼血止血:肝腎陰虚・肝火旺による出血を止める:婦人薬に頻用される。

膀胱癌の 2)脾腎気虚:補中益気湯・水陸二仙丹加減

膀胱癌の 2)脾腎気虚の症状:尿血、尿がスッキリ出ず淋瀝し、精神疲労乏力、少気してものうく、動けば気短す。舌淡で歯痕あり、脈沈緩。

脾腎気虚:顔色が淡白又はどす黒い・頭のふらつき・めまい・耳鳴り・難聴・腰や膝がだるく無力・尿量増多・排尿後の余瀝・尿失禁・遺尿・尿閉・性機能減退。

膀胱癌の 2)脾腎気虚の病機:気虚で統血できず尿血し(脾不統血)、スムーズに排出されず淋瀝リンレキする。精神疲労乏力、少気しものうげ、動くと気短し、舌淡で歯痕あり。脈沈弱は脾腎気虚の象。

膀胱癌の 2)脾腎気虚の治法:益気固腎で、補中益気湯・水陸二仙丹加減。

党参・黄耆・白朮で中気を補益し、

金桜子・芡実は固腎し、脾腎を双補する。

水陸二仙丹:洪氏集験方:補腎渋精:

金桜子を煎熬(熬ゴウ:いる)し、芡実の粉末で丸にし、1日2回3gずつ服用する。金鎖固精丸より収渋の力は弱い。

桂枝加龍骨牡蠣湯(陰陽双補・補腎安神)は、心腎不交の失精・夢交に適用する。

金桜子きんおうし:バラ科金桜子ナニワイバラの成熟果実:酸渋平:腎大腸経:渋精止瀉・縮尿・収斂・強壮・抗菌:補虚・固渋に用いる。腎陽虚の遺精・頻尿・夜尿、脾虚の水様便・泥状便・白色帯下に用いる。

芡実けんじつ:スイレン科芡の成熟種子の仁:甘渋平:脾腎経:

健脾止瀉・補腎固精・袪湿止瀉:3~6~10g:芡実は補腎固渋し健脾するが、蓮子は清心が主で益気健脾する:金鎖固精丸。

金鎖固精丸:医方集解:蓮鬢3 潼蒺蔾3 芡実4 竜骨6 牡蠣5 蓮子3。

金鎖固精丸:医方集解いほうしっかい:腎気不固の治法:固腎渋精:

精液が漏れ易く、顔色白く、精神疲労、頭眩、腰がだるい、脈沈弱:

蓮鬢3れんしゅ 潼蒺蔾3とうしつり 芡実4 竜骨6 牡蠣5ぼれい 蓮子3れんし:丸薬とし1回2~3g服用。

膀胱癌の 3)気陰両虚:参耆地黄湯、大補元煎

膀胱癌の 3)気陰両虚の症状:血尿、疲乏無力、食欲減少、気短、口乾喜飲、大便乾結、舌紅、舌苔薄じ、脈沈細。

膀胱癌の 3)気陰両虚の病機:脾虚不統血で尿血となり、中気不足で疲乏無力、食欲減少、気短となる。陰液虧損して口乾喜飲、五心煩熱、大便乾結となる。脈舌とも気陰両虚の象である。

膀胱癌の 3)気陰両虚の瘀血を兼挟:下腹に腫塊、尿血して痛む、舌紫暗、瘀斑が見られるもの:桃仁・牡丹皮・紅花・赤芍・生蒲黄・三七・炮穿山甲・三稜・莪朮を加える。。

膀胱癌の 3)気陰両虚の湿熱を兼挟:尿痛、尿頻、尿急、尿熱で舌苔黄じ(黄色がかった厚ぼったい舌苔)となる:知母・黄柏・石葦・海金砂・灯芯草・通草・滑石などを加える。

膀胱癌の 3)気陰両虚の治法:気陰両補、参耆地黄湯、大補元煎。

益気の人参・黄耆・山薬・甘草。

養陰の熟地黄・山茱萸・枸杞子・当帰を使う。

参耆地黄湯じんぎじおうとう:地黄・山茱萸・山薬・沢瀉・茯苓・牡丹皮:六味丸+人参・黄耆。

六味丸:滋補肝腎・清虚熱・利湿:三補三瀉:八味丸から六味丸が出来た:八味丸中の桂枝・附子を除いたものである:地黄 山茱萸 山薬 沢瀉 茯苓 牡丹皮。

大補元煎:明・景岳全書:人参1~2両、炒山薬2銭、杜仲2銭、熟地黄2銭~3両、当帰2~3銭、枸杞子2~3銭、山茱萸1銭、炙甘草1~2銭。

肺癌の気陰両虚:大補元煎・四君子湯合八仙丸・補中益気湯合八仙丸・参耆麦味地黄湯。

石葦せきい:ウラボシ科ヒトツバの地上部分:甘苦平:肺膀胱経:利水通淋・利尿・消炎・止血:萹蓄・萆薢ほどは応用されない:2~10g。

灯心草(燈心草)・灯芯草:甘淡微寒:心肺小腸経:イグサ科トウシンソウの茎髄:清熱利水、清心除煩:清心火・利尿:小児の夜泣きの心熱に心を落ち着かせる。

木通(通草):降火利水・通乳:九竅や血脈や関節を通利し鎮痛する。

白血病

白血病 1)急労:玉女煎(甘露飲)・清営湯、犀角地黄湯

白血病 2)虚労・陰虚熱盛:養陰清熱:玉女煎(甘露飲)・竹葉石膏湯

白血病 3)虚労・脾気虚衰:補中益気湯・六君子湯。黄土湯

血病 4)虚労・気陰両虚の治法:八珍湯・人参帰脾湯・帰脾湯・参耆地黄湯。

白血病:癌証は営血にあり主に営血の虧耗によって発生する。多くは「虚労」「虚損」に帰属し臨床上、急労と虚労に分類される。血気虧少して血気の運行が失われて痰阻血瘀が生じ次第に「癥積」が形成される。

白血病:「聖済総録」には、「急労は・・稟受不足するにより、擾思し気結び、営衛 倶に虚し、心肺壅熱し、金火相刑し、蔵気は克を伝え、或は外邪を感受す。故に煩躁し熱を作し、頬赤く心松し、頭痛盗汗し、咳嗽咽乾し、骨節酸痛し、久しければ皮膚鎖錬し、喀涎唾血する者、皆其の侯なり」とある。

また「心神煩躁し、面赤頭疼し、眼渋唇焦し、身体壮熱し、煩渇止まず、口舌 瘡を生じ、食飲無味、肢節酸疼し、多臥少起し、或は時に盗汗し、日漸に羸痩す」とも述べている。

白血病 1)急労:玉女煎(甘露飲)・清営湯、犀角地黄湯

白血病 1)急労の症状:壮熱、煩躁、口渇多汗、顔面赤、頭痛、口舌瘡、或は吐血、衄血、便血、尿血、斑疹がみられ、舌紅、舌苔黄、脈大。

白血病 1)急労の病機:陰虚熱盛で、壮熱、煩躁、口渇多汗、面赤、頭痛、口舌瘡などはみな心胃熱盛の証である。熱が迫血妄行すると歯茎出血、鼻衄、皮膚の瘀点や瘀斑など血証がみられる。

白血病 1)急労の治法:養陰清熱で玉女煎。高熱神昏、鼻衄、歯齦出血などには清営湯、犀角地黄湯(涼血解毒が主)などで涼血清熱し、同時に重剤を頻繁に服用させ急を救う必要がある。

玉女煎・養陰清胃煎・石膏熟地煎:景岳全書:清胃瀉火・滋陰補腎:

胃熱・胃陰虚の処方:

生石膏(先煎)10 知母3 麦門冬3 熟地黄8 牛膝3g:

歯周炎・歯槽膿漏・口内炎・舌炎・慢性胃炎:甘露飲。

甘露飲:滋陰和胃・清熱化湿:胃陰虚・湿熱:慢性歯周炎・歯槽膿漏・口内炎・咽喉炎・慢性胃炎:生地黄 熟地黄 麦門冬 天門冬 枳殻 枇杷葉 石斛 黄芩 茵蔯蒿 炙甘草の等分を粉末とし5~10g水煎。

清営湯:清営透熱・養陰活血:熱傷営陰:

犀角0.6 生地黄5 玄参3 麦門冬3 金銀花3 連翹2 黄連1.5 竹葉心1 丹参2g:

夜増悪発熱・熱感・焦躁感・不眠・口渇・狂躁・皮下出血・舌絳・無苔。

犀角地黄湯:涼血解毒が主: 犀角 生地黄 赤芍 牡丹皮:

意識障害・うわごと・舌質紅絳・斑疹など全身的な熱毒症状が明らかな場合に適合する。

白血病 2)虚労・陰虚熱盛:養陰清熱:玉女煎(甘露飲)・竹葉石膏湯

竹葉石膏湯:清熱生津・益気和胃:

生石膏 淡竹葉 人参 麦門冬 製半夏 炙甘草 粳米:

吐後に内生する煩熱を、益気生津しつつ、生石膏と淡竹葉で清熱して煩躁をおさえる。コタローに製品あり。

白血病 3)虚労・脾気虚衰:補中益気湯・六君子湯。黄土湯

白血病 3)虚労・脾気虚衰の症状:微熱、汗出で畏風、気短しものうげ、全身乏力、食欲不振、腹脹、舌淡、歯痕、脈沈弱。

白血病 3)虚労・脾気虚衰の病機:脾気虚衰で中気不足すれば、気短しものうげで、全身乏力となる。脾の健運が失調するので食欲不振、腹脹がみられる。気虚で衛外が固密でなくなると微熱、汗出で畏風となる。脈舌の舌淡、歯痕、脈沈弱は気虚の象である。

白血病 3)虚労・脾気虚衰の治法:健脾益気で、補中益気湯・六君子湯。脾不統血で出血する時は、黄土湯(収渋止血・温陽健脾・養血・陽虚の出血に)で健脾益気止血する。

黄土湯:金匱要略:収渋止血・温陽健脾・養血・陽虚の出血に:

伏竜肝7(赤石脂で代用) 生地黄3 阿膠3 炮附子1 白朮3 炙甘草2 黄芩3:陽虚の血便・血尿・子宮出血・鼻出血・吐血。

伏竜肝煎は、この黄土を水に入れて、よくかきまわし、その上澄みをとって、小半夏加茯苓湯を煎じたものである。

白血病 4)虚労・気陰両虚:八珍湯・人参帰脾湯・参耆地黄湯

白血病 4)虚労・気陰両虚の症状:微熱多汗、顔色悪い、頭暈乏力、気短ものうげ、口乾喜飲、手足心熱、舌淡、歯痕、脈沈細。

血病 4)虚労・気陰両虚の病機:気虚以外に一般に陰虚を兼ね、顔色はつやがなく、頭暈乏力、陰虚の症状があり口乾喜飲、手足心熱は陰虚内熱の象。腫塊が頷下、頸部、腋下、股関節部などの腫塊は痰瘀互結である。

気虚の全身症状:倦怠無力感(鬱的)・元気不足・息切れ・物を言うのがおっくう・動きたがらない・声に力がない・自汗・舌質が淡色あるいは胖大でフニャフニャ・脈は細数で無力:補中益気湯・六君子湯。

陰虚では陰液不足となると:陰液で頭が滋潤されないため、ふらつき・めまい・目の乾燥感や異物感があり、腎陰不足から心腎不交が生じ焦躁感・不眠・多夢が見られ、陰虚で内熱が生じて五心煩熱・寝汗が生ずる。

頷ガン(あご・うなずく)

頷下ガンカ・ガンゲ:下あごやあごの下あたりを指す。

血病 4)虚労・気陰両虚の治法:八珍湯・人参帰脾湯・帰脾湯・参耆地黄湯。

瘀血兼挟では、活血化瘀の当帰尾・赤芍・桃仁・紅花・三稜・莪朮を加える。

痰核には化痰消結の貝母・山慈姑・黄薬子・天花粉・海藻・海蛤殻・生牡蛎などを加える。

山慈姑さんじこ:甘微辛・寒:小毒:ラン科サイハイラン・ユリ科アマナの鱗茎:清熱解毒散:強心・抗がん作用。

黄薬子おうやくし・黄薬脂・黄独:ヤマノイモ科ニガカシュウの塊茎:苦平:肝心経:涼血降火・散結解毒:黄薬子酒は、とくに食道癌に効果があった:肝臓障害の可能性に注意。

海蛤殻かいごうかく:ハマグリ科オキシジミの貝殻を焼いて粉:

清熱利湿・化痰散結:清熱化痰・咳嗽・甲状腺腫瘍「甲状腺ガンに四海舒欝丸」:風邪の熱痰には海浮石、肺気腫・慢性喘息性気管支炎には海蛤殻1~3g。

参耆地黄湯:人参・黄耆+六味丸。

人参帰脾湯:帰脾湯と同じ?。

帰脾湯:補脾・養心安神・摂血:心脾両虚・心血虚:不安感・動悸・不眠・不安感のある気血両虚に:

黄耆2 人参3 白朮3 当帰2 茯苓3 竜眼肉3 酸棗仁3 遠志2 炙甘草1 木香1 大棗2 生姜1g。