月経痛の口訣集

2026/7/29

月経痛の口訣集

当帰芍薬散(ストレス・肝血虚・脾虚湿滞)

逍遙散合当帰芍薬散

逍遙散(肝気鬱結・血虚・脾虚・湿邪:衝任不調)

逍遙散合四物湯

加味逍遙散合四物湯

逍遙散合四物湯

安中散(冷えで絞痛の月経痛)

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(疝痛・寒帯肝脈)

温経湯(温経補虚、活血行瘀:衝任虚寒・寒帯肝脈)

人参湯(脾陽虚・寒帯肝脈)

真武湯(寒湿下痢・寒帯肝脈)

柴胡疏肝散(ストレス性月経痛)

折衝飲(少腹逐瘀湯や失笑散の代用処方)

桂枝茯苓丸(活血化瘀・緩消癥塊で筋腫に使う)

帰耆建中湯

小柴胡湯合四物湯(熱入血室・血虚)

小柴胡湯(熱入血室)

少腹逐瘀湯(成薬無し)

失笑散(五霊脂・蒲黄)

延胡索

茵蔯五苓散(大塚敬節経験方)

柴胡疏肝散:疏肝解鬱・理気止痛・活血:柴胡6 白芍3 枳穀2 香附子3 川芎3 炙甘草2:ストレスの腰痛(大柴胡湯)・脇痛・腹痛・月経痛。

月経痛は瘀血で生ずる場合があり、瘀血の痛み方を示すが、少腹逐瘀湯や失笑散が適応であるが成薬がないので、代用処方として折衝飲を使う。

少腹逐瘀湯:医林改錯:肝寒凝滞、気滞血瘀、子宮筋腫、疼痛或は不痛、疼痛も積塊無し或は少腹脹満、腰酸少腹脹:小茴香3 炮姜2 肉桂2 当帰3 川芎2 赤芍3 五霊脂3 蒲黄3 没薬2 延胡索2g。

失笑散:五霊脂 蒲黄 各等分の細末を毎回3g・黄酒か酢で服用:妊婦は禁忌。

五霊脂ごれいし:オオコウモリの糞便乾燥物:鹹温:肝経:袪瘀止痛・通経、生では活血、炒用では止血・鎮痛・瘀血による疼痛で婦人科で失笑散として多用・胃を障害しやすい:2~3g。

没薬もつやく:カンラン科没薬樹から産出する樹脂:苦平:肝経:

活血袪瘀止痛。乳香と没薬はよく一緒に痛み止めに用いられる:1~4~5g:妊婦や月経過多には禁忌。

乳香にゅうこう:カンラン科の乳香樹の樹皮より滲出した樹脂:辛平温:心・肝・脾経:活血袪瘀止痛:活血・止血・舒筋:鎮痛・消炎。

延胡索:活血・理気・止痛・鎮静・鎮痙:頭痛・胸部痛・腹痛・脇痛・月経痛・関節痛・打撲損傷痛・気滞血瘀の痛み:折衝飲。

折衝飲:活血化瘀・理気止痛:寒帯肝脈:当帰5 赤芍3 桃仁5 紅花2 牡丹皮3 川芎3 桂枝3 牛膝3 延胡索3(すべて袪瘀作用の生薬)。

当帰芍薬散:月経閉止にも適応する。月経時に下腹部に隠隠たる痛みのある月経痛(当帰・芍薬・川芎:補血活血)。

当帰芍薬散:肝血虚・脾虚湿滞:当帰3 白芍4 白朮4 茯苓4 沢瀉4 川芎3:過敏性大腸炎:真武湯も適用:当帰がもたれる脾虚の人もいる。

真武湯:回陽救逆・温陽利水:附子1 茯苓5 白朮3 白芍3 生姜3g。

月経痛に当帰芍薬散・折衝飲・安中散・逍遙散:

(逍遙散+天王補心丹+海馬補腎丸も腎虚の月経痛の場合は適応)。

安中散:冷えて胃が絞られるように絞痛する時に使用。月経痛・温かい物を摂ると症状が軽減する鼻炎にも適用がある:

桂枝4 高良姜2 小茴香2 延胡索3 縮砂2 炙甘草1 牡蠣3g。

高良姜こうりょうきょう:辛・熱:ショウガ科良姜の根茎:散寒止痛:上腹部の寒痛(アニサキスを殺虫):刺激性が強く鎮痛作用が強い。

小茴香しょうういきょう・小茴:セリ科ウイキョウの成熟果実:辛温:肝腎脾胃経:理気止痛・調中和胃:健胃作用・陰嚢水腫の疼痛。

230.腹痛に五苓散や茵蔯五苓散を腹痛に用いることがある。次の例は茵蔯五苓散を月経痛に用いて奇効を得た例。「漢方診療三十年」大塚敬節

茵蔯五苓散:清熱利水・退黄疸:茵蔯蒿4 桂枝3 猪苓4.5 沢瀉6 茯苓.5 白朮.5:茵蔯蒿+五苓散:五苓散に茵蔯蒿を加えた処方なので五苓散の用法を参考にして用いる。

月経時浮腫:当帰芍薬散に五苓散を合方する;加味逍遙散合五苓散も適応。

消渇病に五苓散:使用目標は口渇喜冷飲・小便不利・多汗(自汗)。

イライラ・生理痛・貧血・むくみ・血虚には当帰芍薬散を合方する:

逍遙散合当帰芍薬散・柴胡桂枝湯合当帰芍薬散。

逍遙散:肝気鬱結・血虚・脾虚・湿邪:衝任不調:人参と大棗は無い。柴胡3 白芍3 当帰2 白朮3 茯苓3 生姜3 炙甘草2 薄荷1g。

白朮:キク科オオバナオケラの根茎:甘微苦:温微香:補脾益気・燥湿利水:健胃・利尿・鎮静:風湿のリウマチなどの関節痛に用いる。

蒼朮は辛烈・燥散の作用が強く補益力は弱い。

白朮は補益力があり健脾に適す。

沢蘭タクラン・沢蘭葉:シソ科地筍シロネの茎葉・葉。キク科蘭草フジバカマを沢蘭とする地方もある:苦甘辛微温:脾肝経:

活血通経・利尿消腫・活血袪瘀:婦人科常用薬:血瘀の 無月経・

月経痛・稀発月経:薬性緩和。

月経痛のほとんどが掣痛・牽引痛で子宮が墜ちそうな感じで下の方へ引っ張られると表現する。これは血虚で起こる場合と冷え(寒邪)で起こる。血虚では四物湯加減を使い、冷えには当帰四逆加呉茱萸生姜湯を使う。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯:温経散寒・養血通脈・寒帯肝脈:

呉茱萸2 生姜4 当帰3 桂枝3 芍薬3 木通3 細辛2 甘草2 大棗5g:腹痛(疝痛)・四肢痛・嘔吐の強いもの:寒帯肝脈に適用する。

呉茱萸:温通血脈の呉茱萸は行気止痛にすぐれている。

木通(通草):降火利水し、心火による心不全や浮腫に用いる:

九竅や血脈や関節を通利し人をして痛みを忘れる。

細辛さいしん:辛温:発散風寒・温経散寒・袪風止痛・温肺化飲。

下焦の瘀血による月経痛は折衝飲で代用する。

折衝飲:活血化瘀・理気止痛:寒帯肝脈:当帰5 赤芍3 桃仁5 紅花2 牡丹皮3 川芎3 桂枝3 牛膝3 延胡索3(すべて袪瘀作用の生薬):心臓痛・月経痛。

寒帯肝脈:風邪をひかないし疲れも訴えない。ガリガリに痩せている。本人は食べても肥れないという。生理痛がひどい。寒冷でお腹の下墜感の激痛・腰痛もある。顔色は悪いが、冷え症ではないと言う:当帰四逆加呉茱萸生姜湯・折衝飲・温経湯・苓姜朮甘湯・人参湯・真武湯。

掣痛せいつう(牽引痛)は、冷えの場合の絞痛ではなく、例えば足がぐっとつった時の痛みである。月経痛のほとんどがこの掣痛で、子宮が墜ちそうに下にひっぱられる痛みである。当帰四逆加呉茱萸生姜湯。

安中散は月経痛にも使う。

月経困難症:小柴胡湯合四物湯・小柴胡湯:熱入血室にも使う。

熱入血室 の症状:往来寒熱・胸脇苦満・小腹拘急・夜間言語錯乱・意識異常・月経中断或は来経・身重・頭汗。

温経湯を、痛経や月経不調に用いれば、均しく有効な効果をもたらす。

温経湯うんけいとう:金匱要略:温経補虚、活血行瘀法:呉茱萸3 桂枝3 当帰4 白芍6 川芎3 丹皮2 人参3 甘草2 阿膠珠4 麦門冬3 半夏4 生姜3g:衝任虚寒で瘀血阻滞で血虚になりさらに陰虚火旺となる病理。

月経時の絞痛:冷えて下腹部がギュッと痛む時は当帰四逆加呉茱萸生姜湯・軽い痛みには当帰芍薬散を使う。

帰耆建中湯:月経痛。産後の腹痛。

気血両虚の足痛・月経痛に帰耆建中湯:気血双補・生肌・緩急止痛・温中補虚:桂枝4 白芍6 炙甘草2 生姜4 大棗4 膠飴20 黄耆4 当帰4g。

四物湯は活血養肝の作用もあるので、肝血虚や月経不順には四物湯を基礎にして加減応用することが多い。

生理になると毎回、軽いめまいがしてお腹が引っ張られるように痛む時は四物湯:血虚の基本方剤:当帰4 白芍4 川芎4 熟地黄4g。

月経不順に血虚があれば、加味逍遙散合四物湯。

血虚の症状:顔色が淡白でつやがない、面色萎黄、肌のかさつき・髪の毛のパサつき・頭暈で頭がクラクラする、目のかすみ、舌質淡、脈細、間歇的な動悸、持続性の動悸、不眠、多夢、手足のしびれ、手足のつり。

月経不順の血虚には逍遙散・逍遙散合四物湯・逍遙散合当帰芍薬散が適応する。