リウマチや痛風の灼熱痛の治法と方剤

痹証の実痹の「熱痺」の治法と方剤

熱痺の治法:「清熱解毒、活血通絡」を主とする。

風湿を兼ねる場合は「疏風、勝湿薬」で補佐する。

湿と熱が互結しているときは、「清熱と利湿」を用いる。

熱痺の方剤:麻杏甘石湯:初期の関節症状と発熱、悪風、咽痛、咳嗽には牛蒡子・豆鼓ズシ・薄荷、射干ヤカン・桔梗・金銀花・連翹・黄芩・金銀花藤・白僵蚕・桑枝・秦艽・赤芍を用い疏風・活絡・清熱し六神丸を加える。

麻杏甘石湯:肺熱を清肺・降逆平喘・止咳:麻黄4 杏仁4 生甘草2 生石膏10(肺気上逆し激しく咳込む・高熱・肺炎・痔核・睾丸炎)。

六神丸ろくしんがん:阿仙薬アセンヤク・麝香ジャコウ・蟾酥センソ・牛黄ゴオウ・竜脳リュウノウ・人参・熊胆ユウタン熊のい(以上七味):開竅剤。

救心:蟾酥5・牛黄2・竜脳2.7・人参25・動物胆8・鹿茸末5・羚羊角末6・真珠7.5・沈香3mg:六神丸より補腎・清熱・安寧作用が強い。

蟾酥センソ:シナヒキガエルの耳下腺・皮脂腺の分泌物(1頭から蟾酥約2mgが得られる):甘辛温:有毒:心胃経:解毒消腫・止痛・辟穢濁:心筋の興奮・心拍数減少・血圧上昇・知覚神経麻痺

阿仙薬アセンヤク・児茶ジチャ・孩児茶ガイジチャ・鉄児茶・珠児茶:マメ科孩児茶の樹枝を乾燥し、水煎液を濃縮乾燥:苦渋平:肺経:

収湿・収斂・斂瘡・消炎・止血作用。

麝香:ジャコウジカの雄の香嚢分泌物:開竅醒神・通経達絡・活血消腫・止痛・催生。

竜脳・冰片・氷片・ボルネオ樟脳、ボルネオール:熱帯アジアの常緑高木の幹や枝を蒸留:辛・苦・微寒:芳香開竅・散熱止痛:中枢神経興奮作用:熱性疾患の意識障害・痙攣発作・脳卒中の牙関緊急や意識障害。

白虎湯:陽明経証:病が表から裏に入り、高熱、口渇(大煩渇)、大汗となり煩悶し、動悸や脈数となったら白虎湯で気熱を強く冷やす。

白虎湯:加減法では、清熱解毒薬の黄柏・黄連・山梔子・虎杖を加える。壮熱がひかず大便が秘結するときは「芒硝と大黄」を加え、

さらに紫雪丹を加えて清熱し解毒・通便を促す。

白虎加人参湯合加味逍遙散(大熱・大汗・大煩渇・多尿+肝鬱)。

白虎加人参湯:清熱瀉火・生津止渇・補気:気分熱盛:「陽明経証」に用いる:生石膏15 知母5 生甘草2 粳米8こうべい 人参3:消渇病の多飲・大汗・多尿で体重減少が少ない人(つまり陰虚ではない人)

熱痺の生薬:関節、肌肉、筋脈の疼痛や拘攣があれば、常に、桑枝・桂枝・秦艽・豨薟草きれんそう・姜黄(広鬱金)・威霊仙・西河柳・金銀花藤・乳香などを加え、「活血通絡・除痹止痛」とする。

犀角湯合白虎湯:もし関節が熱で赤く腫れ、劇痛で、筋脈拘急し、日中は軽く夜重く、壮熱煩渇し、舌紅傷津で脈弦数では、熱毒が化火して深く筋骨に入ったためで犀角湯合白虎湯で清熱解毒する。

犀角湯さいかくとう:千金方:犀角サイカク 羚羊角レイヨウカク 前胡ゼンコ 黄芩 山梔子 大黄 升麻 射干ヤカン 豆鼓トウシ・ズシ。

犀角湯の犀角・羚羊角は高価なので、犀角湯には鱉甲・水牛角で代用し、同時に金銀花藤・地竜・淮牛膝わいごおう・桑寄生・乳香・秦艽・茅根ぼうこん・生地黄・虎杖コジュウなどを加える。

寒薬の前胡ぜんこ;苦辛微寒:セリ科白花前胡の根:苦辛微寒:

下気化痰・疏散風熱:風熱が原因の咳・痰を冷やして止める:咳止め痰切り薬。

射干やかん:アヤメ科ヒオウギの根茎:苦寒:肺肝経:

清熱瀉肺・利咽:消炎・利尿・袪痰:感冒による咳嗽で痰が多い時にもちいる・咽喉の腫脹疼痛:2~3g:射干麻黄湯。

犀角湯合白虎湯で、虚熱が盛んであれば、増液湯、石斛、知母、牡丹皮、地骨皮を合方する。

増液湯ぞうえきとう:温病条辨:増液潤燥:

玄参10 麦門冬8 生地黄8g:熱邪傷津(無水舟停):

便秘・発熱・口渇・腹満・舌紅で乾燥・舌苔黄燥・脈細無力:増水行舟。

玄参:涼血解毒・滋陰清熱。

石斛:ラン科石斛の茎:甘微寒:肺胃腎経:生津益胃・滋陰潤肺:胃陰を滋養する。

地骨皮ぢこっぴ:ナス科クコの根皮:甘淡寒:肺腎経:

清熱涼血・退虚熱:虚熱・労熱に用いる:血熱を冷ますが発散しない。

風寒湿邪が化熱した証には、悪風、口渇、煩悶、関節が灼熱し赤く腫れて痛む熱象がみられた場合も同上の治法をとる。

その場合、風寒湿邪が残っている場合は、

麻黄連翹赤小豆湯加味まおうれんぎょうしゃくしょうずとうを用いる。

麻黄連翹赤小豆湯:傷寒論:湿熱黄疸・表証(浮脉、発熱、悪寒):

麻黄3 連翹3 生姜3 大棗3 桑白皮3 杏仁4 赤小豆10 甘草1。

麻黄連翹赤小豆湯:麻黄で発汗し解表し、連翹で清熱し、赤小豆・桑白皮で袪湿し、杏仁で利気し、炙甘草と大棗で安中する。

麻黄連翹赤小豆湯に、口渇には石膏・滑石を加える

麻黄連翹赤小豆湯に、熱には知母・黄柏を加える

麻黄連翹赤小豆湯に、関節が赤く腫れ痛み灼熱には萆薢ヒカイ・防已・生米仁(薏苡仁)・金銀花藤・虎杖を加える

麻黄連翹赤小豆湯に、悪風があれば防風・羗活を加える。

滑石:含水ケイ酸マグネシウム・石灰・粘土:甘寒:利水滲湿・清熱・小便赤。滑石3~5g,8~10g。

桂枝芍薬知母湯:寒熱挟雑、関節が劇痛し、灼熱・腫大し、寒を畏れ、悪風し、発熱する場合に用い、温と涼を併用する。

桂枝芍薬知母湯に、麻黄と桂枝で風寒を去る

桂枝芍薬知母湯に、附子で温陽、開痹、止痛する

桂枝芍薬知母湯に、白朮・防風で除湿、袪風する

桂枝芍薬知母湯に、芍薬・知母で清熱養陰する

桂枝芍薬知母湯に、甘草・生姜で和胃、調中する。

桂枝芍薬知母湯に、無気力なら黄耆を加える。

桂枝芍薬知母湯に、陰虚内熱なら生地黄を加える。

桂枝芍薬知母湯に、胃納がよくなければ陳皮・神麹を加える

桂枝芍薬知母湯に、発熱があれば生石膏・黄柏を加える

桂枝芍薬知母湯に、血虚して肢節が腫れる時は

萆薢・沢瀉・防已・薏苡仁を加える。

湿熱痺:熱邪と湿熱が互結して関節が赤く腫れて痛むものには、常に宣痹湯を用いて湿熱を清利し経脈を宣通する。

宣痹湯は、防已で清熱、利湿、通絡、止痛する

宣痹湯は、滑石と薏苡仁で、輔として痰湿、利湿する

宣痹湯は、杏仁で宣肺、利気する

宣痹湯は、蚕砂・半夏・赤小豆で除湿、化濁する

宣痹湯は、連翹、山梔子で鬱熱を清泄する。

宣痹湯は、痛みがはげしければ

海桐皮・姜黄・蒼耳子・萆薢・地竜の宣絡、袪風、利湿薬を加え、

さらに三妙散で清熱、燥湿を強めてもよい。

三妙丸(散):蒼朮 黄柏 牛膝:代用処方:黄連解毒湯合平胃散)。

海桐皮かいとうひ・刺桐皮:マメ科海桐(デイコ)の樹皮:苦平:肝・腎経:海桐皮アルカロイド:袪風通絡・清熱化湿:関節リウマチに使用:

海桐皮酒(海桐皮、牛膝、羗活、川芎):

湯剤(海桐皮、続断、杜仲、当帰、五加皮)

湿熱生風の四肢抽搐に蒼耳子そうじし:キク科オナモミの成熟果実:

甘苦:』温:小毒:肺経:虚風散湿・通鼻竅つうびきょう:副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎。

萆薢ひかい:ヤマノイモ科粉萆薢の地下根茎:苦平:肝胃経:袪風湿:頻尿・小児の尿失禁・膏淋・湿熱による痺痛:萆薢分清飲(前立腺炎)。

萆薢分清飲:丹渓心法:前立腺炎:

萆薢3 益智仁2 烏薬3 石菖蒲2 茯苓3 生甘草1g。

益智仁やくちにん:ショウガ科益智の果実:辛温:脾腎経:

補脾温腎・縮尿:脾腎陽虚に用いる。