けいれんの口訣集:改訂

2025/12/3  2026/6/1改訂

けいれんの口訣集

当帰芍薬散:こむらがえりなど(芍薬甘草湯も適応)。

・当帰芍薬散

・芍薬甘草湯

・当帰芍薬散合芍薬甘草湯

・当帰芍薬散合苓姜朮甘湯

・疎経活血湯合芍薬甘草湯

・疎経活血湯合苓姜朮甘湯

・疎経活血湯合当帰芍薬散。

加味逍遙散:飲み過ぎて足のつる人、手足がつる人、

どこかつって痛み体が怠くなる時は肝臓の症状である。

軽い時は加味逍遙散で、熱状が強く出てくると大柴胡湯や竜胆瀉肝湯を使う。

足のつる人:

・加味逍遙散合四物湯

・加味逍遙散合疎経活血湯

・大柴胡湯

・竜胆瀉肝湯。

当帰芍薬散の病態は、肝血虚・肝気鬱結・脾虚湿滞などからなり、意外に複雑である。したがって、本証の患者の訴えも、一様でない。

当帰芍薬散:天気の悪い時に悪化するもの(陰天時悪化:湿邪・湿滞・痰飲:通常は半夏白朮天麻湯)

血虚の症状:皮膚につやがない・面色萎黄・目がつかれやすい・目花・頭がぼーっとする・四肢麻木(神応養神丹)・筋のけいれん・肝血虚・浅眠・多夢・不眠・月経後期・髪枯燥・爪の剥離・舌質淡。心血虚では間歇的な動悸、怔忡、多夢、不眠。

心血虚:心血の不足による「心臓の症状」と「心神の不安」が生じ、面色不華(淡白でつや無し)・舌質淡・脈細・発作性の動悸(心悸)・持続性の動悸(怔忡)の心臓の症状。健忘・多夢・不眠・不安などの精神症状がみられる。

心血虚につかう処方:炙甘草湯・帰脾湯・天王補心丹・甘麦大棗湯・酸棗仁湯・酸棗仁湯合逍遥散・帰脾湯加竜骨牡蠣五味子・帰脾湯合生脈散・柏子仁・生地黄、麦門冬、阿膠、麻子仁、大棗・竜眼肉・紫石英・丹参・朱砂。

血虚の妊婦の流産・子癇:妊婦では胎児が育たず流産しやすい。瘀阻つわりもひどくなると血虚で流産しやすい。流産は血虚であって気虚ではない。血虚の人は子癇や産後にめまいや痙攣、便秘を起こしやすい。

竜歯:古代脊椎動物の歯牙の化石。性質は渋・涼で効能は竜骨とほぼ同じ。鎮静安神作用は竜骨より強い。不眠・煩躁・全身痙攣・筋肉の痙縮には竜歯を用いる。下痢や遺精には竜骨が良い。

熱極生風の四肢抽搐:冷羊鈎藤湯:肝陽化風に清熱熄風:

羚羊角1 釣藤鈎6 桑葉3 菊花4 川貝母4 竹筎4 生地黄6 白芍6 茯神3 炙甘草1:カゼの高熱による痙攣発作に使用。

防已茯苓湯:金匱要略:皮水(痰飲による)で筋肉がピクピク痙攣する時に用いる:防已3 黄耆3 桂枝3 茯苓4 甘草1.5g。

防已黄耆湯:金匱要略:補気健脾・利水消腫・袪風止痛:気虚の浮腫・関節痛:木防巳4 黄耆4 白朮2 生姜3 大棗2g。

肝風内動(脳卒中の症状に似る):頚項部の強直・眼瞼や口唇や舌・手指のふるえ・言葉がつかえる・四肢麻木しびれ・手足の痙攣・意識障害など:治療は平肝熄風・育陰潜陽する:柴胡加竜骨牡蠣湯・釣藤散・羚羊鈎藤湯・天麻鈎藤飲・大定風珠・鎮肝熄風湯。

肝風内動の全身のふるえ:柴胡加竜骨牡蠣湯・釣藤散:怒りっぽく肝火旺となる。「肝は全身の筋を主る」肝火から肝陽化風して内風が生じるとふるえが生じる。頭暈・肢体麻木・脈弦有力。肝風内動から中風となり易い。

皮膚の寒温は、体温の反映だが、全身の観察も必要。

風邪で熱邪が鬱閉されていると、胸腹部に灼熱感があるのに、四肢が冷えていることがあり、亡陽のショックか意識障害・痙攣の前兆であり小児や高齢者は注意。

真珠・珍珠:痙攣発作・熱性痙攣に用いる。

真珠・真珠末・珍珠・真珠層粉・珍珠層粉:ウグイスガイ科ままぐり類やアコヤ貝の病理産物の核の真珠。真珠層粉(貝殻の内側の薄層の真珠質):甘鹹寒:肝心経:安神定驚・清熱解毒・収斂生肌:精神安定・鎮痙。

犀角は清熱解毒作用が羚羊角より強いが、

羚羊角は鎮痙熄風作用が強く、高熱・意識障害・痙攣がひどい時は両者を併用する。

犀角+羚羊角。

犀角0.5~3g:サイ科クロサイ角:苦酸鹹寒:心肝胃経:

清熱定驚・涼血解毒・強心・解熱・鎮静:・止血:ヤスリですった粉末を衝服か、すりつぶした汁を衝服。

犀角は高価なため牛角10~40gで代用する。

鹹寒の羚羊角1.5(先煮)は、涼肝熄風にはたらく。

平肝薬の羚羊角れいようかく:ウシ科「サイガ」羚羊の角:

鹹寒:肝経:清熱解毒・平肝熄風・解熱・鎮静・抗痙攣作用:

羚角鈎藤湯・冷羊鈎藤湯。製品無し。

熱極生風は高熱や感染による痙攣・後弓反張などを生ずるポリオや日本脳炎・肺炎の熱盛期や小児の高熱など生じる:清熱熄風で羚羊角・白僵蚕・玳瑁タイマイ・六神丸・宇津救命丸・冷羊鈎藤湯など解熱・抗痙攣作用薬を用いる。

玳瑁たいまい:ウミガメ科玳瑁の甲羅:甘寒:心肝経:

潜陽熄風・清熱解毒:熱性疾患の意識障害や痙攣発作に涼血清熱解毒:犀角・羚羊角に似ている効果がある。

六神丸:阿仙薬アセンヤク・麝香ジャコウ・蟾酥センソ・牛黄ゴオウ・竜脳・人参・熊胆ユウタン(以上七味):開竅剤。

宇津救命丸:開竅・鎮驚・解熱剤・消化不良・食欲不振・疳の虫:

麝香・牛黄・羚羊角・牛胆・人参・黄連・甘草・丁子チョウジ。

白附子は頭面の風をさり、ひきつれ、痙攣を寛解する:牽正散。

牽正散:寒性の風痰の口眼喎斜に:薬性は温に偏っているので冷えを伴う風邪と痰飲による顔面麻痺に使える:白附子・白僵蚕・全蝎:気虚血瘀や肝風内動(脳卒中)の口角歪斜や半身不遂の証候にはは適応しない。牽正散より半夏白朮天麻湯が顔面神経麻痺に有効なことがある。

五生丸:天南星 川烏頭 白附子各一両 大豆(去皮)二銭五分。

生を細末として水にて丸とす。毎服三丸から五丸。七丸を越えず。生姜湯で服す:癲癇。

牛黄清心丸:高熱・転々反側・意識障害・うわごと・けいれん・舌紅~深紅:

急性熱病あるいは脳血管障害などで、高熱・意識障害に適用。

動悸をもたらす痰飲の症状は、浮腫・むくみ・めまい・動悸・嗜眠・不安感・癲癇・痙攣の抽搐チュウチクなどである。

裏急:筋脈の攣縮のこと。虚労して裏急・・とは手足が痙攣すること。

風邪阻絡の四肢のけいれん:袪風通絡・養血和営:

大秦艽湯加減・防已黄耆湯合四物湯。

大秦艽湯:医学発明:当帰 白芍 川芎 生地黄 白朮 秦艽 石膏 甘草 羗活 独活 防風 黄芩 白芷 熟地黄 茯苓 細辛。

防已黄耆湯:補気健脾・利水消腫・袪風止痛:気虚の浮腫・関節痛

風痰挟瘀の四肢のけいれん・・てんかん:袪瘀・熄風:

鎮肝熄風湯合血府逐瘀湯・導痰湯・二朮湯合血府逐瘀湯。

肝風内動の四肢のけいれん・・・ヒステリー発作:滋陰潜陽・平肝熄風:柴胡加竜骨牡蠣湯・釣藤鈎・鎮肝熄風湯・天麻鈎藤飲。

熱極生風の四肢のけいれん:清熱熄風:羚羊鈎藤湯・防風通聖散合黄連解毒湯。

熱極生風の四肢抽搐:冷羊鈎藤湯:肝陽化風に清熱熄風:

羚羊角1 釣藤鈎6 桑葉3 菊花4 川貝母4 竹筎4 生地黄6 白芍6  茯神3 炙甘草1:カゼの高熱による痙攣発作に使用。

湿熱生風の四肢のけいれん:湿熱生風には、鮮地竜・秦艽・威霊仙・滑石・蒼耳子そうじし・絲瓜絡しからく・酒炒黄連の配合処方。

湿熱生風の四肢抽搐に蒼耳子そうじし:キク科オナモミの成熟果実:甘苦:』温:小毒:肺経:虚風散湿・通鼻竅:副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎。

湿熱生風の四肢抽搐に絲瓜絡:ウリ科ヘチマの網状繊維束:甘平:肺胃肝経:袪痰・袪風通絡・活血消腫・肺熱の咳嗽・風湿による関節痛や筋肉痛。

灼熱感(痛風・リウマチなど)は実熱証である。これは湿邪による重怠さ(重痛)も伴うので、二妙散:蒼朮の燥湿と黄柏の清熱の組合せ(二妙散)で熱を取る。三妙散(蒼朮・黄柏・牛膝)。

「脾腎陽虚」の四肢のけいれん:温陽固本:固真湯の加減・

十全大補湯+附子・当帰芍薬散合真武湯・補中益気湯合真武湯

・参苓白朮散合真武湯・附子人参湯。

肝鬱血虚の四肢のけいれん:ヒステリー発作:養血舒肝:

補肝湯合四逆散・逍遥散合四物湯・半夏厚朴湯合帰脾湯。

血虚の頭痛に補肝湯:医宗金鑑:養血:当帰 白芍 川芎 熟地黄(四物湯)+酸棗仁 木瓜 麦門冬 甘草。

血虚生風の四肢のけいれん「鶏爪風けいそうふう」ともよばれる:養血熄風:四物湯加味・柴胡桂枝湯合当帰芍薬散・十全大補湯。

血虚生風の四肢のけいれん:不正性器出血・血便などによる血の消耗、あるいは脾虚による血の生化の不足などで、血が不足して筋脈が栄養されないために、四肢のけいれんが生ずる。

生脈散合天王補心丹(心腎陰虚・心気陰両虚による舌痛症・不安感)

生脈散合牛黄清心丸または生脈散合六神丸(心気陰両虚と閉証による舌痛症・動悸・胸痛)

生脈散:益気止汗・滋陰生津・益気生津:人参6・五味子3・麦門冬6。

天王補心丹:心腎陰虚(心腎不交):酸棗仁10 生地黄20 柏子仁10 麦門冬10 五味子10 当帰6 遠志5 丹参5 玄参5 桔梗5 粉末を蜜丸朱砂をまぶし、1回2gずつ服用:パニック障害(加味帰脾湯)・動悸・不安。

牛黄清心丸:痘疹世医新法:清熱解毒・安神開竅:高熱・転々反側・意識障害:牛黄30 鬱金30 犀角30 黄芩30 黄連30 山梔子30 牛砂30 竜脳7.5 麝香7.5 真珠15:蜜にて丸剤(1丸3g)

六神丸:阿仙薬アセンヤク・麝香ジャコウ・蟾酥センソ・牛黄ゴオウ・竜脳・人参・熊胆ユウタン(以上七味):開竅剤。

阿仙薬アセンヤク・児茶ジチャ・孩児茶ガイジチャ:アカネ科の樹枝を乾燥し水煎液を濃縮乾燥しガンビール阿仙薬:苦渋平:肺経:

収湿・収斂・斂瘡・消炎・止血作用:正露丸・仁丹・響声破笛丸に配合。